子育て

親子で取組もう!今すぐ地球のためにできるエシカル消費×サステナビリティ


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    最近、よく聞く「SDGs」という言葉。なんとなく分かっているけれど、詳しくは分からない……という方も多いのでは?「SDGs」とは、2030年までに持続可能な環境や社会をめざす国際目標のこと。「貧困をなくそう」「安全な水とトイレを世界中に」「人や国の不平等をなくそう」など17の目標があります。今回、「SDGs」の実現にとって必要不可欠な「エシカルな消費」について啓発活動を行なっている、一般社団法人エシカル協会理事の竹地由佳(たけち・ゆか)さんにお話を伺いました。

    なぜ今「サステナビリティ」が注目されているの?

    日常の中で耳にする機会が増えてきた「サステナビリティ」。「持続可能性」という意味で、環境・社会・経済の3つが将来にわたって維持できるシステムのことを指しています。

    では一体なぜ、サステナビリティが注目されているのでしょうか。

    「やはり、2015年にSDGsが国連で採択されたことが、注目の理由の一つになっているかと思います。加えて世界中の人が地球の温暖化や、その影響による気候変動、自然災害の増加を感じていることも理由ではないでしょうか」(竹地さん)

    このとき、「プラネタリーバウンダリー(地球の限界)」という考え方がキーワードになります。

    「人間の生活が物質的には豊かになっている一方で、地球は人間が安全に活動できる限界のレベルに達しつつあるという指摘がされています。そのため、未来の地球環境のために今すぐ何か取組まなくてはと、サステナビリティという考え方に関心を持つ方が増えているのだと思います」(竹地さん)

    竹地さんはエシカル協会にて、エシカルな企業同士を繋ぐ橋渡しを担うほか、メールマガジンを通じて、情報の発信や行動に移すためのサポートをしています。特に、竹地さんご自身が二人の未就学児の母であるため、小さな子どもがいる親世代にエシカル消費を教えることには力を入れているそう。

    「エシカルとは英語で直訳すると『倫理的な』という意味。当協会では『地域の活性化や雇用を含めて、人、地球環境、社会に配慮した消費やサービス』がエシカル消費であるとお伝えしています。また、より覚えやすいように、次のようなスローガンを掲げています」(竹地さん)

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    つまり、「この買い物をすることは開発途上国の搾取にならないだろうか」「壊れてしまったこの商品を新しく買い直すことは、環境にとってどのような影響をもたらすのだろうか?修理すれば使えるのではないだろうか」と、“影響をしっかりと考えた消費をする”ことがエシカル消費です。日本人が古くから大事にしてきた「思いやり・おかげさま・お互いさま・足るを知る・もったいない」といった精神と親和性が高く、エシカル消費は実は身近な考え方なんです。

    サステナビリティとセットの関係にあるエシカル消費

    エシカル消費はサステナビリティと両輪で、SDGsを実現させるために必要なものであるということがなんとなく分かってきたのではないでしょうか。

    すでにさまざまな国でSDGs実現のための取組みが行なわれていますが、印象的だったものを紹介していただきました。

    「エシカル協会では、以前スウェーデンのマルメ市へ視察に行きました。スウェーデンは2021年のSDGsランキングで世界2位(※)なんです。特にサステナビリティに関する教育を大切にしており、幼稚園のカリキュラムの中にも取入れられていました。バナナの皮、肉、本、缶、プラスチック製品など、さまざまなものを木に取付けて埋め、一定期間経った後に掘り起こすという授業です。土に埋めたときに残るものと残らないものが目に見えて分かり、子ども達は土の中で何かが起こっていることを感じるはずです。このように体験型の学びを大切にしているんです」(竹地さん)

    (※)『Sustainable Development Report 2021』(Sustainable Development Solutions Network and the Bertelsmann Stiftung)より

    他にも、もう使わなくなったものを市民が自由に持っていけるスペースが市役所に設けられていたり、リペアやリユースできるショップがアプリで紹介されていたり、風力電気で走る電車があったり……。エシカル消費が市民の生活にすっかり定着しているとのことでした。

    「日本だとバス停には企業の広告ポスターなどが貼られていますよね。でも、スウェーデンでは『サステナブルに移動してくれてありがとう』というメッセージが書かれているんです。というのも、バスにバイオマスエネルギーを利用しているから。ちょっとしたところにも、サステナブルな行動を楽しく、気持ちよく取入れる工夫がされているんですよ」(竹地さん)

    ちなみに、バスのバイオマスエネルギーは生ゴミによって作られており、マルメ市民は生ゴミではなく“生資源”と呼んでいるそうです。ゴミが資源になることに気付かされますね。

    ところで、日本ではサステナブルな取組みやエシカル消費は行なわれていないのでしょうか。

    「もちろん日本でも行なわれています。例えばアウトドアウェアブランドのパタゴニアでは、国内初の中古品を扱うポップアップストアを期間限定でオープンしていました。そこでは『新品よりもかっこいい』『不要なものは買わないで』などのポップが掲げられているほか、『息子が◯歳のときに使っていました』などの元々の持ち主のストーリーをつけて中古品を販売していました。

    他にも、私の息子二人が愛用しているダウンジャケットに名前のタグが3段あるんですね。つまり、一人だけが着用して終わるのではなく、お下がりで使ってもらうことを前提として作られているんです。水やエネルギーを多く使うアパレル業界でのこの取組みには感動しました」(竹地さん)

    ▲名前のタグが3段あるパタゴニアのダウンジャケット

    他にも、エシカル協会では『服のたね』という1年間のプロジェクトに参加しているそう。オーガニックコットンを自宅のベランダなどで育て、収穫したコットンを集めて衣類を作る取組みで、今年はスニーカーを作るとのこと。

    「農薬や化学肥料を多く使い、農家の方の健康被害や土壌汚染といった悪影響も懸念されるコットン。それを自宅のベランダなどで、農薬や化学肥料を使わずにオーガニックコットンを育てます。実は我が家ではタネを蒔いた10株中、夏の猛暑や台風の影響で今4株しか育っていないんです。これだけ育てるのが大変なんだと作り手の立場を経験することで、改めてお気に入りの服を長く使わないといけないなと考えさせられました」(竹地さん)


    ▲コットンに水やりをする竹地さんのお子様

    エシカル消費では、ただ買ったモノを大切に長く使うのではなく、モノの過去や未来にも思いを馳せることが大切だと竹地さんは言います。

    「どこで誰にどう作られたモノなのか、そしてリユースやリペアで捨てない選択肢はあるのか……そんなことを考えながら、セールやお買い得に惑わされずに本当に必要なモノを購入していきたいですね」(竹地さん)

    毎日の生活で楽しみながら親子でエシカル消費

    これまで、さまざまな取組みについて紹介していただきましたが、子どもにサステナビリティという考え方を教えることに、どのような意義があるのでしょうか。

    「物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさをより心地よく感じるようになります。モノや欲望に振り回されず、自然の中で過ごすことや、気の合う仲間や家族との会話を楽しむことの豊かさを味わう……というように。そして、人と関わりや自然のつながりの中で生かされているんだと気付くと、感謝の気持ちも芽生えてきます。そうすると、大げさかもしれませんが、悩みも少なくなり、生きるのが楽になっていくんですよね」(竹地さん)

    毎日の生活の中で、子どもに教えるだけでなく親子で地球環境のためにできることはないのでしょうか。

    「お子さんと一緒に楽しめるのが料理です。フードロスを学べるのが、一物全体(いちぶつぜんたい)という考え方に則った調理方法。普段なら捨ててしまうようなヘタや根っこ、皮なども全部食べるというものです。それから、お菓子づくりもいいですね。オーガニック認証のあるオリーブオイルなど環境に優しい食材を使って作れば、楽しい学びになるのではないでしょうか」(竹地さん)

    一物全体の調理方法はレシピ本などに掲載されています。夏休みなどの自由研究にも応用できそうですね。

    「アップサイクルの考え方を取入れたモノづくりもオススメです。アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずのモノに、デザインやアイデアといった付加価値をつけて、別の新しい製品に生まれ変わらせることをいいます。例えば、ブラジルの貧困層の女性たちが空き缶のプルタブでバッグやアクセサリーを作っているブランドがあります。家庭内でも、丈夫なコーヒー豆やお米の袋を使ってバッグなどを作るのもいいですね」(竹地さん)

    このように本格的なことだけでなく、例えば「古くなったタオルを雑巾として使う」「食べきれる量を盛り付け、足りなければおかわりをしてフードロスを出さない」などもサステナブルな取組みの一つです。

    「エシカル消費やサステナビリティを子どもに教える際に、ぜひ取入れて欲しいのがSDGsにまつわる絵本です。読み聞かせるだけでなく、コミュニケーションを取りながら一緒に読むと興味を引き出しやすいでしょう。巻末にはエコラベルなどマークの紹介がされているものも多いです。ウチの子どもはそのマークを覚えていて、『いつもよく行くスーパーには海のエコラベルの商品が少ないね。お店で扱ってもらえるようにするにはどうしたらいいのかな?』と一緒にお手紙を書くことにしました。実際に取扱いを始めてくれたら、自分が伝えたことで、みんなが買えるようになったという結果を親子で喜べますよ」(竹地さん)

    他にも、マイバッグを持参したり、プラスチック製のカトラリーをもらわないようにしたりといった行動も、子どもが関わりやすいエシカル消費です。

    ほんのちょっとの行動でも地球を守る大きな一歩に

    自分の子どもたちが大人になる頃を、ちょっと想像してみてください。きっとサステナブルな取組みやエシカル消費を、積極的に取組みたいと思うはず。でも、実際行動するとなると、「ウチだけが取組んでも、何の役にも立たないんじゃないか?」と無力に感じることもあるかもしれません。でもその考えに対して、竹地さんは次のように話してくれています。

    「どんな小さなことでも一人ひとりが行動を起こすことで、社会を変える大きな力になるんです。大切なのは、1人の100歩より、100人の1歩です。最近ちょうどそれを強く感じた出来事がありました。

    息子の保育園でお下がりボックスを置いてほしいと願い出たところ、すぐに設置してくれたんです。顔が見えることで安心感があるのか、保育園内で衣服がよく出回るようになりました。『あの子が着てたんだね』という親子間での会話が生まれるだけでなく、思い出を重ねていくという素敵な取組みにもなりました。

    そんな風に、保育園のママ友や地域の方々など、周りの人をどんどん巻き込んで行動してみてほしいです。ぜひ、親子で楽しみながら取組んでくださいね」(竹地さん)

    サステナビリティやエシカルなライフスタイルを日々コツコツと実践することは、きれいな地球を取戻す地道な作業。でも、小さな種を撒き続ければ、きっとたくさんの花がいつか咲くはず。

    興味のあることを、早速今日から取入れてみませんか?一人ひとりの小さな取組みが、今よりきれいな明日の地球を作ることだと信じて……。

    <プロフィール>

    竹地由佳(たけち・ゆか)さん

    宮城県仙台市出身。大学卒業後、銀行に就職し、営業と行員向けの環境ボランティア企画を経験。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。東北地方の復興事業やアメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから従事。エシカル消費の普及啓発の活動をしている。二児(5歳と2歳)の子育て中。

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