教育資金

いくら必要?子どもの短期・長期留学のお金


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    海外留学の費用は、短期なのか、長期なのかといった留学期間と、渡航先の国や入学する学校によって大きく異なります。もちろん、ホームステイなのか、寮に入るのか、アパートなどで暮らすかといった滞在方法でも必要な金額は違ってきます。

    海外留学の相談からサポートまで行っている留学ジャーナルのデータをもとに、いくつかのケースで見てみましょう。

    短期の語学留学の場合

    手軽にできる留学体験としては、夏休みなどを利用した短期間の語学留学があります。

    海外の語学学校に入り、外国語のレッスンを受けるという仕組みで、最低1週間から8週間程度の国や都市別の短期留学コースを利用するのが一般的です。

    費用は行き先や現地の学校などで異なりますが、授業料と滞在費を合わせて1~2週間で20万~30万円が目安となります(往復の航空運賃などは別・以下同)。

    もう少し本格的に学ぶなら、3カ月(12週間)または6カ月(24週間)のコースになり、語学レッスンのほか、現地での観光やスポーツ、ボランティアなどを通して、外国語でのコミュニケーションを深めたり、友だちを作って交流を広げたりといったこともできます。

    費用の目安は下の通りで、最低50万以上、国によって200万円を超えることも。

    高校の留学の場合

    高校在学中に海外の高校に入学して学ぶ場合、最短で1学期(約3カ月)から可能ですが、現地の高校になじむには1年間は必要かもしれません。その間、日本の高校は休学するか、在学中の高校に制度があれば単位認定制度を利用します。

    中学卒業後に海外の高校に進学したり、日本の高校から海外の高校に編入学したりして、そのまま海外の高校を卒業するという方法もあります。この場合は、国によって入学時期が異なることに注意し、入学前にある程度の語学レッスンを受けるといった準備が必要です。

    高校留学の1年間の授業料と滞在費の目安は、

    カナダ……230万円

    オーストラリア……250万円

    ニュージーランド……230万円

    となっています。

    ※出典:留学ジャーナル

    大学・大学院の留学の場合

    大学留学には、いったん日本の大学に入学して、その大学の留学システムなどを利用して留学する方法と、日本の大学を休学して一定期間、海外の大学に留学する方法があります。

    日本の大学の留学システムには、提携する海外の大学に学生を派遣する「交換留学制度」もあれば、大学の協定校や認定校などに私費で留学する方法もあります。

    交換留学の場合、条件や審査は厳しくなりますが留学先の授業料は免除されるため、滞在費だけの負担ですみます。一方、協定校などへの留学は基本的にすべて自己負担。ただ、どちらも留学中の修得単位は認定され、4年間での卒業も可能になるケースが一般的です。

    日本の大学を休学して、自分で海外の大学を自由に選んで留学する場合は、入学手続きなどもすべて自分で行うため、大学の留学システムを利用するよりも手間がかかります。

    大学留学および大学院留学の1年間の費用の目安は、下の通りです。

    海外の大学への進学は、入学前に進学準備コースの履修も必要

    高校卒業後に、最初から海外の大学に進学したい場合、高校の成績とTOEFLなどによる語学力が問われます。また国によって日本と同じように4年間で学位を修得する大学もあれば、イギリスやオーストラリアなど3年制の学部が多い国もあります。いずれにしても、大学では現地の言葉で専門分野の講義を受けるため、高校卒業者の場合は通常、現地で事前に1年間のファウンデーションコース(進学準備コース)を履修する必要があります。

    オーストラリアの大学に留学した20代の男性の例を紹介しましょう。

    彼は高校卒業後にまず、日本の語学学校で1年間の留学準備コースを受講し、その後にオーストラリアの専門学校に入学。それから別の学校のファウンデーションコースで1年間学んでから、無事に希望する大学に入学し、3年間で学位を修得しました。大学の授業料は年間250万円くらいで、最初の1年はホームステイ、2年目からはシェアハウスで暮らし、滞在費は年に平均130万円くらいだったとか。

    彼の場合、その大学で学びたいという本人の強い気持ちがあればこそ頑張れたのですが、事前に日本で1年かけて語学を学び、オーストラリアではトータルで5年間の留学となったため、すべて合わせて2000万円近くかかったそうです。

    費用の大半は保護者が負担。子どもの意欲や希望も確認して

    留学ジャーナルの「留学白書2016」によると、2015年の留学先のトップはカナダで、大学進学層ではアメリカが圧倒的な人気を集めているものの、昨今の海外情勢の不安を避けて、オセアニア地域への留学も人気が高まっているようです。

    留学費用の調査では、「家族が負担」と回答した人が約4割で、「自分で全額負担する」は3割、「自分で負担し、不足分は家族が負担/家族に借りる」が2割近くという結果。

    短期留学であれば、子ども自身がアルバイトなどで費用を貯めて負担することも可能でしょうが、1年以上の本格的な留学なら、親が負担せざるをえないのが実情でしょう。

    通常かかる教育費に加えて、プラスαでかかるのが留学費用。親の希望だけでなく、子どもが中学・高校生になったら家族で話し合い、子ども自身の意欲もよく確かめて、希望する場合は早めに情報を集め、準備を始めることが重要でしょう。

    文:マネージャーナリスト 光田洋子

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