マネーレッスン

年収3万円の元お笑い芸人が株式投資で資産1億円になれた理由 vol.2


    • Facebook
    • Twitter
    • Hatena
    • Line

    「株に興味はあるけど、なんだか怖い…」と感じる人もいるかもしれません。今回はコントトリオ「シンブン」(元ザ・フライ)の一人としてキングオブコント2011で準決勝進出の経験もあり、個人投資家に転身した井村俊哉さんに、前回の記事「年収3万円の元お笑い芸人が株式投資で資産1億円になれた理由vol.1」に続いて、共働き子育て家庭向けの投資法についてお聞きします。

    「共働き子育て家庭の資産運用で、株式投資は取り入れた方が良いのでしょうか?」と井村さんに聞いてみたところ、「株は、みんなやったほうがいいと思います」と即答!

    「僕は、数ある資産運用のなかでも自分には株が合っているし、最強だと思っています。いろいろな企業の業績や商品内容などを見ていると、世の中にあふれる情報への理解も格段に深まります。もちろん山あり谷ありですが、株式投資をすることは、自分の資産にも人生にもプラスになると信じています」(井村さん、以下同)

    子育て中は忙しい毎日ですが、だからこそ株式投資が真価を発揮するそうです。「僕は今、仕事や子育てに時間を使いたいので、取り引きに時間を掛けなくてもいい中長期投資に取り組んでいます。また時間ができたらガッツリ取り引きしたいですね。こんな風に、自分のライフスタイルに合わせて投資の仕方を変えられるのも、株の魅力の一つです」

    投資となると、数十万から100万円以上の資金が必要だと思われがちですが、数万円から買える銘柄もたくさんあります。

    「例えばボーナスで10万円のブランド物のバッグを買ったとします。しかし、やはり使わないなと思ってすぐに売ったとしても中古品になってしまい、物によっては相当お安くなってしまう。もし半額で売れたなら5万円の損失です。その点、株は違います。いったんは手元から現金10万円なくなりますが、株の価値が10万円より上がることもある。もちろん下がる可能性もありますが、配当金や株主優待がもらえればその分はプラスです。こう考えると、株式投資って巷で言われているほどリスクはない、と僕は思います。しかも株は5万円ほどで買える銘柄もたくさんあります。あまり気負わず、もっと気軽にカジュアルにトライしてみて欲しいです」

    なじみのある会社からスタートしてみる

    初めて株式投資をする際は、「なじみのある会社から始めるのがお勧め」とアドバイス。

    「よく行くスーパーや外食のお店の株というのも手ですね。会社が成長していけば、株価は上がるものです。『いいお店だな』と思う人が多ければ、その会社はなくならないという考えもできますし。それなら好きな化粧品会社やお菓子メーカー、家電量販店なども分かりやすいですよね。

    『テクニカルが…』『今後の景気が…』とマーケットでは色々なことが言われていますが、過度に気にする必要はありません。世の天才たちが金融工学を駆使して攻略しようとしても、必ずしもうまくいくとは限らないのが投資の世界。投資は企業の成長に乗るものなので、いわば“人々の頑張り”が集まる場所と考えるのがいいと思います。ボーナスがちょっと多めに出たときに、『気になっている会社を10万円で応援してみるか』という感覚で始めてみると、意外にうまくいくものです。あと日本には、個人投資家が大好きな“株主優待”があります。株主優待狙いで株を買うのも、異次元のお得体験ができていいと思いますよ」

    実際井村さんは、ネットで調べたら8万6000円だった一眼レフカメラを、家電量販店の株主優待やクーポンを駆使して5万9000円で買った経験もあるとか。これも株式投資の魅力と言えます。

    「投資先の会社が潰れたらどうしよう……」という不安がある人は?

    ただし、初心者にとっては、『投資先の会社が潰れたらどうしよう』という不安があるもの。

    「そんなに心配する必要はありませんよ。データで見てみると、上場企業3600社以上(2018年12月28日時点)あるうち、倒産件数は2016年はゼロ、2017年は2件、2018年は1件(東京商工リサーチのデータより)。逆に引き当てる方が難しいくらいです。といっても、あらゆるチャレンジに失敗があるように、会社だって失敗します。でも失敗を乗り越えた会社ほど力強く成長していくのではないでしょうか」

    株式投資を考えたい人にお勧めの、5つのポイント

    ここで、共働き子育て家庭が、株の銘柄を考えるときにチェックしたい5つのポイントを教えていただきました。

    ポイント1 自分の会社の「競合他社」または「転職したい会社」

    「仮に『営業で競うといつも勝てない』という会社があれば、今後も伸びると見込めるのではないでしょうか。また、『転職するなら、あの会社に挑戦したいな』『自分は中途入社では入れてもらえないかもしれないけど、転職するなら絶対にあの会社』というところもいいですね。転職するということは、自分の人生を賭けるということ。そこまで考えるからには、その会社の業績や商品はもちろん、働きやすさや業界内での立ち位置なども調べるでしょう。調べたうえで転職したいと思えるほど魅力的なら、成長も期待できるというわけです」

    ポイント2 「本当にいいこと」をやっている会社

    「『社会のため』『誰かのため』になっている会社かどうかは、とても大事です。きれいごとではなくて、本当にいい会社だと自分で思えないと、株を安心して持っていられません。おかしなことで利益を上げていたら、いずれ問題になり、行政処分を受けたり、訴訟問題に発展したりするかもしれないので、チェックしましょう」

    ポイント3 「伸びている会社」

    「しっかり成長している会社かどうかも重要です。四半期ごとに、健康診断のように決算が発表されるので、『ちゃんと伸びているな』と感じられるかどうか。思ったより伸びていないと思ったら、一度売るというのも選択肢です。株は、一度さよならして再び買い戻しても、絶対にイヤな顔をしませんから(笑)」

    ポイント4 「3年後」を考えて、ワクワクする会社

    「短期の視点だと、明日売ろうか、明後日売ろうかと、目先の株価の動きが気になります。少し下がるだけで『わ~、なんで昨日売らなかったんだろう』と、精神的に疲れます。『3年後くらいに、これくらい成長していたらいいな』とワクワクできる会社がポイント。明日のことではなくて、3カ月毎に、3年後に目指す姿がブレていないかをチェックしましょう」

    ポイント5 株価が下がったときに、「もっと欲しい」と思えるか

    「例えば10万円で買った株価が9万円に下がったときに、『わ~、売らなきゃ』と焦るのではなく、『一時的に下がってラッキー。また上がるだろうから買いたいな』と思える会社かどうか。それこそが、投資すべき会社だと思います。もちろん、3年後にその会社の状況が変わり、イメージする姿とブレて9万円に下がったなら売る必要はありますが、長期投資は『長い時間かけて上がる』と思って買うわけですから、目先の上げ下げにはとらわれる必要はありません」

    株を買うことで得られる、たくさんのこと

    株を買うと、めぐりめぐって社会貢献にもつながる側面があります。

    「僕自身も、株を買うときに、その会社がやっていることが本当に世の中のためになっているかをしっかり考えます。未来永劫、みんなから応援されるような会社かどうか。社長が何を考えているかも大事なので、SNSなどの発信もチェックしています。

    株を買うことは、社会貢献にもつながります。『このお金があれば、新薬の研究ができるのに…』というバイオベンチャーに投資すれば、新しい薬をつくるキッカケになるかもしれない。すると、今まで治療法がなかった患者さんが助かる。業績が上がれば、株主にはリターンがある。三方よし!ですよね。ゼロサムゲームやマイナスサムゲームのギャンブルなどと違って、株の投資は“プラスサム”といって、全員が儲かる状況になりうる。僕は『将来、空飛ぶ車ができると思うなら、株を買え』なんてよく言っています。スマートフォンも10年以上前には普及していなかったし、この先どんな発展があるかは未知数。でも、明るい未来をイメージできるのであれば、株式投資をする意味はあると思っています」

    2児の父だからこそ、子どもたちの未来に向けて株式投資をしたい。そんな熱い思いが、井村さんの投資の根底にありました。株式投資のスタートとして、まずは生活に身近な企業に着目して少額から始めてはいかがでしょうか。

    井村俊哉さん

    元・株大好き芸人。個人投資家。中小企業診断士。1984年生まれ、群馬大学卒。2011年に100万円の元手で株式投資を本格的にスタート。2017年4月に1億円を達成。キングオブコント2011で3人組のコントトリオ「シンブン」(元ザ・フライ)で準決勝に進出したが、芸人は2017年6月に引退。現在は日経CNBCコメンテーターなどをしながら投資領域で起業準備中。2児の父でもある。2018年12月に著書『年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれたお金の増やし方5.0』(日経BP社)を発刊。

    (文/西山美紀 撮影/稲垣純也)

    <関連記事>

    株式投資初心者におすすめの株の選び方とは

    家族もハッピー!桐谷さんが選ぶ優待銘柄

    株主優待と配当で賢く株式投資する方法

    <関連サイト>

    株式

    ウェビナー

    <関連キーワード>


      RECOMMENDED この記事を読んでいる方へのオススメ

      カテゴリーごとの記事をみる


      TOP