NISAなら投資初心者でも始めやすい!しくみや特徴について解説します!
「お金を増やしたいけれど、いきなり投資をするのはハードルが高い……」と考える方は、少なくないのではないでしょうか。そんな中で初心者が投資に挑戦するならぜひ検討していただきたいのが、個人投資家のための税制優遇制度、NISAです。そこで今回は、年間120万円を上限として、投資で得た利益が最長5年間非課税になる「一般NISA」について解説します。
目次
NISAとは何?NISAにはどんな種類がある?
■NISAの概要
NISAとは、2014年に始まった「少額投資非課税制度」のことです。年間120万円を上限として、投資で得た利益が非課税になるという制度で、上場株式・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)・株式投資信託など、幅広い金融商品が対象となっています。これらの金融商品への投資から得られる売却益や配当金、分配金が最長5年間非課税になるのです。
通常、投資から得られた利益には、20.315%の税金がかかってしまいます。例えば、国内株式に投資して10万円の売却益を得たとしても、実際に手元に残るのは7万9,685円になります。2万円あれば、高級レストランで食事ができたり、旅行にも行けたりしますよね。その点、NISAを上手に活用すれば、利益はまるまる手元に残るので使わない手はありません。
※手数料等のコストは考慮していません。
■NISAの導入背景は?
そもそもNISAが導入された理由として、政府広報によると「将来への備えとなる資産づくりの促進(家計の安定的な資産形成の支援)」、「経済成長のために家計の金融資産を有効活用(家計からの成長資金の供給拡大)」が挙げられています。
年金や老後資金の問題が度々取上げられている昨今、将来に対する不安を抱いている人は少なくないことでしょう。そのような状況で特に現役世代に求められているのは、国や会社に依存することなく、自分自身の自助努力で資産を形成することです。
とはいえ、実は日本国内の家計が保有する金融資産のうち預貯金が占める割合は、半数以上。これは、他国と比べると突出して多いと言われています。そこで、「投資で得た利益は非課税にする」という税制優遇の恩恵を受けることができれば、個人でも株式や投資信託といった金融商品を活用して資産形成しやすいのではとの期待からNISA制度が導入されました。また貯蓄から投資へと、個人のお金が投じられることで、家計から企業への資金供給が拡大し、経済成長が期待できます。経済が成長することで家計も潤い、さらなる投資につながるといった好循環も期待されています。
上記のような理由で導入されたNISAですが、2014年の導入以来、口座開設数を順調に伸ばしています。ただし、一般NISAの利用者の約7割は50代以上。そこで、より現役世代の資産形成を支援するべく、2018年につみたてNISAが創設されました。
■NISAは3つの制度がある
現在、NISA制度にはNISA(一般NISA)、ジュニアNISA、つみたてNISAの3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
NISAは、他のNISAと区別するために「一般NISA」とも呼ばれています。上記のとおり、年間投資上限額120万円、非課税保有期間は最長5年間で、一括投資も積立投資も認められています。
つみたてNISAは、年間投資上限額40万円、非課税保有期間は最長20年間です。一般NISAと違い、一括投資は認められておらず、積立投資のみ認められています。対象商品は、「長期の積立・分散投資に適している」と金融庁が判断した投資信託、ETFとなっています。
ジュニアNISAは、年間投資上限額80万円、非課税保有期間は最長5年間です。対象商品は、上場株式や投資信託、ETFなど一般NISAと同様です。対象者は、0歳~19歳の子どもですが、親や祖父母が子どもに代わって運用・管理を行ないます。非課税の優遇を受けながら、お子さん・お孫さんの将来に向けた資産運用を行なうための制度です。
図表 3つのNISAの比較
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
利用 できる人 |
日本に住む20歳以上なら誰でも | 日本に住む 0歳~19歳の人 |
|
新規に投資 できる期間 |
10年間 (2014年~2023年) |
20年間 (2018年~2037年) |
8年間 (2016年~2023年) |
非課税 となる期間 |
投資した年から 最長5年間 |
投資した年から 最長20年間 |
投資した年から 最長5年間 |
年間投資 上限額 |
120万円 | 40万円 | 80万円 |
投資対象 商品 |
上場株式(ETF、REIT含む)、公募株式投資信託 | 金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETF | 上場株式(ETF・REIT含む)、公募株式投資信託 |
投資方法 | 一括買付、積み立て | 積み立てのみ | 一括買付、積み立て |
資産の 引き出し |
いつでも引き出せる | 原則18歳まで不可 | |
損益通算、 繰越控除 |
できない |
※2020年10月現在の制度をもとに作成
一般NISAとは?どんな人が向いている?
■一般NISAとは
一般NISAは、上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、株式投資信託への年間120万円までの投資に対して、投資元本にかかるその配当、分配金、売却益が5年間非課税になります。
一般NISAは、一括投資も積立投資もでき、売買は自由。加えて、資金使途が決められていないため、どんな目的にも活用することができます。
非課税期間である5年を経過する際は、「非課税期間終了前に売却する」「課税口座に移す」という選択肢に加え、翌年の非課税投資枠に移す「ロールオーバー」を選択することもできます。ロールオーバーすることで、最大10年間非課税運用が可能となります。ロールオーバーを選択する場合、以前はロールオーバーできる金額の上限は120万円でしたが、2017年度の税制改正で、上限金額が撤廃されました。つまり、120万円で株式を購入し、5年後に評価額が180万円になっていたとしても、翌年の非課税枠に180万円分全てロールオーバーすることができます。ロールオーバー時に含み益がある場合には、非課税で保有できる元本金額が増える上に、その後も運用を続けることにより非課税メリットをさらに享受できる可能性があるというわけです。
口座の開設は1人につき1つの金融機関のみとなります。金融機関は1年単位で変更することができます。
一般NISAの口座開設数は、2019年12月末時点で約1,175万口座、買付額は累計で約17.9兆円となっており、着実に個人に浸透してきています。
図表 一般NISAの非課税期間
■一般NISAの注意点
メリット満載の一般NISAですが、注意点もあります。
・損益通算・損失の繰越控除はできない
一般NISAでは、利益が非課税になることがメリットですが、使い方次第では本来より税金がかかってしまうケースがあります。通常、特定口座など課税口座での損失は、確定申告をすることで他の金融機関で取引した株式や投資信託などと損益通算できます。
例えば、金融機関Aの特定口座で年間利益が40万円、金融機関Bの特定口座での年間損失が20万円だった場合、損益通算することができるので利益40万円−損失20万円=利益20万円 となり、20万円が課税対象になります。また、損益通算しても控除しきれない損失は、3年間にわたって繰越控除ができます。しかし、NISA口座は特定口座との損益通算ができず、繰越控除もできません。
・非課税枠の繰越・再利用はできない
一般NISAで投資できる年間の非課税投資上限額は、年間120万円です。しかし、その年の非課税枠の未使用分があったとしても翌年以降に繰り越すことはできません。また、非課税枠の再利用も不可能です。
例えば、2020年の年初にNISAの口座を通じて50万円の株式を買付け、その後年内に売却した場合、再び120万円の非課税投資枠が利用できるわけではありません。すでに50万円は非課税枠を使用しているので、同年中にNISA口座を通じて非課税投資できるのは70万円までとなります。
・非課税期間終了後に評価損が出ている場合、その時点の価格が取得価格になる
例えば、5年間の非課税期間終了後に、100万円で購入した株式が80万円に値下がりしていた場合、そのまま課税口座に移管すると、移管当日の時価80万円が取得価格となります。その後、110万円に値上がりして売却した場合には、本来は、100万円で取得したので、10万円の利益になるはずですが、取得価格は80万円となるので、30万円の利益とみなされ、30万円に対して課税されます。非課税期間終了時に保有している商品が値下がりしている場合は、ロールオーバーを検討してみましょう。
■一般NISAに向いている人は?
では、どんな人が一般NISAに向いているのでしょうか?
・運用に回せる余裕資金がある人
一般NISAは、年間の非課税投資上限額が120万円で、一括投資ができます。一般的に、安定的に運用成果を出すには、一括で投資をするよりも時期を分散して投資をしたほうが良いと言われています。それは、時間を分散して投資をすることにより、価格が高い時には少ししか買付けず、価格が低い時には多く買付けることができることにより、平均購入単価を引き下げる「ドル・コスト平均法」の効果を享受できるからです。運用に回せる余裕資金がある人であれば、一括で120万円投資しても良いでしょう。
・リスクを取って投資したい人
一般NISAでは、投資信託に加えて上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など、iDeCoやつみたてNISAでは投資できない商品も投資対象となります。そのため、比較的値動きの大きい個別株に投資したいといった、リスクを取って投資をしたい人に向いているといえます。
・様々な商品から選んで投資したい人
一般NISAでは、上記のとおり上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、なども投資対象となるため、自分で商品を選んで投資したい人、様々な投資にチャレンジしてみたい人には向いているでしょう。
反対に、少額から投資を始めたい人、中長期的に安定してコツコツとお金を増やしたいと考えている人、どの商品に投資したらよいか迷ってしまう人は、つみたてNISAに向いているでしょう。
まとめ
今後は、自助努力でお金を増やしていく時代です。税制優遇の恩恵を受けながら、お金を増やせる可能のあるNISAは、初心者でもトライしやすいでしょう。やってみようと思った時が始め時!まずは、証券会社にNISA口座を開設することから始めましょう!
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