子育て

絵本の読み聞かせは子どものためだけじゃない!大人も一緒に成長できる絵本5選


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    絵本の読み聞かせについて、皆さんはどんなイメージをもっていますか?「子どもの情緒や想像力を育む」「言葉の習得を助ける」など“子どものために”と考えている人も多いのではないでしょうか。実は絵本を読むことは、子どもだけでなく、大人にとってもメリットがあるそうです。

    自分のためにも絵本を読もう。絵本で起こる2つのいいこと

    では、絵本の読み聞かせによって起こる“大人にとってもいいこと”とはどんなことなのでしょうか?JAPAN絵本よみきかせ協会の景山聖子さんにそのポイントを教えていただきました。

    景山さん:まず一つめが、絵本のもつ癒し効果です。絵本では非日常の世界が繰り広げられていますが、そこは安全、安心、穏やかさがある世界です。日々忙しく過ごしている大人が、一度日常の時間を止めて、絵本の世界に入ることで、日々のストレスで傷ついた心が立て直されていくんですね。

    そして、もう一つ。絵本はメタファー(例え話)で物語が構成されているところにもポイントがあると話します。

    景山さん:大人になると、何かメッセージを受取ると、頭で考えて判断してしまいますよね。それが絵本だと、同じメッセージであっても、頭で考えるのを飛ばして、すっと心に入ってくると言われています。

    活字だけではなく絵と一緒に物語のメッセージを受取ることで、知らず知らずのうちに感性に変化が起きていくことがあるそうです。

    では、絵本の読み聞かせは大人にも良い効果があることがわかりましたが、子どもにとってはどんないいことがあるのでしょうか。

    景山さん:子どもの想像力はとても豊かです。ですので、絵本で読んだことを、自分が実際に経験したことと同じように受取って成長していきます。絵本にはそれぞれにステキなメッセージがあり、それが経験として記憶に残っていくことが、一番の魅力だと思います。

    では、早速、景山さんオススメの絵本を紹介していただきましょう。

    オススメ絵本①「ふたりのももたろう」

    「ふたりのももたろう」
    木戸優起/作 キタハラケンタ/絵(#たしかに編集部)
    対象年齢:3歳くらい~

    景山さん:こちらの絵本はジャバラになっているのですが、流れてきた桃が2つあったという前提で、表と裏で別のお話が描かれています。一面が普通の桃太郎、そしてもう一面は、鬼に育てられた桃太郎のお話。鬼の世界で、ツノがない桃太郎はそれを気にするのですが、鬼たちは「ツノがないお前もかっこいいんじゃないか?」という反応をするんですね。

    現実世界に置き換えると、みんなと違う部分にその人らしい魅力があるかもよ?という多様性を認めるテーマが表現されています。絵のかわいさにプラスして、大人が気づかないさまざまな工夫に子どもが気づいて喜ぶ絵本でもあります。

    オススメ絵本②「へいわとせんそう」

    「へいわとせんそう」
    たにかわしゅんたろう/文 Noritake/絵(ブロンズ新社)
    対象年齢:4歳くらい~

    景山さん:「へいわのボク」と「せんそうのボク」では、何が違うのだろう……といった形で戦争と平和を対比でみせている絵本です。敵も味方も何も変わりないことも淡々と表現されていて、みんな同じ人間であるということが視覚的に理解できます。

    とても字が少ない絵本なので、子どもは絵を読み、その絵から受取れる範囲内の戦争を想像してくれます。文字が少ない分、自分で考えたり、想像する枠が広いんですね。そして、この絵本で感じ取ったことがタネとなり、やがて育っていきます。

    逆に、大人の場合は知識があるため、同じ絵でも受取る印象が違ってくるはずです。絵本を読み終わった後に、親子で話す機会をもつといいですよ。

    オススメ絵本③「ヤクーバとライオン(1)勇気」

    「ヤクーバとライオン(1)勇気」
    ティエリー・デデュー/作 柳田邦男/訳(講談社)
    対象年齢:8~9歳くらい~

    景山さん:インパクトのある絵が特徴の絵本です。この絵本は「本当の勇気とはなにか」を読む人に問いかけ、考えさせてくれます。メッセージが奥深くて、解釈が分かれる部分もあるので、大人が「これって、こういうことだよね」とサポートをしながらこの絵本に触れていただくことが大切だと思っています。この絵本について深く考えることは親子の成長となることでしょう。

    オススメ絵本④「ちょっとだけ」

    「ちょっとだけ」
    瀧村有子/作 鈴木永子/絵(福音館書店)
    対象年齢:3歳くらい~

    景山さん:赤ちゃんが生まれてお姉さんになった女の子が、お母さんが赤ちゃんにかかりっきりになってしまっているので、色々なことを一人でしてみようと頑張る内容です。下のお子さんがいる場合には、きっとタイムリーな絵本になるはずです。

    親が気づかないうちに、上の子って我慢したり、一人でなんとかしてやり抜いていることがあるんですよね。

    子どもが何かをやり抜いたときに、褒め方のポイントとして、「上手にできたね」と結果だけを褒めるのではなく、「一人で挑戦してみようと思ったんだね」「あきらめないで、やり抜いたね」と過程や気持ちにも目を向け、寄り添うことの大切さを教えてくれます。この絵本で、感動する親御さんも多いんですよ。

    次にご紹介するのはお金の絵本です。子どものときからお金について学ぶことに対し、懐疑的な方もいるかもしれません。けれども、お金について学ぶことは良いことがあると景山さんは言います。

    景山さん:実は、お金に関する絵本っていっぱいあるんですよ。子どもによって反応が異なるので、おもしろいですね。お金って努力して、苦労して頑張らないと手に入らないと考える子もいれば、好きなことを頑張っていれば手に入ると考える子もいて、大きく分かれるように感じます。個人的な考えですが、お金に対するイメージはポジティブなほうがいいと感じています。自分がやりたいことをやった結果としてお金がもらえたら嬉しいよね、という考え方が根本にあったほうが、子どもの可能性が広がると思うんですよね。

    オススメ絵本⑤「レモンをお金にかえる法」

    「レモンをお金にかえる法」
    ルイズ・アームストロング/著 ビル・バッソ/絵
    佐和 隆光/訳(河出書房新社)
    対象年齢:4歳くらい~

    景山さん:働いてお金をもらうという経済のしくみを、子どもがレモンをレモネードにして売るというストーリーから学べます。

    単に物を売ってお金を稼ぐということだけでなく、需要と供給、雇用、企業経営など、経済学のエッセンスが詰まった絵本です。子どもにとって分かりやすいだけでなく、大人にとっても経済用語を改めて理解する一助にもなり、一緒に内容について考えて話し合うことができます。

    絵本は生活の一部に取り入れることが大切

    読み聞かせについて景山さんはこう話します。

    景山さん:ただでさえ子育て期間は大変です。絵本は無理して読み聞かせをするのではなく、余裕のあるときに次の3つのことを心がけると楽しむことができますよ。

    ① 読み聞かせをするのであれば自分も元気になるために。

    ② メタファーの力があるのが絵本の魅力。例えば、理由がわからずにうまくいかなかった仕事があるときに、気持ちを転換させるために。

    ③ 絵本を読み聞かせたときの子どもの表情や反応ってとても魅力的。1日の疲れを癒してくれたり、親子でいることを改めて実感させてくれたりします。そんな親子の幸せな時間のために。

    ついつい、子どものためにと肩に力が入ってしまいそうな絵本の読み聞かせですが、大人にもいいことをもたらす効果がたくさんあるようです。

    自分が楽しむこと、癒されることも意識しながら。そして、子どもとの暖かな時間をじっくり過ごすために、絵本を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

    <プロフィール>

    景山聖子さん

    一般社団法人JAPAN絵本よみきかせ協会・代表理事

    学生時代にNHKでパーソナリティ・リポーターを経験。大学卒業後は群馬テレビにアナウンサーとして就職した後、TBSやテレビ朝日などでリポーターとして活躍。子どもの誕生を機に絵本に出会い、年齢にぴったりあった絵本を読み聞かせたところ、子どもが何度も同じ絵本を読んだり、ときには抱いて寝る姿をみて、絵本の魅力に気づき、2013年2月に一般社団法人JAPAN絵本よみきかせ協会を設立。物語の語り舞台や絵本の読み聞かせパフォーマンス、読み聞かせのコツ講座などに注力する。

    執筆/中山美里

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