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【高校生のリアルお財布事情】金融教育がスタートしてお金を貯められているのか?調査してみた


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    2022年4月から、高校家庭科の授業で金融教育が開始されました。では、実際の高校生は、お金についてどのように考え、どのように使っているのでしょうか。若いうちから金融リテラシーを高めるヒントを探して、今回、全国の高校生にアンケートを実施し、206人から回答を得ました。その内容と今後のお金の使い方について、ファイナンシャルプランナーとしてのアドバイスも交えながら紹介します。

    実際に調査!高校生はお金を貯められている?

    まずは「高校生はお金を貯められているか」について気になるところです。

    「あなたは現在貯金ができていますか?」と聞いたところ、YESが67.0%、NOが33.0%でした。7割近くの人が「貯金ができている」と答えています。

    コロナ禍でお金の使い道が減ったという人もいるかもしれませんが、3人に2人は貯金ができており、今の高校生は堅実な印象ですね。

    次に、貯金ができていると答えた人に、現在の貯金額を聞きました。

    1位は「1円~5万円未満(32.6%)」、2位は「5万円~10万円未満(17.4%)、3位は「10万円~20万円未満(11.6%)」と「30万円以上(11.6%)」でした。

    3人に1人が5万円未満ですが、20万円以上という人も2割近くいて、高校生にとっては大きな金額を貯金している人もいることが分かります。

    大きな金額の貯金ができている高校生は、小さいときから保護者が、預かったお年玉などを貯めていたケースが想定されます。例えば「お年玉は貯金をするもの」といった、貯金という概念が家庭内で根づいている可能性が挙げられます。

    アルバイト代など自分でお金を貯めている場合は、すべてをお財布に入れておかず、銀行に預けておいたりできるよう、保護者が促せるとよいですね。

    貯金の原資は、「お年玉や月々のお小遣い」が多数

    貯金できている人が意外と多いことが分かりましたが、どのようなお金から貯めているのでしょうか。

    「あなたの貯金の原資は何ですか?」と聞いたところ、1位が「お年玉(64.5%)」、2位が「月々のお小遣い(44.9%)」、3位が「特別なお小遣い(祖父母や親せきなどからのお小遣いなど)(28.3%)」という回答内容でした。

    月々のアルバイト代という人も23.2%と続き、アルバイトをして、そこから貯めているという人も見られます。

    コロナ禍で、高校生のアルバイト先として人気のファーストフードやファミレス、カフェなどの営業時間が短くなったり、感染対策のため外出を控えたりすることで、アルバイト収入が減った人も多いと思いますが、逆に今すぐお金を使う機会も減ったことで、貯金につながった人も多いかもしれません。

    収入から貯金に回す割合として最も多いのは3割以上

    お年玉も月々のお小遣いも、人によってそれぞれではありますが、収入から貯金に回している割合はどれくらいでしょうか。

    1年間の収入のうち、貯金の割合を聞いたところ、1位が「30%以上(32.6%)」、2位が「10%~20%未満(29.7%)」、3位が「20%~30%未満(16.7%)」、4位が「1%~10%未満(15.9%)」と続きます。

    お年玉や月々のお小遣い、アルバイト代などをすべて使い切るのではなく、何かしらの形で貯めているケースが非常に多いようです。今日明日の短期的な視点でほしいものにお金を使い切ってしまうことなく、先々を考えたうえで貯めようとする意識がうかがえます。

    貯金をする目的は、「将来のため」が6割

    では、高校生の貯金の目的はどんなことが多いのでしょうか。

    貯金をする目的の1位は「将来のため(60.1%)」、2位は「買いたいものを買うため(45.7%)」、3位は「遊び・趣味・旅行などのため(40.6%)」、4位は「進学のため(13.0%)」という結果でした。

    『具体的な目的はない』という人も1割いますが、9割近くの人が目的を持って貯めていることは、素晴らしいと思います。目的に沿って貯めていくことで、お金に対して受動的ではなく、能動的に考えられるようになるでしょう。

    お金の使い道は「交際費や洋服、飲食」

    ここまで、貯金について聞いてきましたが、では、実際にお金を使うシーンでは、どんなものに使っているのでしょうか。具体的なお金の使い道について聞いてみました。

    1位は「友達と遊ぶ交際費(48.5%)」、2位は「貯金(40.8%)」、3位は「洋服(36.9%)」と「友達との外食(36.9%)」、5位は「おやつなどの飲食(35.9%)」、6位は「映画やライブなどのチケット(33.5%)」という順でした。

    高校生に必須といえる携帯電話代は11.2%と少なく、保護者の方が支払っているケースが多いようですね。友達と遊ぶ際の費用や洋服、飲食など、いわゆる“変動費”がメインですので、まさに日々、自分がどんなものに使いたいか、それはいくらくらいで、今使うべきお金なのかという具合に、“自分のお金の使い方と向き合う経験”を重ねていると思います。

    「お金について不安に思っていること」とは?

    最後に、高校生がお金について不安に思っていることを聞いたところ、「特にない」という声が半数ほどある一方で、下記のようなコメントが届きました。

    現在のお金の使い方や収入について

    • 「お金をすぐに使ってしまう」
    • 「アルバイトができないので稼げない」
    • 「使いすぎていないか、不安」
    • 「貯めようと思ってもなかなか続けられない」
    • 「電子化でいろいろな支払い方法があって分かりにくい」
    • 「何かを買うときにお金をもっと節約できないかずっと悩んでしまい決断ができない」

    就職や大学など、近い将来について

    • 「今後の一人暮らし、進学&就職が不安」
    • 「付き合う友達によって、交際費が大きく変わるから大学進学での友達作りが不安」
    • 「大学でお金使っちゃいそう」
    • 「将来の大学進学に伴なう一人暮らしで、どんどん貯金が減ってしまいそう」
    • 「大学費用をきちんと払えるかどうか」

    少し先の将来について

    • 「将来、子どものための教育費用が不安」
    • 「将来、自分の力で食べていけるのか不安に思う」
    • 「老後の資金」
    • 「将来就く職業の収入」
    • 「将来年金が少なくなるかもしれないということ。給料は上がらないのに値上げが相次いでいること」
    • 「物価が上がっていること」

    その他

    • 「悪い人にお金を取られないか」
    • 「投資をしてみたいが、やり方が分からない」
    • 「インフレでお金の価値が値減りすること」
    • 「どれだけ貯金しても足りないような気がする」
    • 「日本円のほうが減るというのをどこかで見て、日本の銀行でしか持っていないことを不安に思っている」

    現在のお金の使い方についての悩みは、多少は失敗経験を重ねながら、身をもって学んでいく時期ですので、困っていたら保護者の方がさりげなくアドバイスをできるとよいでしょう。また、近い将来や少し先の将来についての不安については、保護者の方と一緒に勉強して、考えていけたらよいですね。

    また、『投資をしてみたいけれどやり方が分からない』『悪い人にお金を取られないか』という声にも代表されるように、一歩進んだことにチャレンジしたり、逆に自分のお金が他人から狙われるかもしれないと考えたりすることは、今後社会人になっていくうえでも大切な姿勢です。保護者の目が届きやすい高校生のうちに、マルチ商法や投資詐欺などの被害に遭わないよう注意喚起をしてあげてほしいと思います。

    高校生のうちから、お金に対する意識づくりを

    高校生という時期は、保護者からもお小遣いをもらえ、人によってはアルバイトをして自分で収入を得ることが体験できる、まさに子どもと大人の過渡期です。お金に対しての意識が高まる時期でもあるでしょう。

    子どもがお金をどう捉えるかは、保護者のお金に対する考え方に大きく影響を受けます。例えば親が『お金の話をするのはみっともない』と言えば、子どもは家でお金の話をしなくなってしまうでしょう。ご家庭では、気軽に話せるような雰囲気づくりをして、もしお金で失敗しそうなことがあっても、保護者がすぐに気づけるような環境にしておくとよいですね。

    特に、成人年齢が20歳から18歳になったことで、高校生のうちから、保護者の同意なしにクレジットカードの作成やローンの契約などが可能になりました。クレジットカードは便利ですが、『リボ払いならポイントが付いてお得』といったイメージにつられて、いつの間にか大きな金利を払い続けていた、ということには要注意です。

    また今後、進学や就職で一人暮らしをする機会もでてきます。いきなり生活費すべてを管理することは難しいため、高校生のうちから、日々の生活にはどのようなお金がかかっているかを親子でさりげなく話す機会を持つことも大事です。

    高校生に向いている家計管理方法はある?

    多くの高校生がスマホを持っているので、スマホの家計管理アプリを活用するとよいでしょう。

    無料で使えるものがたくさんありますので、保護者の方が試してみておすすめしてあげてもよいですね。レシートを撮影すると、自動的に入力になるタイプのものも増えているので、楽しみながら家計管理ができます。

    とはいえ、忙しい高校生が、細かく家計管理ができないケースもあるかもしれません。

    その場合は、使うべき金額を先に決めるのも一つの手です。「コンビニの支払いは、月1,000円または2,000円のクオカードで」といった具合に、予算を決めてしまうのです。もらったレシートを見れば残額が分かりますので、家計簿をつけなくても管理できるはずです。『予算のなかで使うために工夫する』という経験も身につくでしょう。

    もっと上手に貯めたいなら高校生にはどんな手段がある?

    今後上手にお金を貯めていきたいと思っている高校生におすすめの方法は、まずは、貯蓄の基本として、『先取り貯蓄』を始めることです。月々のお小遣いから毎月少しでも貯めるというのが難しければ、お年玉やアルバイト代など、何か大きなお金を手にしたときに『まずは一部を先に貯めよう』と促してあげましょう。

    アルバイト代が定期的に入るという場合は、月1,000円でも自動積立定期預金に申込んでおくと、毎月自動で積立てされるため、「先取り貯蓄」のよさを体験しやすいと思います。

    また、関心があるようであれば、保護者の同意のもと、少額で投資にトライする方法もあります。働いて収入を得る以外にも、実際にお金を運用することによって、お金の知識の幅が広がるだけでなく経済や社会のしくみを知ることもできます。また、未成年口座(※)で投資信託を少額で積立てていくなど、資産形成のための投資は、短期的に判断するのではなく、じっくり時間をかけて増やしていくものだと親子で体感できる機会になるとよいですね。

    (※)2022年4月1日より満18歳以上は成年口座での取引が可能となりました。
    ※調査概要
    インターネットリサーチにて2022年4月12日~4月14日に実施。有効サンプル数206。回答者の年齢は15~17歳、男女比は女性が50.7%、男性が49.3%。
    ※本文中のグラフは小数第一位を四捨五入した上で作成

    文/西山美紀

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