積立投資のはじめ方とそのポイントを徹底解説!
コツコツと堅実にお金を増やす一番の投資方法といえば、「積立投資」です。投資が初めての方でも手軽に始められ、着実に将来の資産を築くパワーを秘めています。今回は、積立投資の始め方とそのポイントについて徹底解説します。
目次
積立投資のメリットとは?デメリットはある?
積立投資とは、一定額(一定量)の金融商品(主には投資信託)を一定期間(毎週、毎月など)ごとのタイミングで購入していく投資手法です。例えば「投資信託を積立てたい!」という場合は、積立投資が可能な金融機関で口座を開設し、「毎月25日に投資信託Aを1万円分買う」という具合です。毎回自分で注文を出す必要はなく、最初に設定した条件(ここでは毎月25日に投資信託Aを1万円分買う)に従って自動で積立ててくれるので、お手軽かつ効率的に資産運用を始めることができます。
では、積立投資の具体的なメリットを、投資信託の積立を行なうケースを例に見ていきましょう。
●積立投資のメリット
・少額からコツコツ始められる
投資信託の積み立ては少額からスタートできます。最近では100円、1,000円から積立てできる金融機関も増えており、少額から投資可能なため手軽に複数の投資信託を積立てることもできます。
・投資のリスクを分散できる
投資信託は複数人の投資家から集めた資金を1カ所にまとめ、株や債券などさまざまな商品で運用するパッケージ商品です。そのため、少額でも多くの金融商品に分散投資できるのです。つまり、リスク分散をしながら運用することが可能です。また、積立投資では投資タイミングを分散させることで高値づかみのリスクを低減させる「時間分散」の効果も期待できます。
・着実にお金を積み立てられる
積立投資は、設定した条件に従って指定した日に指定した金額分の投資信託を自動で買付けます。よって、着実にお金を積立てることができます。
・買うか買わないか迷わなくて済む
投資で利益を出すコツは、「価格が低い時に買って、高い時に売る」ですが、投資タイミングを図るのはプロでも難しいものです。その点、積立投資であれば、買うか買わないかなどの判断に迷ったり、売買タイミングを図ったりすることなく淡々と買付けることができます。
ただし、積立投資といえども他の投資手法同様、良いことだけではありません。デメリットも確認しておきましょう。
●積立投資のデメリット
・すぐに効果を実感しにくい
積立投資では、少しずつお金を積立てていきますので、運用の成果が出るまでにある程度の時間を要します。すぐに大きな利益を手にすることはできませんが、一方で大きく損をするリスクも相対的に抑えることができます。
・定期的に資金が必要になる
積立投資は定期的にお金を積立てる投資法です。そのため、積立資金を家計から捻出する必要があります。とはいえ、将来のために一定の金額を積立てることで着実に資産形成をすることができます。
・元本割れのリスクがある
基本的に投資商品は預貯金と違い元本保証はありません。投資信託は、国内外の株や債券で運用されているので、市場環境によっては元本割れのリスクがあることは覚えておきましょう。
・手数料や税金がかかる
投資信託は「購入時」「保有している間」「売却時」に手数料がかかります(※銘柄によって異なります)。また、通常は運用して得られた利益に対して20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。ただし、購入時手数料が無料の投資信託を選択したり、つみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度を利用したりといった工夫が可能です。
積立投資はいつから始める?
●積立投資は、早くはじめた方がメリットを受けやすい!
積立投資をしようと思っても「ある程度資金が貯まってから」と考える人は少なくないと思いますが、少額からでも早く始めることをお勧めします。
長期投資の重要性
積立投資は長い期間をかけて少額ずつ投資していく投資手法ですから、積立の期間が長いほど効果が期待できます。
投資信託を毎月1,000円ずつ積立て、年率4%の利益が得られたと仮定して10年間、20年間、30年間複利運用した場合を比較してみましょう。
投資期間10年だと12万円の元本は、14万7,250円となる計算です。10年で約2万7,000円の利益が出ていることになります。投資期間20年だと24万円の元本は、36万6,775円となる計算です。20年で約12万7,000円増加したことになります。投資期間30年だと36万円の元本は、69万4,049円となる計算です。30年で実に約33万4,000円増える計算になります。長期になるほど利益が加速度的に伸びているのは、投資で得られた利益が更に運用されて増えていく「複利」の効果によるものです。
図表:長期積立投資の効果
・リスクを抑える「時間分散」
投資信託の基準価額は日々動きます。低いタイミングで買い、高いタイミングで売ることができれば良いですが、今後相場がどうなるのかはプロでも予測するのが難しいでしょう。そこで、投資信託のように値動きのあるものを購入する場合、積立は大きな効果を発揮します。
例として、投資信託を毎月1万円分積立てるケースを考えてみます。この時投資信託の基準価額が1万円→2,000円→5,000円と変動した場合、最初の月は1口、2カ月目には5口、3カ月目には2口購入できることになります。
値動きのあるものを毎月一定額ずつ購入すると、価格が高い時には少ししか買えず、価格が安い時にはたくさん買えることになります。これによって平均購入単価を抑えることができるのです。これを「ドル・コスト平均法」と言います。価格が下がっている時には、精神的にダメージを受けますが、積立投資なら価格が下がっている時には多く口数を買付けられるので、上昇局面では、利益を出せる可能性が高くなるわけです。
つい価格の上下に一気一憂しがちですが、感情に振り回されないことは、投資で成果を出すための近道でもあるのです。
図表:ドル・コスト平均法のイメージ
【積立投資】目的ごとの選び方は
投資信託の積立を中心に見てきましたが、その中でも、効率よく運用できるのが、税制優遇の恩恵を受けながら積立投資ができる「つみたてNISA」や「iDeCo」です。また、積立投資の中には、株式を積立てる「るいとう」や、ロボアドバイザーを利用して投資信託を積立てる方法もあります。それぞれの目的に合わせて自分に合ったものを選びましょう。
●投資の初めの一歩を踏みだしたいなら「つみたてNISA」がおすすめ
まとまった投資資金はないけれども、投資を初めてみたいという人に向いているのが「つみたてNISA」です。
つみたてNISAは、長期・積立による安定的な資産形成を手助けするための税制優遇制度で、年40万円の非課税投資枠にかかる利益が20年間非課税になります。加えて、つみたてNISAでラインナップされている商品は、国が一定の基準を定めてその基準をクリアした長期の資産形成向けの商品ばかり。ですから、投資初心者には安心してスタートしやすい制度といえます。
●家計に余裕がある場合には、「つみたてNISA」と「投資信託積立」の併用がおすすめ
つみたてNISAは、税制優遇の恩恵を受けながら投資信託で積立投資ができるのでとてもよい制度ではあるのですが、非課税枠は年間40万円までと決まっています。月額にすると3万3,000円程度になります。毎月3万3,000円以上投資にまわせるお金があるという場合には、投資信託積立を併用してもよいでしょう。
つみたてNISAの商品は国で定めた基準をクリアしたものに限られますが、投資信託積立でラインナップされている商品はバラエティに富んでおり、幅広い投資先から選択することができます。※対象となる投資信託は金融機関により異なります。
例えば、子どもの教育資金作りは安定的に運用できる「つみたてNISA」で、家族旅行など、楽しみのためのお金は「投資信託積立」で自身が興味のあるテーマの投資信託を積立てる、という具合に目的別に使い分けてみるとよいでしょう。
●老後資金を準備したいなら「iDeCo」
老後資金の準備として有効なのが、税制優遇の恩恵を受けながら老後の自分年金づくりができる「iDeCo」です。
iDeCoは、「毎月の掛金」や「運用期間中の利益」、「年金の受取時」にて税制優遇があります。iDeCoは掛金の全額を「所得控除」できるので、その結果、所得税、住民税を安くしてくれるメリットも期待できるのです。また、運用期間中の利益も非課税で運用することができるので、効率よく運用したい方にもおすすめ。さらには、年金として受取る際にも「退職所得控除」や「公的年金等控除」が適用になり、税金を安くすることができます。
ただし、iDeCoは原則として60歳まで引出すことができません。それでも前向きに捉えれば、老後資金を確実に貯めることができるということです。
●仕事が忙しく運用をお任せしたいなら「ロボアドバイザー」を利用して積立投資
仕事が忙しく、投資の勉強をする暇もないという場合、ロボアドバイザーを利用する手もあります。
始めに簡単な質問に答えれば、数ある投資信託の中から最適な商品を組合わせてその人に合った運用プランを提案。その後は、自動運用してくれます。運用のシミュレーションや、個人では難しい資産配分の見直し(リバランス)までお任せすることができます。
時間や手間をかけずに、長期でじっくり資産運用をしたい場合にとても便利です。
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●株にも投資したいなら「るいとう(株式累積投資)」
「株式投資にも挑戦したいけど、いきなりまとまった金額を投資するのはハードルが高い……」と考えているなら、毎月コツコツと株式を積立てる「るいとう」を利用するとよいでしょう。
「るいとう」を利用すれば、手を出しづらいと思っていた銘柄にも少額からコツコツ投資することができます。ただし、単元未満株の株主の場合には、株主総会における議決権の行使は認められません。株主優待についても多くの企業では単元株主が対象となっています。
とはいえ、配当金については、保有株数に応じて分配を受けることができますし、コツコツ買い増していけば最終的には単元株にして保有することもできるので、夢が膨らみますね。
長く続けるほど得をする積立投資! 気になる人は早めにスタートしよう
積立投資は、毎月コツコツ投資することで、中長期的に安定的にお金を増やせる可能性が高い投資方法です。しかも少額から積立てられるので、設定さえすればあとは自動的に積立てられるのを見守るのみ。将来に向けて着実にお金を増やすためにも、ぜひ早めに積立投資をスタートしましょう!
最後に、大和証券が運営するYouTubeチャンネル「大和証券マネースクール」では、お金や投資のことを、基本的なところからわかりやすく動画で解説しています。積立投資に関する動画も多数公開していますので、参考にしてみてくださいね。
>大和証券マネースクールはこちら
※YouTubeに遷移します。
執筆/高山 一恵
2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業。10年間取締役を務めた後、現職へ。女性向けWEBメディア『FP Cafe®』や『Mocha』を運営。全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい講演には定評がある。
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