ステイホーム週間は録り溜めていたTV番組や映画で過ごしました。NHKスペシャル『永平寺 禅の世界』もその一つです。永平寺は道元禅師が1244年に建立し、8世紀近く経つ今も、若き僧侶たちが厳格な修行に励んでいます。昨年夏に永平寺を参拝した際、順路の最後にパネル掲示されていた道元禅師からのメッセージを思い出しました。ライフプランや投資の観点から、印象的だったメッセージ※を紹介します。
無常ならざるもの
生まれたものは死に
会ったものは別れ
持ったものは失い
作ったものはこわれます
時は矢のように去っていきます
すべてが「無常」です
この世において
無常ならざるものはあるのでしょうか
すべてが無常とは、昔からある考え方ですが、コロナ禍の中、改めて胸に染みる言葉ですね。無常とはリスクとも言えますが、ならばリスクを避けるのではなく、リスクに向き合いながら生きていくべきではないでしょうか。
人生に定年はない
人生に定年はありません
老後も余生もないのです
死を迎えるその一瞬までは
人生の現役です
人生の現役とは自らの人生を
悔いなく生き切る人のことです
そこには
「老い」や「死」への恐れはなく
「尊く美しい老い」と「安らかな死」があるばかりです
道元の時代に定年なんてなかったような気もしますが(笑)、生涯現役という人生観で大切になるのは、「いま、できる、こと」でしょう。その積み重ねが、悔いなく生き切ることに繋がるのだと思います。
最初の一歩
何事においても、
最初の一歩を間違えると
とんでもない方向へ行ってしまいます
仏道の修行は
自分が救われるためではなく
世のため人のためにつくすことです
この誓願から
最初の一歩を踏み出しましょう
投資においても、最初の一歩が大切。投資の三大原則、「長期・積立・分散」から最初の一歩を踏み出しましょう。
修せざれば現われず
「知る」ということと
「わかる」こととはちがうのです
知ってはいても実行されなければ
わかったことにはなりません
薬の効能書を読んだだけでは
病気は治りません
禅も実行して
はじめてわかることなのです
投資を「知る」ということと「わかる」こととはちがうのです。投資も実行してはじめてわかることなのです。
仏心のめざめ
仏心とは
自分のことはさておいても
世のため人のために
つくそうという心の他になりません
自分を中心とするから苦しむのです
仏心にめざめれば
苦労も生き甲斐に変わるのです
私が一番印象的だったメッセージがこれ。永平寺の土産コーナーでメッセージ集を買ってしまった程です。「仏心」を「投資」に置き換えて読んで下さい。こんな境地になりたいものですね。
大和証券
2020/5/15作成
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