わが家の家計診断

保険は無駄が多いのでは?老後のための投資の仕方も知りたい


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    誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
    「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

    保険は無駄が多いのでは?老後のための投資の仕方も知りたい

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「わが家の家計診断」。
    今回は公立の中高一貫校を目指す小学6年と、小学2年の2人のお子さんがいる家庭で、保険の見直しや投資についての相談です。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします。

    子どもの教育費は貯めていますが、家計は赤字でボーナスから補填。保険は無駄が多いのではないでしょうか?老後のための投資の方法なども相談したいです。

    夫は月の半分以上を出張していて、その間は手当もなく持ち出しが多いので、今の会社から仕事を請け負う形で独立を考えています。私は時短勤務中で、来年からフルタイムに戻る予定。そうなると年収も上がる見込みです。今は子どもの塾代や学童などの費用が月によって変動し、多い月は13万円くらい。長男は来年、公立の中高一貫校を受験するため、専門の塾に通っています。教育費として2人の子どもそれぞれに毎月2万円ずつ積立をしていますが、引き出して使うこともしばしば。月々の家計は赤字なので、毎月の積立分もボーナスから補填しています。
    まずは保険について、無駄が多いような気がするので、見直したほうがいいでしょうか。長男は学資保険に加入していますが、二男の分は勧められるまま加入した「米ドル建の終身保険」で貯めています。でも、果たしてこれでよかったのか、気になっています。老後資金についても、私は昨年10月から勤務先の確定拠出年金が始まりましたが、夫は厚生年金のみ。老後のための資金として投資を始めてみたいのですが、良い方法を教えてください。

    相談者プロフィール りか(仮名)さん

    千葉県在住
    性別:女性
    年齢:45歳
    職業:会社員

    家族構成
    夫(46歳、会社員)
    子ども2人(11歳、7歳)

    りかさんの家計内訳

    保険の見直しを含めて月々の赤字を解消し、ボーナスは予算化して活用を。
    ご主人は独立も視野に入れてiDeCoで老後資金を積み立てるのがおすすめです

    答えてくれたのは…
    ファイナンシャル・プランナー
    井戸美枝さん

    ファイナンシャル・プランナーとして家計相談などを行なうほか、社会保険労務士として年金・保険・介護などの公的保障にも詳しく、マネーサイトや新聞・雑誌・本などの執筆、講演のほか、テレビ・ラジオなどにも出演し、活躍中。

    アドバイス1 保障額のわりに保険料が高い夫の終身保険を見直すのが合理的。妻の米ドル建終身保険は継続し、返戻金を増やしてから解約を

    最初に相談者のりかさんが気にしている保険の見直し方からアドバイスします。
    加入中の保険は全部で9本もあり、夫婦の保険はどれも特約がたくさんついているため、保障内容がわかりづらい点も問題です。全部合わせると夫の医療保障はがん入院で1日2万5000円、それ以外で2万円と多めで、死亡保障額は2900万円。死亡保障はそれほど多いわけではないのに、保険料の負担は重いです。ですから、最も保険料が高い夫の終身保険をやめ、死亡保障のみのシンプルな収入保障保険に見直しましょう。死亡時に月額15万円が65歳まで受取れるプラン(当初3420万円の保障)でも、保険料は月額6000円弱と、今の半分以下。これで医療保障のダブりもなくなるので、他の保険は今のままでもいいと思います。

    二男の学費に充てるつもりで加入した妻の米ドル建終身保険については、払込期間が満了する7年後に解約すると、受取れる金額(=解約返戻金)が、ドルベースで支払った保険料の総額と同程度になりそうです。積立利率は3%台と円建保険より高くても、払込保険料からは為替手数料や保障にかかるコストが差引かれるため、払込満了から年数を置かないと、解約返戻金が増えないしくみになっているからです。
    だからといって、払込期間が終わる前に慌てて解約すると、戻ってくるお金はもっと少なく、元本割れになりますから、今のまま継続することをおすすめします。

    仮に二男が高校3年生になる10年後、1ドル110円以上のときに解約すると、受取額は330万円以上になる見込みです。これを二男の進学費用に充ててもいいですし、その時点ですぐに必要なければ、もう少し長く据え置いて、夫婦の老後資金に加えるのもいいでしょう。
    どちらの場合も、米ドル建保険は払込期間中の相場と比べ、円安・ドル高のときに解約すれば日本円での受取額が多くなるので、タイミングを見て解約することが大切です。

    アドバイス2 月々の赤字を解消するには、車関連費、塾代、小遣いなどの見直しも必要です。まずはボーナスからの支出を予算化して、毎月の赤字補填をなくしましょう

    りかさんが知りたい老後のための投資の仕方については後ほど触れますが、まずはその資金を捻出するためにも家計の見直しが必要です。現在は、月々の生活費の赤字をボーナスから補填している状態ですが、そうなってしまうのは、給与やボーナス、貯蓄もすべて普通預金に入れっぱなしにしていることも原因の一つ。毎月の家計が赤字になっても、ボーナス分が給与口座に残っているので、そこから引出して使えるため、赤字への危機感が薄れてしまうのです。
    この家計管理のやり方から変えてみましょう。

    まずは、毎月の生活費を見直す前に、ボーナスからの支出を整理し、予算を組んで給与口座とは別の口座で管理する方法を提案します。現在、教育資金の積立として月4万円をボーナスから出しているので、その分を除くと、ボーナスから使える金額は約124万円になります。ここから貯蓄に回す分は定期預金に移し、使う分は特別支出として予算化して、その分も夫婦の給与口座とは別の、特別支出用の普通口座に移しておくのです。

    例えば、ボーナスからの貯蓄を年間40万円とすると、夫婦それぞれ夏・冬10万円ずつをそれぞれの名義の定期預金に移します。特別支出として別口座に移す分は84万円。予算は長男の夏冬の講習代や車関連費、学資保険の年払いなどで合計45万円、さらに家族旅行10万円と、交際費・被服費などの予備費として15万円。残り14万円を夫の出張時の費用として準備しておけば、毎月の小遣いを抑えることができます。何より、この特別支出の口座にある金額しか使えないと決めて、給与口座とは別に管理することが肝心です。

    毎月の家計については、駐車場を解約する予定もあるそうなので、それも含め、塾代も少し抑えて、食費、レジャー、小遣いなども各1万円くらい節約し、月収の範囲に納めましょう。子どもの学費などで使っている児童手当も、できればそのまま貯蓄として残したいところ。夫婦の手取り47万円で納まるように予算を立て、使い方を工夫してみてください。
    予算分けの金額は1つの目安ですが、参考にしていただければ、今までより計画的に貯蓄を増やすことができますし、月々の赤字を抑制することもできます。

    アドバイス3 投資をするなら、妻は会社の確定拠出年金の運用先をバランス型投資信託に変更し、勤務先に企業年金のない夫は、独立後にも有利なiDeCoで老後資金を準備

    投資をしてみたいけれど、自社株の積立も今は中止し、こわくてまだ何もしていないとの話です。「投資がこわい」というのは、値下がりのリスクがあるからだと思いますが、それはまとまった資金を一度に1つの商品に投資する場合にありがちなこと。複数の株式や債券に分散投資する投資信託を、毎月少しずつ一定額で購入する積立投資なら、価格が低いときは口数を多く、高いときは少なく買うことで平均購入単価を抑えられ、リスクを軽減。長期的には、預貯金の積立より受取額を大きく増やせる可能性が高くなります。

    教育資金の積立は今まで通り預貯金の積立でいいですが、老後資金の準備は、「長期・分散・積立」による投資信託での運用が最も効果的。現在は「つみたてNISA」という非課税制度もあるので、こちらを利用して投資信託での積立投資から始めることが、投資初心者の第一歩です。
    りかさんの勤務先では確定拠出年金を開始したそうですが、掛金の月1万円は元本確保型の定期預金にしているとか。これはもったいない話です。運用益が非課税という税制メリットを有効活用するためにも、国内外の株式や債券に分散投資するバランス型ファンドに変更するといいでしょう。来年から年収がアップしたら、自分で掛金を上乗せするマッチング拠出を利用し、月々1万円ほど増額するのもいいかもしれません。

    ご主人は勤務先に確定拠出年金がないようなので、個人型の確定拠出年金iDeCoを利用して、同じようなバランス型の投資信託による積立を始めればいいでしょう。取扱金融機関に申込み、まずは月1万円から無理せずに始めることが大切です。この分は毎月の小遣いなどの見直しから捻出することをおすすめします。
    将来、個人事業主として独立してもiDeCoは継続でき、掛金の上限も月6万8000円にアップするため、毎月の積立額を少しずつ増やしていければ理想的。年間で支払った掛金は全額所得控除になるため、自営業者にとって税金が軽くなるメリットは見逃せません。

    最後に、ご主人の独立はりかさんがフルタイム勤務になり、生活が落ち着いてから、様子を見ながら準備されるほうがいいでしょう。独立当初は収入も不安定になりがちですし、仕事の経費のほか、健康保険や年金などの保険料、税金も、毎月の収入から取り分け、自分で納めることになります。収入のすべてを家計に入れられるわけではないため、そのあたりも見込んで、独立までに少しでも手元の貯蓄を増やしておくことが大切です。

    相談者りかさんより

    これまで急な怪我で入院・手術などで休職することが夫婦それぞれあり、保険の必要を感じることがあったので、お互い相談することなく保険に加入していました。夫の最も保険料が高い保険がかなり無駄なのではと思っていたことや、私の米ドル建終身保険について不安に思っていたことなど、改めて確認していただけて助かりました。

    月々の家計が赤字であると漫然と感じていたものの、ボーナスを取り分けることなく、そのままにしていたので、恥ずかしながら赤字額まで把握していませんでした。具体案を教えていただけたので、夫も私もお金の使い方を見直し、夫の独立に向けて貯蓄を増やしていきたいです。

    自社株積立や確定拠出年金についても見直し、夫も個人事業主になっても継続できるiDeCoを利用して、老後資金の積立を投資信託での積立投資から始めていこうと思います。ありがとうございました。

    取材・執筆/光田洋子

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