わが家の家計診断

全く貯蓄できず困っています。保険や家計、どう見直したらいいですか?


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    全く貯蓄できず困っています。保険や家計、どう見直したらいいですか?

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    今回は子ども2人の4人家族で、貯蓄ができない主婦からの切実なご相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします。

    私は派遣社員で収入が不安定なうえ、毎月の手取り・ボーナスともに収入を使い切り、貯蓄ができません。保険の見直しも必要だと思いますが、どうしたらいいか、わかりません……。

    時短派遣のため、私の月収は12万~19万円と、月によって変わります(下図の収入は平均額)。子どもは8歳と3歳で、上の子は習い事を5種類していますが、下の子の保育料が10月から無償化の対象になり、以前より少し教育費は下がりました。しかし、学校や学童関係の費用、生活費のクレジット払いなどはボーナスから支払っており、その分は赤字です。ボーナスも、夫婦の実家に年3回帰省する費用などでお金がかかり、貯蓄は全くできません。2人とも地方出身のため、地元での学校教育に不安を感じていて、今後、どのような教育費がかかるのか、将来、私立大学しか選択肢がない場合にどうすればいいのかと悩んでいます。保険は勧められて加入したものが多く、よく理解していませんし、一部の保険から貸付も受けています。見直しは急務なのかと思いつつ、どう手を付けたらいいかわからないので、アドバイスをお願いします。

    相談者プロフィール ヒナ(仮名)さん

    性別:女性
    年齢:41歳
    職業:派遣社員

    家族構成:
    夫(41歳・会社員)
    子ども2人(8歳、3歳)

    ヒナさんの家計内訳

    保険は貯蓄を兼ねたものだけ残し、他はわかりやすい保険に見直しを。
    生活費は月収の範囲で抑え、貯蓄は先取りで強制的に貯めましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 収入に対し、保険料が多いのは事実。いま解約すると損になる貯蓄型保険だけ残し、夫婦の保険はシンプルでわかりやすい保険に見直せば、浮いた分を貯蓄に回せます

    ご相談者のご家庭は、月々・ボーナスともに貯蓄ができない状態が続いていて、将来の教育費などに対し、不安が増しているそうです。手元の貯蓄も少ないため、このままでは将来の大学資金どころか、その前の中学・高校時代の教育費も賄えなくなる可能性があります。

    まずはご本人も気にしているように、負担の大きい保険から見直していきましょう。
    加入している保険は全部で10本と多いうえ、米ドル建の保険など、しくみが複雑で、どんなときにいくら受取れるのかわかりにくい保険に加入していることも問題です。家計に余裕がない場合や、子どもが幼い家庭では、最低限必要な死亡保障と医療保障を、それぞれ保険料の安い掛け捨て型の保険に加入して確保しましょう。

    とはいえ、米ドル建の終身保険や学資保険は中途解約では元本割れになります。加入後かなり経っているこのご家庭では、いま解約すると損失も大きくなります。そのため、2020年に払込みが終わるご主人の米ドル建終身保険と、第一子の生存給付金が付いた米ドル建終身保険、第二子の学資保険の2本はそのまま継続しましょう。

    万一の際の遺族保障になるご主人の収入保障保険も残しますが、これと米ドル建終身保険の死亡保障だけでは、幼い子ども2人のいる家庭ではやや保障が足りません。そこで、ご主人はネット生保などの定期保険に1000万円ほど加入します。奥さまの保険は2つとも解約し、死亡保障と医療保障がセットになった掛け捨ての共済に加入してはどうでしょう。ご主人の定期保険と奥さまの共済は、両方合わせても月4000~5000円で済みます。

    そのほかの保険は、なくても困らないので解約しましょう。ちなみに、特定疾病保障終身保険は、解約時に解約返戻金が少し出るので、これで契約者貸付の分を返済してください。それだけで足りない分は、早めに貯蓄から返済しておきましょう。
    結果として、夫婦が新たに加入する2本の保険を考慮しても、年間10万円くらいは保険料が安くなります。2020年3月以降、ご主人の米ドル建終身保険の払込みが終わると、その分も負担が減って、合わせて年に約37万円を貯蓄に回すことができます。

    アドバイス2 生活費の予算を決め、子どもの学校関連費や習い事も月収からやりくりしましょう。後払いのクレジットカードは使わずに、前払いか即時決済のカードにする手も

    ヒナさんのご家庭の1カ月の支出を拝見すると、使い道がよくわからない雑費や、趣味・教養・娯楽費、その他の支出が多いです。雑費には被服費や医療費、子ども関連の支出も含まれているそうですが、使い道ごとに支出をきちんと管理できていないことも問題です。
    この3つは使い道を限定して節約すれば、現在の半分くらいに抑えることが可能でしょう。
    光熱費や通信費もやや高めなので、これもそれぞれ月2万円以内に抑えましょう。

    そうすると、現在の平均支出である月53万円から、保険料の節約分と合わせて、月に7万~8万円くらいは減らせるため、赤字が解消できるほか、月3~4万円は貯蓄に回せます。これくらいを目標に、生活費を月45万円以内に収めるための予算を立てましょう。
    その際に、学校関係や学童の費用、教材費なども毎月の予算に入れて取分けてください。小学校までの子どもの教育費や習い事などは、月々の収入から支払うのが基本で、それだけで収まらない費用であれば、収入に対してお金をかけすぎです。

    また、生活費の一部をクレジットカード払いにして、ボーナスから支払っているそうですが、これもやめたほうがいいでしょう。カードでポイントを貯めたり、キャッシュレス決済でポイント還元を受けたりする場合も、月々の予算の範囲で使うならいいのですが、それができない人はカードの使い方を見直すことが不可欠です。

    カード払いやスマホ決済をしたいなら、前払い式の電子マネーで、毎月決めた予算だけチャージして使うか、口座から即時決済するデビットカードで、支出と残高を確認しながら利用するという方法もあります。自分に合う使い方を探してみましょう。

    アドバイス3 最低でも毎月3万円は先取り貯蓄に回し、夫の口座から自動積立に。ボーナスからは赤字補填分の年50万円を貯蓄するように心がけましょう

    このご家庭は、赤字家計から脱出するだけでなく、早急に手元の貯蓄を増やすことも重要です。ご夫婦の年齢や子どもの年齢から考えると、最低でも生活費の半年から1年分程度の貯蓄を、いざというときのために確保しておくことが大切です。そのためにも、まずはご主人の給与口座から月3万円を先取りし、自動積立預金で貯めていきましょう。

    給与口座に自動積立をセットすれば、毎月、口座から自動的に積立預金に振替えられるので、手間もかかりません。この分は最初から「ないもの」と思って、手を付けずに貯めていき、残りのお金を生活費として使うようにしてください。また、毎月の赤字がなくなれば、現在は生活費の補填としてなくなっている、ボーナスからの年間50万円ほどが貯蓄できる計算です。ボーナスもできれば半分の60万円は貯蓄に回したいところですが、当面は50万円でいいので、この分は1回25万円ずつを定期預金に預けて貯めていきましょう。

    さらに、2020年にご主人の米ドル建終身保険の払込みが終わったら、その分の保険料である月2万円強は、子どもの教育費として、子ども名義の預金で積立てていきましょう。今後、夫婦の収入が増えたら、教育費の積立も少しずつ増やしていくことが大切です。

    将来の子どもの大学資金については、加入中の保険で、ある程度は賄えます。例えば、私立大学でも文系なら、初年度納付金の平均は125万円程度。2年目以降の学費は年間で平均100万円程度です。第一子が受取れる米ドル建の生存給付金の場合、私立文系であれば、初年度納付金だけは支払えそうですが、2年目以降は生存給付金が40万~45万円程度と少ないため、貯蓄での準備が必要です。第二子の場合は2つの学資保険の合計で、私立文系なら何とかなります。それぞれ、足りない分は積立てた貯蓄から充て、それでも足りないときだけ、不足分を奨学金でカバーすれば、子ども自身の返済時の負担も抑えられます。

    教育費の積立は、中学・高校時代の塾代や夏期講習、大学の受験費用などにも役立ちます。ただし、大学に進学するまでは、使いすぎないように注意してください。また、教育費以外に貯める貯蓄も、500万円くらい貯まったら、一部は住宅ローンの繰上げ返済に回すことができます。手元の貯蓄を増やせば、それが将来の夫婦の老後資金にも繋がります。先々の不安要素をあげればきりがないので、まずはすぐできることから、1つずつ確実に実行していきましょう。

    相談者ヒナさんより

    アドバイスを受けて、私どもの家計の無駄な部分が明確となり、どの項目を抑え、浮いたお金をどこに回すべきか、という算段ができました。5年ほど前からのただ漠然とした不安感が、危機感へと転化し、第三者のプロのアドバイスをいただいたことで、その危機感を夫婦で冷静に確認し、話し合うきっかけにもなりました。

    大学費用どころか、中学・高校に向けてのお金への意識にも繋がり、夫婦ともに考えているよりも時間はないことを痛感。先延ばしにせず、すぐにできることから取組むこと、時間がないなどの言い訳はしないと決めました。しっかり家計を整え、子どもたちの未来・家族の未来を、家族みんなで協力しあって、創ってまいりたいと思います。
    本当にありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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