わが家の家計診断

3人目が生まれても家計は大丈夫?住宅ローンの繰上げ返済、保険の見直しなどを相談したい


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    3人目が生まれても家計は大丈夫?住宅ローンの繰上げ返済、保険の見直しなどを相談したい

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    家計に関する悩みについて、今回は共働きで2人の子育てをする主婦から、3人目の出産も考えているが家計の面で大丈夫か、ローンの繰上げ返済や保険のことなども教えてほしいという相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします!

    40歳くらいで収入を抑えて扶養範囲のパートに変わる場合、3人目の出産を考えても大丈夫でしょうか?住宅ローンの繰上げ返済の仕方や夫の保険のことも相談したいです。

    現在は3歳と2歳、学年では2年違いの子どもがいます。数年後には3人目も授かれればと考えていますが、教育費にお金がかかることもあり、今の家計で3人目を考えてもいいのか、悩んでいます。

    子どもの教育費は大学で私立理系に進んでもいいように1人につき700万円を目標にしています。そのため定期預金から年に30万円ずつ、ジュニアNISAに移し替えようかと考えているところ。2019年に住宅を購入しており、繰上げ返済も検討しています。どのタイミングでどのようにするのが最適でしょうか?

    現在の私のパート収入は額面で毎月20万円、手取りで15万~16万円ですが、40歳くらいで扶養範囲内のパートに変わりたいと思っています。子どもが3人になったら、それも難しいでしょうか。夫の保険も今の保障額で足りるのか、格安のネット保険などのほうがいいか、教えてください。

    相談者プロフィール さい(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:32歳
    職業:パート

    家族構成:
    夫(35歳・会社員)
    子ども2人(3歳、2歳)

    さいさんの家計内訳

    3人目の出産についてはお金の問題だけでは決められません。家計や貯蓄の方法を見直し、働き続けることのメリットも考えましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 子どもの数が増えても、家計の面では何とかなります。ただ、妻が40歳の頃は教育費や生活費が今より膨らむため、その頃に収入を減らすのはお勧めできません。

    ご相談者の家庭は共働きで毎月の家計に大きな無駄もなく、世帯収入から月7万~8万円、ボーナスから年80万円以上の貯蓄をしています。子ども2人の大学費用に備え、1人につき700万円の貯蓄目標を考えているのも賢明な計画です。そのように大きな目標を立てていることと、7~8年後、奥さまが40歳の頃に収入が夫の扶養範囲に収まるようなパート勤務に変わりたいという希望もあり、もう1人子どもを出産した場合、経済的に大丈夫なのかと心配されています。「子どもが3人になったら、何歳まで今の稼ぎが必要?」といった具体的なことが知りたいというご相談です。

    結論から言うと、家計のことだけで子どもの数を決めたり、3人目の出産をあきらめたりする必要はないと思います。子どもの人数が増えれば児童手当や保育料無償化などの恩恵も厚くなりますし、子どもの衣類やグッズはお下がりを使うなどして抑えることもできます。当面の家計支出は少し増える程度でやりくりすることができるでしょう。

    問題は将来の教育費ですね。こちらは子どもが増えれば、その分だけ負担が大きくなることは確かですが、高校まで公立という今の考えであれば、それほど心配はいりません。大学費用について、1人700万円という貯蓄目標を500万円くらいにすれば、総額では少し増やす程度で済みます。500万円用意できれば、国公立はもちろん、私立文系までカバーできます。私立理系の場合は少し足りませんが、その年のボーナスから補うか、不足する分だけ奨学金を利用する手もあります。将来、子どもが進む分野や、どんな学部を希望するかはまだ分からないので、今は柔軟に考えておけばいいでしょう。

    一方で、奥さまが40歳になる頃は、子ども2人は小学生になり、塾や習い事などの教育費のほか、食費やレジャー費などの支出も今より増えていると思います。一般的にその頃から、専業主婦だった人はパート勤めを始め、パートだった人も働く時間を増やすなどして世帯収入を増やすことを考え始めます。家計の支出が増え始める時期に、逆に収入を減らすような働き方に変えるというプランは、あまりお勧めできません。

    子どもが2人でも3人でも、支出が増える頃に手取り収入が今より5万円以上減ると、生活費は何とかなっても、毎月の家計から貯蓄するのは難しいでしょう。ボーナスからの貯蓄も大きく減るかもしれません。貯蓄のやり方については後ほど説明しますが、教育費だけでなく夫婦の老後資金準備の点でも、奥さまは現状の収入を維持できる仕事を続けるほうがいいでしょう。今の職場や仕事内容に不満があるなら転職するのもいいですが、将来的には収入を減らすことより、増やすための働き方を考えるほうが大切です。

    アドバイス2 住宅ローンの繰上げ返済は期間短縮型で早めに実行するほうが有利です。手元資金から200万円の繰上げ返済で、30回分の期間と利息を減らせます

    マイホームの購入で住宅ローンを約3000万円借入れ、返済期間は35年のため、今のままだと完済はご主人が68歳のときになります。相談者のさいさんは、子どもが大きくなりお金がかかるようになる頃に、返済額軽減型の繰上げ返済をするのと、来年あたり200万円ほど期間短縮型の繰上げ返済をするのと、どちらが良いかについても助言を求めています。

    まず、住宅ローンの繰上げ返済は早くすればするほど、将来の負担を軽減する効果が高くなります。また、繰上げ返済後は手元の貯蓄がいったん減少するため、子どもにお金がかかる時期に行なうのではなく、子どもにお金がかかり始める前に行なうことが大切です。この2つのことを覚えておいてください。

    というわけで、さいさんの家庭ではお子さんにお金がかからない今のうちに、繰上げ返済をするといいでしょう。頂いた借入条件を元に試算すると、例えば、ローン開始から2年6カ月後の2021年9月に普通預金から200万円を期間短縮で繰上げ返済した場合、返済期間は30回分短くなり、利息の負担は約39万4000円も減らせます。同時期に300万円の繰上げ返済なら、返済期間は45回分短くなり、利息負担は約57万8000円の軽減となります。

    今のローンは変動金利のため、長期的には金利が上がる可能性もあります。できれば子どもが小学生のうちにもう1回行ない、その後は教育費のめどがついてから行なうなど、何度か繰上げ返済をすることで、ご主人が50代のうちにローンを完済することを目指すとよいでしょう。ローンを早く完済すれば、老後資金の準備もしやすくなるので、ぜひ検討してください。

    アドバイス3 夫の死亡保障は勤務先の団体保険で確保するのが最も合理的。貯蓄や投資のやり方も見直して、教育費は手間をかけずに準備しましょう

    ご主人は勤務先の団体保険に加え、民間の保険にも加入しています。保険料を抑えたいなら、死亡保障は民間の保険を解約し、勤務先の団体定期保険を2000万円増やして3000万円にするといいでしょう。従業員のみ加入できる会社の団体保険は通常より安く、36歳から保険料が上がっても、ネット系定期保険より有利といえます。医療保障はケガの保障が重複しているので、こちらは保障が充実している民間の保険だけを残し、団体の傷害保険を解約。この見直しで保険料を月に8000円程度抑えられます。

    貯蓄のやり方について、児童手当を2人分まとめて専用口座で貯めているのはいいのですが、定期預金の一部をジュニアNISAに年30万円ずつ移し替えようとしているのは、やめたほうがいいでしょう。ジュニアNISAは2023年に終了するため運用期間は短く、終了後は口座にある資金を移し替える手続きが面倒だからです。

    投資信託での運用や資産形成は、長期・分散・積立で行なうのが効率的なため、年に1度まとめて購入するより、毎月一定額の積立投資で行なうことをお勧めします。子ども2人の教育資金向けに利用するなら、奥さまのほか、ご主人も「つみたてNISA」の口座をつくり、2人でそれぞれ月2万~3万円の積立をするのがいいでしょう。

    今の定期預金はそのまま残し、毎月の貯蓄と保険の見直しで浮いた分から貯めれば、月3万円で2人分の6万円をつみたてNISAにまわすことができます。それぞれ10年続けると、1人につき投資元本は360万円、仮に年2%で運用できたとすると400万円近くになります。児童手当をすべて貯め続けると中学卒業までに1人200万円前後になるため、第一子は学資保険、第二子は夫の個人年金保険を加えると、それぞれ目標の700万円は十分に達成できます。

    子どもが3人になっても、同様につみたてNISAを続けていけば、10年以上先に積立てる分を3人目の子どもの大学資金に充てることができます。つみたてNISAは最長20年間できるので、子どもの学費で使わなかった分や大学入学後の積立分は、夫婦の老後資金に充てられます。積立額を調整しながら、できるだけ長く続けるほうがいいでしょう。

    ボーナスからの貯蓄はいったん定期預金にして、ローンの繰上げ返済やその他の目的に向けて貯めていくのがいいでしょう。今の貯蓄ペースを維持できるように、長期的な視点で貯蓄のやり方を見直してみましょう。

    相談者さいさんより

    家計診断ありがとうございました。具体的な貯蓄方法も教えていただき、考え方の幅が広がったように感じます。

    悩んでいた3人目の出産に関しては、お金の問題だけではないと言っていただけ、前向きに検討していければと思いました。その他、住宅ローンや保険のことに関しても、とても参考になりました。

    対面式の家計診断はどうしても不要な商品などを勧められるのでは……?と思い、なかなか聞きに行けず。このようなネット診断をいくつか試してきましたが、こんなに細かく、かつ長文でご返答いただけるのは初めてでした。とてもためになりました。
    ありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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