子育て

生活習慣と考え方が健康のカギ!今こそ知りたい予防医学


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    健康づくりは日々の積み重ね。毎日の習慣によって、より元気で長生きできるようになることもあれば、反対に病気を招いてしまうこともあります。最近は感染症対策についても気になるところ。そこで今回はストレスを溜めずに健康に過ごすための生活習慣と考え方をテーマに、予防医学研究者で医学博士の石川善樹先生にお話を伺いました。

    間違った情報に振り回されないために

    できることなら、誰しも病気にはかかりたくないものです。特に、子どもがいる家庭の場合、風邪や感染症の心配とは無縁ではいられないことでしょう。

    中でもウイルスなどによる感染症は予防が大事とよく言われています。ところが、巷の情報は玉石混淆。「○○を食べると免疫力が上がる」「××を飲むと病気にかからない」など様々な情報が取上げられており、何を信じればいいのかわからなくなってしまいますね。

    まずは石川先生に、そのような情報とどのように付き合うと良いのかお聞きしました。

    「世の中にある健康情報は、3つに分けられます。それは、『①正しいこと』『②間違っていること』『③まだよく分かっていないこと』です。そのうち、ほとんどの情報は③で、真偽が不明なんです。

    特に新型コロナウイルスのような新しい事態では、『①正しいこと』といえる情報がなんなのか、専門家と言えどすぐには分かりません。なので『③まだよくわかっていないこと』の中から、なるべく正しそうな情報を集める必要があります。その際にはやはり、公的機関で情報を綿密に精査している厚生労働省のホームページが参考になるかと思います」

    例えば、新型コロナウイルスについても「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」というページが設けられており、「家庭で注意すること」などの予防法も書かれています。

    ネットで流布している情報を鵜呑みにするのではなく、まずは厚生労働省の情報をチェックする習慣をつけたいものですね。

    ※新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
    (大和証券ホームページ外に遷移します)

    万能の予防法はない。情報に左右されずにコツコツと

    また、国として推奨している病気予防は取入れた方がいいと石川先生は話します。

    「例えば、子どもが受ける予防接種や、国が推奨している基準に従ったがん検診(乳がん検診は40歳以上の女性が2年に一度受けることが推奨されている、など)はしておいた方がいいです。逆に、国として特に推奨していないことは、自己判断になります」

    とはいえ、予防接種ひとつ取っても、様々な意見があります。国が勧めていても、専門家から「予防接種は打たない方がいい」と言われると、「そうなのかな?」と感じてしまうこともあるでしょう。

    「実は、専門家も一枚岩ではないので、同じデータを扱いながらも、全く違う意見が出ることも多々あります。例えば同じデータを使っても、解析の仕方が異なれば違う結果が出ます。また、仮に同じ解析方法で同じ結果が出ても、それをどう解釈するかによっても、異なった結論になるからです」

    専門家の間でもさまざまな意見があると聞くと、困ってしまいますね。でも、実際のところ病気予防は「これをやれば絶対に大丈夫」という100%の正解はありません。逆にいえば、一般的に正しいと言われていることにコツコツ取組んでいれば、病気を防げる可能性が高くなるといえるでしょう。

    毎日の生活でできる、健康のための行動3つ

    予防医学には大きく分けて2つの領域があります。1つ目は「心身ともにより健康な状態を保つ」ための予防、もう1つは、「病気にかからない」ための予防です。

    手洗い・うがいや除菌に努めることはもちろん大切ですが、1つ目の領域を意識して、日頃から元気でいるための心がけも忘れてはいけません。

    石川先生は、特に1つ目の「心身ともにより健康な状態を保つ」領域を得意とされているということで、日常生活の中で健康を維持するための、おすすめの方法を3つ教えていただきました。

    ① 毎日、寝る時間と起きる時間を決めておく

    休日も寝だめせずに、決まった時間に起きるようにしましょう。そのためにも、毎日7時間眠れるようなスケジュールを組立てることが大切です(これは大人の場合の目安で、子どもの睡眠時間はもっと長いです)。また、夕方に散歩など軽いトレーニングを行なうことや、寝る前1~2時間前の入浴を心がけることで、質の良い睡眠につながります。

    ② 姿勢を正して、深い呼吸をする

    呼吸は、身体や精神のバロメーター。呼吸が浅くなることで、酸素が十分に脳や体に行き届かなくなります。その結果、心身の不調が現れてきます。

    深い呼吸をする際のポイントは息を吐く時間を長く取ること。5秒吸ったら、10~15秒かけてゆっくり吐くことで、セロトニンの分泌量が増え、心がゆったりとしてきます。

    ③ デスクワークを長時間続けない

    座っている時間が長い人ほど、死亡リスクが高いという研究結果も出ています。30分おきに2分間ほど歩くことで、健康を害すリスクを下げられます。ただ、仕事をしているとどうしても忘れがちです。そのため、座っている間にたくさん水を飲むのがおすすめです。トイレが近くなり、頻繁に立つことができる上、水分補給による健康向上効果(代謝の活性化、疲労回復など)が期待できます(ただし、持病や体質によっては、水をたくさん飲むとむしろ健康を害する方もいます。そのような場合は医師の判断を仰いでください)。

    多忙な毎日で我慢しがちなママ・パパの健康を保とう!

    子どもを持つ親は、仕事に家事に育児にと毎日多忙。健康を保つために3つの方法をご紹介しましたが、特に①については、「7時間も寝るなんて無理」と思った方もいるのではないでしょうか?

    「特に、ワーキングマザーの方に多いのですが、スケジュールを見せてもらうと自分の時間がない場合が多いんです。あったとしても、家族が寝静まった後の時間。それは睡眠時間を犠牲にしているということです。恒常的な睡眠不足に陥っていると、イライラしたり、疲れを感じたりするなど、心身の健康を損ねてしまいます。ですから、生理的な欲求をきちんと満たせる生活のスケジュールを立てましょう。そのために、家族と話し合い、お互いのスケジュールを調整することも大切です」

    現代社会はストレス社会とも言われるくらい、様々な負担があります。寝不足など原因がわかっている場合は、しっかりと睡眠を取るなど解消法もわかりやすいですが、単純なものばかりではありません。

    そこで、ストレスとの付き合い方についても教えていただきました。

    ストレスに打ち勝つ近道!?未来のなりたい自分像を想い描いてみよう

    「イライラする時には、必ず原因があるものです。よく言われることではありますが、その原因を取り除くのが一番の対処法ではあります」

    しかし、それを取り除くのが難しいこともあるでしょう。

    「例えば嫁姑問題や職場の組織の問題など、簡単には解決できないケースも多いと思います。また、明確な一つの問題が原因になっているのではなく、小さな問題が積重なってストレスになっているなど、はっきりとした原因を自覚できないことも多くあります」

    そんな時は、原因を考えて悶々としていても、解決にはつながりません。どうすれば良いのでしょうか。

    「未来に目を向けてアプローチするといいですね。私たちは、ストレスに対処するために生きているわけではありません。大事なのは、自分がどう生きたいか。人生の軸を明確にすることで、結果的にストレスが少なくなっていきます」

    具体的には、まず常識や制約を全て取り外して、「自分がどう生きていきたいのか」を考えてみることだと石川先生は言います。生きる上での軸がはっきりしてくると、これまでストレスに感じていたことが、ストレスではなくなることが多々あるのだそう。

    「働きながら家事・子育てをしている方は、たくさん我慢をしている方が多いと思います。そうなってしまう環境や気持ちもわかるのですが、でもどうか、できるだけ我慢しないでください。そして、『私はこれをしたいんだ』という欲望を出してください」

    欲望に対して忠実に生きようとすると、当然、今まで通りにはいきません。家族と話し合い、お互いの優先順位を相談する必要が生まれます。そのすり合わせの作業を、ぜひしてほしいとのこと。

    「健康は、肉体、精神、社会とそれぞれ繋がっています。肉体に害が出ると、精神と社会が崩れます。社会的に孤独になると、精神と肉体も不健康になっていきます。我慢せず、欲望に忠実になってください。人生100年時代では、『誰かに面倒をみてもらおう』というわけにいきません。自分で自分の健康を支えていってほしいと思います」

    今は、外出しづらくなったり、先の見えない不安に襲われたりと、環境が変わり落ち着かない日々を送っている方も多いと思います。こんなときだからこそ、改めて自分の生き方を振り返ってみるのはいかがでしょうか。そして、「これがしたい!」という理想の暮らし方を見つけられたら、ぜひ、叶えられるよう家族と話し合ってみてくださいね。

    <専門家プロフィール>
    石川善樹先生

    予防医学研究者、博士(医学)

    1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。近著は、『フルライフ』(NewsPicks Publishing)、『考え続ける力』(ちくま新書)、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント)など。

    Twitter:@ishikun3石川善樹先生のHP(各リンク先ともに大和証券ホームページ外に遷移します)

    取材・執筆/中山 美里

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