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新年度は資産運用も始めどき。初心者でも3分で分かる、NISA、つみたてNISA、iDeCoの違い


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    新年度から資産運用を始めるといい理由

    花が咲き、空も明るくなる春は、心ウキウキとなにか新しいことを始めたくなりますよね。また、この春から、仕事や暮らしに変化が訪れたり、子どもが進級したりして、改めて将来必要になるお金のことが気になり始めた人もいるでしょう。

    そんな皆さんは、将来に向けた資産運用を始めるチャンスです。なぜなら、暮らしの変化でお金を貯める目標が明確になった人の方が、より目的にあった運用を考えやすいから。それに、新しいことを始めてみたいというウキウキ、ワクワクした気持ちで始めてしまえば、「意外に始めるのは簡単だった」と思えるでしょう。

    資産運用を始めたら、経済ニュースに関心を持った、もっと学びたくなったという人も多いもの。資産運用をきっかけに、そんな新しい自分と出会えたら面白いとは思いませんか?

    目的にあった「投資がお得にできる制度」を選ぼう

    資産運用をやってみよう、と思った方にぜひ知っておいてほしいのが、投資がお得にできる制度のあれこれ。それが、テレビCMやインターネットの広告などで見聞きすることも多い「NISA(ニーサ)」「つみたてNISA」「iDeCo(イデコ)」といった制度なのです。

    これらは「つみたてNISA」や「iDeCo」といった金融商品があるのではなく、それぞれの専用口座を利用して投資を行なうと、運用で得た利益が非課税になるなどの税制メリットがある制度のこと。せっかく資産運用を始めるなら、自分にあった制度を選んで上手に活用したいですね。

    3つの制度選びのヒントになるのは資産運用の目的です。あなたの目的はどちらに近いでしょうか?

    (1)将来に向けてこれから資産を築きたい
    (2)いまあるお金を上手に運用したい

    (1)「将来に向けてこれから資産を築きたい人」

    将来の子どもの教育費に向けてお金を貯めたい、年金だけでは不足する将来の老後資金を補うためにお金を貯めたい、そんな人には、長期の積立投資ができる制度が向いています。いまはまだまとまった資金が手元になくても、毎月定額の投資を続け、時間を味方につけて運用すれば資産を築けます。

    そうした人に向いている制度が「つみたてNISA」や「iDeCo」です。両者の違いはのちほど紹介します。

    (2)「いまあるお金を上手に運用したい人」

    一方で、すでにまとまった預貯金がある人やボーナスをそのまま運用したい人、相続・退職金などでまとまった収入があった人などは、株式やETF(上場投資信託)など相場を見ながら売買することもできます。

    そうした人に利用してもらいたい制度が「NISA」です。この制度ものちほど紹介します。

    目的が分かれば、あなたにあった「投資がお得にできる制度」を選びやすくなります。

    自分にあった制度をチェック!それぞれの特徴とは

    ここでは「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」という3つの制度の特徴を紹介します。自分の目的にあった制度だけでも読んでみてください。

    積立投資で60歳までに使う可能性のあるお金を準備するなら「つみたてNISA」

    • つみたてNISAは初心者でも投資が始めやすいようにと金融庁が用意した制度で、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度。対象となる商品も金融庁が認めた、長期・積立投資に向くタイプの金融商品に限られています。販売手数料も投資信託の場合は無料で、運用期間中にかかる信託報酬というコストも低く設定されています。
    • お得な点は、投資から得られる利益(売却益・配当等)にかかる税金が非課税になること。
    • 年間の投資可能額は最大40万円で、非課税期間は最長20年間。ただしNISAと同時に利用することはできません。
    • 利用目的としては、住宅購入資金や教育資金の準備に向いているでしょう。目安としては10年以上先で60歳までに使いたいお金の準備と考えればいいでしょう。

    詳しい利用条件などはこちらで確認を。

    積立投資で60歳以降に使うお金を準備するなら「iDeCo」

    • iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称で、公的年金だけでは不足する老後資金を、自分でお金を拠出して運用しながら準備するための制度です。
    • お得な点は、iDeCoの掛金が全額所得控除になり、その額に応じて所得税や住民税が還付されること。また運用益も非課税になります。
    • 毎年、運営管理手数料がかかること(手数料は金融機関によって異なります)、原則60歳になるまでお金を引き出せないことには要注意です。
    • 利用目的としては、60歳以降に使いたいお金を積立で用意したいケースです。

    詳しい利用条件などはこちらで確認を。

    いまあるお金を、株式投資なども含めて運用したいなら「NISA」

    • NISAは少額からの投資を行なう人のために金融庁が用意した非課税制度です。対象となる商品は投資信託のほか、株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など。
    • お得な点は、投資から得られる利益(売却益・配当等)にかかる税金が非課税になること。
    • 年間の投資可能額は最大120万円で、非課税期間は最長5年間。ただしつみたてNISAと同時に利用することはできません。
    • 利用目的としては、値上がり益を期待して株式や投資信託を組み合わせて保有する、分配金目的でREITなどの好配当銘柄を選んで長期保有する、といったこともできます。

    詳しい利用条件などはこちらで確認を。

    これから資産運用を始めよう、という気持ちを後押ししてくれる、3つの「投資がお得にできる制度」をご紹介しました。新年度を迎えて夢が少しずつ膨らんでいくように、資産も目的に合わせて増やしていきたいですね。

    文:ファイナンシャル・プランナー 氏家祥美

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    つみたてNISA

    NISAとは

    ダイワのiDeCo

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