子育て

カリスマ保育士・てぃ先生に聞いた!子どもとのコミュニケーション術


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    昨今話題の「見えない家事」という言葉。これといった名前はないけれど、スムーズに生活するために必要な家事というものが、日常の中には多々存在しています。育児についても同様で、見えない育児だらけです。そんな毎日の中で、イライラしたり、ときにはカッとなったりすることもあるでしょう。つい叱りすぎてしまったと後から落ち込むこともありますよね。そんな子どもとの関係で芽生える悩みや疑問に対するアドバイスが、「わかりやすい!」と評判のてぃ先生に、子どもとのコミュニケーションについてお話を伺いました。

    ダントツに多い悩みは「叱り方」や「褒め方」など子どもへの伝え方

    現役の保育士として、保護者の気持ちに寄り添ったアドバイスを発信しているてぃ先生。SNSのフォロワーさんからは、毎日たくさんの相談が寄せられているそう。一体どのような内容が多いのでしょうか。

    「叱り方や褒め方など子どもへの伝え方に関する相談が多いですね。早く着替えてほしい、ご飯を残さず食べてほしい……大人側からすると、やってほしいことが色々あるじゃないですか。でも、子どもってすんなりやってくれないんですよね」(てぃ先生)

    例えば、「明日も保育園だから早く寝ないと」と大人は考えますが、子どもは今眠くないなら遊んでいたいもの。そこで、「いつまでも起きてるとオバケが来て、オバケの国に連れて行かれちゃうよ!」などと脅かしてみたりするわけです。

    でもその一方で、「こんな嘘をついて子どもを脅してしまっていいのだろうか?」と疑問がよぎり、ネットで検索すると「嘘はいけない」「脅してはいけない」などの情報が続々と出てきて悩んでしまう……。

    育児に関してはさまざまな情報が溢れており、一体何が正しいのだろうかと悶々と悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

    「基本的には自分の気持ちが楽になる情報だけを集めていけばいいと思います。親御さんは誰もがいい子育てをしたいからこそ悩んでいるんですよね。『そのままでも大丈夫ですよ』と背中を押してあげれば、自分でいい子育てができる人がほとんどだと僕は思っています」(てぃ先生)

    とはいえ、常に自分の考えに近い情報を信じていると、当然偏った情報ばかり集まってしまいます。

    「気持ちや時間に余裕があるときには、自分にはない考え方の情報に触れてみましょう。視野が広がって新たな気づきが得られるかもしれませんよ」(てぃ先生)

    「このままで大丈夫」という嬉しいアドバイスをてぃ先生からいただきましたが、もっといい子育てができたらと願ってしまうのが親心。毎日の生活にすぐにでも取り入れられそうなアイディアも伺いました。

    まずは「子ども」ではなく「人」として接してみよう

    スーパーで「このお菓子欲しいなぁ」と言う子どもに対し、「ダメ!」と答えたところ、泣きわめいて駄々をこねるという醜態に……。おそらく誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。

    「例えば、夫婦で街をブラブラしているとき。妻が『あのバッグ素敵だね』と言っただけなのに、『買わないよ』とご主人から一蹴されたら、『欲しいなんて言ってないよ』とイヤな気分になると思うんです(笑)。子どもは言語能力が十分には育っていません。そのため、『あのお菓子いいな。美味しそうだな』と感じたことを表現したくて『欲しい』という言葉が出てきている可能性があるんですよね」(てぃ先生)

    「美味しそうだね」と共感して欲しかったのに、「買わないからね!」ときつく言われたら、自分を否定されたような気持ちになってしまいます。

    「大人は、子どもを子どもとして見てしまうところがあります。子どもである前に人間なんですよね。まだ日本語でのコミュニケーションが上手に取れないだけで、一人の人間であると捉えて、どうすればきちんと伝わるか考えて言葉選びができるといいですね」(てぃ先生)

    つまり、留学生など日本語が堪能でない方に対して何かを伝えたり、お願いしたりするような感覚で対応を考えれば、相手が聞き入れやすい言葉を選ぶことができる……ということです。

    とはいえ、これだけで万事がスムーズにいくとは限りません。どうしたって食い違うこともあるでしょう。そんなときはどうすればいいのでしょうか。

    てぃ先生直伝!こんなとき、どうすればいいの?

    【解決テクその①カッとなったときは優しい行動を】

    「おもちゃを片付けなさい」と言ったのに、子どもが別の遊びを始めてしまう……。日常的にはよくある出来事ですが、タイミングが悪いと親はイライラ、子どもは泣きわめく……とヒートアップしていくこともあるでしょう。

    「こんなとき、思い出して欲しいのが『人間は言葉と体がリンクしている』ということ。怒って乱暴な動作をしていると、どうしても激しい言葉になりがちです。ワッと怒りがこみ上げてきたときこそ、怒りに反した行動を先にしてみましょう」(てぃ先生)

    例えば、子どもの頭を撫でたり、背中をさすってあげたり。深呼吸をするのもいいかもしれません。「言葉を発するより前に優しい行動をすることで、気持ちが少し落ち着きますよ」(てぃ先生)

    【解決テクその②子どもの思考や感情を代弁する】

    魔の2歳児とも言われるイヤイヤ期を中心に、子どもは突然癇癪を起こすことがあります。

    「こんなとき、子どもの頭の中では、『○○で悔しかった、悲しかった』という思考の流れがあるのですが、それを整理して適切な言葉を選んで伝える……ということがまだできないんですよね。だから『イヤ』という言葉に、感情や思いの全てを乗せてぶつけてしまうんです」(てぃ先生)

    その「イヤ」に対し、「言うことを聞きなさい」と答えてしまうと、子どもはそのさまざまな思いや感情を否定されたと感じ、さらにヒートアップしてしまいます。

    「こういうときは『代弁』をするといいですよ。子どもが考えていることや感じていることを、『お友達におもちゃを取られちゃったことが悔しかったんだね』と大人が代わりに言葉にして整理してあげるのです。これを習慣化することで、子どもは『これは悔しい』『これは悲しい』『これは不安』と自分の思考や感情を理解していけるようになりますよ」(てぃ先生)

    【解決テクその③スマホ育児はアフターフォローで】

    昨今、多くのパパ・ママを悩ませているものにスマホやタブレットがあるのではないでしょうか。「こんなに見せてもいいのかな?」「悪影響があると聞くけど、本当はどうなの?」と。

    「長時間画面を見続けることがないよう注意するなど、目の健康を気遣うことを前提とすれば、スマホやタブレットでの動画視聴やゲームに問題はないと考えています。子どもにスマホやタブレットを渡すタイミングって、家事や運転などで手が離せないときが多いですよね。お子さんに対して『構ってあげられなくてごめんね』と申し訳なさを感じるときもあるかと思います。

    そんなときは、動画を見た後に、『どんなところがおもしろかったの?』とお子さんが見た動画をコミュニケーションのツールに使うといいですよ。子どもが使った時間を親子で共有するだけで、見た動画が何であれ、有意義な時間になると思います」(てぃ先生)

    また、逆に、パパ・ママが忙しい時間を「子どもにとってお楽しみの時間」にするのもおすすめだそう。

    「動画の他にも、普段は出さない特別なおもちゃを出してあげるとか、子どもにとって楽しみな時間にしてあげれば、親御さんにとっても『申し訳ない時間』ではなくなるのではないでしょうか。お互いにとって有意義な時間に変えられるといいですね」(てぃ先生)

    まずは親が幸せに、それが家族みんなの幸せの秘訣

    子どもがいる生活は、大変なこともいっぱいですが、幸せなこともいっぱいです。

    「こんな親になりたいなと理想を持っていても、親御さん自身が気持ちや時間に余裕がないと、いい子育てってできないと思うんです。例えば、『美容室に行って、素敵な髪型になれて嬉しいな』って気分のときは、自然と『お土産にケーキでも買って帰ろうかな』と家族の笑顔を想像するのが人間なんだろうなって。だから、親御さんご自身が、幸せで満たされていて欲しいですね」(てぃ先生)

    大好きな子どもだからこそ、つい、自分を後回しにして「子どものために」となってしまうのが親という生き物。でも、自分を犠牲にすることだけが正しいとは限りません。

    「親御さんご自身が子どもを大切に思うのと同じように、親御さん自身も誰かの大切な人なんですよね。自分の親、パートナー、友達……。自分の幸せを後回しにしている状況を、その人たちはきっと悲しく思うはず。まずはご自身を大切にして、幸せで楽しい子育てができるといいですね」(てぃ先生)

    子どもに注ぐ愛情と自分自身に注ぐ愛情では、どうしたって子どものほうが多くなってしまいがち。でも、だからこそ、ときには自分に意図的に幸せをチャージして、笑顔を失わないでいたいものですね。

    <専門家プロフィール>

    てぃ先生
    保育士。ちょっと笑えて、可愛らしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが大人気の日本一有名な男性保育士。子育ての悩みや疑問に答えるYouTubeチャンネルは、理論と実践が「わかりやすい」「ためになる」と49万人以上のチャンネル登録者数を誇る。『せんせい!きいて!園児がくれた魔法のことば』『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』など著書多数。

    執筆/中山美里

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