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宇宙旅行も夢じゃない!? 投資の観点からも注目が高まる宇宙関連の銘柄をチェック


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    お月見など空を見上げることが増える季節。2021年7月には海外で宇宙旅行が行なわれ、12月には実業家の前澤友作氏らが月旅行に行く計画があるなど、宇宙に関する注目は高まっています。私たちにより身近になってきた「宇宙」。そんな宇宙のワクワクするお話を宇宙の専門家から、そしてお金のプロからは宇宙関連の注目銘柄について伺いました。

    お聞きした方

    田中 康平さん

    青山学院大学非常勤講師。博士(工学)
    さくらインターネットにて、衛星データプラットフォーム「Tellus」の事例創出をはじめとしたビジネス開発や、オウンドメディア「宙畑(そらばたけ)」の企画・編集を行なうほか、複業として株式会社sorano meで宇宙ビジネスに関連したコンサルティングを行なう。専門は超小型衛星や電源システムの研究開発など。

    西村 剛さん

    フェアトレード株式会社代表取締役。国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。年間200社ほどの企業調査、株式の運用を行なう。株初心者のための株の学校「フェアトレード株式スクール」を設立。「Yahoo!ファイナンス」「みんなの株式」「All About」などで記事を執筆中。

    月を見ていると高まる宇宙への期待!

    月や星がキレイに見える季節。在宅時間が増えていることや、最近のアウトドアブームもあって、親子で天体観測をしたご家庭もあるのでは。1961年にユーリィ・ガガーリンが人類初の宇宙飛行を行なってから60年。2021年7月には、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏らが初の宇宙旅行を行ない、年内には宇宙空間での映画撮影も予定されているなど、宇宙への注目はどんどん高まっています。

    さくらインターネットにて、衛星データプラットフォームや人工衛星から取得したデータを活かすサービスを扱うほか、株式会社sorano meにて宇宙ビジネスの支援・コンサルティングを請け負っている田中康平さんは、「宇宙事業は、国だけでなく民間企業にも広がっていて、夢のある事業ではなく現実的な事業となってきています。私たちが宇宙船に乗るチャンスが訪れるのもそう遠くないと感じます」と話します。

    「日本でも、ispace(アイスペース)というスタートアップ企業が、2022年にアメリカで打ち上げ予定のランダー(月着陸船)で月面着陸、2023年に月面探査をする計画があります。ほかにも、トヨタによる月面で動く車の開発や、Hondaによるエネルギーシステムに関するJAXAとの共同研究など、大手企業はもちろん国内外問わずさまざまな研究開発がされています。

    2024年ころには、人が再び月に降り立つ計画も進んでいます。火星に人を送り込む計画もあり、その中継地点として月の環境整備が予定されているほか、月のエネルギー資源確保の計画も進んでいます。

    民間企業による民間人の宇宙旅行も、複数社が計画をしています。今、小さなお子さんが大人になるころには、一般の人が当たり前に宇宙に行く時代になるかもしれません」(田中さん)

    また、宇宙に直接行くだけでなく、「宇宙を経由して外国に行く」というプランも進んでいるのだそう。

    「現在は東京からニューヨークに行くのに、飛行機で12時間ほどかかりますが、スペースX社によると一度地球と宇宙の境界線を越えたあたりまで行って地上に戻ってくる方法を使えば、1時間以内で可能になるといわれています。今後10年、20年くらいで、世界の各国への出張は、宇宙を経由して1時間程度で行ける時代になる可能性があります」(田中さん)

    ロケット開発関連・素材開発以外に注目のジャンルは?

    私たちにも、どんどん身近になってくる宇宙という世界。これまで宇宙関連ビジネスといえば、ロケットづくりや素材づくりを思い浮かべる人が多かったと思いますが、それは宇宙事業全体の数%。すでに、衛星サービスや測位サービスなどのさまざまな可能性が広がっていて身近になっているのだそうです。衛星放送や飛行機の機内でのインターネット接続、GPSを利用した地図やゲームなど、利用したことがある人も多いのではないでしょうか。

    「宇宙分野のビジネスを行なっている企業が上場するなど、事業はさらに拡大していくと感じます」と田中さん。ではなぜ、これほどまでに「宇宙」は世の中の注目を集めているのでしょうか。

    「農業や自動車など、既存の技術を宇宙でも活かせるからです。そのため、さまざまな分野において宇宙でのビジネスに参入しやすくなっています。現在、成長が頭打ちだと感じている企業が、新たに宇宙分野に参入することで、市場拡大を期待しているという点もあるでしょう」(田中さん)

    「通信衛星や地球観測衛星を打ち上げることで、一つの国だけでなく、世界にまたがるインフラとして機能させられるためSDGsの視点でも魅力的です。人工衛星によって世界中のデータを取得し、農業や物流などすでにビジネスに活かしている業種も多くあります。

    以前は、宇宙関連ビジネスといえば国が主導でしたが、最近は民間企業が参入しやすくなりました。各企業が持っている技術を応用しながら、今後も宇宙ビジネスは盛り上がりを見せるでしょう」(田中さん)

    広がりを見せる「宇宙関連」の注目銘柄は?

    モルガン・スタンレーが公表した市場予測によると、2040年の宇宙ビジネス全体の市場規模は、2018年の37兆円から、約3倍の100兆円規模になるというデータもあります。日本としても「宇宙産業ビジョン2030」を発表し、2030年代には宇宙に関連する市場を2.5兆円規模と、2017年に比べて倍増する計画です。

    「投資がどんどん集まり、宇宙ビジネスは盛り上がりを見せる」というご意見を田中さんからいただきましたが、「宇宙関連」の株式に投資するという方法もあるのでしょうか。宇宙関連の業界について、フェアトレード株式会社代表取締役の西村剛さんは、「将来的に拡大するマーケットになる可能性は大いにあります」と話します。

    「ただし現在は、まだまだ未知数であることと、多くの会社において業績に与えるインパクトが小さいこともあり、市場での注目度はそれほど高くありません。逆にとらえてみると、今後のマーケットの拡大予想と現状の注目度のギャップを考えれば、数年先をにらんで銘柄を選ぶには今がチャンスなのではないでしょうか」(西村さん)

    そこで西村さんに、宇宙関連の注目銘柄について、教えていただきました。

    「基本的には長期投資を前提で考えて、本業でもしっかり収益を出している企業がよいでしょう。ただし、宇宙関連ビジネスの売上げが、全体の売上げに占める割合に対して小さい場合は要注意です。一時的に宇宙関連として注目を集めても、全体の業績に対してのインパクトは小さいため、注目は一時的なものにとどまってしまう可能性があります。

    そこで、業績に宇宙関連事業のインパクトが将来的に大きくなりそうな企業を、国内外含めさまざまな事業分野から選定しました」(西村さん)

    人工衛星の設計など宇宙関連事業としてイメージしやすいものから、夢のある宇宙創薬や宇宙旅行まで。宇宙関連事業の幅が広がっているのを実感できるラインナップではないでしょうか。

    宇宙関連事業の注目銘柄6選

    企業名 事業概要 注目理由 株価(※)
    セック(3741)
    東証1部
    • リアルタイム技術を得意とするシステム開発会社。
    • モバイル、インターネット、次世代インフラ、宇宙先端システム関連などのアプリケーション開発を行なう。
    「はやぶさ」や「あかつき」などの惑星探査機に搭載するシステムの提供などを行なっています。また、国際宇宙ステーションきぼうにて、日本実験棟での関連システムの開発を行なっています。 2,300円
    アイネット(9600)
    東証1部
    • データセンターやソフトウェアのシステム開発を行なう
    約40年間にわたり、多くの人工衛星などの設計・運用・評価解析などを行なっています。
    JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトにて探査機の開発運用などに携っています。また、宇宙デブリ(宇宙ごみ)除去の除去サービスを開発中のアストロスケールホールディングスへの出資も行なっています。
    1,292円
    スカパーJSATホールディングス(9412)
    東証1部
    • 有料チャンネル放送「スカパー!」の運営とアジア圏での通信衛星サービス
    17機の衛星を保有。宇宙事業に関してNTTとの業務提携や衛星量子暗号技術に関する総務省公募案件を受託するなど、宇宙事業に注力中。営業収益の37%を宇宙事業が占めています。 430円
    ウェザーニューズ(4825)
    東証1部
    • 民間気象情報サービス最大手
    独自の超小型衛星を活用し、気象情報や海氷の分布の解析により船舶に航路情報を提供。独自の衛星を使った世界最大規模の気象データベースと、独自のAI解析により業績拡大が期待できます。 6,310円
    ペプチドリーム(4587)
    東証1部
    • 東京大学発のバイオベンチャー企業。独自の創薬開発プラットフォームを活用し、新型コロナウイルス治療薬の開発も手掛ける
    宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得て高品質タンパク質結晶生成実験など宇宙創薬に積極的。業績、財務体質も良好です。 3,160円
    VIRGN GLCTC HD(SPCE)
    米国 NYSE
    • 米国の宇宙遊覧飛行企画会社
    宇宙で無重力体験ができる遊覧飛行を提供する会社。7月にロケット宇宙船『ユニティ』の有人試験飛行に成功し2022年から本格的に宇宙観光事業の営業を予定しています。 22.53USドル

    (※)2021年10月5日の終値
    (※)事業概要は大和証券株式会社HPよりSODATTE編集部作成

    以上、今回は「宇宙ビジネス」の広がりと、注目銘柄についてご紹介しました。

    「いずれ、気軽に月に行ける時代がくると思います。そうなれば2週間ほどの休みで、『実は月旅行に行ってきた』という人も出てくるでしょう。今小さなお子さんが、大人になるころには、勤務地が『宇宙』という方が出てくるかもしれません」と田中さんは言います。

    夢が広がるのはもちろんのこと、投資対象としても期待がますます高まる宇宙事業。お子さんと一緒に、ぜひ今後のニュースに注目してみてください。

    取材・文/西山美紀

    ※本文中の銘柄は、記事のテーマに基づき西村剛さんが選定したものを掲載しています。
    投資に関する決定は、銘柄選定を含め最終的にはご自身の判断でなさいますようにお願いいたします。

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