わが家の家計診断

シングルマザーの会社員です。子ども3人の教育費が心配……


    • Facebook
    • Twitter
    • Hatena
    • Line

    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    シングルマザーの会社員です。子ども3人の教育費が心配……

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    今回は中学3年生を筆頭に3人のお子さんがいるシングルマザーから、貯蓄や資産運用に関するご相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします。

    3人の子どもを抱えて離婚し、住宅購入後に病気も経験。今は子ども名義の口座で教育費を貯めていますが、これから先も充分な教育資金が準備できるか心配です。

    母子家庭ですが、6年ほど前に自分で家を購入。その半年後に病気をして、現在も会社勤めをしながら治療を継続しています。第1子は公立高校への進学を考え、将来は芸術系の大学を目指しています。下2人はまだ小学生ですが、第2子は看護専門学校を希望し、第3子はアスリート志望で、やりたい競技が続けられる進学先を考えています。元夫からの養育費は未払いだった時期もあり、今後も途絶える可能性があるため、あまり期待していません。そのため、3人の子ども名義でそれぞれ月1万円ずつ積立をしており、現在は3人とも100万円くらい貯まったところ。それとは別に、自分の老後資金として月々1万円の積立投資もしています。子どもの教育費はどれくらいを目標にすべきか、定期預金にしたほうがいいのか、資産運用で貯めてもいいのかと迷っています。勉強不足でまだ何も手を付けられない状況のため、教えていただければ助かります。

    相談者プロフィール くろむぎ(仮名)さん

    埼玉県在住
    性別:女性
    年齢:45歳
    職業:会社員

    家族構成
    子ども3人(中学3年、小学6年、小学5年)

    くろむぎさんの家計内訳

    子どもの教育資金は自動積立と定期預金を併用するのがお勧めです。
    老後資金用の積立投資は「つみたてNISA」に切り替えましょう

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 教育資金は今のまま自動積立を続け、貯まった分は定期預金に移し替えを。併せて生活費を見直し、自分の収入でやりくりできる家計を目指しましょう

    相談者のくろむぎさんは、離婚後、3人のお子さんを育てながら、マイホームを取得し、病気による手術・治療を経験しながらも会社勤めを続けています。昨年までは養育費の振込みもなかったそうですが、そんな中から教育費のために、子ども3人にそれぞれ毎月1万円の積立を続けてきたのは素晴らしいこと。今後もぜひ続けていきましょう。

    とはいえ、月々1万円の積立では、これまでに貯まった100万円を合わせても、高校卒業までに貯められる貯蓄額は、第1子は150万円くらい、第2子・3子も200万円前後です。これで大丈夫かと言えば、大学進学費用としては充分とは言えません。
    一般的に、教育資金の目標額としては、高校まで公立の場合、最もお金がかかる大学進学に向けて、子ども1人につき最低300万円です。大学が国公立なら、学費は4年間で平均250万円程度なので、300万円あれば受験費用も賄えます。しかし、第1子が目指す芸術系大学は、国公立が少ないため超難関となっていて、私立の芸術系学部は4年間の平均で600万円以上。文系や理系よりも学費が高くなるため、不足分を奨学金で補うにしても、子どもの将来の負担が重くなります。

    まず一番先に必要な第1子の教育資金として、250万円を目標に、ボーナスからの貯蓄も年10万~15万円ほどを第1子の口座に貯めていくといいでしょう。下2人はまだ小学生で、これから先、進路の希望なども変わる可能性があるため、月1万円の積立のほか、児童手当も合わせて当面は月々2万円ずつ積み立てていきましょう。
    これらの資金を捻出するためにも、今の生活費から食費や光熱費、ガソリン代などをできる限り節約してみることも大切です。養育費が途絶えても赤字にならない家計を目指して生活すれば、振込まれた養育費は将来の教育資金に回すこともできます。

    その教育資金の積立先は、今まで通り、くろむぎさんの口座から自動振替で貯められる普通預金で構いません。ただし、それぞれ50万円くらい貯まったら、その都度、定期預金に預け替えるといいでしょう。今ある100万円もそれぞれの子ども名義の口座へ移し、定期預金にしておきましょう。利息は微々たる違いですが、定期預金にしておくことで、将来の教育資金として手を付けにくくなり、確実に貯まった分を意識することができるからです。

    アドバイス2 シングルマザーには、様々な公的手当・補助があります。しっかり調べて利用できるものを探してみましょう

    ここ数年、子育て中のひとり親家庭への経済的支援は拡充されています。基本となるのは「児童扶養手当」で、年間の所得が一定額以下なら、毎月4万円以上の手当を受取れます。自治体によって、対象者は賃貸住宅の家賃補助やJRの通勤定期代が割引になる場合もあります。くろむぎさんはその条件より所得が高いので、児童扶養手当は受給できません。
    しかし、東京都の「児童育成手当」はもう少し所得条件が緩いなど、自治体ごとに独自の手当を用意している場合もあるので、お住まいの市区町村で条件も含めて調べてみるといいでしょう。

    また、ひとり親家庭の場合、自治体によっては児童就学支度金として、中学入学予定の子どもの準備費用として1万円を支給する制度があったり、医療費助成で子どもだけでなく親も、医療費の窓口負担が実質無料になったりする場合もあります。

    子どもがもしも私立高校に進んだ場合、所得によっては高等学校等就学支援金に加算が付く場合もあります。今後予定されている新制度では、大学・専門学校等の学費の補助や給付型奨学金が受けられる場合もあります。この2つはひとり親家庭に限らず、所得に応じて受けられる制度ですが、これらも含めて、子育てや教育費に関する支援制度をしっかり調べ、所得条件なども照らし合わせて、利用できるものはしっかり申請するといいでしょう。

    アドバイス3 老後資金のために積立投資をしているなら、「つみたてNISA」に切り替えを。余裕ができたら並行して「iDeCo」を始めるのもひとつの方法です

    くろむぎさんは、8年前から直販型の投資信託を月々1万円積み立てているそうですが、8年前に始めたのなら、「つみたてNISA」を利用していないのでは。老後資金のために積立投資をするなら、運用中の利益が非課税になる「つみたてNISA」を利用したほうが効率的に投資できます。同じ会社で手続きできるなら、今の積立をストップして、「つみたてNISA」に切り替えを。それが難しい場合は、別の会社で始めてもいいでしょう。

    株式投資にも挑戦したところ、含み損になっていて、そのまま塩漬けの状態とか。株式投資は業種や値動きの異なる複数の銘柄に資金を分散投資し、タイミングよく売買しないと、安定的に資金を増やすのは難しいでしょう。保有中の株式は様子を見て、少しでも価格が上がったら、売却したほうがいいかもしれません。

    これから積立額を増やせるようになったら、月1万円の「つみたてNISA」を2万円にするといった方法で、老後資金は投資信託の積立で準備するほうが手間もかかりません。「iDeCo」も検討したそうですが、「つみたてNISA」は年間40万円まで投資できるので、当分はこれだけでもいいと思います。もっと余裕ができたら「iDeCo」も併用し、投資対象を世界株式型などタイプの異なる投資信託を選んで積み立てるのもいいでしょう。ボーナスからの貯蓄は、不意の出費や教育費の不足分に備える意味でも、定期預金に預けておきましょう。

    くろむぎさんは「自分が万一の際の生活費や教育費の準備はできたつもり」と、話しています。確かに、マイホームがあるので、万一の際は住宅ローンの負担なく家を残せ、加入中の収入保障保険や米ドル建終身保険からの保険金を、子どもの生活費や教育費に充てられます。シングルマザーとしてのリスク対策は万全といえます。

    その一方で、「自分が働けるうちは、できるだけ教育資金を貯蓄したい」ということで、自分の老後資金がいくら必要かまでは考えられなかったとのことです。
    ただ、保険料の払込みが済んでいる米ドル建の終身保険を、60代くらいで解約して自分の老後資金に回す方法もあります。解約時に、払込み当時より大幅に円高・ドル安になっていなければ、支払った保険料以上の解約返戻金が受取れ、まとまった資金になります。今のまま会社勤めを続ければ、65歳からは老後の年金もある程度の額を受取れますし、退職金と終身保険、積立投資による資金があれば、それほど老後の心配はなさそうです。体に気をつけて、当面は子どもの教育資金を増やすことに力を注いでいきましょう。

    相談者くろむぎさんより

    井戸先生、このたびはいろいろとご指南いただきありがとうございました。
    漠然と普通預金で教育費を貯めていた状況だったので、今後の具体的な目標額や貯め方のイメージができました。先取り貯蓄をして日々節約を意識しながら、教育資金に関しては、定期預金を中心に手堅くスピードを上げて貯蓄していこうと思います。

    資産運用に関して「つみたてNISA」の口座はずっと気になってはいましたが、なかなか行動に移せず、当初のまま積み立てていたので、これを機会に「つみたてNISA」の口座を開設し、そちらへの積立に変更していこうと思います。
    私の体のことまでお気遣いいただきありがとうございます。今回の結果で目的がはっきりとしましたので、それに向けてまた頑張ろうと思います。

    取材・執筆/光田洋子

    <関連記事>

    税率アップもこわくない!?子育て世帯に知ってほしい2019年「税制改正」のポイント

    子ども3人とも高校から私立の予定。これからもっと効果的に貯蓄する方法は?

    3年間で3倍近くの差!公立と私立の中学校、教育費はこれだけ違う

    子どもが2人以上、小学生から始める教育費の貯め方

    初心者向け「つみたてNISA」がわかれば、投資はもっとお手軽・簡単に!

    <関連サイト>

    わたしの未来へ つみたて投資。

    ダイワのつみたてNISA

    選ぶならダイワのiDeCo

    <関連キーワード>

      あなたのお金のお悩みにお金のプロがアドバイス!

      RECOMMENDED この記事を読んでいる方へのオススメ

      カテゴリーごとの記事をみる


      TOP

      SODATTEアンケート