マネーレッスン

つみたてNISA(積立NISA)に確定申告は必要?口座による違いや節税効果を解説!


    • Facebook
    • Twitter
    • Hatena
    • Line

    毎年2月16日から3月15日の1カ月間は確定申告のシーズンです。前年の1月1日から12月31日までに得たすべての所得を計算し、税金を納めます。こう書くと「投資で儲かったら、税金を納めなくてはいけないの?」「つみたてNISAでも確定申告をしなくてはいけないの?」と思われる方もいるでしょう。実は、どの口座を使うかによって、確定申告が必要か不要かは変わります。そこで今回は、証券会社に作る口座(証券口座)による違いや節税効果について解説します。

    証券口座による確定申告の要不要

    証券口座によって確定申告の要不要は異なる

    証券口座には、「一般口座」「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」の3種類があります。また、それとは別に、「NISA口座」または「つみたてNISA口座」を作ることもできます。

    これらの口座は、投資の利益にかかる税金の扱い方がそれぞれ異なります。つまり、どの口座を利用しているのかによって、確定申告の要不要も変わってくることになります。以下、具体的に紹介します。

    ・一般口座

    一般口座の場合、自分で1年間の売買損益を計算して確定申告を行ない、納税までする必要があります。

    ・特定口座(源泉徴収なし)

    特定口座(源泉徴収なし)の場合、証券会社が年間の取引報告書を作成してくれますが、納税までは行ないません。証券会社から届く年間取引報告書を参考に自分で確定申告をして、納税する必要があります。

    ・特定口座(源泉徴収あり)

    特定口座(源泉徴収あり)の場合、証券会社が年間の取引報告書を作成してくれます。さらに、売買損益・税金の計算を行なったうえで、税金を自動的に売却代金から差引くため、確定申告は原則不要となります。

    ・NISA口座・つみたてNISA口座

    NISA口座・つみたてNISA口座の「NISA(ニーサ)」とは、投資の利益にかかる税金が非課税となる制度です。NISA口座・つみたてNISA口座内での投資はそもそも非課税ですので、確定申告も納税も不要となります。

    したがって、原則確定申告が不要になる口座は、特定口座(源泉徴収あり)とNISA口座・つみたてNISA口座となります。

    つみたてNISA(積立NISA)は基本的には確定申告の必要なし

    つみたてNISAは、そもそも非課税なので、基本的には確定申告をする必要はありません。しかし、証券会社につみたてNISAの口座だけを開設することはできません。つみたてNISAの口座は、証券口座とセットで開設しなくてはならないのです。

    一般口座・特定口座(源泉徴収あり)・特定口座(源泉徴収なし)の3種類の証券口座で、初心者の方におすすめなのは、やはり確定申告が原則不要な「特定口座(源泉徴収あり)」。税金の計算はもちろん、確定申告の手間がないので楽ですね。

    ただし投資で損失が出た場合、確定申告をすることで、利益から損失を差引くことができる「損益通算」ができます。例えば、特定口座(金融機関A)での損益がプラス40万円、特定口座(金融機関B)の損益がマイナス20万円だった場合、確定申告をすることで損益通算することができるので、利益40万円-損失20万円=20万円となり、20万円が課税対象になります。つまり、損益通算をすると、課税対象となる利益を小さくすることができるので、納税額を少なくできるわけです。特定口座(源泉徴収あり)の場合、損失が出ても確定申告は原則不要ですが、確定申告をしたほうがいいケースもあることは、知っておいてください。

    つみたてNISAの具体的な始め方については、以下の記事も参考にしてみてください。

    <関連記事>

    つみたてNISA(積立NISA)の始め方!口座開設の方法や必要書類などを解説!

    そもそも確定申告ってなに?

    さて、ここまで何度となくお話ししてきた確定申告についてもおさらいしておきましょう。

    確定申告とは、毎年納める「所得」にかかる税金の額を計算し、税務署に伝えることです。「所得」とは、前年の1月1日から12月31日までの1年間に個人が獲得した収入から、支出した必要経費を差引いた(控除した)後の金額のことです。所得からさらに、各個人の都合に合わせて差引く控除額が変わります。これを「所得控除」と言います。所得(課税所得)から所得控除を引き、残った金額に5%〜45%(課税所得額により異なる)の税率を掛けたものが最終的に納税する所得税となります。

    とはいえ、会社員や公務員の場合、「収入が給与しかない」という人は、基本的に確定申告は不要です。というのも、支払う所得税は、毎月の給与からいったんざっくりと計算した額が天引きされ、年末に年末調整で正しい金額に調整します。ですから、会社に手続きをお任せしておけば、自分で税金を納める心配はありません。ただし、場合によっては会社員でも必要な場合があります。

    以下の条件に当てはまる人は、会社員でも確定申告が必要です。

    • 給与収入が2,000万円を超える人
    • 2つ以上の会社から給与をもらっている人
    • 給与所得がある人で他の所得の合計が20万円を超える人
    • 年の途中で退職して年末までに再就職していない人
    • 医療費控除を受けたい人 等

    つみたてNISA(積立NISA)の節税効果

    つみたてNISAでどれだけ節税できる?

    通常の投資では、利益に20.315%の税金がかかります。この影響は、けっこう大きいでしょう。例えば、10万円の利益が通常の証券口座での投資で出た場合とつみたてNISAで出た場合で考えてみます。

    ・通常の証券口座での投資で10万円の利益が出た場合

    せっかく投資で利益を得たとしても、税金を2万315円支払う必要があり、手取り金額は7万9,685円になってしまいます。

    ・つみたてNISAで10万円の利益が出た場合

    つみたてNISAであれば、税金を支払う必要はありません。10万円をそのまま受取ることができます。

    このようにつみたてNISAであれば、税金が非課税となるのでおすすめです。

    もう少し具体的に見てみましょう。

    仮に毎月3万円ずつ、20年間積立投資をしたとします。投資がうまくいって20年間一度も売却しなかった場合、例えば、年利2%で増えたとしたら約164万円、年利4%で増えたとしたら約375万円の利益となります。

    例:毎月3万円ずつ、20年間積立投資し、年利2%・4%ずつ増えた場合の20年後の積立額合計・利益

    ※大和証券「つみたてシミュレーション~税制メリット版~」をもとに作成

    もしこの利益が、通常の証券口座での投資の利益だったら、20.315%の税金がかかることに。税額は、年利2%なら約33万円、年利4%なら約76万円にもなるのです。

    その点、つみたてNISAでの利益だったら、利益は非課税!税金を節約して、利益を増やすことができるのです。

    例:通常の証券口座での投資とつみたてNISAでの投資の税額・手取りの違い

    ※大和証券「つみたてシミュレーション~税制メリット版~」をもとに作成

    こうしてみると、つみたてNISAの節税効果がわかりやすいですね。

    iDeCo(個人型確定拠出年金)のように、掛金が全額所得控除になることはありませんので、所得税、住民税が少なくなるわけではありませんが、運用益が長期間にわたり非課税になるだけでも、資産形成をする上では有利になることがわかりますね。

    確定申告以外でつみたてNISAによくあるQ&A

    Q1. NISAとの違いは?

    新規に投資できる期間がNISAは、2014年から2023年までの10年間、つみたてNISAは、2018年から2037年までの20年間(※)で、NISAの年間投資上限額は120万円、つみたてNISAの年間投資上限額は40万円です。投資商品にも違いがあり、NISAは、国内外の個別株式、投資信託、REIT、ETFなどに投資することができます。一方、つみたてNISAでは金融庁が定めた一定基準を満たす投資信託・ETFから選択することになりますので、初心者にとっては選びやすいでしょう。また、投資方法にも違いがあり、NISAは、まとまった金額を一括投資することも、積立で投資をすることもできますが、つみたてNISAでは、定期かつ継続的方法による積立しか認められておらず、一括投資はできません。

    ※2020年度の税制改正により、NISA制度の見直し・つみたてNISAの期間延長が予定されています。

    Q2. 利用限度額(非課税)はどのくらい?

    1年間の投資上限金額は40万円までで、非課税期間となる期間は最大20年間となります。

    Q3. 非課税期間が終了するとどうなる?

    つみたてNISAの非課税期間終了時に売却を選択しない場合、その資産は、つみたてNISA口座から課税口座(特定口座・一般口座)へ移管することになり、その後の売買益等については課税されることになります。

    Q4. つみたてNISAで対象の商品は?

    つみたてNISAの対象になっている商品は、金融庁が定めた「長期」「積立」「分散」投資に適した一定基準を満たす投資信託・ETFです。インデックス型の投資信託が155本、アクティブ型の投資信託が18本、ETFが7本で180本程度がラインナップされています(2020年3月16日時点)。金融機関によって取扱っている商品は異なるので、事前に確認しておきましょう。つみたてNISAで購入できる投資信託は、いずれも購入時にかかる手数料が無料です。保有時にかかる信託報酬も一定水準以下となっています。

    Q5. つみたてNISAで購入した商品は売却できる?

    投資の期間は最大20年ですが、途中で売却することも可能です。ライフプランに合わせて柔軟に活用することができるので、これから結婚を考えている方や小さいお子様がいる方などにとっては、安心できるのではないでしょうか。ただし、運用中または売却時に元本割れする可能性があるということも、覚えておきましょう。

    Q6. すでにNISA口座がある場合、新たにつみたてNISAを始めるには?

    NISA口座は、年に1回つみたてNISA口座に切替えることができます。NISA口座のある金融機関に口座区分の変更届を提出すれば、口座が切替えられます。ただし、口座を変更したい年に1回でもNISA口座で取引をしていると、その年内はつみたてNISA口座に切替えられなくなるので、注意しましょう。例えば、2020年1月にNISAで取引をした方が、2月につみたてNISA口座に変更しようとした場合、実際に口座が変更されるのは、2021年1月からになります。

    つみたてNISAは、積立投資で得られた利益を非課税にできる制度。一定額ずつ投資していく積立投資は、中長期的に安定して投資を行なうための王道ともいえる投資法です。

    つみたてNISAは少額からスタートできますので、少ない金額で試して、慣れてきたら増やす、といったこともできます。

    積立投資では、商品の値動きを気にせず、毎営業日・毎週など決められた日に一定額を自動的に投資していきます。このようにすればタイミングを計る必要もありませんし、わざわざ買付ける手間もありません。そのうえ、単価が安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わないことになるため、平均購入単価が下がることにもなります。

    少額から投資でき、かつ、税制優遇のメリットを長期間にわたり受けることができるつみたてNISA。ぜひ、つみたてNISAを活用して投資の第一歩を踏み出しましょう。

    まとめ

    確定申告が不要の「つみたてNISA(積立NISA)」は投資初心者におすすめ!少額から挑戦してみましょう。

    証券口座のうち、一般口座・特定口座(源泉徴収なし)で投資の利益が出た場合、基本的には確定申告が必要です。一方、特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座、つみたてNISA口座ならば、原則確定申告は不要です。確定申告は慣れないとなかなか難しいもの。はじめて投資をする方であれば、確定申告なしで済む口座を選んだほうが楽でしょう。特に、利益にかかる税金を長期間にわたりゼロにできるつみたてNISAは、効率よく投資することができます。少額からでも良いので、ぜひ挑戦してみましょう。

    執筆/高山 一恵
    2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業。10年間取締役を務めた後、現職へ。女性向けWEBメディア『FP Cafe®』や『Mocha』を運営。全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい講演には定評がある。

    このページの情報は役に立ちましたか?

    <関連記事>

    つみたてNISA(積立NISA)は初心者でも長期的にコツコツ投資できる!その特徴やメリット・デメリットを徹底解説

    つみたてNISA(積立NISA)の始め方!口座開設の方法や必要書類などを解説!

    初心者向け「つみたてNISA」がわかれば、投資はもっとお手軽・簡単に!

    20年間利益に非課税!「つみたてNISA」が子育て世代に向いている理由とは

    <関連サイト>

    積立投資ではじめよう!わたしの未来へ つみたて投資。

    ダイワのつみたてサービスの魅力。

    -moneyell-投資の「はじめて」と「これから」を応援

    <関連キーワード>


      RECOMMENDED この記事を読んでいる方へのオススメ

      カテゴリーごとの記事をみる


      TOP