積立投資なら少額から!リスクを軽減しながら投資できる
預貯金の金利は史上最低水準 投資で増やす発想が不可欠に
子どもの教育費を用意するために、毎月コツコツ積立預金をしている人もいるでしょう。積立預金は着実にお金を貯めることができるものの、いまのように預金の金利が低いときには、「元本を殖やす」ことは難しいと言わざるをえません。
仮に、月々1万5000円ずつ、18年間、年利0.01%で複利運用したとしましょう。ちなみに、0.01%は、現時点(2016年4月4日)のメガバンクの1年物定期預金の金利です。この場合、18年後にあるお金は324万2931円。つまり、2931円増えるだけです。しかも、雀の涙のような利息から20.315%の税金が差し引かれてしまいます。
では、同じく1万5000円ずつ、18年間、年利3%で複利運用できたらどうでしょうか。18年後には428万2776円になっているはずです。こちらは、元本である324万円(月1.5万円×12カ月×18年)より104万2776円増えた計算です。
ここから、「子どもが18歳になるまでに、教育資金を350万円貯めたい」場合、利回りが0.01%では、月々の積立額が1万5000円では少し足りないことがわかります。ですが、年利3%ならば、同じ積立額で予定額より78万2776円も多いお金を用意できるのです。
預貯金の金利が史上最低水準であるいまの時代は、「貯める」だけではお金は殖やせません。ある程度のリスクを引き受けて「投資」する発想が必要だと言えるでしょう。
時間、資産、投資先の分散でリスクを軽減する
投資というと、「まとまったお金が必要なのでは?」とか、「投資するタイミングが難しそう」と、二の足を踏む人もいるかもしれません。確かに、まとまった金額が必要な投資の方法もありますし、投資のタイミングによっては損をする場合もあります。ですが、投資をする方法は、まとまった金額を一度につぎ込むスタイルだけではないのです。
また、ローリスクでハイリターンという都合のいい金融商品は、残念ながら存在していません。とはいえ、できるだけリスクを軽減するための方法はあります。時間と資産、投資先を分けて投資を行う、分散投資です。
時間の分散は、一度に全部投資しないで何度かに分けること。投資のタイミングを分散することで、価格が高いときにまとめて買うことも避けられます。資産の分散は、ひとつの金融資産にまとめて投資せず、複数の資産に分散投資すること。投資先の分散は、日本国内だけでなく、海外の資産にも投資することです。国内外の株式や債券、不動産、コモディティ(金や原油などの商品)など値動きの異なる複数の投資先、資産に分散して投資することによって、リスクを軽減することが期待できます。
積立投資なら誰でも簡単に分散投資ができる
預貯金に「定期積立預(貯)金」があるように、投資でも「積立」というしくみを利用することができます。「積立投資」と呼ばれる方法で、その代表格とも言えるのが、投資信託を積み立てる「投信積立」です。これは、自分が選んだ投資信託を、毎月一定額ずつ、自動的に買い付ける方法で「ドル・コスト平均法」と言われています。
買い付ける金額は毎月同じなので、投資信託1口あたりの値段である基準価額が高いときには買い付ける口数が少なく、逆に基準価額が低いときには買い付ける口数は多くなります。そのため、長期間、継続することで、結果的に購入単価を平準化し、リスクを軽減することも期待できます。
出典 大和証券
「投信積立」は申込時に銘柄(購入する投資信託)と買付金額を指定すれば、毎月決まった日に指定した口座から投資資金を引き落として自動的に買い付けてくれるので、手間ヒマを掛けずに続けることができます。投資のタイミングで悩むこともありません。
賢く運用!積立投資5つのコツ
手間ヒマかけず、投資タイミングの悩みも少なくできる積立投資ですが、やはり、リスクをなるべく抑えながら賢く運用したいものです。そこで、積立投資をはじめるコツを紹介します。
1. 少額からでもはじめてみる
金融機関によって異なるものの、1銘柄あたり月々1000円など少額から始められるのも魅力です。
例えば、毎月3000円ずつ投信積立をする場合、日本株の投信と外国株の投信と外国債券の投信に1000円ずつといったかたちで、資産と投資先を分散することもできます。
2. 投信選びに迷ったら「バランス型ファンド」ではじめてみる
「どの投信を選べばいいのかわからない」人は、1本の投信で国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などへ分散投資する「バランス型ファンド」を毎月3000円ずつ積み立てることも考えられます。
なお、自分で複数の投信を選ぶ場合も、バランス型ファンドを活用する場合も、株式(株式投信)の組み入れ割合が高くなるほど、価格変動が大きくなる傾向があることを頭に入れておきましょう。
3. ライフイベントによって金額を調整する
家計の負担にならない金額から始めることも大切です。はじめてみて「もっと金額を増やせそう」と思ったなら、そのときに増やしましょう。逆に、「子どもが塾に通い始めて支出が増えた」なら、その間は積立額を減らしても構いません。
4. 短期的な価格変動に一喜一憂しない
「子どもが○歳になるまでに○円貯める」といった長期的な目標に向かって、短期的な価格変動に一喜一憂せず、コツコツ、淡々と続けることが肝心です。
5. 個別銘柄でも積立できる
ちなみに、金融機関によっては、株式の個別銘柄を毎月一定額ずつ自動的に買い付ける「るいとう(株式累積投資)」ができるところも。こちらは、「この会社を応援したい。でも投資資金が足りない」場合などに活用できそうです。
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執筆:ファイナンシャル・プランナー 大山弘子
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