わかっているようで意外に知らない「投資信託」の仕組みとは?
「投資信託」は、分散投資でリスクを抑える
お金を増やす方法として、株式投資を考える人は多いでしょう。株は買ったときより値上がりすれば利益が得られ、値下がりすれば損失が生じるというシンプルな仕組みです。
例えばAという会社の株を買うと、それが値上がりしたときは資産が増え、値下がりすると資産が減ります。運用をAだけで行おうとすると、資産全体がAの株価に左右されることになります。
そこで、Aとは違う業種で値動きの傾向も違うBという株にも投資することにします。そうすると、Aが200円値下がりしてもBが100円値上がりすれば、資産全体は100円のマイナスとなるというふうに、Aだけで運用するより値下がり幅が小さくなります。さらにCやDにも投資して銘柄を分散させていけば、資産全体の値上がり・値下がりはより小さくなっていきます。
このように、1つに集中させるのではなく複数に分散投資をすることによって、資産全体が大きく値下がりするのを避けることができます。ただ、分散投資を自分自身でするのは難しいものがあります。日本の株は買うのに数十万円から100万円くらいするものが多いからです。子育て費用が必要なためなかなか貯蓄ができない世代では、分散投資をしても数銘柄にとどまることになるでしょう。
というわけで、投資信託の出番となります。
投資信託は投資家から小口の資金を集めて“ファンド”を作ります。そして、集まった資金を、運用の専門家であるファンドマネージャーやそのチームが、株や債券などに幅広く分散投資します。
例えば、日本株に投資するファンドだと、少ないものでも30銘柄程度、多いものだと1000以上の銘柄に分散投資します。そうすることで、個々の銘柄の値上がり・値下がりが打ち消され合って、ファンド自体の値動きは小さくなります。
少ない金額で運用が可能な「投資信託」
ファンドは数十億円~数百億円の資金を集めて株や債券に投資します。株や債券の価格は毎日変わるので、ファンドそのものの価格も毎日変動します。運用が始まっているファンドはそのときの価格で買うことになりますが、多くの金融機関では金額指定での購入が可能です。
例えば「Xというファンドを1万円で買える分だけ買う」といった形です。なかには1,000円以上1円単位で購入できる金融機関もあります。運用に回せる予算などに合わせて購入金額を決められるので、とても使いやすいですよね。
変動するファンドの値段(基準価額)のイメージ
子育て世代でも、老後のために積立投資でコツコツと資産作り
投資信託は、積立投資ができるのも大きなメリットです。1つのファンドを毎月一定額で購入していく方法です。積立だと、投資するタイミングも分散されて、価格の高いときにまとめて買ってしまうというリスクを避けることができます。
また、投資信託は分散投資で値下がりを抑えている分、値上がりも抑えられます。したがって、短期間で大きな利益をねらうのではなく、長期で保有して少しずつ利益を積み上げていかなければなりません。その点でも、積立が有効となるわけです。
子育て世代は、住宅購入や子どもの教育費のための貯蓄が最優先となりますが、将来のためには資産を運用して増やすことも考えたいもの。でも、運用で資産が大きく減っては困ります。投資信託の積立は、分散投資で値動きのリスクを抑えながらコツコツと資産を増やしていくことができる、子育て世代にぴったりの運用方法といえます。
文:ファイナンシャルプランナー 馬養雅子
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