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子どもと遊ぶゲームが、世界の頂点へとつながる「eスポーツ」


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    世界的に盛り上がっているとは聞くけど、内容はよく分からない人も多い「eスポーツ」。ここではゲームライターの田下広夢さんに、eスポーツの現状と子どもと一緒に楽しむ方法などを教えていただきます。さらにeスポーツ全体の盛り上げに役立つ関連企業への投資について、海外の株式市場に詳しい戸松信博さんに伺いました。

    ゲームがスポーツと呼ばれる理由

    「eスポーツ」という言葉、ご存知でしょうか。シューティングゲームや挌闘ゲーム、あるいはデジタルカードゲームといった、PCやスマートフォン、専用ゲーム機などのデジタルゲームを使ったスポーツを、eスポーツと呼びます。

    ゲームなのに、体を動かさないのに「スポーツ」なんておかしい、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この場合のスポーツは、運動という意味よりは、競技という意味で使われています。

    例えば、ゲームの中には、遊びとして盛り上げる為に、運が良ければアイテムで一発逆転、どんなに有利な状況でも驚きのギミック(仕掛け)で最後まで勝敗は分からない、というような作りにしてあるものも少なくありません。しかしそのようなゲームは、eスポーツと呼ぶにはあまりふさわしくないかもしれません。それよりは、技術によって勝敗の大部分が決定されるゲームの方が競技的であり、eスポーツと呼べるでしょう。

    海外では定着したeスポーツ。日本での本格普及はこれから

    2018年3月に総務省が公表した「eスポーツ産業に関する調査研究報告書」によると、海外におけるeスポーツの市場規模は2017年時点で約700憶円、YouTubeなどで試合を観戦するオーディエンスは3億3,500万人とされています。一方、国内市場は5億円未満、オーディエンスも158万人にとどまっています。ただし、この調査を委託された、『ファミ通』などのゲームメディアを運営するGzブレインが独自に行なった調査(2018年12月)では、2018年の国内eスポーツ市場が前年度比13倍の約48憶円に成長と発表。さらに2019年から2022年までの年間平均成長率を19.1%と予測するなど、世界大会などで盛り上がる海外に続いて、日本の市場が徐々に開拓され始めている、というのが現状です。

    eスポーツは海外で大きく発展した文化なので、日本よりも海外で有名なタイトルで盛り上がっている場合が多いのですが、日本で人気のゲームの中では、格闘ゲームの『ストリートファイター』シリーズや、デジタルカードゲームの『Shadowverse』などが盛んです。

    また、2018年夏にはパレンバン(ジャカルタ)で開催されたアジアにおけるスポーツの祭典「第18回アジア競技大会」では、eスポーツがデモンストレーション競技として採用されるなど、注目はさらに高まっています。

    子どもと一緒に楽しむeスポーツのススメ

    さて、いくらメディアがeスポーツは盛り上がっているとはいっても、どこか自分とは関係ないことのように思っている人も多いかもしれません。

    確かに、世界大会に出られる人はなかなかいないでしょう。しかし、観ることはできます。最近はeスポーツの大会が動画配信を行なったり、eスポーツ専門の動画配信サービスが登場したりと、自宅にいながら観戦できる環境が整ってきました。少しでも興味を持った方は、ぜひ試合の観戦から始めてみてください。その時、特に重要なのは自分の好きなゲームタイトルの観戦をするということです。運動するスポーツでも同じですね、中学生の時は野球部だった、サッカーチームにいたことがある、今はゴルフをしている……そうした人なら、プロの試合でもまったく経験がない人よりずっと楽しめると思います。eスポーツも同じです。

    さらに、あなたがその気になれば、世界一に……とは言いませんが、簡単に参加することが可能です。誰でも参加できるeスポーツの大会が日本各地で行なわれていますし、もっと手軽に自宅から参加が可能な、オンラインでの大会などもあります。いつも楽しく遊んでいるだけのゲームが、大会という目標を持つだけで、モチベーションが大きく変わります。お子さんと一緒に仲間を集めてチームを組み、これまでの大会動画を観て研究し、戦略を検討し、予選に向けて特訓する。きっとそれはただのゲームを超え、親子で何かを成し遂げるという特別な体験になるでしょう。

    eスポーツ関連企業を投資対象として考えるなら?

    観戦したり参加したりする以外に、eスポーツを盛り上げる方法の一つとして、関連企業を投資で応援する方法もあります。そこで海外の株式市場などにも詳しい戸松信博さんに、eスポーツ市場の将来性と注目銘柄を紹介してもらいました。

    注目のeスポーツ関連企業 戸松さんが選んだ理由
    コナミホールディングス
    (東証1部 9766)
    大手ゲーム開発会社であり、スポーツ施設では業界首位。「ウイニングイレブン 2019」のeスポーツ世界選手権「PES LEAGUE WORLD TOUR 2019」のオンライン予選を開始したほか、日本野球機構(NPB)と共同で「実況パワフルプロ野球 2018」を競技タイトルに使用したプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALLパワプロ・プロリーグ」を開催するなど、eスポーツに注力。スマホゲームの好調により2019年3月期は連続最高純益見通し。財務内容も良く、増配傾向が続いている。
    コーエーテクモホールディングス
    (東証1部 3635)
    2009年にコーエーとテクモが経営統合して誕生したゲーム開発大手。同社が主催する「DEAD OR ALIVE 6 World Championship」は、北米、欧州、アジアの各地域で予選大会を行ない、各地域代表者が日本で開催予定のグランドファイナルで競うeスポーツ大会。予選を含めた賞金総額は1,000万円を予定するなど、力を注いでいる。業績は緩やかな拡大基調となっており、2019年3月期は営業利益で過去最高益を更新する見通し。有利子負債がゼロで財務内容も強固。
    アカツキ
    (東証1部 3932)
    ソーシャルゲームの企画・開発を手がける企業。主力タイトルはバンダイナムコホールディングス(東証1部 7832)と共同開発した「ドラゴンボールZドッカンバトル」。2018年8月にはプロスポーツチームのeスポーツ部門が参加するeスポーツリーグ「LPE」を設立・運営するスペインのPROFESSIONAL ESPORTS LEAGUEを買収しeスポーツに本格参入。主力ゲームが好調で2019年3月期は最高益更新見込み。財務内容も良く、ROEは2019年3月期予想で36%と高水準。
    サイバーエージェント
    (東証1部 4751)
    ネット広告代理、スマホサービス、ゲーム、ネットテレビ局などを運営している大手ネット企業。子会社のCyberZがエイベックス(7860)のグループ会社エイベックス・エンタテインメントと国内最大級のeスポーツ大会「RAGE」を開催している。ネットテレビ局育成などの費用増で利益は伸び悩むが売上は堅調に拡大しており、ポテンシャルは高い。
    MCJ
    (東証2部 6670)
    主に「マウス」ブランドでパソコンの製造販売を行なっている企業。一見、eスポーツ関連銘柄ではないように見えるが、eスポーツなどの用途特化型の高機能PCに注力していることから、eスポーツ関連銘柄としても注目されている。高単価、高付加価値製品の継続的な好調に加え、引き続きEC及び法⼈向け販売を中⼼に好調を維持で、業績は好調。2019年3月期は連続最高益更新見通し。
    Game With
    (東証マザーズ 6552)
    スマホゲームや家庭用ゲームの大手攻略情報メディアサイト「Game With」を運営している企業。広告が主な収入源。eスポーツプロチームを結成するなど、eスポーツ事業に注力しており、大会運営事業化を検討中。業績は、利益は伸び悩むも売上の拡大が進む。有利子負債ゼロで財務内容良く、ROEも2019年5月期予想で23%と高水準。

    海外での人気の高まりに比べて一歩遅れていた感もあった日本ですが、ゲーム会社がeスポーツの大会を主催・支援したり、ネットでの配信が普及したりと、今後は試合を観る機会も増えていくでしょう。まずはお子さんと一緒に観戦するなど、気軽にeスポーツに接してみてはいかがですか。

    文:田下 広夢(たおり ひろむ)
    ゲームと社会問題との関わりや、ゲームと文化、ゲームとビジネスなどについて多角的に考察するライター。ゲーム初体験は5歳。以来、ゲームと共に育つ。東京造形大学卒業後、テレビ東京で番組制作に携わり、独立後は現代美術のギャラリーを経営する中で、ゲームを芸術として評価すべきものであると啓蒙する活動を開始。その活動を通して、ゲーム開発者などから、ビジネス的なアドバイスを求められるようになる。現在、ゲーム業界全体を文化的側面から支援するため、ライターとして活動中。

    銘柄選択:戸松 信博
    グローバルリンクアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長。1995年よりいち早く中国株に注目し、独自の投資研究を積む。1999年からは自らインターネット上で中国株の情報配信を開始。現在、読者数は3万人近くに達する。2001年よりユナイテッドワールドインベストメントジャパン株式会社に取締役として移籍、04年からは同社代表取締役に就任。2005年に同社を買収し、社名を現社名に変更。

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