「日本ではお金のことを学校で教わることなく大人になる」とよく言われます。だからこそ、このようなコラムを社会人の方々向けに書かせていただいている訳ですが、先日、「もしかしたら、今の小学生が社会人になる頃には、金融リテラシーを生活スキルとして身につけている新入社員が多くなるかも知れないなぁ~」という体験をしましたのでご紹介します。
最近ではTVCMでも見かけますが、近年、色々な団体や企業が学校向け金融教育に取り組んでいますよね。先日、私が参加したのは、日本証券業協会の「チャレンジ!お菓子の株式会社」※1という体験型学習プログラムです。これは主に小学校高学年を対象とした土曜・出前授業で、株式会社や株式のしくみを小学生が身近に感じるお菓子を素材にして楽しく学ぶ、をコンセプトにしています。
私が受け持ったのは近所にある小学校の土曜参観授業でしたので、「知り合いに会えるかも!」と少しワクワクしながら登校しました。授業は朝8時45分から約90分で、日証協の担当者が先生役、ボランティア初参加の私は教室をウロウロしながら子どもたちのグループワークのサポート役を務めました。実際の授業では、児童3~4人のグループを1つの会社として社長と会社名を決め、お菓子の企画(=商品名、原材料、味、内容量など)と開発(=お菓子のパッケージデザインを工作)を行います。体験学習のメインイベントは各グループのPRタイムで、工作したお菓子のパッケージを使って自社製品をアピールし商品開発のための出資を募ります。PR終了後は全員が入り乱れて、応援したいと思うグループに投資(=模擬紙幣のお金を渡す)し、応援してもらったグループは株券を渡す、という流れです。このグループワークを通じて、株式とは社会を豊かにしている株式会社を支える大切なしくみであることを体験的に学んでもらう、という訳です。
日証協では5年前からこうした取り組みを始め、毎年右肩上がりで講師派遣先が増えており、平成29年度には全国で約300クラス、9,000名※2を超える生徒が体験学習に参加しました。証券各社からのボランティアも加わり、今後も全国のたくさんの学校で体験学習の輪が広がっていくことでしょう。将来、親よりも子どものほうが株式の本質を理解しているってことになるかも知れませんね。10年後が楽しみです。
大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2019/3/29作成
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