わが家の家計診断

昨年は220万円貯蓄しましたが、まだまだ不安!老後資金や繰上げ返済のことなど教えてください


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    昨年は220万円貯蓄しましたが、まだまだ不安!老後資金や繰上げ返済のことなど教えてください

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    今回は子ども3人の共働き家庭で、昨年から本格的に家計管理を始めたという主婦からの相談です。今後の大きな出費に対し、どのように貯めればいいかを、ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします!

    子ども3人にはそれぞれ500万円の教育資金を用意したい。老後資金はいくら必要?繰上げ返済の時期や大きな出費の捻出法は?

    9歳、7歳、4歳の子どもを抱え、フルタイムで会社員として働いている主婦です。昨年から本格的に家計管理を始め、2020年は夫婦合わせて手取り年収約820万円に対し、220万円ほどの貯蓄ができました。貯蓄総額は1000万円を超えましたが、まだまだ不安です。

    大学までの教育資金として、子ども3人には1人当たり500万円を用意したいと考えています。それぞれ18歳満期で200万円の学資保険をかけているので、残り300万円×3人分の900万円を、第1子が小学生のうちに貯める予定です。そのほか、家の修繕やリフォーム費用、車や家電の買い替えなど、大きな出費が控えていますし、老後資金もどれくらいあればいいのか、不安でいっぱいです。

    まずは、老後資金はどれくらい必要なのかを知りたいです。次に8年前に購入した家の住宅ローンの繰上げ返済はいつ頃するのがいいか、家の修繕費などの大きな出費の捻出方法や、家計管理で削れるところはないかを教えていただければ助かります。

    相談者プロフィール ヒヨドリ(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:34歳
    職業:会社員

    家族構成:
    夫(40歳・会社員)
    子ども3人(9歳、7歳、4歳)

    ヒヨドリさんの家計内訳

    A. 毎月の支出は抑えていますが、家計全体では使途不明金が結構あります。貯蓄の「見える化」を心がけ、年間での予算管理を考えましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 夫婦ともに会社員で働き続けるなら、老後の生活資金は3000万円が1つの目標。ただし、家が築50年を超えるため、建替え資金などの準備も必要です

    相談者のヒヨドリさんは、老後資金のことを最も気にされているので、まずはその質問からお答えします。ご夫婦の現在の収入をもとに老後の年金額を試算すると、65歳から受け取れる年金は夫が年額で約180万円、月にすると約14万8000円、妻は年額約120万円で月約10万円です。夫は妻より6歳年上なので、夫が65歳になったら妻が65歳になるまでの6年間は月3万円ほど加給年金が加算されるため、月に約18万円を受け取れる計算となります。妻が65歳になったら2人の年金の合計額は月に25万円弱になります。夫婦ともに平均余命まで生きると仮定すると、女性のほうが5年長く生きるため、夫婦の年齢差も含めて妻1人の期間は11年間となり、その期間は遺族厚生年金と妻の老齢基礎年金で月に約12万円強となる見込みです。

    このように試算していくと、夫婦ともに平均余命まで生きた場合に受取れる年金の総額は約6870万円になります。それぞれ65歳まで厚生年金に加入して働き続け、今後の年収がもっと増えていけば、これより多くなる可能性はありますが、現行水準での目安はこれくらいということです。

    一方で、夫が65歳からの夫婦の生活費を月25万円、妻1人の期間の生活費を月20万円と仮定し、高齢期の医療・介護費などを2人分で1000万円、旅行・レジャー・冠婚葬祭などの予備費を500万円とすると、老後に必要なお金の総額は9840万円になります。

    老後の必要額9840万円から年金の受給総額6870万円を引くと、2970万円。つまり老後資金として準備したいお金は約3000万円になります。仮に退職金が1500万円あれば、自分たちで貯めるお金は1500万円程度になるわけです。

    ただし、ご相談者の家庭で心配なのが家の問題です。ヒヨドリさんの家庭では8年前に中古住宅を購入したそうで、現在でも築30年くらいとのこと。これから先、修繕やリフォームを行ない、大事に利用していくとしても、夫がリタイアする60代半ばには築50年を超え、修繕だけでは済まず、建替えもしくは住み替えが必要になるかもしれません。老後に夫婦2人で住むためなら、それほど大きな家は必要ないでしょうが、建替えるか、マンションなどへの住み替えとなれば、2500万円くらいの費用は見込んでおきたいところです。

    ヒヨドリさんの家庭の老後資金の目標額は【3000万円-退職金+家の建替え資金】とするのが妥当で、先の金額例で考えると約4000万円になります。まずは2人の勤務先の退職金規定などを調べて、夫婦で当面の目標額を考えてみるのがいいでしょう。年金額や退職金などは今後の夫婦の働き方や収入で変動しますし、老後の必要額も物価などの動きで変わる可能性があるため、当面の目標で準備をはじめ、50代になったら見直すのが現実的です。

    アドバイス2 住宅ローンの繰上げ返済は、定年まで待つより早いほうがお得。子どもが小学生のうちに手元の貯蓄から300万円ほど実行してはいかが

    ヒヨドリさんの家庭の住宅ローンは当初35年返済で、残りの返済期間は26年、残金は約1700万円とのことです。金利は0.6%台の変動金利で、毎月の返済額も約6万円と負担は軽めですが、今のままでは完済予定は夫が66歳のとき。ヒヨドリさんは夫が60歳になったら、その時の残金約720万円を繰上げ返済することも考えていますが、実際にはいつ頃繰上げ返済をするのがいいかを知りたいとのことです。

    繰上げ返済はローンの返済開始後、早くすればするほど利息の軽減効果は高くなり、返済期間を短くするにも効果的です。したがって、夫の定年まで待つより、貯蓄に余裕がある今のうち、子どもが小学生のうちに一度、繰上げ返済をしておくことをお勧めします。

    現在は約1100万円の貯蓄があるため、ここから500万円くらいを繰上げ返済してもよさそうですが、これは夫婦と子ども名義の預金を合わせた合計額で、3年以内に家の修繕や車の買い替えも予定しているそうなので、300万円くらいが現実的な金額かもしれません。

    例えば、返済開始から9年後の今年、300万円を繰上げ返済すると、返済期間は5年弱短くなり、支払う予定の利息は約51万円減少します。さらに、子どもの教育費がかからなくなる50代後半で、残りのローン300万~400万円を繰上げ返済すれば、定年前に住宅ローンを完済することができます。

    夫婦の老後に向けて、家をどうするかを考える際にも、住宅ローンの負担を早めに軽くしておくことが大切なので、ぜひ前向きに検討してください。

    アドバイス3 毎月の生活費はつかんでいますが、年単位では使途不明金が100万円以上。「教育資金」と「その他の貯蓄」は口座を分け、特別支出も予算で管理を

    毎月の収支については、夫婦の手取り月収57万円に対し、月々の生活費は約33万円。費目別にみても、特に使いすぎというものはありません。保険料は子ども3人の学資保険を含めた金額で、夫婦の保障内容も問題ないため、見直す必要はないでしょう。

    ただし、貯蓄の管理の仕方が気になります。児童手当は3人の子ども名義の口座に貯めていますが、毎月の給与で残ったお金は普通預金に入れておき、ボーナスも同じように特別支出などを支払って、残ったお金を貯蓄としています。結果として、前年は220万円の貯蓄ができたのは立派ですが、給与から普通預金に残しているお金は毎月20万円以上あり、ボーナスの半分50万円も貯めたとすれば、年間の貯蓄額との間に100万円以上の使途不明金があります。これらは年数回のレジャー・旅行・帰省費、冠婚葬祭などのお付き合い費、家族の衣類などの購入費で使っているのだと思いますが、それを把握できていないのが問題です。もしかしたら、その部分に無駄遣いが隠れているかもしれません。

    このような使途不明金をなくすには、年間で使える予備費の予算を決めておくことが大切です。現在はボーナスから支払っている税金や車関連費などの特別支出も、その合計額を出して年間予算の中で管理していきます。そのためには、ボーナスの100万円を特別支出や予備費に充て、使途不明金になっているお金も、この範囲に収めるといいでしょう。

    一方で、貯蓄として貯めるお金は貯蓄専用の口座に移して貯めましょう。そうすることで、貯蓄を「見える化」することができ、計画的に貯めることができるからです。

    例えば、子ども3人の大学資金は、児童手当とは別に1人につき5万円、3人分で月15万円を、毎月それぞれの口座に移します。これで5年後に1人300万円+児童手当の分が貯められ、目標額を達成できます。家の修繕費や車の買い替えなどの大きな出費に備える分は、貯蓄専用口座を1つ作り、そこに移して貯めていきます。仮に月9万円ずつ貯めていくと3年で324万円になり、現在の貯蓄と合わせて家の修繕や車の買い替えに充てられます。

    そうすると、毎月の貯蓄額は24万円になり、ボーナスから貯蓄できなくても、年間の貯蓄額は今より増えます。ちなみに、今手元にある貯蓄も、給与口座の普通預金に入れっぱなしではなく、100万円単位で定期預金に移し替えることをお勧めします。利率は低くても定期預金に預け替えることで、貯蓄としてどれだけ貯まっているかがわかりやすくなります。利率を気にするなら、一部は個人向け国債の「変動10」にするのもいいでしょう。
    5年後、子どもの大学資金が貯まったら、塾代などで毎月の生活費も変わる可能性があるため、月々の貯蓄額を見直し、可能な金額を貯蓄専用口座に移して貯めていきましょう。

    ヒヨドリさんのご家庭では、できれば夫婦の老後資金として「つみたてNISA」も始めたいところ。夫婦それぞれ月2万円ずつでも「つみたてNISA」の専用口座で貯めていけば、20年間にわたり非課税で効率的に運用でき、老後の資金に加えることができます。前出の月9万円の貯蓄のうち、4万円をその資金に充てるか、1~2年後に夫婦の収入が増えたら、その時点でスタートするのでもいいでしょう。

    もともと貯蓄ができているご家庭なので、大きな支出の管理と貯蓄の見える化さえできれば、将来のことも、それほど心配する必要はありません。今の生活ペースを崩さず、生活費以外の支出は家計ノートや通帳にメモするなどして、しっかり管理していきましょう。

    相談者ヒヨドリさんより

    このたびは貴重なご意見をありがとうございました。
    現状の家計でも将来の不安は小さいとわかり、とても安心しました。ご指摘の通り、貯蓄といっても去年と今年の通帳残高を比較したのみでしたので、使途不明金の100万円の内容を把握し、削れるところは削り、さっそく貯金用の口座を開設しようと思います。

    また、気になっていた住宅ローンの繰上げ返済について、今年中に返済すると約51万円浮くということがわかり、積極的に検討したいと思います。
    夫とも老後資金、老後の住居について前向きに話し合いたいと思います。

    取材・執筆/光田洋子

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