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投資の先輩#06 金融資産4,888万円、48歳の主婦。「子どもたちにはこう言っています、『時は金なり』より『金は時なり』」


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    積極的に投資を行なっている人の、投資内容や家計状況はどのようなものなのか。投資の成功談、失敗談を交えながら、普段なかなか聞けないリアルな話を、先輩に聞く連載企画「投資の先輩」。第6回は、48歳のパートで働く主婦のごまさんの登場です。3人の子育てをしながら、個別株一筋で運用を始めて14年。今は成長したお子さんたちに、資産運用の必要性を説くほど。そんなごまさんが思う株式投資の魅力と、実践している投資方法を見ていきましょう。

    投資の先輩プロフィール ごまさん(仮名)

    性別:女性
    年齢:48歳
    職業:パート・アルバイト
    家族構成:夫(会社員・48歳)、長男(大学3年・20歳)、次男(大学1年・18歳)、長女(高校1年・15歳)
    投資歴:14年

    家計収支の内訳(月単位)

    上記収入に加え、ボーナスが年間177万円。ボーナスからの貯蓄は年によって変動はあるとのことで、それにより投資額も月によって流動的な面があるそう。

    資産の内訳

    ご主人の収入が高め、資産づくりのベースは貯蓄が中心です。投資については、定期的に積立てているのはiDeCo(毎月2万3,000円の拠出)のみ。あとは不定期で株式投資を行なっています。

    ただし、今年になって次男が都内の大学に進学。そちらの支出がドッと増えて、しばし投資はお休みの可能性もあるとのこと。そのあたりもまた、お子さん3人を抱える世帯ゆえの投資スタンスと言えるでしょう。

    それも含めて、今回の先輩はどのような投資スタイルなのか、いろいろと伺いました。

    働きに出られないなら、投資で小遣い稼ぎを

    今回ご登場いただく「ごまさん」は、投資歴14年。年数だけを見れば、投資の先輩としては特に長いというキャリアではないですが、注目すべきは投資を始めた時期の家族構成です。

    当時、お子さんは長男6歳、次男4歳、そして長女1歳。一般的には、家事、育児に大変な時期で、なおかつ教育費の準備や住宅資金づくり(もしくは住宅ローンの返済)など、来たるべきライフイベントを考えれば、できれば投資リスクは取りたくないと思うはず。しかし、ごまさんの場合、そのような状況こそが、投資を始めるきっかけとなります。

    「夫は転勤族でしたから、幼い子どもたちを置いて働きに出ることが難しい状況でした。ならば、自宅で小遣い稼ぎをしてみようと。ちょうどネット証券が出始めの頃で、取引手数料が大幅に下がったことも、投資の後押しとなりました。そして、投資そのものが忙しい日々の生活の息抜きや、楽しみになればと思っていました」

    ごまさんが投資する商品は、14年前にスタートしたときからずっと個別株オンリーです(iDeCoは夫名義)。「父親が株式投資をしていたので、子どもの頃から株には抵抗がなかった」のだとか。

    投資を始めた頃はリーマンショックにより相場が下落していた時期でしたが、その後はアベノミクスなどもあり、徐々に市場が活気づいていきました。そのような中、ごまさんはどのように投資をしてきたのか、具体的に見ていきましょう。

    高配当銘柄を繰り返し売買

    投資のルールとして、ごまさんは「大きく減っても困らない金額で、なおかつ現物取引しか行なわない(信用取引や先物取引に手を出さない)」と決めています。

    そして、保有する株式は、ほとんどが高配当銘柄。昨年保有していた銘柄を見ると、ソフトバンク、三井住友FG、伊藤忠商事、武田薬品工業、住友化学、等々。配当利回りが年3~5%台の銘柄が並びます。しかし、こういった銘柄を長期保有する場合もあるものの、メインは売却益を狙う短期トレード。そう聞くと、絶えず株価をウォッチするデイトレーダーをイメージしますが、それとも大きく異なります。

    「年中投資ばかりしていると気が滅入ってしまうので、私は3月、9月の配当が集中する月の3カ月くらい前から物色し、売買するのは配当の権利付最終日から権利確定日(※1)あたりまで。平日は仕事(パート)をしていますので、実際に売買の注文を出すのはお昼休憩のときだけ。キチッと細かく売値、買値を決めてしまうとタイミングを逃すこともあるので、指値はせず、成行注文が私にはベストかなと思っています」

    売買については、権利落ち日以降、配当の権利を得た上で売却するか、値上がりしていれば権利確定日を待たずに売却することも。逆に配当落ち日で大きく値を下げた銘柄を購入することもあると言います。

    「新規で購入する銘柄はあまりなく、買い慣れた銘柄を繰り返し売買するというパターンが多いです。配当落ち日にマイナスだったら、そのまま保有することもあり、ときには塩漬けとなる銘柄もありますが、高配当銘柄であれば、配当で株価のマイナス分をある程度カバーすることもできます」

    (※1)権利確定日についてはこちら

    もっと上がるだろうと欲を出したら……

    現在、ごまさんが保有する投資商品は、評価額で1,946万円。このうち元本は1,615万円なので、331万円の含み益があります。さらに、配当も年間でコンスタントに60万円前後を得ているのですから、資産運用は順調そのものです。

    しかし、連戦連勝というわけではありません。売買が多く、記録も細かくはつけていないが、トータルではそんなに利益が出ていないかもしれないと言います。

    中でも、忘れられない損失は、3月末の配当を狙って購入した東京電力。買った翌日に、東日本大震災が起こりました。テレビに映る、原発からの白い煙を、正座をしたまま呆然と見ていたそうです。東京電力の株は、売りに押されて値がつかない状態となりました。

    「売却できず、その夜は眠れませんでした。たぶん、100万円以上の損失だったと思います」

    また、最近では、下の息子さんが東京の大学に入学が決まり、その下宿代に充てようと購入した株が100万円もの含み益に。しかし、そこで欲が出て、もう少し上がるだろうと持ち続けたら、1カ月もたたないうちに含み益は20万円に大幅ダウン。

    「それで慌てて売却したら、その翌日からむくむくと値が上がっていきました。悔しいやら、情けないやら。私の14年の投資経験は、こんなことの繰り返しです」

    投資を休むことはあっても、止めることはありません

    楽しい思いも、ときに悔しい思いも経験してきたごまさん。その上で、株式投資をして良かったと思える部分はどこなのでしょうか。

    「心に余裕ができたことです。私はパートですので、収入は高くはありませんが、お金が私の代わりに働いてくれると思うと、パートも気分よく働くことができます」

    今後の資産運用については、老後資金づくりがひとつの目標になりますが、「次男の大学進学による上京で、家計状況は悪化」とのこと。何でも、一人暮らしの費用が発生することは想定外だったようで、現在、ごまさんのパート収入はほとんどそれに消えてしまうのだとか。まだ高校1年の娘さんも控えていて、教育資金については頭が痛いそうです。

    それでも投資は、休むことはあっても、止めることはないと言います。実は、すでにお子さんたちに若いうちからの資産形成をしてほしいという思いから、「時は金なり」よりも「金は時なり」だとよく言っているそうです。

    「今の子どもたちの世代は、公的年金も少なく、自分で資産形成をしなければなりません。なので、私自身の投資の失敗談や成功談も含め、資産運用の必要性を話しています。ただ、3人ともまったく関心がないようですが(笑)」

    最後に、ごまさんが投資を始めた頃の世代の人に向けて、投資を始めるにあたってのアドバイスを伺いました。

    「20代、30代の方であれば、老後を迎えるまでに十分な時間があります。また、共働きが当たり前の時代になっていますから、世帯収入も高いはず。投資をするには絶好の環境ではないでしょうか。私自身、もっと早く投資をしていれば良かった、もっと外国株など、いろいろな分野を勉強しておけば良かったと、今になって思うところ、満載です。もちろん、景気はいいときも悪いときもありますが、長く続けることができる点が若い方の最大の強みです。ぜひトライしてみてください」

    編集後記

    ●株式投資とのちょうどいい距離感

    今回の先輩、ごまさんの投資の特徴は、配当時期に合わせての短期トレードです。年に2回、3カ月前から物色していくとのことですから、実質の投資期間は、長くて1年の半分ほど。しかも、思うように上がらなかった銘柄は、保有を続けることで配当を得ていく。短期の売買を中心としながらも、中長期的に投資を続けていける要素も取入れています。「投資はずっとしていると疲れたり、ときに滅入ったりするので、休憩も必要」とご本人も言うとおり、投資をしても疲れない=継続できる、ちょうどいい距離感、スタイルが自然とできている点に、投資とのいい関係を感じます。

    ●親から子へ、金融リテラシーを高めあう

    もうひとつ、印象的だったのは、お子さんたちに資産運用の重要性を説くということ。一番上のご長男でもまだ大学3年ですから、確かに老後に備えるためにと言われても実感は湧かないでしょうが、伝えることは大切なこと。金融リテラシーの向上は日本の課題とも言われています。実体験をもとにリアルな投資の話ができるのは、ある意味、親子ならでは。こういう世帯が増えていくことを期待したいと思ってしまいます。

    取材・執筆/清水京武

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