副業や資産運用をする人が急増!子どもや将来のために今できること
働き方改革により副業や兼業を解禁する企業が増えてきました。2022年7月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が再度改定され、社会的にも副業をしやすくなってきています。実際に皆さんの周りでも副業をしている人が増えているのではないでしょうか。とはいえ、何も考えず副業を始めてしまうと、時間的にも体力的にもきつくなり、本業に支障がでるかもしれません。そこで今回は、金融教育、資産形成、運用や保険等総合コンサルティングを行なうクラウドコンサルティング株式会社代表の川口幸子さんに、副業選びのポイントやお金についての考え方を伺いました。
目次
どうして「副業」への関心が高まっているの?
近年、金銭的理由はもとより、新型コロナウイルスの流行、働き方改革など、さまざまな社会的背景により副業に対する考え方が変わってきています。実際に、厚生労働省の発表(※1)によると、副業をしたいと考えている人は1992年から年々増加。また、雑誌などのメディアでも副業特集が組まれるようになるなど、注目度の高さがうかがえます。お金に関する相談を多く受ける川口さんもこのように話します。
「最近は副業を検討している人からの相談が増えています。また、すでに始めている方も多いですね。特に、20~30代の方が多い印象です。収入を増やしたいと考える要因としては、将来の金銭的な不安もあると思います。
さらに、企業側でも、社員が副業を行ない、そこで知識や経験を得ることで本業に役立つスキルが向上したり、多様な働き方を認めることで優秀な人材の獲得や流出防止につながるという考え方が広がっているようです。このような、企業側の考え方の変化も副業を行なう人が増えている要因ではないでしょうか」
※1 厚生労働省「副業・兼業の現状①」(出典:総務省「就業構造基本調査」)
簡単そうだと侮るなかれ!副業選びのポイントは?
では、実際に副業をしたいと思った時にはどのようなことに注意をすればよいのでしょうか。
「副業を検討する際、本業が終業した後の夜の時間に行なおうと考える方が多いです。しかし、このような働き方をしてしまうと、肉体的な疲れが取れなかったり、睡眠時間が削られてしまったりして、翌日の本業に影響が出てしまう可能性があります。疲れがたまって体調不良の原因にもなりかねません。全ての仕事には責任が伴うことを心にとめ、副業を始める際は時間管理についてもよく検討しましょう。
また、マスメディアやネットで副業の成功例みたいなものを多く見かけますが、自分がそれを行なったからといって成功した人と同じように稼げるとは限りません。ですから、お金のためだけに副業をするのではなく、自分の得意なことやスキルを活かすことを考えてみてはいかがでしょうか。次のステップに向けての人脈づくりになるなど、将来のキャリアにつながる副業を選ぶこともおすすめです」
これまでやってみたかったけれどもできなかった仕事にチャレンジする、将来の夢に近づける副業にトライしてみるといった、自分の活躍の幅を広げるという視点で副業を選ぶと良さそうです。
副業で得られるのは、収入だけではないことが分かりました。では、どのような副業の事例があるのでしょうか。
「例えば、本業でマーケットリサーチの業務を行なっているある方は、休日を使って覆面調査員の副業を始めました。この仕事をすることで、世の中の動向を見たり、ユーザーの視点をもてたりする学びがあったそうです。その他にも、スポーツジムにお勤めの方がダイエットの相談に乗るというように、SNSを利用して個人事業主として副業をする方もいます」
最近はオンラインで副業の仕事が探せるマッチングサービスも多くあります。時間や場所など自分の希望にあった条件の副業先を探せるので便利です。これまでやったことがないけれど興味のある仕事や、いつかやってみたいと考えていた仕事がある場合は、それらのサービスを使って、挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
【副業選びのまとめ】
- 本業に悪影響が出てしまう副業は避けましょう。
- スキルアップにつながる、または自分のスキルを生かせる副業を選びましょう。
- 将来的にやりたいことにつながるかも考慮してみましょう。
まずは自分のライフプランとお金について考えよう
副業選びはただ収入を増やすためだけでなく、長い将来を見据えて考える必要があると分かりました。この“長期的な視点で見て自分に役立つか”という考え方は、資産形成をする上でも大切にしたいところです。
川口さんは資産運用のプロ。どのような視点で資産形成を行なうと良いのか聞いてみました。
「資産運用を行なう上では、得た資産を何に使うのかという視点がまず大切です。10年後の子どもの教育資金のためなのか、それとも老後などさらに遠い将来のためなのかなど、目的をもって、それに適した方法で行なっていきましょう」
近い将来に使う予定があるならそれは現金で手元に置いておく、老後資金であれば株式や投資信託などで運用するといった具合に、目的に応じて“お金を分ける”と良いそうです。
「また、投資を始めるには元本が必要ですが、今の生活からいくらねん出できるのかも考える必要があります。収入のうちから何割、またはいくらと決めて先取りで投資に回すお金を分けていきましょう」
副業を選ぶのと同様、資産運用も“何を得るために行なうのか”という目的をもってスタートすることが大切だということが分かりました。では、将来のために始める投資としてはどのようなものがあるのでしょうか。投資を行なう際の注意点とともに伺いました。
「いまは、非課税制度やポイント投資など、資産形成の裾野が広がっています。私が考える資産形成のコツは長期投資、つまり長い時間軸でお金を働かせることだと思っています。投資するうちに、自然と金融と経済の知識が身につくような方法でコツコツ取組んでいただきたいですね。
投資にはさまざまな商品があり、レバレッジ効果を使い少ない金額で大きなリターンを狙うものや、価格の変動リスクが相対的に高いものなどもあります。「みんなが買っているから」と知識をつけずに手を出すと、大きな痛手を負ってしまうことも……。現代では非常に多くの投資方法や金融商品がありますが、自分が定めた目的に合った商品を選ぶには、やはりある程度の金融知識が必要です。
2022年4月からは高校の家庭科の授業内で金融教育が始まりました。投資信託などの金融商品についてもカリキュラムに含まれており、分かりやすいテキストも多く出ています。こういった教材を使って学んでいくのも良いのではないでしょうか」
人生が豊かになるような選択を!
最後に、日々育児や仕事に奮闘するSODATTE読者の皆さんにメッセージをいただきました。
「これまで欧米と日本を行き来してきましたが、その中で感じたことがあります。それはお金にコントロールされるのではなく、自らがお金をコントロールしていくことが大切だということ。欧米の暮らしの中では資産形成のゴールとして、親孝行をしたり、長い休暇をとってキャンピングカーで各地を巡ったりと、人生経験が豊かになるお金の使い方をしている人を多く見ました。日本ではまだまだ預貯金の割合が多いですが、貯めるだけでなくどう使うかも同じくらい大事にしたいですね」
働いてしっかり稼ぐことも大切ですが、そのお金をどのように「貯める」「育てる」「使う」かで、家族が笑顔で過ごせるかどうかが決まるのかもしれません。“副業”というトピックを機に、仕事やお金について、長期的な視点で考えてみてはいかがでしょうか。
執筆/中山美里
<専門家プロフィール>
川口幸子(かわぐち ゆきこ)さん
資産形成アドバイス、お金の専門家、国際認定コーチ、マネーセミナー講師、FP歴27年目。現在、経営者、医師、スポーツ選手を含め約4,000名の顧客をサポートしている。経済誌等の取材、執筆多数。大手新聞社や企業でも金融教育を実施。自身も二人の子育てを経験。子育て世代から人気のお金の専門家。2022資産運用EXPOにて講演。USCジェロントロジー学修了。著書には「3歳から始める欧米式お金の英才教育」や「ユダヤ富裕層が13歳までに学ぶお金のルール」がある。
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