わが家の家計診断

共働きでお金は夫婦別々に管理。今後のために保険と貯蓄をトータルで再検討したい


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    共働きでお金は夫婦別々に管理。今後のために保険と貯蓄をトータルで再検討したい

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    今回は、共働きで収入、貯蓄ともに余裕はあるものの、今後の教育費と老後のために、保険や貯蓄も含めて、家計全体を再検討したいという会社員からのご相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします!

    共働きで生活費を分担し、残りは夫婦それぞれで貯蓄しています。教育費とリタイア後の生活費はどのように準備すればいいですか?

    現在の生活には満足していますが、夫婦ともに40代に入り、子どもがまだ2歳と小さいので、今後の教育費と夫婦のリタイア後の生活費をどのように設計していけばいいのか、再検討してみたいと思い、この家計診断に応募しました。

    生活費は夫が家賃や光熱費、私は保育料と食費・雑費などを支払い、自分の保険料や小遣いを各自で出したら、残りは夫婦それぞれで貯蓄しています。交際費や旅行代なども夫婦の月々の給与の残り分から支払っているので、ボーナスはほとんど貯蓄に回しています。

    保険はすべて5年ほど前に、FPに相談して加入しました。子どもがまだいなかったので、夫婦の老後資金を目的に加入しましたが、これを見直せば、月10万円くらいは投資に回せるのではないかと思っています。

    マイホームについては、夫は必要性を感じていませんが、私はもう一部屋ほしいので、引っ越すか、中古マンションを購入したほうがいいかとも思っています。

    また、私自身、留学経験があるので、子どもにも海外で教育を受けてほしいと考えています。小中学校から留学する場合、学費と滞在費で2000万円くらいは必要でしょうか?

    相談者プロフィール つつじ(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:42歳
    職業:会社員

    家族構成:
    夫(40歳・公務員)
    子ども1人(2歳)

    つつじさんの家計内訳

    世帯収入が多いので、夫婦のお金の流れを整理して生活費を予算化し、教育費や老後の資金は計画的に、効率よく貯めていきましょう。

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 毎月の生活費は夫婦で分担していますが、年間の特別支出などは金額が不透明。共同で管理する生活口座をつくり、予算を組んで年間収支を把握することが大事

    ご相談者の家庭は共働きで毎月の手取り収入が約90万円、貯蓄も3000万円以上と多いため、生活費を細かく見直すことより、大きな視点で将来のために、わが家の資産設計をどうしていくべきかを考え直したいそうです。そのために加入中の保険も見直したいという話ですが、それを実行する前に、現在は夫婦の収入をそれぞれ何にいくら使い、毎月あるいは年間でどれだけ貯蓄ができているのかを正確につかむことが大切です。

    これまでは給与の残りとボーナスを貯めているだけで、それなりに貯蓄を増やすことができました。しかし、子どもが成長し、教育費などがかかってくると、「残った分を貯める」というやり方では、何年後にどれだけ貯蓄ができているかがわかりません。留学費用を含めた教育費と、老後資金を同時に貯めていくには、年間での貯蓄可能額から逆算して、計画的に確実に準備できるような貯蓄プランをつくることが重要になります。

    年間でどれくらい貯蓄に回せるかを考えるには、家計に入るお金の流れを整理して、年間での必要支出をきちんとつかむことが不可欠です。共働きで夫婦が別々にお金を管理していると、それがつかみづらいのが問題です。そこで、現状の家計収支をもとに、生活費などで使うお金と、夫婦がそれぞれで支払うお金、貯蓄するお金を整理してみましょう。そのうえで、生活費は夫婦共同の生活口座で管理すれば、通帳を見るだけで支出額が把握できます。

    例えば、毎月の給与からそれぞれ20万円を生活口座に入金し、家賃・光熱費、食費、雑費、保育料などはこの口座から支払います。現在のそれらの支出合計は月40万円より少ないため、残りを予備費として繰り越せば、家族のレジャー・交際費などに充てることもできます。夫婦それぞれの保険料や小遣いは、今まで通り各自の給与口座から支払うと、残ったお金がそれぞれ毎月の貯蓄に回せる金額になります。

    ボーナスも、夫婦それぞれ一定額を生活口座に入れて、そこから年1~2回の旅行代や冠婚葬祭費などの特別支出を支払います。今はそれらも給与の残りから支払っているそうですが、年間でどれくらい使っているかが不明瞭なため、年に30万円とか40万円などと予算を決めて生活口座に入れておきます。残った分がボーナスから貯蓄に回せるお金になり、毎月の貯蓄と合わせて年間で貯められる金額もはっきりします。

    アドバイス2 子どもの教育費は保険の解約返戻金に加えて、貯蓄でしっかり準備することが必要。留学費用も考えて、保険の見直しで毎月10万円を教育資金の積立に回しましょう

    お子さんは1人のため、「高校まで公立で大学のみ私立の可能性もある」という家庭なら、大学進学費用として500万~600万円程度を目安に貯めていけばいいでしょう。しかし、ご相談者の希望通り、海外の学校に行かせたいなら、話は別です。何歳から何年間、どの国やエリアの学校なのか、海外でも公立か私立の学校かで、かかる費用は大きく異なります。

    例えば、欧米の公立大学なら学費と滞在費と食費で年間270万~380万円が目安で、4年間なら1000万円以上かかるケースが一般的。同様に公立の高校では年間220万~240万円が目安で、私立の高校ならこの2倍くらいかかることもあります。現実的に考えると、子どもが中学生くらいになって、子ども自身で判断できるようになってから、高校あるいは大学での留学について、親子で話し合ってみるのがいいでしょう。

    教育資金の準備としては、現在加入中の保険を見直し、浮いたお金を教育資金の積立に回しましょう。夫婦それぞれ毎月約5万円も支払っている終身保険を、それぞれ掛捨てタイプの保険に見直すだけで、月に約10万円を削減できます。共働きのため、夫婦ともに死亡保障は必要なので、それぞれ通販型の定期保険か収入保障保険に入り直せば、死亡保障3000万円程度でも、保険料は2人合わせて月1万円以内に収めることが可能です。ちなみに、その他の保険は今のままでもかまいません。

    月10万円の積立先としては、夫と妻、それぞれで「つみたてNISA」を利用するのも一案です。高校より先の教育資金に向けて10年以上続けることを念頭に、非課税枠の上限である年40万円に合わせて、夫婦それぞれ月3万円ずつを投資信託で積み立てていきます。夫婦それぞれが支払っていた保険料5万円の分を、各自で「つみたてNISA」に3万円充てたら、残りの2万円、2人で合計4万円を子ども名義の積立預金で貯めていきます。手元にある子ども用の貯金も、同じ口座にまとめておきましょう。

    教育資金の一部として、夫婦で加入中の米ドル建終身保険の解約返戻金を充てることもできます。この保険は2025年11月以降に解約すれば、前納した保険料(日本円で一人分約300万円相当)を上回るお金が払い戻されます。しかし、それは米ドルでの見込み額なので、解約時の為替相場によって、日本円では支払った保険料を下回ることもあります。ですから、急いで解約するのはやめて、本当に必要な時期になってから、為替相場の動きをみながら円安のときに解約するのがいいでしょう。

    今から月10万円、年間120万円を貯め続ければ、10年で1200万円、高校入学までの13年間では1560万円以上になります。夫婦の保険の解約返戻金を合わせれば2000万円以上の資金は準備できそうです。

    アドバイス3 夫婦の老後資金として、夫はiDeCoを利用して長期・分散の積立投資を実行。リタイア後の生活を考えて、住宅購入も視野に入れて準備しましょう

    老後資金の準備も、貯蓄と投資の2本立てがいいでしょう。投資については「長期・分散・積立」を意識すれば、手間もかからず効率的な運用が可能になります。奥さまは勤務先の確定拠出年金(企業型DC)で積立投資をしているので、公務員のご主人は、個人型確定拠出年金のiDeCoを利用するのがいいでしょう。

    公務員の掛金の上限は月1万2000円とあまり多くないので、この金額で外国株式のインデックス投信などを選んで積み立ててはいかがでしょう。60歳までには20年近くあるので、積立終了までの平均リターンは国内株式型よりも高くなることが期待できます(元本を下回る可能性もあります)。

    2022年10月以降は法改正により、企業型DCに加入している人もiDeCoに加入しやすくなる見込みなので、そうなったら、奥さまもiDeCoで月数万円の積立投資を始めるのもいいでしょう。

    夫婦それぞれの給与の残りは、ボーナスからの貯蓄と合わせて定期預金で貯めていきましょう。ボーナスから特別支出の予算を取り分けても、給与の残りを合わせれば、当面は2人で年間200万~250万円は貯められそうです。定期預金の利率は低めですが、普通預金とは分けて、将来のための貯蓄として管理するのが目的です。手元の貯蓄も同様で、場合によっては一部を個人向け国債の変動10年にするのもいいかもしれません。

    また、投資の勉強と楽しみを兼ねて、ボーナスごとに予算を決め、株主優待を実施している企業の株式を購入する方法もあります。株式優待で食品や商品券などが届けば、家族で楽しめます。

    夫婦ともに定年まで勤めれば、退職金と確定拠出年金、貯蓄などで、かなりの老後資金を準備できます。ただし、住まいが賃貸住宅では、リタイア後にも家賃の支払いが続くため、年金生活になってから、家賃の負担が重くなります。今後、お子さんの成長に合わせて広い部屋に引っ越すと家賃が増え、生活費も膨らんで、貯蓄が減ることも考えられます。

    一方で、奥さまが考えるように、3500万~4000万円程度の中古マンションを購入し、住宅ローンを2000万円程度に抑えれば、返済期間は20年でも、金利2%で、毎月の返済額はボーナス払いがなければ10万円程度(2020年6月現在)になり、管理費・修繕積立金を合わせても、今の家賃より負担は軽くなります。

    手元の貯蓄から頭金と諸費用を合わせて2000万円を支払ったとしても、毎月の住居費が減って家計の見通しが立ちやすくなり、リタイア後の生活費も抑えられます。

    住まいは退職後に取得するという選択肢もありますが、子育てに適した住まいを考えるなら、お子さんが小さい今のうちに購入するほうが、住居にかかるトータルコストを抑えられる可能性もあります。老後までの準備時間が十分ある今のうちに、住宅購入も視野に入れた資金計画を検討されるといいでしょう。

    相談者つつじさんより

    今回の家計診断に応募する前から、夫婦それぞれの支出が少し不透明なことは気になっていたので、ご指摘いただいて、改めて予算を立てることと支出内容の把握をすることが大切であることがわかりました。無駄遣いをしているわけではないので、現在預金に回っているお金がどれくらいあるのかから整理したいです。

    また、子どもが生まれる前に加入した保険が5年になるので、アドバイスいただいたように変更することも検討したいと思います。

    今まであまり具体的に考えていなかった住宅購入についても、今後の働き方やライフスタイルを踏まえて夫婦で話し合うきっかけになりそうです。

    この度はこのような機会をいただきましてありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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