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子育て世代のカンタン資産運用~投資信託選び3つのポイント


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    子育て世代でも、将来を考え資産運用をしたい

    預金金利が0.1%にも満たない今、家計にゆとりをもたらすには預金以外の金融商品に投資して長期的に資産を増やすことを考える必要があります。とはいえ、子育て世代はマイホームの購入費や子どもの教育費などが優先されるので、大きな資金を運用に回したり、値動きの大きな商品を利用したりするわけにはいきません。

    子育て世代にオススメは、少額から始められる「投資信託」

    ということは、少ない金額で購入でき、値動きがあまり大きくない金融商品を選ぶことになります。この条件にぴったり合うのが投資信託です。

    投資信託は、分散投資することによって値動きが抑えられており、少ない金額でも利用でき積立購入も可能なので、子育て世代向きといえます。ただ、投資信託はファンド(商品)数が5000あまりもあるため、どれを選んでいいかわからずとまどってしまう人も多いようです。そこで今回は、子育て世代に向いたファンドの選び方を見ていきましょう。

    投資信託の選び方3つのポイント

    数あるファンドも、いくつかの観点で“分類”するとわかりやすくなります。分類方法を3つのポイントにまとめました。

    ポイント1:「どこ」の「なに」に投資するか

    それぞれのファンドは、集めた資金を「どこ」の「なに」に投資するかが決まっています。

    「どこ」は場所、つまり投資先で、日本、米国、中国、先進国、新興国などがあります。「なに」は投資対象で、おもに株、債券、不動産の3つ。これを組み合わせることによって、「日本の株に投資するファンド」「先進国の債券に投資するファンド」などに分けられます。また、「先進国の株と債券に投資するファンド」「世界の株と債券と不動産に投資するファンド」のように複数を組み合わせたものもあります。

    ポイント2:「どのように」投資するか

    これには2種類あります。

    1つは、そのファンドの投資先・投資対象全体の価格を表す“指数”と同じ値動きになるように運用するやり方です。例えば、日本の株に投資するファンドの場合、日本の株式市場全体の価格を表す「TOPIX(トピックス・東証株価指数)」と値動きが同じになるように運用するものがあります。この場合、TOPIXが1%値上がりすれば、そのファンドも約1%値上がりし、TOPIXが1%値下がりすれば、そのファンドも約1%値下がりする、ということになります。こうした運用をするファンドは“インデックス型”と呼ばれます。

    もう1つは、指数を上回る運用成果を目指すやり方です。日本株に投資する場合だと、TOPIXを上回るよう、ファンドの運用担当者がいろいろな企業を訪問したり、企業データを分析したりして投資する銘柄(会社)を厳選し、投資します。こうした運用をするファンドは“アクティブ型”と呼ばれます。

    ポイント3:年に何回分配するか

    それぞれのファンドは、運用で得られた利益を一定期間ごとに“分配金”として、ファンドを買って保有している人に支払います。その回数は、年1回、年2回、年4回、毎月などファンドによって決まっています。中には同じファンドで年1回分配と毎月分配のどちらかを選べるといったケースもあります。

    子育て世代に向いているファンドの特徴

    ファンドの分類の仕方がわかったところで、次は子育て世代に向いているファンドを考えてみましょう。

    「どこ」の「なに」に投資するか

    投資先では、経済の安定している日本と先進国、投資対象では、市場の規模が大きくて売買が活発な株と債券が基本です。そうすると、日本の株、日本の債券、先進国の株、先進国の債券の4つが基本となります。ただ、日本の債券は今、利回りが非常に低いので、これを除いた3つを考えればOKです。

    株と債券では、株のほうがお金を増やす力が強いので、子育て世代は運用に株を組み入れるとよいでしょう。日本の株であればニュースなどで動きがつかみやすいので、ファンドを1つ選ぶなら日本の株に投資するものが候補になります。それに、先進国の株か先進国の債券をプラスして投資先・投資対象を分散させるのもお勧めです。

    例えば、夫は日本株ファンド、妻は先進国債券ファンドというふうに、夫婦で使い分けるのも一つの方法です。あるいは「日本と先進国と新興国の株と債券と不動産」のように、複数の投資先と投資対象で運用する“バランス型”と呼ばれるファンドを利用することも考えられます。

    「どのように」投資するか

    アクティブ型はインデックスを上回る運用成果を目指しますが、ファンドによって運用成績の差が大きいのが実情です。優れたアクティブ型ファンドを探すには、ファンドをより細かく分類して運用成績を比較する必要があります。一方、インデックス型は、同じ指数を対象とするものであれば運用成績の差はほとんどありません。ファンド選びで失敗することが少ないので、最初はインデックス型から始めるとよいでしょう。

    年に何回分配するか

    分配タイプは、年1回がお勧めです。

    分配金はファンドの資産の中から支払われるため、分配金を払うとファンドの資産が減ります。毎月分配型はそれを1カ月ごとに繰り返すのに対して、年1回分配型は分配回数が少ないぶん多くの資金を運用に回せるので、毎月分配型より運用効率が高くなります。これからお金を増やしていきたい子育て世代はこちらを選びましょう。

    子育て世代に向いているファンドのタイプ

    以上をまとめると、子育て世代に向いているのは、

    ・日本の株に投資するファンドを中心に、先進国の株や先進国の債券に投資するファンドをプラスする

    ・バランス型ファンドでもよい

    ・最初はインデックス型から

    ・年1回分配のもの

    ということになります。

    ここまで絞れれば、金融機関の窓口でこれに合ったものを探してもらったり、ウェブサイトで自分で探したりできるでしょう。ファンドが選べたら、ムリのない金額で積立投資を始めてみてください。

    文:ファイナンシャルプランナー 馬養雅子

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