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マーケットの波乱で積立投資がピンチ!? こんなときこそ知っておきたい積立投資の心得3か条


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    日経平均株価は1日で1,000円以上下落した日も……。新型コロナウイルスの影響により、荒れに荒れた株式市場。投資信託で積立投資をしている人にも当然、影響はありました。ではこんなとき、どうすればいいのでしょうか。不安に効く処方箋「積立投資の心得」をじっくり解説します。

    [積立投資の評価額が下がって心配……、そんなときの心得3か条]

    理由を知れば納得 普段どおりに積立投資を継続しよう

    毎月の積立によって投資信託を買っている人は、実感されたと思いますが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、多くの投資信託が値を下げました。投資信託そのものが、主に、急落した株式、もしくは同様に値を下げた債券等で構成されているからです。そして、それは日本国内の金融市場に限らず、世界的な現象となりました。

    しかし、積立投資をやめるか続けるか迷っているのなら、続けることをおすすめします。これが今回の大きなテーマなのですが、このような状況下でも、積立投資を継続することにはメリットがあるからです。それどころか、株安となることで積立投資の効果はむしろ高まる可能性が強いのです。実は大幅下落後に、新たに積立投資を申込む人が増えている金融機関もあるとのこと。その理由はまさに、このメリットを狙ったものと言えるでしょう。

    ・積立投資を継続すべき理由(1) 「安いときに買う」を自然に実践している

    積立投資のポイントは、価格が刻々と変動する商品を、定期的に一定額買い続けるということにあります。その価格が下がっていればいるほど、相対的に多く買うことになり、逆に価格が上がっていると買える量は相対的に減ります。これは、結果的に平均単価を下げることになり、「安いときに買って、高いときに売る」という投資セオリーの「安いときに(多く)買う」を自動的に実践しているのです。

    例)月1万円の積立、投資商品の価格が下がると1万円で買える口数が増える

    そう考えれば今回の大幅な下落は、またとない「買い時」と捉えることもできます。しかも、定期的な積立は投資にとって難しいと言われる購入のタイミングを考える必要がありません。すでに毎月の購入日が決まっているからです。購入額についても、そもそも毎月投資に回せる無理のない範囲に設定しているはずですから、「いくら買うべきか?」と悩む必要もありません。

    ・積立投資を継続すべき理由(2) 市場も株価も上がり下がりを繰り返す

    しかし、ここで「?」と思う人もいるでしょう。株式市場がずっと下がり続ける、あるいは下がったまま、全く上昇しなかったら、結局損をするのではないかと……。

    確かにそのとおりです。しかし、過去の歴史を振り返ると、現時点で景気が後退していたとしても、長期的かつ世界的に見れば、いずれ経済は成長に転じて、株価も上昇する可能性が高い、と考えています。例えば、2008年の、100年に一度の金融危機と言われたリーマンショック。このとき、日経平均株価は一時7,000円を割り込みました。今(2020年5月現在)の日経平均の3分の1に近い水準です。ところが、その5年後の2013年には日経平均も米国のNYダウも、底値の2倍の水準まで戻しているのです。

    古くは1930年代の世界大恐慌、1987年のブラックマンデー、そして感染症が世界経済を襲った2002年のSARSのときも同様です。景気も株価も、波のように揺れ動きます。だからこそ、継続した積立投資は有効な投資手法と言えるでしょう。

    資産状況は定期的に確認を 報告書で積立投資のメリットを実感しよう!

    景気が低迷し、投資商品が下落しているときでも、積立は継続すべきだと先に説明しました。しかし、下がったら不安、という意識が先行してしまう、という人もいるでしょう。そのような人には、自分の目で見て、積立投資の効果を実感することをおススメします。

    「iDeCo」や「つみたてNISA」を利用し、あるいは一般的な積立で投資信託を定期的に購入しているのであれば、その取引の詳細が明記された「取引状況のお知らせ」あるいは「取引残高報告書」といった書類が、金融機関から定期的に送られてきますので、それを確認しましょう(オンライン取引ではWEB上で確認)。

    どこを見るかですが、こういった時期に着目すべきは「数量」となります。単位は「口(くち)」。取引(売買)を行なう際の投資信託の数を示す単位であり、株式を「1株」とカウントするのと同じと考えてください。

    毎月積立で購入している場合、基準価額(投資信託の値段)が前月より下がった月は、取得した口数が前月より確実に増えています。これが積立投資の効果であり、そのことを実感できれば、報告書確認の第一の目的は達成です。ただ、これを機会にもう少し深く、積立額と口数の関係を知りたいと思った人のため説明しておきましょう。

    例えば、「日本株オープン(仮称)」という投資信託を毎月1万円ずつ購入しているとします。一般に、投資信託は1口=1円(額面金額)でスタートするものが多く、このファンドもそうだすれば、最初は1万円=1万口となり、その後、価格(基準価額)は日々変動していきます。

    一方、積立てのために支払うお金(約定金額)は毎月1万円と決まっています。したがって、購入日に基準価額が2万円とすれば、購入した数量は5,000口となります。逆に、基準価格が7,000円であれば、その月は14,285口購入できたことになるわけです(※1)。

    ※1 実際は購入時に手数料等のコストが別途発生します。

    世界一の投資家「GPIF」に学ぶ これを機に資産バランスを見直そう

    積立投資のメリットは、言い換えれば、市場や景気の動向を気にせず続ける、いわば「何もしなくていい」投資法だとも言えます。しかし、こういった投資環境や世界情勢の大きな変化で、多少なりとも不安を感じた方は、これをいい機会ととらえ、ぜひ実践してほしいことがあります。それは投資配分や投資先の見直しです。

    投資の基本は分散です。これは「卵をひとつのかごに入れてはいけない」という話で説明されることが多い、投資リスクを抑える手法です。投資信託はファンドマネージャーという投資のプロが、複数の投資先を選定し、その資産配分も十分に考慮された商品です。同じ「ひとつ」の投資商品を購入するとしても、A社の株式だけを買うのとは違い、投資信託はそれ自体で分散投資していることとなります。さらに、それを積立で購入すれば、時間の分散にもなるわけですから、理にかなった投資法と言えるでしょう。

    とは言え、投資信託はどれも同じではありません。それぞれに投資先やその配分に特徴、違いがあります。したがって、あなたが毎月積立で購入している投資信託が、いずれも日本株に投資するファンドであれば、日本株という市場では分散されていても、日本国内の、しかも株式という偏りがあるという見方もできるわけです。

    分散投資は、より広く分散するほど、その効果が活きる。そのことを誰よりも説得力をもって証明している投資家がいます。それがGPIFです。

    正式名称は「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF=Government Pension Investment Fund)」。2006年に日本政府が設立しました。厚生年金、国民年金の積立金を管理・運用している機関ですから、実は皆さんのとても身近な存在です。そして、注目すべきはその運用資産額。2019年度第3四半期で、およそ169兆円。GPIFは世界最大の機関投資家でもあるのです。

    そうなると当然、GPIFの運用状況は世界市場に大きな影響を与えるとともに、投資をする個人にとってもひとつの指針、教材になります。では、具体的にどのような運用をしているのでしょうか。商品はほぼ投資信託で構成され、その基本ポートフォリオ(配分)は国内株式25%、国内債券35%、外国株式25%、外国債券15%。原則、この配分を、その時期、情勢に合わせて微調整しています。結果、2001年度~2019年度(第3四半期)における収益は累積で75兆2,000億円に達しています。

    出所:年金積立金管理運用独立行政法人「2019年度第3四半期運用状況(速報)」

    この世界最大の投資家から見えることは、国内と外国、株式と債券できっちり分散投資をしているということ。もちろん、数字までピッタリと合わせる必要はありませんが、もしも自身の投資内容に偏りがあれば、見直す価値は十分にあります。複数本購入しているならその配分を見直す(配分変更)、あるいは一部を売却して新たな投資信託を購入する(スイッチング)。GPIFのポートフォリオに近いバランス型の投資信託を選択するという方法もあるでしょう。

    ともあれ、積立を継続しながら、投資内容を確認し、見直す作業は定期的に行なっていく。それがよりリスクを抑え、将来増えることが期待できる資産運用に近づく有効な方法なのです。

    あらためて今回のおさらいです。

    [積立投資の評価額が下がって心配……、そんなときの心得3か条]

    投資の原則を知って、未来に備えていきましょう。

    文:ファイナンシャルプランナー 清水京武

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