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投資の先輩#04 金融資産2,500万円の30歳会社員。「ロボアドと積立投資で投資も貯蓄の一部、そんな感覚です」


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    積極的に投資を行なっている人の、投資内容や家計状況はどのようなものなのか。投資の成功談、失敗談を交えながら、普段なかなか聞けないリアルな話を、先輩に聞く連載企画。第4回は、結婚1年目の会社員女性なーさん。貯蓄では増えないという思いから投資を始め、現在はロボアドバイザーやつみたてNISA、個別株など幅広く投資を行なっています。その中で得た、彼女ならではの資産形成のポイントを探ってみましょう。

    投資の先輩プロフィール なーさん(仮名)

    性別:女性
    年齢:30歳
    職業:会社員
    家族構成:夫(31歳、会社員)
    投資歴:3年以上5年未満

    家計の収支内訳(月単位)

    資産の内訳

    データからも見てとれるように、世帯収入に余裕があり、貯蓄ペースも高く、さらに投資も積極的に行なっていることが分かります。また、ボーナスも夫婦合計で225万円(年間手取り)とまとまった額となり、結婚1年目は何かと物入りで貯蓄に回せたのは80万円程度でしたが、2年目以降は貯蓄額、投資額ともにさらに増えると見込まれます。

    さて、そんななーさんの資産運用について、さまざまな角度から見ていきましょう。

    「ロボアドバイザー」って何?

    今回の投資の先輩、なーさんは社会人数年目のときにまとまった資金を「少しでも金利の高い」貯蓄商品として、仕組預金に預けました。仕組預金は、一般にはあまり馴染みのない商品かもしれません。ひとことでいえば、特約付きの定期預金となります。銀行に有利な特約(※)が付加されているかわりに、一般の貯蓄商品より高い金利が期待できる商品です。

    (※)銀行が満期日を選択できる権利を持つ、為替相場によって払い戻しの際の通貨を決定できる(外貨建ての場合)、など

    外貨建てなど、一部元本割れのリスクもある仕組預金ですが、なーさんが利用したのは、元本保証の商品。安全に預金を増やしたいという希望に合致した方法でしたが、その後も預金金利の下落傾向は続くことになります。

    そんなとき、金融機関からのメールマガジンで「ロボアドバイザー(通称ロボアド)」という言葉に目が留まりました。ロボアドバイザーとは、投資に関するアドバイスやポートフォリオの提案、リバランスなどをAIが自動的に行なう資産運用サービスのこと。このメールマガジンをきっかけに、なーさんは投資を始めることになります。

    「ロボアドについて調べるうちに、投資も積立ならリスクを抑えられ、定期預金より増える可能性があることを知り、だったら試しに始めてみようと思いました」

    「もちろん、初心者でしたから、投資は危なそう、失敗するかも……という不安があったのも事実です。それでも、例えばロボアドだと、自分のリスク許容度に合わせて投資内容を選べることが、安心材料になりました。また、積立投資なら10年間、何%で運用できた場合に資産がどのくらい増えるといったシミュレーションをすることで、リスクはあるけど期待もできると納得できました」

    放置していてもお金が増えるかも!?

    ロボアドバイザーの存在を知ったことが、投資を行なうきっかけとなったなーさんですが、具体的にどう始め、現在はどのような投資内容なのでしょうか。

    まずはそのロボアドバイザーですが、最初に設定したリスク許容度は、様子見ということもあり、5段階中「3」。その後「徐々に投資への感触を得て」、株式投資の比率を上げることで、リスク許容度もやや積極的な「4」に上げています。

    投資額は当初、口座に20万円を入金し、その後は毎月4万円、ボーナス時に余裕資金があればそれも入金。現在は、先進国株式の投資信託をメインに、世界の株式・債券のバランス型投資信託も積立で購入しています。

    加えて、つみたてNISAもほぼ同時期に始めました。現在は、上限の年間40万円(月額3万3,333円)を、米国株のインデックスファンドとバランスファンドの積立に充てています。

    「私にとってのロボアドやつみたてNISAのメリットは、放置していてもお金が増える可能性があるということ。口座を開設し、投資商品と金額を決めれば、あとは自動的に購入してくれるので、仕事が忙しい自分にはぴったりだと感じています」

    さらに、コロナ禍で株式市場が大きく下落した2020年には、個別株の投資も開始。投資信託は、インデックス型やバランス型など、より分散投資を意識した選択でしたが、株式は一転して、「使える優待」が大きな銘柄選択のポイントになっています。

    「趣味が旅行ということもあり、保有7銘柄中、4銘柄が交通関連です。株主優待が交通費の割引につながるので、今後も保有し続け、旅行費用の節約に活用したいと思っています」

    慌てて損切りしたのもいい勉強代

    ここで、なーさんの運用成績を見てみましょう。現時点で保有する商品の投資元本は984万円。これに対して評価額は1,124万円ですから、元本に対して14%増、含み益は140万円に達しています。

    「株式に関しては、コロナ禍で大きく値を下げたときに購入したことが、プラスの要因だと思います」

    株式投資で大きなチャンスを見事に活かしたわけですが、実は失敗もしているのだとか。

    「保有していた交通関連の銘柄の株価が急落したときがあり、一時の状況に混乱して、その株を損切りしました。ところが、その反動で数日後に株価が急騰。慌てて売らなければよかったわけですが、でもそれが経験となり、その後似たような状況があっても、少し様子を見る余裕が持てるようになりました。あれは、いい勉強代だったと思っています」

    成功も失敗も身になっている。それでもまだ、投資や経済について知識不足を痛感するというなーさん、今後も勉強を続けつつ、世の中の流れを予測し、伸びる企業の株式を購入できればと考えています。

    「業界としては食品関連をチェックしています。選択の基準は優待の内容と企業の安定性でしょうか。保有すれば、配当も楽しみです。ただし、基本は投資商品すべて長期保有のスタンスですが、景気の先行きは少子高齢化もあり不透明ですから、日本株については動向を注視したいと思っています」

    貯蓄の中に投資が含まれている、そんな感覚

    なーさんは結婚してまだ1年足らず。すなわち、投資は独身時代から始めたわけですが、当然、その頃とは資金の必要性も変わります。その中で、貯蓄と投資のバランスはどう考えているのでしょうか。

    「子どもが生まれれば、一時的に減収となります。その場合、貯蓄を一定額しっかり行なった上で、余剰資金を投資に充てるつもりです。今後、住宅やクルマを購入する機会があればまとまった資金が必要になりますが、その必要額は事前に想定し、普通預金か定期預金から捻出できればと考えています」

    貯蓄ペースはできるだけ崩さず、投資は余裕を持って継続するというスタンスだということ。しかし、意識の中では投資と貯蓄を明確に分けていないとも言います。

    「個人的には貯蓄の中に投資も含まれている、と思っています。もちろん、投資には元本割れのリスクがありますが、継続的に積立する効果を、今のところ実感しているからです」

    最後に今回の投資の先輩に、投資に関心はあるけれどまだ踏み出せないでいる人へメッセージを伺いました。

    「私は先取り貯蓄の感覚で毎月積立投資をしています。預金金利が低水準な中、少しでもお金を増やす方法を探して、たどり着いたのが積立投資でした。数年続け、評価額の上昇幅は現在のところ貯蓄の利息を上回っています。普通預金にお金を眠らせているなら、積立投資を検討されることをお勧めしたいですね」

    編集後記

    ●先輩を予感させる、数々のエピソード

    なーさんには、いずれ投資の先輩となることを予感させる、いくつものエピソードがあります。少しでも有利な金利を求めて商品性が複雑な仕組預金を利用したり、投資の入り口としてロボアドバイザーに興味を抱いたり。さらには、値が下がっているとはいえ、コロナ禍で先行きが読めない時期に株式を購入することは、多くの個人投資家がなかなか実践できなかったことです。

    このアクティブさは、投資への関心、資産形成に対する意識が高くなければ、なかなか生まれません。その上で、分からないこと、無理なことはしない。そのバランスの良さは特筆すべきでしょう。

    ●たどり着いた「積立投資」という形

    なーさんの最も印象的なコメントが「貯蓄に投資は含まれる」というもの。投資となると何かと構えがちですが、積立定期預金と変わらない「気楽な」感覚で行なっています。

    その意識の元となっているのは、積立投資が自分にとって最も望ましい資産形成の方法だということ。いろいろ考え、試した結果、その結論に達したことが、今回の先輩の最大のストロング・ポイントだと感じました。

    取材・執筆/清水京武

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