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投資の先輩#03 金融資産2,700万円の49歳会社員。「もっと若いときから投資を始めればよかった!」


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    シリーズ「投資の先輩」。投資が徐々に一般的になりつつある昨今ですが、実際に投資を行なっている人はどのような家計状況なのか。どういった投資をしているのか。成功談や失敗談も伺いながら、普段なかなか聞けないリアルな話を、先輩に聞いてみましょう。第3回は、育ち盛りのお子さん2人をひとりで育てる、「がんばるお母さん」。教育資金や老後資金への不安から、どう投資を考え、活用しているのでしょうか。

    投資の先輩プロフィール がんばるお母さん(仮名)

    性別:女性
    年齢:49歳
    職業:会社員
    家族構成:子ども2人(17歳、14歳)
    投資歴:1年以上5年未満

    家計の収支内訳(月単位)

    上記収入に加え、ボーナスの年間手取り額は90万円。そのうち40万円を貯蓄に回しているため、投資分も考えると順調に資産形成ができているといえそうです。

    資産の内訳

    預貯金と投資(評価額)を合わせた金融資産は合計2,694万円。保有する投資商品の評価額は594万円(2021年6月時点)です。投資元本は650万円とのことですので、現在は56万円の含み損となっています。

    さて、貯蓄をしっかりとしつつ、投資も積極的に行なっている「かんばるお母さん」に、投資の方法やポイント、その考え方を伺っていきましょう。

    実際に投資を始めたから勉強ができた

    今回の投資の先輩、「がんばるお母さん」が投資を始めたきっかけは、将来の資金不足への不安からでした。勤務先での昇給は望めず、副業は禁止。預貯金はしているものの、銀行の定期預金の金利は現在年0.002%(2021年6月時点)。今後、預金の利息で資産が増えることは期待できません。

    さらに、2人のお子さんを自分ひとりで育てなくてはならない状況であれば、教育資金や老後資金への不安はなおさら強かったはずです。そんななか、副業以外で何か資産を増やす方法はないかと考え、投資に目が向いたそうです。

    一方で、投資への不安もありました。損をしそう、知識がない……。悩んだ末、それでも投資に踏み出した理由は何だったのでしょうか。

    「結局、投資を始める前に勉強しようとしても、忙しくて全然できませんでした。実際に投資をやってみないと勉強も始められないのではと考えていたときに、銀行からつみたてNISAを始めませんかと電話があり……。話を聞いてみて、つみたてNISAなら大きな損失は出ないだろうと感じたので、思い切って始めてみました。実際に投資を始めてからは、確かにリスクはあるものの、預貯金より増える可能性があるということに気付きましたし、必要に迫られたので、勉強も始めることができました」

    積立投資だと思っていたより増えない……!?

    最初に始めた投資は、銀行から勧められ毎月1万円の積立からスタートしたつみたてNISA。しばらくして、節税効果のあるiDeCoも開始したそう。しかし、先輩は感じます。「積立投資だけでは、あまり利益が増えない……」

    積立投資の場合、時間を分散して投資していくため、今回の先輩が「大きな損失は出ないだろう」と感じたようにリスクの分散につながります。その代わり、まとまったリターンを得るにはある程度の期間が必要です。積立投資が中長期投資に向くといわれるのも、そのためです。

    そして、先輩はまとまった利益を得るために、株式投資も始めました。ただし、投資信託の積立をしなくなったわけではありません。むしろ、上手に使い分けているといった印象です。

    投資信託は、つみたてNISAやiDeCoを利用して税制優遇のメリットを得つつ、長期投資のスタンスで積立されています。一方で、株式はある程度の予算、枠を決め、スポット的に行なうのだとか。

    「株式投資も、もちろん最初は不安がありました。でも、すでに投資を始めていた勢いもあり、利益が思うように出ないなら、すぐに撤退すればいいと考えて始めることができました。銘柄を選ぶときには、比較的値動きの大きな銘柄と、値下がりしてもカバーできるように配当の高い銘柄の2種類を基準としています」

    毎日指値注文で株式の売買を行なう

    株式投資のスタイルも、興味深い内容です。

    保有株式は常時15~20銘柄だそう。保有数としては多いといえますし、その分、管理も大変になります。しかも、基本的なスタンスは短期売買だとか。実際はどのように売買をしているのでしょうか。

    「株式の注文はすべて指値(※)で行なっています。さらに、売却については、保有している全銘柄の売却注文を常時出している状態です。そういった売買をしているため、保有銘柄が頻繁に入れ替わることが多いです。また、売却できずに購入が続くと、保有金額が増大することになります。私の場合、保有金額(評価額)が650万円くらいまで増大すると、少しの利益でも利益確定するか、損切りをすることで、リスクを取りすぎないように調整しています」

    ※「価格」を指定して、「買い」または「売り」の注文を出す方法

    しかも、売却(指値による売り注文)のルールが明確です。

    「購入価格の1割の利益が出たら売却となるように設定しています。購入後2週間以内に売却できなかったら(その期間に株価が1割アップしなかったら)、指値を下げていき、できるだけ損しない株価で売却するようにしています」

    もちろん、毎回狙い通りに売却できるわけではありません。結果的に塩漬け(値が下がったまま売却できずに保有している状態)になる銘柄もあるといいます。

    それでも、指値注文を徹底することで、例えば成行注文によって高値づかみとなるケースや、保有銘柄の売り時を逃してしまうリスクを防ぐことにつながります。

    年間50万円×10年間で500万円の利益が目標

    では、投資による資産形成は期待する結果となっているのでしょうか。

    「iDeCoは現時点で積立金額に対して10%ほどの含み益となっています。株式は、昨年の売却益が税引後で60万円超となりました。現在、保有している株式は含み損を60万円ほど抱えていますが、今年すでに利益確定した分も考えると、十分挽回する余地はあると、やや楽観的に考えています」

    今後の投資目標を伺うと、こちらも明確な回答が返ってきました。

    「毎年、税引後で50万円の利益を目指して短期投資をする予定です。10年継続して500万円の利益が出せたらと思っています」

    資産形成はバランスが大事です。すべての資産づくりを投資の利益だけでまかなうことには無理があります。しかし、「がんばるお母さん」は継続して貯蓄を行なっており、それを取り崩すことなく投資にも取組んでいる点に着目すべきでしょう。だからこそ、実現の可能性がありかつ明確な投資目標が持てるのです。

    できれば20代から始めたかった

    さて、今回の先輩にとって、投資をして良かったことは何でしょうか。

    「経済に興味を持てたこと。それと、投資の利益を貯蓄に回せたこと。仕事での昇給は頭打ちで、やる気も失いかけていましたが、投資により自分の資産が増えると思うと、仕事にも少しやる気が出ました」

    普段から、投資関連の勉強や情報収集は欠かしません。特に、朝晩の経済ニュース番組は、毎回録画して見ているといいます。

    「経済用語の勉強や、経済と株の動きがどう連動しているのかを知ることができます。また、推奨銘柄が掲載されているマネー雑誌も見ますが、それは、そのとおり購入するためではなく、どういう情報が信用でき、また信用できないのかを勉強するために読んでいます。実際、試しに書いてあるとおりに購入してみて、今も含み損を抱えている銘柄があります」

    最後に、今回の投資の先輩から、これから投資を始めようとする人へメッセージを伺いました。

    「まずは、始めてみることが大事。私は当初、ちゃんと勉強して理解できてから投資を始めようと思っていました。でも、結局、勉強することもなく数年が過ぎてしまいました。まずは勉強と考えず、もっと早く投資を始めておけばよかったと、今は思います。できれば、20代のころから始めていれば、もっと知識もあり、自分に合った投資スタイルを確立できたかもしれません」

    編集後記

    ●アグレッシブな投資スタイル

    「がんばるお母さん」の話を伺って思うことは、発想も投資スタイルもアグレッシブだということです。

    しかも、保有株が元本を割り込んでいても「挽回する余地はある」とコメントされたことが印象的でした。それは希望的観測ではなく、これまで株式投資の経験とそれによって得た知識、ノウハウからの裏付けがバックボーンとしてあるからでしょう。もちろん、いい意味でのプラス思考も感じます。

    株式投資に向き不向きがあるとすれば、今回の先輩は「株式投資に向いている人」だといえるでしょう。

    ●バランスの取れた資産形成を実践

    ルールを決めてリスクを管理しながら売買を行なう株式投資、税制などの優遇措置のある制度を利用した堅実な投資信託の積立、その一方で確実に貯蓄も増やしていく。それぞれの手法の特徴、メリットを活かした形で、バランスの取れた資産形成を実践されているのではないでしょうか。

    ある程度の時間や経験、資金も必要になるでしょうが、投資ビギナーの皆さんも目標にできる、ひとつの資産形成の形だと思います。

    取材・執筆/清水京武

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