ただ預けるだけじゃもったいない!付加価値たっぷり、イマドキ預金とは?
定期預金というと、普通預金よりはちょっと利息が良いけど、普通預金と大して変わらない……そんなイメージがありませんか?
でも、今どきの定期預金には画期的なものがたくさん。金利が低い今、“利息ではない魅力”を打ち出している金融機関が増えているのです。目からウロコ間違いなしの、昨今の定期預金事情をご紹介します。
こんなにおもしろい!知ってビックリの定期預金事情
“おもしろい定期預金”が増えている、と聞いてどんな想像をしますか?デパートや旅行会社の積立では、商品がお得に買えたり、旅行に行けたりするようなものがありますが、金融機関となるとちょっと想像がつかないのではないでしょうか。
そこで、今回はファイナンシャルプランナーの高山一惠さんに、楽しく貯められる定期預金について聞いてみました。
「最近、『定期預金をすると、宝くじやプレゼントをもらえるって本当ですか?』とお客さまの方から聞かれることが増えてきたんです。特に女性の方は、付加価値のあるお楽しみ的な定期預金に興味を示されますね」
では、貯めて増やすだけではない“プラスαの預金”には、一体どんなものがあるのでしょうか。
意外なものだと、株価や為替相場を予想して、当たると特典があるような定期預金が女性にも人気だと高山さんは言います。
「投資に興味があっても、リスクへの恐怖から一歩が踏み出せない、という人はすごく多いんです。でも、このような予想型の定期預金の場合は、実際に投資をするわけではないので、自分のお金は元本割れしないのに、投資した気分を味わえるというのがよいところかもしれませんね。“予想が当たれば得をする”と思うと、株や外貨に対して自然と興味がもてて、日常的に経済ニュースや相場チェックをするようになりますよ」
このようにして、知らず知らずのうちに投資に必要な知識がついていくので、投資の練習のような感覚で始められるというメリットがあるとのこと。
また、金融機関ごとに、独自の価値をつけた定期預金商品をつくっている場合も多いそうです。
「特に地方の信用金庫や銀行はご当地を活かした特典が多いですね。宝塚の観劇チケットがもらえる、サッカー・野球の観戦チケットが当たる、その地方の特産物がもらえる、ふるさと納税と連動している……など、本当にバラエティ豊か。また、『お得』という観点から考えると少し意外ですが、社会の役に立つようなものも人気がありますね」
社会貢献型の定期預金は、環境保全に役立つことをすると金利が上乗せされたり、預金をするだけで病気の子どもたちに寄付ができたりと、様々な種類があります。
視野を広げて社会を知る“きっかけ”になる
「社会貢献型の預金が選ばれるということは、“自分一人ではなかなかできないけれど、何か行動を起こすことで社会が変わればいいな”という思いを持っている方が潜在的に多いのだと思います。でも、調べて実践するのは大変。特に、私が普段お客さまとして接している30~40代の女性は、子どもが小さくてなかなか手が回らないという方が少なくありません。そんな方々にとって、寄付型の定期預金は“社会貢献のきっかけ”になっているのだと感じます」と高山さん。
“プラスαの預金”を賢く使えば、定期預金がより意義のあるものになるかもしれません。
お金を預けるだけで社会貢献に!寄付型定期預金って?
「社会貢献型の定期預金」と一口に言っても、「どういう仕組みなのか、預けたお金が誰にどんな風に役立つのかがわからない」という人もいるはず。
そこで、社会貢献型の定期預金を提供している大和ネクスト銀行の紫垣さん・中川さんに、社会貢献する仕組みや、商品への想いについてお話を伺いました。
「現在、大和ネクスト銀行では、プレゼントが“もらえる”『プレゼント定期預金』、頑張っている団体を“応援する”『応援定期預金』、株価や為替レートを“予想する”『懸賞定期預金』の3つで展開している『えらべる預金』を扱っています」
それぞれの商品概要を簡単にまとめてみました。
●プレゼント定期預金……外貨預金(米ドル)のみ。預け入れ金額は1万米ドル以上(0.01米ドル単位)
●応援定期預金……円・米ドル定期預金。円の預け入れ金額は10万円以上(1円単位)。米ドルは1,000米ドル以上(0.01米ドル単位)。
●懸賞定期預金……円または外貨(米ドル、豪ドル、NZドル)の3カ月定期預金。預け入れは、円の場合、10万円以上。外貨の場合は、いずれも1,000ドル以上。
「この中でも『応援定期預金』は、病気や障がいのある子どもなどを支援する団体など“子どもの育成に関わる社会貢献”を中心に8団体を選んでいます。そのためか、ご自身もお子様を持つような40~50代の女性のお客さまが多いのが特徴です」と紫垣さん。
「世の中のためになる活動をしている団体に寄付をしたい!」と思っても、気になるのは「寄付金の使い道」。助けを必要とする人たちに、自分の思いがきちんと届いているのだろうかと、不安になることもあるでしょう。
特に、規模の小さな団体は、予算も人員もギリギリで運営していることもあり、広報活動や事務作業まできめ細かに手が行き届かないことも少なくありません。
「この預金をスタートする際、各応援先を取材してまわりました。活動内容を伺い、コンプライアンス面もきちんとチェックしています。活動をしっかりと見守り、内容をお客さまに伝えていくためにも、支援先を闇雲に増やさないようにしようと決め、現在の団体に絞り込んでいます」
普段、寄付をしようと思うと、「私1人が出した少額のお金で本当に役に立つのかしら?」という不安もありますが、定期預金をした人みんなで支援することができるのも魅力の一つです。
「社会貢献というと何か大それたことをしなければならないイメージもあるかもしれませんが、そのハードルを少しずつ低くして寄付に結びつけていければいいなと思っています」
あたたかい支援を通して生まれる心の交流
支援先の一つに、『公益財団法人 鉄道弘済会義肢装具サポートセンター』があります。この団体は、事故や病気で下肢切断を余儀なくされた方が、この先の人生も家族や友人とスポーツを楽しむための“スポーツ用義足”を、製作から装着訓練まで一貫してリハビリテーションサービスを提供しています。
中川さんは、実際に施設を訪れ、取材を行なったときのことを話してくださいました。
「取材の際、実際に義足を利用しているパパがお子さんと一緒にかけっこしている姿を見て、幸せな光景だなと感動しました。」
しかし、現実面では、スポーツ用義足は保険が利かないため自己負担となり非常に高い買い物となります。家族にとって大きな負担となるのも事実です。
「特に、小さいお子さんの場合、体の成長に合わせて義足を変えていかなければなりません。でも、生活用義足とは別にスポーツ用義足があることで、人生の楽しみは大きく広がります。家族の日常に笑顔をもたらす一助になればいいなと素直に思いました」
また、こども食堂普及(石川県内)応援定期預金では、支援先である「わ・もっそこどものレストラン」からお礼の寄せ書きが届きました。一部を抜粋してご紹介します。そこには、こんな言葉が書かれていました。
●おうえんしてくれて ありがとうございます。学校がお休みの日には おひるごはんをひとりでたべていたけど こどもレストランにくると たくさんのひとがいて いっしょにごはんをたべて たのしいです。(2年生のお子さん)
●応えんしていただきありがとうございます。「わ・もっそ」にきて料理をおしえてもらって、お母さんにお弁とうをつくってあげました。お母さんはすごくよろこんでいました。私もうれしかったです。(6年生のお子さん)
●ありがとうございます。「わ・もっそ」で友だちができました。大人の知り合いもたくさんできました。にぎやかで、うれしいです。(5年生のお子さん)
今回の寄付をきっかけに、食事づくりを行なうスタッフの人数を増やすことができ、昼間も活動できるようになったそうです。
「実は、寄付をお届けすると、『この寄付は何に使ったらいいのでしょうか?』と聞かれることが少なくありません。そのため、使い道はすべて決めています。例えば『長期入院のこどもたち 応援定期預金』の場合ですと、1年以上の長期入院をしてなかなか外に出られない子どもたちが季節の移ろいを感じられるように、“四季を感じるイベントを提供する”と明確にしています。このことで、支援する側も納得して寄付ができるのではないかと思います」
日本人の中に確かに根付いている「助け合いたい」という気持ち――その助け合いの文化を「ただ思うだけでなく、行動に繋げたい」という思いから始まったのが、応援定期預金です。
預け入れ金額は10万円から、円のほか米ドルでも預金できます。
社会貢献しながら長期的に貯蓄を増やす。こんなスマートな形の資産形成が日本に根付いていくと素敵ですね。
<専門家プロフィール>
高山一惠さん
ファイナンシャルプランナー。2005年に株式会社エフピーウーマン設立を設立。10年間取締役を務めた後、2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性FPと女性をつなぐマッチングサイト「FP Cafe」事業を運営。著書に『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン―ひとりでも生きていける力を身につけよう』(日本法令)など多数。
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