マネーレッスン

今後当たり前になるかもしれない仮想空間「メタバース」関連の注目銘柄は?


    • Facebook
    • Twitter
    • Hatena
    • Line

    最近ニュースなどでよく耳にする「メタバース」という単語。2021年10月、フェイスブックが社名を「Meta」に変更するというニュースも発表されました。メタバース関連のニュースが日々発表されている昨今、エンタメやEC業界だけでなく、製薬会社や保険会社なども参入・連携の動きを見せています。今後ますます活発化するであろうメタバース界隈の現状と、関連する注目銘柄について、お話を伺いました。

    ●お聞きした方

    福田正人さん

    海外インターネットサービスをいち早くキャッチ。All About「インターネットサービスガイド」として、ソーシャルメディアやアプリを活用したインターネットサービスについてウェブ記事を執筆。また、海外ニュースの翻訳も行なう。

    藤本誠之さん

    「相場の福の神」と呼ばれるマーケットアナリスト。年間400社を超える上場企業経営者とのミーティングを行ない、個人投資家に真の成長企業を紹介している。ラジオの看板番組に加え、テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多い。All About「株式」ガイドとしても活躍中

    メタバースとは?注目される理由

    「メタバース」という言葉をよく耳にするようになりましたが、VRやARなど、周辺の用語も多く、違いがあいまいな印象を持つ人もいるのでは。

    All aboutインターネットサービスガイドの福田正人さんは、「ひと言で言ってしまえば、メタバースとは現実の世界とは別の、3次元の仮想空間のことです」と説明します。

    「ユーザーは”アバター”という、ゲームの主人公のような、仮想空間での自分の分身的存在となって参加します。他の人とコミュニケーションを取りながら、ゲームやライブイベントへの参加などの娯楽や、サービスの売買といった経済活動が可能です。メタバース上に一つの生活空間を持つことが想定されています。

    2003年頃には、メタバースの先駆けとなる媒体が登場しています。現在は、VR技術の進化と「NFT(非代替性トークン。偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ)」が登場し、多くの企業がメタバースに進出する起爆剤となっています」

    NFT技術によって、複製可能なデジタルデータを代替性のない「資産」として扱うことが可能になりました。メタバース内の土地や建物、アイテムなどのデジタルデータも資産となり、売買がされています。

    ではどのような分野で、より活用が進んでいるのでしょうか。

    メタバースでできること

    メタバースはどのような分野で、より活用が進んでいるのでしょうか。

    「多岐にわたりますが、盛んに活用されているのがゲーム業界です。フォートナイト、マインクラフトやあつまれどうぶつの森などは、聞いたことがある方も多いのでは。

    オンラインゲームの未来像として注目されているのが「GameFi(ゲームファイ)」です。GameFiとは、ゲームとDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)を掛け合わせたオンラインゲームのことです。プレイヤーはゲームの中でアイテム、土地、アバターなどを獲得し、それを他のプレイヤーと交換したり、マーケットで暗号資産に換金したりして収益化するなどの経済活動が可能になります」(福田さん)

    メタバースは教育分野での活用も進んでいて、今までのオンライン学習やビデオ講義とはひと味違う存在のようです。

    「教育分野におけるメタバースのメリットは数多くあります。例えば、現実では危険で行なうことができない化学実験や、人体解剖といったリソースが限られている専門的な学習も、安全かつ繰り返し行なうことができます。また、学校環境になじめない人、通学が困難な人でも、メタバース空間で同級生とコミュニケーションをとりながら学習することが可能になります。生徒同士で休み時間に仮想教室にアバターで集まり、雑談を楽しむこともできます」と福田さん。

    さらに、ネットショッピングでも、メタバースならアバタースタッフが常駐し、リアルタイムで接客できるという特徴があります。

    「アパレル企業のBEAMSが『バーチャルマーケット』にオープンしたバーチャルストアでは、ももいろクローバーZのメンバーがお忍びでバーチャル接客するなど、現実では実現が難しい、メタバースならではのユーザー体験を提供しました。この『バーチャルマーケット』ではソフトバンクやセブンイレブンといった他の有名企業も数多く出店し、バーチャル上のアイテムだけでなく、現実の商品も販売しています」

    メタバースに必要な機器や安全のための法律などは、順次整備中

    メタバース内で、NFT技術によってデジタルデータが資産価値を持つようになると、その価値の保護や商取引ルールなどが必要となるのでは。

    「そうですね、現在のメタバースの課題として法整備が挙げられています。現在の法律では、仮想空間でのビジネスは想定していないからです。そこで、2021年11月にメタバースの商取引のルールや運営に関するガイドラインの整備を行なう『バーチャルシティコンソーシアム』という団体が発足しました。

    しかし、課題は商取引のルールだけにとどまりません。インターネット上での誹謗中傷は大きな問題となっており、メタバースという『よりリアルな空間』では、トラブルが起こった際にユーザーをより深く傷つける可能性があります。ハラスメントを行なうユーザーを締め出す、厳しいペナルティを課すことを念頭にしたプラットフォームの構築が期待されています」(福田さん)

    心の被害というと、メタバースならではの没入感から、依存性も心配になります。

    「今後、生まれたときからメタバースが身近に存在している世代が、現実世界よりも仮想世界に重きを置くといったことは十分に考えられます。大人世代が『現実とバーチャルは分けて考えるべき』と従来の論法を説いても、子どもたちには通じないかもしれません。依存症を防ぐために、どのように現実世界とメタバースとの折り合いをつけていくのか。現時点で結論を出すのは難しいため、議論を続けていくべきと考えます」と福田さんは話してくれました。

    「一方で、仮想空間でのよりリアルな臨場感・没入感を活用することで、人材・安全教育が容易になるのではないか、という考え方もあります。

    例えば医療現場では、ベテラン医師の手術工程をVRで記録、それを新人医師が追体験・学習することが可能です。また、火災などの防災活動や避難シミュレーションといった安全教育にも応用が期待されています。

    設計やデザインの分野でも、建築物を設計する際、顧客にVRで設計案をプレゼンすることで、顧客はより設計案をイメージしやすくなる、などのメリットがあります」

    また、スタートアップ企業のNianticは、没入型デジタル環境の仮想世界ではなく、「Pokemon GO」で体験できるような、現実世界と仮想世界の融合体験でコミュニケーションを楽しむ「現実世界のメタバース」を提案しています。

    「“ヘッドセットから解放されたメタバース”という、現実とうまく調和する存在となれば、メタバースを活用する未来の社会は、より豊かなものになるでしょう」(福田さん)

    メタバース関連の注目銘柄は?

    多くの分野での活用が期待されているメタバース。その可能性に多くの企業が注目し、参入を計画しているようです。「相場の福の神」こと、マーケットアナリストの藤本誠之さんは「メタバースには大きな可能性を感じますが、期待先行のサービスも続出しそうです」と警鐘を鳴らします。

    「現時点では、スマホ・タブレット・PCなどの既存ITデバイスを活用したサービスが先行しそうですが、将来的には、VRグラス、網膜へのレーザー照射による画像、もっと先には、電気的信号による脳内への直接画像投影等、メタバース関連機器は大きく変化する可能性が高そうです。(藤本さん)

    メタバース関連銘柄に投資する際には、どのようなことに注意したらよいでしょうか。

    「単純に言えば、一つの銘柄や一つの業界に集中的に投資しないことが重要だと思います。余裕資金のうち、少額ずつ、複数の銘柄に中・長期投資するスタイルは良さそうです。

    また、メタバースのような新規事業分野は、当然新規参入者の数は多く、どこかで爆発的な成長企業が生まれるものと思われます。逆に言えば、ひっそり退場する企業も想定されます。投資に回せる資産が少ない方、初心者の方は特に、そういったリスクがあることを認識しておくことが必要だと思います」と藤本さんは話してくれました。

    上記のお話を踏まえ、メタバース関連として藤本さんが注目する銘柄について伺いました。

    【メタバース関連銘柄6選】

    企業名 事業概要(※) 銘柄の注目理由 株主優待 株価(※)
    バンダイナムコホールディングス(7832) バンダイナムコホールディングス(7832)
    東証プライム
    エンターテインメント事業を主な事業として展開し、5つの事業セグメント(トイホビー事業、ネットワークエンターテインメント事業、リアルエンターテインメント事業、映像音楽プロデュース事業、知的財産(IP)クリエイション事業)を提供。 ゲーム関連でもあり、機動戦士ガンダム等の有力自社IP(知的財産)を数多く持つことが大きな魅力。メタバース内で売買可能なデジタルデータ、コンテンツが豊富で強みとなるでしょう。 100株以上で株主優待ポイントを2,000ポイント贈呈(1ポイント=1円相当)。500ポイント単位で多彩な株主優待品と交換可能。詳細はこちら詳細はこちら 11,035円
    任天堂(7974) 任天堂(7974)
    東証プライム
    ホームエンターテインメントの分野で娯楽製品の開発、製造及び販売等。主な製品は、コンピュータを利用した娯楽機器であるゲーム専用機と、トランプ・かるた等に分類される。 日本のゲーム業界の雄。マリオ・ポケモン等の世界的自社IP(知的財産)を数多く持っており、メタバースでも、大活躍の可能性がある。自社ゲーム機だけにとらわれず、メタバースの勝ち組プラットフォームへのIP(知的財産)提供が必要不可欠。 なし 60,140円
    東宝(9602) 東宝(9602)
    東証プライム
    映画事業、演劇事業、不動産事業及びその他の事業を運営。邦画配給の最大手で、著作権、商品化権、商標権その他の知的財産権の取得、使用、利用許諾その他の管理も行なう。 ゴジラなど世界的な有力自社IP(知的財産)を数多く持つことが大きな魅力。メタバース内で売買可能なデジタルデータ、コンテンツが豊富で、着実に収益に結びつけられる可能性が高いと考えられます。 ①映画株主ご招待券②演劇株主ご招待状
    100株以上①1枚、500株以上①3枚、1,000株以上①5枚、2,000株以上①10枚、3,000株以上①15枚、5,000株以上①18枚、10,000株以上①20枚+②S席相当2枚1公演
    5,450円
    QDレーザ(6613) QDレーザ(6613)
    東証グロース
    レーザ技術を用いた製品の開発・製造・販売を行なう。レーザデバイス事業は、ヒ化ガリウム(GaAs)基板をプラットフォームとする通信・産業用の高機能半導体レーザ及びウェハの製造・販売。レーザアイウェア事業は、網膜走査型レーザアイウェアの製造・販売。 VRヘッドセットは眼に負担がかかりやすく、現在は長時間の使用は厳しいとされています。QDレーザの技術は、網膜照射により映像を認識するので、眼の負担を大幅に軽減する可能性があります。ただし、開発費の負担が先行し、営業赤字が続いています。 なし 587円
    モバイルファクトリー(3912) モバイルファクトリー(3912)
    東証プライム
    モバイルサービス事業に従事。ユーザーが他のユーザーと交流するサービスを提供するソーシャルアプリサービス、及び主に個人で着メロや占い等のエンターテインメントを楽しむサイトを運営するコンテンツサービスの二つを運営。 位置情報連動型ゲームに強みを持ち、NFT等の新しい技術開発にも積極的。メタバース空間での位置情報ゲームについては、大きな可能性を秘めています。 なし 1,030円
    アドバンスト・メディア(3773) アドバンスト・メディア(3773)
    東証グロース
    音声認識技術AmiVoice(アミボイス)を中心に、ソリューション事業、プロダクト事業、サービス事業の3つを行なう。音声事業は既存コアビジネスを第一の成長エンジン、新規ビジネスの創生、M&A、海外事業を第二の成長エンジンと定義し、10のプロフィットユニットで構成。 日本語の音声認識で優位性を持つ企業です。メタバース内でのコミュニケーションで、外国語を日本語字幕で表すなど翻訳コンテンツに期待値が高い。医療分野では、音声認識を使った自動入力カルテなどで多くの実績があります。 なし 922円

    (※)株価、利回りなどは全て2022年8月17日の終値で計算しています。
    (※)事業概要は大和証券株式会社HPなどよりSODATTE編集部作成

    今回は「メタバース」界隈の現状と、注目銘柄についてご紹介しました。現実の世界とは別の3次元の仮想空間でありながら、経済活動が可能というメタバース。ゲーム、教育、ショッピングの他にも可能性は広がっていきそうです。一方で、メタバース関連投資は「少額を分散し、中長期で」と藤本さん。将来成長しそうな投資の“芽”を、じっくり育てるスタイルが向いているようです。

    取材・執筆 大倉 愛子

    ※本文中の銘柄は、記事のテーマに基づき藤本誠之さんが選定したものを掲載しています。
     投資に関する決定は、銘柄選定を含め最終的にはご自身の判断でなさいますようにお願いいたします。

    このページの情報は役に立ちましたか?

    <関連記事>

    なぜこんなに熱い?デジタルサービスの新定番!SaaS関連での注目銘柄は?

    増加するサイバー犯罪、一層重要性が増す「サイバーセキュリティ」関連の注目銘柄は?

    宇宙旅行も夢じゃない!? 投資の観点からも注目が高まる宇宙関連の銘柄をチェック

    「有価証券のデジタル化」、セキュリティトークンと新たな資金調達手段STOとは?

    <関連サイト>

    株主優待ランキング 株主優待ランキング

    株主優待検索 株主優待検索

    <関連キーワード>


      RECOMMENDED この記事を読んでいる方へのオススメ

      カテゴリーごとの記事をみる


      TOP