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投信積立+ジュニアNISAで教育費上昇に負けない運用を!


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    マイナス金利のいまは、預貯金だけで教育費を準備するのは難しそうです。人気ファイナンシャルプランナー(FP)の深野康彦さんに、賢い教育資金の準備方法を教えてもらいましょう。

    プロフィール

    深野康彦さん

    有限会社ファイナンシャルリサーチ代表

    ファイナンシャルプランナー

    資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、税金、年金などお金に関する幅広い相談業務と啓蒙を行う。新聞やマネー雑誌、経済誌などへの執筆や、テレビ・ラジオへの出演も多数。わかりやすい解説に定評あり。

    マイナス金利時代は教育費にも「運用」の発想が必要に

    「将来、子どもが希望する進路に進めるよう、子どもが高校を卒業するまでにある程度のお金を用意しておいてあげたい」

    親なら誰しもが、そう考えるのではないでしょうか。ですが、いまの経済環境を考えると、その道のりは平坦ではなさそうです。

    「マイナス金利政策が導入され、メガバンクの預金金利が、普通預金、定期預金ともに史上最低水準にあるいま、預貯金だけでお金を増やすことは難しいと言わざるをえません」

    FPでファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは、こう指摘します。加えて、 前回 もお伝えしたように、長らくデフレの時代が続いたにもかかわらず、大学の授業料はこの30年間で1.5~2倍程度も値上がりしています。

    「政府がインフレを目指しているうえ、少子高齢化が進んでいることを考えると、この先、授業料は値上がりすることはあっても、値下がりすることは考えにくいでしょう。これからの時代は、教育費の上昇に対応できるよう、ある程度リスクを引き受けながら運用する発想が必要になります」(深野さん)

    ジュニアNISA+分散投資でリスクを軽減して運用

    そこで考えたいのが、教育資金の準備に、ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)を上手に活用することです。

    ジュニアNISAは、年間80万円までの新規の投資資金で購入した上場株式や公募株式投資信託の譲渡益(売買益)や配当・分配金が非課税になる制度です。預貯金の利息や、課税口座(特定口座や一般口座)での運用で得られる譲渡益や配当・分配金が20.315%課税されることを考えると、ジュニアNISAを使うことで、20.315%分有利に運用できるとも言えます。

    「ただし、『教育費の上昇に負けない』ことを目指すという発想ですから、過度にリスクを引き受ける必要はありません。『時間』『資産』『投資先』を分けて投資することでリスクをコントロールする『分散投資』を行うことが大切です」(同)

    投信積立なら無理なく手軽に分散投資ができる

    では、どうすれば、時間、資産、投資先を分散した投資ができるのでしょうか。深野さんは「投資信託を毎月一定額ずつ積み立てる投信積立を利用すれば、手間ヒマを掛けずに分散投資をすることができる」とアドバイスします。

    投信積立では、毎月一定金額ずつ投資信託を購入していきます。そのため、投資信託の値段である基準価額が高いときには少ない口数を、逆に基準価額が低いときは多くの口数を買えるので、購入単価を平準化することができます。

    また、一度積立の設定をすれば口座から自動引落しで投資信託を買っていくので、その後の手続きは不要です。「毎月自動的に買っていくので、投資をするうえで難しいとされる、投資のタイミングで悩むこともありません」(深野さん)

    金融機関によって異なりますが、月々1000円など少額から始めることができるので、それぞれの家庭のペースで無理なく続けることができるのもうれしいかぎりです。

    「投資ビギナーは、どの投信を積み立てればいいのかわからず、迷うかもしれません。その場合は、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などへ分散投資するバランス型ファンドで始めるのがいいかもしれません」(深野さん)

    一口にバランス型ファンドと言っても、リスク(=価格変動の大きさ)はさまざま。一般的に、株式の組み入れ割合が高いものほど価格変動が大きく、逆に株式の組み入れが低いものほど価格変動が穏やかになる傾向があります。

    「リスクを取り過ぎないためには、REITを含めた株式の組み入れ割合が50%以下のものを選ぶのが良さそうです。『安定型』『安定成長型』『成長型』という分類であれば、投資ビギナーは『安定型』から『安定成長型』を選ぶのが無難でしょう」(深野さん)

    値上がりしたら一部を利益確定しておく

    なお、非課税のメリットを享受するには、売却時に購入時よりも値上がりしている必要があります。ですが、相場は自分の思い通りには動くものではありません。相場環境次第では、子どもが18歳になったときに必ず利益が出ているとは限らないのです。

    「ジュニアNISAでの運用は長期投資が前提ですが、ある程度値上がれば、売却して利益を確定することも考えたほうがいいかもしれません。投資信託の場合には、一部だけを売却することもできるので、一度に全部売らずに、利益が出ているときに少しずつ売って利益を確定することも可能です」

    ジュニアNISAを利用して、無理のない範囲でコツコツと投信積立を続けて、賢く、かつ着実に、教育費の上昇に負けない運用を目指したいものです。

    <ジュニアNISAのことをもっと知りたい>

    ジュニアNISAとは?

    文:大山弘子

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