わが家の家計診断

共働きで収入はあるけれど、使いすぎた月は赤字に。お金の使い方や貯蓄の仕方で余裕のない家計を改善できませんか?


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    共働きで収入はあるけれど、使いすぎた月は赤字に。お金の使い方や貯蓄の仕方で余裕のない家計を改善できませんか?

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    家計に関する悩みについて、今回は共働きで1歳の子どもがいる主婦から、家計の管理やお金の使い方についてのお悩み相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします!

    収入が決して低いわけではないと思うのですが、使いすぎの月は赤字になり、ボーナスに頼っている状況。お金の使い方や貯蓄について改善点を教えてください

    現在は1歳の子どもを保育園に預け、時短勤務で夫と同じ会社に勤めています。2人合わせれば、収入は決して低いわけではないと思うのですが、少し使いすぎたと思う月は赤字になり、ボーナスで補てんしている状況です。子どもは数年のうちにもう1人ほしいですし、できれば上の子が小学3年生くらいまでは時短勤務を続けたいのですが、貯蓄額が少ないのではと不安です。

    子どもの教育費は1人につき500万円を目標に、児童手当とつみたてNISAで貯めるつもりです。高校までは公立、可能なら大学も国公立でと考えています。いずれ子どもが中高生くらいになったら、月々の支出も増えると思うので、今のような家計で生活費の増加に耐えられるかが心配です。

    昨年購入した家の住宅ローンがあり、できるだけ繰上げ返済をしたいと思っています。ただ、住宅ローン控除によって節税もできているので、繰上げ返済のタイミングに悩んでいます。わが家のお金の使い方に改善点はないか、今の貯蓄方法でいいのか、アドバイスをお願いします。

    相談者プロフィール はま(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:27歳
    職業:会社員

    家族構成:
    夫(31歳・会社員)
    子ども1人(1歳)

    はまさんの家計内訳

    雑費や小遣いの区別があいまいなのが、赤字になる原因の一つ。ボーナスから補てんする習慣をやめ、予算の見直しから取り掛かりましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 毎月の生活費に大きな無駄はなくても、細かい支出が少しずつ積もって赤字に……。何でも雑費で済まさずに、家計の予算と使いみちをしっかり決めて守りましょう

    はまさんのご家庭は共働きで、毎月の給与とボーナスを合わせれば、世帯の年間収入は手取りで600万円を超えますから、ご自身がおっしゃるように決して低い収入ではありません。しかし、収入の割には貯蓄している額が少ないのではないかと、不安を抱えておられます。

    お金の使い方などに改善点はないかとのご相談なので、月々の支出から見てみました。あえていうと、水道・光熱費は3人家族にしてはやや多めかもしれませんが、それ以外は特に無駄遣いがあるようには見えません。ただ、気になるのは、家族の小遣いは月2万円で夫婦それぞれ1万円ずつと少ない代わりに、雑費は3万円と多いことです。

    小遣いと雑費の使いみちを聞くと、個人の趣味娯楽費や交際費、妻のメイク用品は各自の小遣いから出し、雑費には日用品や子ども用品、ペット用品のほか、妻の基礎化粧品や美容院代なども含まれています。家族の医療費や衣服代なども雑費から出しており、使わない月もありますが、使う月は予算の3万円以上となり赤字の原因になっているそうです。

    出費を明確にするためには、妻の化粧品代や美容院代は妻自身の小遣いから出すほうがいいでしょう。月1万円の小遣いでそれが難しいなら、小遣いは夫婦それぞれ2万円ずつにして、個人で使うものは各自の小遣いから支払いましょう。ボーナスからも、夫婦それぞれ年6万円の小遣いを取り分けているので、それも含めて各自の小遣いでやりくりします。

    そのうえで、雑費から出すのは日用品やペット用品などの生活用品に絞れば、月に1万~1万5000円程度で済むはずです。家族の医療費や被服費は毎月かかるわけではないので、ボーナスから年2回、それぞれ予算を決めて取り分ければ、月々の負担はなくなります。トータルでは今の月収の範囲で収まるように、少しずつ予算と使いみちを見直しましょう。

    アドバイス2 教育費の貯め方は、今の計画通りに積立てれば大丈夫。ただし、子どもが2人になったら資金の捻出に工夫が必要です

    子どもの教育費については、大学費用のために1人あたり最低500万円は貯めたいとお考えです。そのために、児童手当は子ども名義の普通預金に移し、子どものお祝いなどでいただいたお金もそちらに入れて貯めているとか。これはとてもいい心がけだと思います。

    さらに、ご夫婦で「つみたてNISA」を利用して、月1万5000円ずつ投資信託の積立をしています。夫は最近始めたばかりなので、昨年から始めたはまさんの「つみたてNISA」の分を、子どもの教育資金に充てようと考えているそうです。

    児童手当は中学卒業まで貯め続ければ200万円くらいになり、つみたてNISAも月1万5000円で17年間続ければ、積立額は300万円以上※になるため、2つ合わせれば目標の500万円は達成できるでしょう。2人目の子どもが生まれても、児童手当とご主人の「つみたてNISA」を教育資金に充てれば、同じように500万円を貯めることはできます。
    ※積立額は306万円になりますが、評価額は下回る可能性もあります。

    ただし、どちらもきちんと継続できれば、ということになります。なので、子どもが成長し生活費の支出が増えても、家計を見直して積立を続けられるように工夫することが重要です。例えば、子どもが3歳になったら保育料は無料になるので、その分を予備費の貯蓄に回したり、2人目のオムツ代に充てたりして、生活費は今と同程度に抑えましょう。

    子どもが小学校の高学年になる頃には、ご夫婦の奨学金の返済も終わり、ご主人の給与も増えることが考えられます。その分を塾代などに回すのもいいでしょう。高校まで公立に進むなら、そのつど家計を見直して、貯めている大学資金には手を付けず、毎月の塾代なども含めて手取り収入の範囲で生活をやりくりするように工夫しましょう。

    ちなみに、つみたてNISAは最長20年続けられるので、大学入学時などに必要な資金を引き出した後も、できるだけ積立を続けるといいでしょう。学費として使わなかった分も合わせて、夫婦の老後資金として役立てることができます。

    アドバイス3 住宅ローンの繰上げ返済は急がなくていいでしょう。一方で夫の保険は勤務先の制度を利用して死亡保障額を増やせば安心です

    はまさんは、1年前に一戸建て住宅を購入し、3600万円の住宅ローンを組んでいます。返済期間は34年残っていますが、金利は変動で年0.55%と低く、住宅ローン控除の期間がまだ9年あるため、いつ頃繰上げ返済をするべきかと悩まれているそうです。

    住宅ローン控除は、毎年の年末ローン残高に対して1%の所得税の控除が受けられます。現在はローン金利よりも控除額のほうが多いという状況のため、繰上げ返済は急がなくてもいいでしょう。何より、住宅を購入してからまだ1年で、現在の貯蓄は300万円と少ないため、ここから繰上げ返済をするのは心配です。

    ボーナスからの赤字補てんをなくせば、ボーナスでの貯蓄を年間10万円くらい増やすことも可能になります。ボーナスからの貯蓄は定期預金に移して確実に貯めていき、貯蓄の総額が年収の600万円を超えるくらいになったら、繰上げ返済を考えましょう。子どものいる家庭では、いざというときに備えて年収分くらいの貯蓄を常に確保しておきたいもの。年収分以上の貯蓄が貯まったら、教育資金や予備費を除いた余裕資金から、100万円単位で繰上げ返済をするように計画を立てましょう。

    一方、ご夫婦の勤務先は福利厚生制度が充実しており、月1万円相当分のポイントを、財形貯蓄の補助や団体保険の保険料に充てられるそうです。現在は夫婦で月5000円の財形貯蓄を行ない、上限3000円分のポイント補助が積立額に加算されているほか、団体保険も利用しています。

    しかし、ご主人の保険の内容を見ると死亡保障額は1200万円で、子どものいる家庭では十分とはいえません。福利厚生のポイントにはまだ余裕があるそうなので、それを活かしてご主人の死亡保障額を今の2倍くらいに増やしましょう。場合によっては傷害保険をなくしても、死亡保障額を増やすほうが安心なので、勤務先の団体保険の窓口に相談するといいでしょう。

    最後になりますが、はまさんは子どもが2人になった場合、上の子が小学3年生になるまで時短勤務を続けたいという考えです。生活雑貨や衣類の購入がストレス発散になっていて、それが赤字の原因につながっているようですが、節約ばかりではストレスもたまります。もっと貯蓄を増やしたいと思うなら、世帯収入の増加を考えて時短勤務を早めに切上げ、収入をアップするというのも1つの方法です。2人目の誕生がいつになるかは分かりませんが、妻の稼ぐ力を磨くことは、貯蓄を増やし家計の安定をはかる大きな支えになります。

    相談者はまさんより

    家計診断をしていただき、ありがとうございます。わが家の家計について詳細なところまで見ていただき、とてもためになりました。

    月々の支出について、「特別無駄遣いがあるようではない」と言っていただけてホッとしたのもありますが、ご指摘いただいた雑費とお小遣いの区別があいまいとのこと、まさしくそうだなあと反省しております。アドバイスいただいた通り、お小遣いと雑費の区別や金額を見直し、予算内に収める体質へ改善していきたいと思います。

    教育費についても漠然と不安を抱えておりましたが、安心しました。今の貯蓄ペースを落とすことがないよう、しっかり実践していきたいと思います。
    ありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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