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初心者必携!株式の選び方ガイド AIを駆使した“新時代の株選び”とは?


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    「投資」と聞いてまず思い浮かべるのが「株」、そう「株式投資」です。しかし、同時に株は難しそう、どうやって銘柄を選んだらよいかわからない、とハードルを感じてしまうのも事実。そういった中、銘柄選びの常識を変えてしまう、まったく新しい手法が注目を集めています。それが「AI」です。今回、業界に先駆けてその開発、サービス提供を行なっている大和証券の「AIセレクト株式銘柄」について、株式投資の基本とともに、お伝えしましょう。

    証券アナリスト  西村 剛さん

    2011年・2012年・2013年株-1グランプリ(GP)グランドチャンピオン。国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行なう。最近では統計データを重視したシステムトレードにも注力。

    株式投資はこんなにメリットがある!

    株式とは、企業が事業に必要な資金を集めるために発行するもの。その株式を購入する(=株式投資)ことで、購入者はその企業の株主になることができ、同時にさまざまな権利、利益を得ることができます。

    株主になって得られる主なメリットや権利

    (1)値上がり益

    株式の価格は日々変動します。購入時の価格より高くなったときに売却すれば「値上がり益」を得ることになります。逆に下がっているときに売却してしまうと「値下がり損」が生まれます。

    (2)配当

    株主に対して、その企業が得た利益を還元するのが「配当」です。一般には年1回ないし2回、保有する株式数に応じて受取れますが、すべての企業が配当を出しているわけではありません。

    (3)株主優待

    企業が一定数以上の株式を保有する株主に対して、年1回~2回程度、自社の製品やサービスなどを進呈するというもの。ただし、すべての企業が実施しているわけではありません。

    (4)経営参加権

    企業の株主総会に株主として参加し、経営方針等の決議ができる「議決権」などの権利が与えられます。

    株式投資は経済を映す鏡

    そして、実はもう一つ、株式投資には隠れたメリットがあります。それは経済への関心が高まるということ。その中身は経済動向、企業情報、為替や金利といった金融市場などなど。そういった知識は投資だけでなく、仕事や日々の生活に活かすこともできます。私たちの生活と経済は切り離すことはできません。株式投資はその経済を映す鏡でもあるのです。

    2021年、株式投資にとっては好機の予感⁉

    株式投資にメリットがあることはわかりました。しかし、気になることがあります。新型コロナウイルスによる経済への影響です。

    今後の見通し

    2020年11月17日の日経平均株価の終値は29年ぶりの高値となる2万6,000円台に回復。しかし、その8カ月前の2020年3月18日には1万6,000円台と、実に約1万円も低く、わずか5日間で3,000円超もの下落を記録する週もありました。いつまた急落するかわからない……。コロナ後の期待と同時に、そういった不安があるのも事実です。

    証券アナリストの西村剛さんは、市場、株価はそもそも変動することを前提にこう説明します。

    「2020年はボラティリティ(価格変動の度合い)が大きく、かつ極端だったことが最大の特徴でした。2021年もその傾向は続くと思いますが、好材料も揃いつつあります。ワクチンの開発や経済の回復期待に加え、投資資金の行き場が他にないというのが大きな理由。状況として金融引き締めも難しいでしょう。一方で、株価上昇は実体経済と乖離しているという意見もあります。それも確かですが、コロナによって伸びた業種は今後も好調を維持するでしょうし、経済全体を見ても回復の下地は整い始めていると考えます」

    2021年の投資環境はいい方向に向かっている……。ではどのように株式投資をしていけばよいか、投資ビギナーの目線で考えてみましょう。

    株式選びは「身近な銘柄」から探してみよう

    株式投資を行なう際、最初にすべきは「株を選ぶ」ということ。言い換えれば、投資したいと思う企業を見つけ出すことです。実際に購入できる国内企業の株式はざっと3,800社(銘柄)。そこから投資したい銘柄を選ぶのは、特に初心者の場合、そう簡単ではありません。もちろん、ネットで「有望株」「推奨銘柄」と検索すれば、多くの企業名や情報がヒットするでしょう。しかし、当然ながら、そのすべてが有益なものと限りません。

    身近な企業に注目

    そこで、投資ビギナーはまず「身近な銘柄」を探してみましょう。身近とは、普段の生活でよく利用している商品やサービス、店舗など。その時点で、銘柄はグッと絞れるはずです。そして、それが気に入っている、今後もっと伸びると思えば、それが「あなたが見つけた有望銘柄」の候補となるのです。

    企業の事業内容や業績に注目

    次に、その企業の基本的な部分、事業内容や業績について調べます。どのような事業を行ない、どんな点が強みなのか。将来の事業プランや目指す方向性も重要です。業績では、売上高や利益の推移、業界での立ち位置といった項目は押さえておきたいところです。

    株式投資には判断材料となる各種指標がある

    気になる身近な銘柄を見つけ、その企業の事業内容や業績も確認できたとします。そして次に必要となるのが投資判断。つまり、その銘柄の株価や企業としての投資価値が、現時点で高いのか低いのか。その判断に役立つのが、さまざまな「投資指標」です。少々難しい言葉が並びますが、その代表的なものを以下に列記してみます。

    投資指標の例

    • PER(株価収益率)……株価が1株当たりの利益の何倍かを示す指標。同業他社と比較して高いと株価は割高、低いと割安と判断されます。
    • PBR(株価純資産倍率)……株価が1株当たりの純資産の何倍かを示す指標。同業他社と比較して高いと株価は割高、低いと割安と判断されます。
    • ROE(自己資本利益率)……企業の自己資本に対しての利益率を示す指標。数値が高いほど、その銘柄の収益性は高いと判断されます。
    • 配当利回り……決算期の1株当たりの年間配当金が、株価(投資金額)の何%に相当するかを示す指標です。

    移動平均線

    これらに加えて、特に2021年に向けて「投資の参考にしてほしい指標がある」と西村さんは言います。それが移動平均線(または単純移動平均線)です。移動平均線とは、一定期間の平均株価を割り出し、それを線でつないだものです。「5日移動平均線」であれば、5日間の平均株価の推移が折れ線グラフで示されます。

    「今後も株価のボラティリティは大きい状況が続くと考えられます。マーケットのトレンドが大きく変化する局面では、どのタイミングで購入(または売却)すればよいのか迷ってしまうかもしれません。移動平均線はそういった売買のタイミングやボラティリティの幅を判断するのに有効なのです」

    一例として、100日、200日といった長期の移動平均線が右肩上がりになっていることで、銘柄が上昇基調にあることがわかります。また、25日などの短期の移動平均線に対して、株価が大きく乖離して下がれば、その後、株価は短期的には上昇に転じることが予想されます。

    もちろん、こういった指標は、今後の動きや利益を保証するものではありません。あくまで判断材料の一つとして活用すべきです。それでも、指標を継続的に見ていくことで「投資診断」や「相場観」が養われるというメリットがあるのです。

    株式投資の新たな手法「AI」による銘柄選定

    株式投資に活用したい指標や考え方をいくつか紹介しましたが、ここ数年、急速に発展している新しい手法があります。それが「AI(人工知能)」による株価予測です。

    大和証券では2017年5月、大手金融機関としては初めて、AIを用いて選定した銘柄情報の提供を顧客向けに開始しました。

    決算データをインプット

    国内上場企業の決算データをもとに、先進的な機械学習アルゴリズムを用いて、1~2カ月後に株価が上昇する可能性が高いと予測する銘柄を選定します。その内容は、企業における過去数年の決算発表のパターンと、その後の株価推移の関係を学習し、決算発表後に緩やかに上昇する銘柄を予測するというモデルです。

    ●予測イメージ

    2カ月で平均騰落率(※)+4.30%のパフォーマンス

    さて、気になるのはAI予測の精度とそのパフォーマンス。大和証券では、2019年の1年間にAIが選定した全98銘柄のデータを公表しています。それによると、選定した銘柄の1カ月(20営業日)後の平均騰落率は+1.61%、2カ月(40営業日)後では+4.30%のパフォーマンスを発揮しました。さらに、TOPIX(東証株価指数)比の平均騰落率で見ると、1カ月後は+0.91%、2カ月後では+1.47%。ともにTOPIXを上回る結果となりました。

    もちろん、過去の成績は、今後の高いパフォーマンスを約束するものではありません。ましてや、コロナ禍やトランプショックといった不測の事態は、過去のデータから学習するAIにとって、当然予測を難しくします。それでも、大和証券ではAI技術が日々進歩する中、毎回最新技術を取入れた予測モデルを維持しており、そのモデルが選定した銘柄を提供しています。

    ※ある期間の始めと終わりとで価格がどれだけ変化したかを表すもの。ここではその銘柄が紹介された日から起算

    有益なAIを選び、上手に活用する時代に

    では、実際のAIによる株価予想はどのような形、内容で提供されるのでしょうか。現在、大和証券では、インターネットでの取引サービス「ダイワのオンライントレード」の口座を持つユーザーに対して、「AIセレクト株式銘柄」というコンテンツを提供しています。提供時期は、決算発表が集中する2月、5月、8月、11月。いずれも1〜2カ月後の上昇確率が高い銘柄を選定します。

    参考になる情報を一覧化

    AI選定銘柄は、銘柄名、銘柄紹介日や更新日での株価、TOPIX騰落率などを一覧として提供。2週間の選定期間中はほぼ毎日、新たに銘柄が追加され、当月末まで株価情報も更新されます。

    ●AI選定銘柄一覧のサンプル画面

    AI活用のポイント

    注目のAIによる株価予測ですが、それをどう利用すればいいのでしょうか。西村さんは、活用ポイントとして重要な点を2つ挙げてくれました。

    「そのAIが信頼できるものかどうか。それが最初のポイント。人もコストも十分かけて開発しているAIならいいですが、名ばかりの安易なAIも今後増えていくでしょう。データは扱い方一つで白にも黒にもなります。安易にAIだからと信じることは避けてください」

    「もう一つは、そのAIがどんな手法で、何に基づいて分析したものなのか、それを理解した上で利用するということ。例えば、大和証券であれば、『決算が良かった会社は緩やかに株価が上がる』という銘柄選定のベースがあります。これはデータの読み方として適正ですし、その結果には一定の信頼性があると判断していいと思います。数多ある株式をまずはスクリーニング(振るい分け)して、そこから自分が気になる銘柄を選ぶという方法も、投資初心者の方にはやりやすいかもしれません」

    AIによる株式投資、銘柄選定はまだ発展途上の分野といえるかもしれません。しかし、今後、データを積重ねることでパフォーマンスも向上し、AI独自の思考が生まれることも期待できます。それを、投資判断のためのツールとして上手に利用することは、初心者、経験者どちらにとっても有効な株式投資のスタイルになるかもしれません。

    取材・執筆/清水京武


    ※「AIセレクト株式銘柄」をご利用いただくには、大和証券の口座が必要です。

    >>口座開設はこちら

    ※「AIセレクト株式銘柄」による選定銘柄の公開時期は、決算発表が集中する2月、5月、8月、11月です。

    AIセレクト株式銘柄のリスクと注意点について

    • 予測した銘柄群の個別銘柄がすべて上昇する訳ではありません。
    • TOPIXが大幅に下落する場合、市場全体のボラティリティが高い場合は過去のパフォーマンスほどの値上がりは見込めません。
    • 時価総額、流動性の観点から分析の対象外としている銘柄があります。

    【選定の対象外としている銘柄】

    • 流動性が低い銘柄(決算発表前1週間の平均売買代金が7千万円以下)
    • 地方取引所にのみ上場している銘柄
    • 金融業界銘柄(銀行・証券・保険)

      ※金融業界銘柄は財務諸表のフォーマットが異なり、株価の予測が困難なため。

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