教育資金

待ってました!幼児教育・保育の無償化!いくら得する?上手な運用方法は?


    • Facebook
    • Twitter
    • Hatena
    • Line

    2019年10月から、幼児教育・保育の無償化がスタートしました。これまで支払っていた幼稚園や保育園の利用料がかからないことになります。ただ、せっかく節約できたお金を日々の家計に組込んでしまったり、外食費などで何となく使ってしまったりするのは、もったいない話。今のうちに、上手な活かし方を考えてみてはいかがでしょうか。子育て世代のマネープランに詳しいファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに、アドバイスをいただきました。

    2019年10月から幼児教育・保育の無償化がスタート

    10月から消費税が10%になりました。家計にとって痛手になるニュースですが、小さなお子さんがいる家庭にとって、喜ばしい制度もスタートしました。「幼児教育・保育の無償化」です。しかし実際にはどれくらい安くなるのか今ひとつわからないという方は多いのではないでしょうか。まずはこの制度のおさらいをしていきましょう。

    対象となるのは、幼稚園、保育園などの3~5歳児クラスにいるすべての子どもです。認可保育園や幼稚園、認定こども園に通っている場合は、保育料は無償となり、認可外保育園等を利用している場合は、月額3万7000円までの補助が出ます。また0~2歳児クラスでは、住民税非課税世帯が無償化の対象(認可外保育施設等は月額4万2000円まで無償)となります。

    幼稚園、保育園への支払いがゼロになるわけではない

    「ただ、しばしば勘違いされるのですが、幼稚園や保育園に支払う費用が、ゼロになるわけではありません」と、氏家さんは注意を促します。

    「幼稚園の送迎バス代や保育園の給食費、行事費などの実費は無償化の対象には含まれず、これまで通り保護者が負担します。また保育園の延長料金も対象外です。幼稚園の預かり保育に関しては、利用日数に応じて月額1万1300円までの範囲内で無償になりますが、それを超えると費用が発生します」(氏家さん)

    例えば幼稚園に月々4万円払っていた家庭の場合、「10月からは出費が4万円も減る」と考えてしまいがちですが、実は4万円には送迎バス代や給食費、教材費など月1万5000円が含まれていて、減額されるのは2万5000円だけ、ということもありえます。

    “無償化”や“3万7000円”などの言葉に気を取られ、「そのお金であれをして、これをして」と先走ってしまうと、当てが外れてがっかりすることも。わが家はいくら安くなるのかを確認することが先決といえそうです。

    実際は多くの家庭で月2万~3万円程度、出費が減ると考えられます。この浮いた分で子どもの習いごとを増やそうと考える人もいるようですが、これにも氏家さんから「待った」が。

    「教育費はお子さんが中学、高校と進学するにつれ大きく膨らみます。中学受験をするご家庭は塾代などで小学校高学年から出費がかさむもの。大学入学に備えて貯めておきたい教育費の目安は最低300万円とされていますが、塾代などが月何万円とかかるなかでそれを貯めるのは大変です。だからこそ、目先の習いごとに使ってしまわず、幼保無償化がなかったものとして貯められるうちに貯めておくことをお勧めします」(氏家さん)

    学資保険を選ぶなら返戻率に注意

    では、どう貯めるのが効率的なのでしょうか。学資保険に興味はあるものの入り忘れていたという人、入るきっかけがなかったという人は、この機会に始めてもいいでしょう。ただし、幼保無償化のメリットは3年間だけですが、学資保険は一般的に子どもが17歳や18歳になるまで長期に払い続けることになります。近ごろの学資保険は、万一中途解約となった場合、払った保険料よりも返戻金が少なくなるケースがほとんどです。将来的な暮らしの変化も見越して、無理のない保険料を設定するようにしましょう。

    また、ひと昔前と比べて、学資保険の返戻率は決して高いとはいえません。

    「学資保険を利用するなら、返戻率が100%以上あるかを確認してください。お子さんが18歳になるまで長期で支払うよりも、15歳まで、12歳までというように短期で支払ったほうが、1回あたりの保険料は高くなりますが、満期金の返戻率は高くなります」(氏家さん)

    仮に返戻率が103.7%の学資保険を例に試算してみましょう。3歳から13歳までの10年間で払込み、17歳の満期時に受取るとした場合、支払額は月々約2万4000円、最終的には保険料の総額が約288万円になります。それに対して受取額は約299万円。約11万円の利益が得られます(税金等を考慮しない場合)。

    「一般的には、学資保険も生命保険料控除の対象となります。生命保険料控除制度を利用することで節税にもつながりますので、学資保険に未加入なら選択肢の一つとなりえますね」(氏家さん)

    手間をかけずに増やしたいなら「つみたてNISA」で

    子どもの将来に向けてもう少し大きく増やしたい。でも投資はしたことがないから不安……。そんな人も多いのではないでしょうか。

    初心者でも始めやすい教育資金の運用方法として、氏家さんは「つみたてNISA」を提案しています。「NISAとは少額投資非課税制度のこと。投資で得た利益が一定の範囲内で非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には、約20%の税金がかかります。それが非課税になるというのは大きなメリットです。

    NISAには、一般的なNISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がありますが、これからお金を貯めたいときにお勧めなのは『つみたてNISA』です。『つみたてNISA』は、年40万円までの積立投資で得られた利益が非課税になる制度です。非課税で投資できる期間が20年間と長く設定されており、その間引出しは自由です。「つみたてNISA」の投資対象商品(投資信託・ETF)が、金融庁のセレクトに適った、長期投資に向いている商品のみというのも安心感につながりそうです」(氏家さん)

    「つみたてNISA」での投資が毎年年2%で運用できたと仮定して、学資保険と同様に月2万4000円を10年間運用した場合、投資元本288万円に対して10年後の受取額は約319万円で、運用益は約31万円にもなります。これがつみたてNISAでなければ約20%の税金が引かれるので、運用益は約6万円も低くなります。

    前述のとおり、つみたてNISAの対象となるのは長期投資に向いていると金融庁が判断した投資信託・ETFです。とはいえ、投資ですから元本保証ではありません。「実はそこが不安だから、お子さんのためのお金を投資に回したくないと考える方は多くいらっしゃいます。でも、だからといってすべて定期預金や学資保険というのも、お金が増える可能性を手放しているようなものです。そこでご提案したいのが、一部は定期預金や学資保険で確実に貯め、残りをつみたてNISAで運用する、といった工夫をすること。せっかく幼保無償化で節約できた保育料は子どものための大切なお金です。少しでも増やせるよう、元本保証の商品とつみたてNISAを組合わせて活用し、上手に運用していきましょう」(氏家さん)

    文/松田 慶子

    <専門家プロフィール>

    氏家祥美さん

    1972年生まれ。立教大学を卒業後、旅行会社、専業主婦を経て、2005年にエフピーウーマンの設立メンバーに。2010年に独立してハートマネー代表となる。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つほか、近頃は50代からの相談、講演活動も増加中。お金だけじゃない「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。

    氏家さんのサイト
    ハートマネー

    このページの情報は役に立ちましたか?

    <関連記事>

    【FPが指南!】“保活”にはいくらかかる? 保育園入園に備えたマネーのポイント

    1歳の子どもの学資保険の選び方は?今後の教育費とリフォーム代も貯めたい

    つみたてNISA(積立NISA)は初心者でも長期的にコツコツ投資できる!その特徴やメリット・デメリットを徹底解説

    小1ママが調べてビックリ!こんなにかかる子どもの教育費。どう準備すればいい?

    教育費の準備どうする?共働き、専業主婦、育休中3つのケーススタディ

    <関連サイト>

    わたしの未来へ つみたて投資。

    ダイワのつみたてNISA

    <関連キーワード>


      RECOMMENDED この記事を読んでいる方へのオススメ

      カテゴリーごとの記事をみる


      TOP