わが家の家計診断

子ども2人は中学から大学まで私立に通わせたい!でも自営業で収入に変動があるため老後資金も不安です……


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    子ども2人は中学から大学まで私立に通わせたい!でも自営業で収入に変動があるため老後資金も不安です……

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    家計に関する悩みについて、今回は夫が公務員で、相談者の妻が自営業というご家庭から、2人の子どもの教育費や貯蓄方法についての相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします!

    大学費用は学資保険や貯蓄で1人につき750万円を準備しています。住宅ローンも数年後に完済予定ですが、今のままで問題ないですか?

    子どもは現在、小学校5年生と3年生。2人とも中学から私立に進ませ、大学は上の子は私立理系、下の子は私立文系になると思います。そのため、大学費用としてそれぞれに学資保険300万円と貯蓄300万円を貯めました。下の子が大学2年のときに満期になる「豪ドル建て保険」の約300万円を合わせると、1人につき750万円を用意できます。

    また、再来年、上の子が中学に進学する頃に、住宅ローンの残り約500万円を一括で繰上げ返済する予定で、その分の貯蓄もほぼ準備できています。家計については、私が自営業で月々の収入に変動があるため、ローンの繰上げ返済用に毎月7万円の自動積立をしているほかは、毎月残ったお金で平均20万円くらいを普通預金に入れています。年間で支払う車の税金や保険料、被服費・旅行費などの特別支出もそこから出して、夫のボーナスは全額貯蓄に回しています。

    投資に興味を持ちつつも、夫が給与天引きで行なっているiDeCo以外は、保険で運用しているくらいです。将来への不安と、預金に入れておくよりはいいかなと思い、貯蓄目的の保険がたくさんあります。教育費への備えは今のままで大丈夫か、住宅ローンの完済後は老後資金の準備も必要ですが、いい方法があれば教えてください。

    相談者プロフィール ふみ(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:41歳
    職業:自営業

    家族構成:
    夫(42歳・公務員)
    子ども2人(11歳、9歳)

    ふみさんの家計内訳

    大学の進学資金は十分なので、高校までの私立の学費を家計から捻出。保険はこれ以上増やさず、老後資金作りに向けて準備を始めましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 保険が多すぎて、万一の際の保障額を把握していないのは問題です。貯蓄目的の保険は、タイミングを見て資金を預貯金にシフトしましょう

    ご相談者のふみさんは自営業のため、毎月の収入は50万~70万円と変動するものの、ご主人の2倍以上という頼もしい稼ぎ手です。一方、ご主人のほうは公務員のため、収入は安定していてボーナスの増減も少ないのが魅力。収入面では夫婦でリスク分散ができている点が、このご家庭の強みといえるでしょう。

    ただし、毎月の収入が多い分、家計管理についてはやや大ざっぱで、貯蓄の預け先のほか、保険の多さも気になります。まずは保険の加入方法や保障内容から見てみましょう。

    夫の組み合わせ型保険については、万一の死亡保障額がどれくらいあるのか、分かっていないことが問題です。これは独身時代から加入していた保険で、保険証券も実家にあるそうなので、すぐに取り寄せて確認してください。米ドル建ての終身保険と合わせて、現在の死亡保障額が2,000万~3,000万円程度あれば、そのまま継続を。米ドル建て終身保険は、60歳の払込満了時の解約返戻金を円換算で調べ、払込保険料の総額を上回っていたら、タイミングを見て解約し、老後資金用の貯蓄に回してもいいでしょう。

    妻も2つの保険で死亡保障を確保していますが、収入保障保険1つでも十分です。低解約返戻金型終身保険は将来、解約返戻金が払込保険料を上回ったら解約してもいいでしょう。
    妻はがんの保障も2つの保険で重複していますが、保険料は安いので、不安ならそのまま継続を。将来、がんへの不安が軽減したら、医療保障付きのがん保険だけ残し、単体のがん保険は解約してもいいかもしれません。

    貯蓄目的の保険については、満期後に受取るお金を定期預金などに移し替えましょう。再度、保険で貯めようとは考えないでください。妻の変額終身保険は、保険料を特別勘定の投資信託で運用するタイプで、投資のつもりで加入したようですが、運用は保険会社任せで自分の勉強にはなりません。保険の管理コストも含まれていて保険料が高いため、80歳まで続けるのは負担になります。60歳前後で、その時点の解約返戻金が払込保険料を上回っていたら、解約して定期預金などに移しましょう。これも夫婦の老後資金になります。

    アドバイス2 住宅ローンはすぐに完済してもいいですが、2年後まで待つのも一つの方法。使途が曖昧な支出を見直し、ローン終了後の家計プランを立てましょう

    住宅ローンはもともと借入額が1,280万円と少なめで、現在の残高も600万円弱。手元の貯蓄からすぐにでも全額繰上げ返済して完済することもできます。ただ、ふみさんは上の子が私立中学に入学するタイミングで、500万円くらいになった残債を一括で繰上げ返済する予定とのこと。これは住宅ローン控除が終了するタイミングに合わせてのことでしょうか。住宅ローン控除を最後まで利用して、それから完済したいということなら、それでもいいでしょう。

    ただし、子ども2人が中学から私立に進む場合、入学金や学費はもちろん、毎月の教材費や部活費などの学校関係でかかる費用も公立より負担が重くなりがちです。現在、貯蓄で準備ができているのは大学費用の分なので、高校までにかかる2人分の教育費は家計から捻出する必要があります。今のうちに家計の無駄を少しでも見直しておきましょう。

    例えば、趣味・教養・娯楽費の5万円、日用品・雑費の2万円、その他2万円は、使いみちが曖昧で、見直しの余地はありそうです。この3つを合わせて無理のない範囲で、月2万~3万円減らせると理想的ですね。下の子も4年生から中学受験のための塾代などがかかるため、その費用などに充てるためにも無駄な支出は抑えておくとよいでしょう。

    住宅ローンの完済後は、毎月のローン返済額を子どもの学費用に別口座に移して貯めていけば、年間90万円になります。上の子の中学初年度の費用は手元の貯蓄から支払うとしても、2年目以降の学費はここから支払うことができ、下の子が中学に入っても2人分の学費に充てられます。学費以外にかかる教育費は、上のような家計の見直しから資金を捻出し、貯蓄として残すお金はできるだけ減らさないようにするといいでしょう。

    アドバイス3 老後資金の準備は、自営業の妻こそiDeCoを利用したいところ。それに加えて「つみたてNISA」で余裕資金を増やしましょう

    普通預金に残しているお金は毎月20万円前後もあります。そこから年に70万円くらいは特別支出などに使っていますが、その分は予算を決めて、毎月5万~6万円を別口座に入れて管理することをお勧めします。それでも普通預金に残したままのお金は多いので、そこから老後資金の積立を始めましょう。

    ご主人はiDeCoを利用して積立されているので、ふみさんも金融機関で自分名義のiDeCoの口座を作りましょう。iDeCoは公的年金の少ない自営業の人ほど掛金の上限額が高く、年間に支払った掛金は全額所得控除になるほか、60歳以降の受取時にも税金面での優遇が受けられます。自営業で国民年金だけのふみさんこそ、老後資金作りの積立としてぜひ利用したい制度です。最初は月2万円程度からスタートし、教育費の負担が減ったら、積立額を増やしていけばいいでしょう。

    さらに、月3万円を「つみたてNISA」に回すこともお勧めします。iDeCoは60歳まで原則として引出すことはできませんが、つみたてNISAは中途解約もできるため、いざというときは子どもの教育費の不足分や、家のリフォーム資金などにも充てられます。とはいえ、老後資金に余裕を持たせるために、できるだけ長く継続するのがよいでしょう。

    iDeCoとつみたてNISAで運用する商品は、日本や海外の株式に投資するインデックス型や、国内外の株式と債券を組込んだバランス型の投資信託を選んで、定期的に評価額をチェックしていきましょう。投資に興味があるそうですが、まとまった資金で一度に株式などに投資するより、長期の分散投資でリスクを抑えられるこの2つの積立で、少しずつ投資商品の動きを勉強していくほうがいいでしょう。共働きで忙しい夫婦にとって、手間をかけずに着実に老後資金を準備できる最適の手段となります。

    相談者ふみさんより

    学費に関しては、私の算段が大丈夫そうで安心しました。住宅ローン控除を使い切ったタイミングでのローンの全額返済や、毎月のローンがその後スライドで私立中学・高校の学費になる点もよく分かりました。大学費用も十分と言っていただきましたので、留学や一人暮らしなどの可能性も考えて、もう少し積立てようと思います。

    保険に関しては、夫のドル建て終身保険と私の低解約返戻金型終身保険も、死亡保障というよりは老後の資金として考えていますので、アドバイス通り、解約後は預貯金に回そうと思います。

    日々の生活が慌ただしく、おっしゃる通り、使いみちが曖昧なお金があると、家計データを見て反省しました。楽しみながらも節約を意識して、当面は下の子の塾代の捻出に励みます。

    また、投資に興味がありましたが、ズボラな上に初心者ですので、アドバイス通り、節税もできるiDeCoとつみたてNISAで運用しながら勉強していこうと思います。
    このたびは丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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