子育て

子どもの能力をグンと伸ばす“異文化体験”!親にできることは?


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    2020年から、小学校で必修科目となる英語教育。グローバル社会で活躍できる人材育成については、ますます声高に叫ばれるようになっています。インターネットなどを通して、世界を身近に感じる機会が増えている方もいるのではないでしょうか。

    家庭教育の中でも、世界と触れ合う機会を作ってあげたいと考えるご家庭が増えてきています。今回は、“子どもの能力をグンと伸ばす異文化体験”をテーマに、旅を子どもの成長や教育の機会とする“旅育(たびいく)”を提唱する旅行ジャーナリストの村田和子さんにお話をお聞きしました。

    そもそも“異文化体験”とは?子どもの成長におけるメリット

    グローバル教育を意識したとき、語学を学ばせることも選択肢のひとつですが、もっとダイレクトな“異文化体験”をさせたいと考えているパパ・ママもいることでしょう。とはいえ、子どもを海外に連れていけば何でも良いというわけではないでしょうし、何度も海外に赴くのはそう簡単ではありません。数々の海外渡航を経験している村田さんは“異文化体験”をどのように捉えているのでしょうか?

    「『日常から離れること=異文化体験』だと広く捉えています。例えば、日本国内でも少し地方が違えば、方言や食べ物など、多くの“違い”を発見することができます。異文化=海外と捉えがちですが、特に子どもが小さなうちは、無理をして遠出する必要はありません。ただ、海外の場合は、風景、言葉、食事、宗教など、子どもでも違いがわかりやすいというメリットがあります」

    たしかに、海外は目に見えて普段の環境と違いますが、それがなぜメリットになるのでしょうか?

    「グローバル化と言われているのに、昨今、子どもが育つ環境は閉鎖的になる一方です。核家族化が進み、地域のつながりも希薄です。『知らない人と話してはいけません』と子どもに言い聞かせますよね。子どもが日常で接するのは、先生、親、友達がほとんど。その結果、ある意味偏った価値観の中で暮らすことになりがちです。特に子どもは、『自分の周り=世界』だと捉えます。身の回りで些細なつまずきがあると、世の中全部うまくいかないと感じてしまうこともしばしば。だから私は、小さい頃から『世の中にはいろんな人がいて、いろんな価値観がある』という多様性を体感することが大切だと考えています。もっと広い世界や価値観があると肌身で知っていることは、客観的に周りとの関係を捉え自分を認めることにつながります。それが、困難な時に乗り越えられる強さにもなると考えています」

    その他にも、異文化を体験すると子どもが新しいことに興味関心を持ったり、親子で一緒に体験する場合には、普段とは違う密度の濃いコミュニケーションが取れ、親子の絆を深めることができたりするというメリットもあるとのことです。

    どんなものがあるの?異文化体験あれこれ

    次に、具体的にどのような異文化体験の方法があるかお伺いしました。

    《国内で身近にできる異文化体験》

    海外からの旅行者と交流する

    「最近は、家族で日本に旅行に来る外国の方々も増えています。旅行者の方々が困っている時、例えばセルフで写真を撮っている時などに『撮りましょうか?』と声をかけるだけでも立派な国際交流です。英語に自信がなくても(※英語が通じないこともあります)、ジェスチャーを交えると意外とコミュニケーションは取れるもので、それを知ることも学びになります。外国の方を身近に感じ、言語や文化の違いを肌で感じるために、こういったところから始めてみると良いでしょう」

    普段の生活の中でももちろんですが、芸術祭や博物館など、訪日観光客が多く、それ自体が子どもの学びになる場所へ行くと一石二鳥ですね。

    サマースクールに参加する

    小学生以上なら、夏休みを利用したサマースクールへ参加するのもいいでしょう。

    「自然体験や、最近はプログラミングを学ぶITキャンプなど種類も豊富です。親もとを離れ、初めて会う人との共同生活は、子どもにとってはまさに非日常。多くの価値観に触れ、コミュニケーションを重ねる中で、短期間で大きく成長することが期待できます。学校の友人とは異なる、志が近しい仲間との出会いも、プラスになることが多いようです」

    スポーツの国際大会を観る

    日本開催のアジアカップやワールドカップなど、スポーツの国際大会も、異文化体験の機会にしてほしいと村田さんは話します。

    「2020年にはオリンピック・パラリンピックも開かれますね。国際的な大会は、観に行くだけで異文化体験になります。選手の見た目やサポーターの雰囲気も日本とは違いますし、対戦国の国旗や言葉を見聞きしたり、ソウルフードの出店に出会ったりすることもありますよね。日本にいながらにしていろいろな異文化を体験できる絶好の機会です。
    実際に足を運んで五感で感じるに越したことはありませんが、自宅のテレビで試合の様子を観るだけでも良い体験になりますよ。
    また、こういった機会に募集されているツーリストのサポートボランティアやガイドなどに応募してみるのも良い方法です。お子さんは年齢的に難しい場合も、親御さんが参加することで間接的に学ぶことも多いと思います」

    《海外旅行》

    海外で異文化を体験する方法の中で最も手軽なのが旅行です。昨今は航空会社やホテルも子どもの受入れを積極的に行なっていますが、準備するものや配慮しなければならないことも、大人だけでの旅行とは大きく異なります。

    「子どもが小さなうちは、体への負担や安全面の配慮をしてください。時差や飛行時間の少ないリゾートなどで、宿を中心に滞在することから始めると良いでしょう」

    一口に旅行と言っても、行き先や泊まる場所、日数などによって内容は大きく違ってきますが、村田さんがぜひ知ってほしいのは下記の2つとのこと。

    ホテルのキッズクラブを利用する

    「欧米人が多いリゾート地は、子どもだけが参加できるプログラムを行なうキッズクラブを持つホテルが多いです。様々な国の子どもと一緒にアクティビティを体験させることができ、子どもだけで過ごすことで、じゃんけんの方法が違ったり、順番を守るなどのルールが通じにくかったりと、子どものコミュニティならではの発見や学びがあるでしょう。

    また、旅先で親子が離れて過ごすと、家族の思い出が2倍、3倍になるメリットもあります。お互いがお互いの興味関心のあることで充実した時間を持ち、それを共有し合える良さをぜひ体験してみてください」

    外国船のクルーズ旅行に参加する

    「高価なイメージのあるクルーズですが、昨今は日本発着の外国船も多く、移動・宿泊・食事も込みで1泊1万円代からと、意外とリーズナブルです。親と同室の子どもは無料という船もあります。スタッフも国際色豊かで、船の中での生活そのものが異文化体験。船内の大きなシアターでは、毎晩、音楽会や演劇などの催しもあり、芸術や文化に親しむチャンスになります。食事もメインレストランではコース料理が提供されるので、カジュアルな雰囲気の中でテーブルマナーを身に着けられますよ。日本発着のコースは5日程度からあります」

    外国船には、前述したキッズクラブもあることが多く、無料で利用できる場合も。ツアー中に外国人のお友達ができるかもしれませんね。

    《留学》

    留学のメリットは同じ目的をもった仲間と切磋琢磨できること。最近は、下記のような留学プログラムも人気です。

    親子留学

    「語学留学でも有名なセブ島やハワイは親子留学を積極的に受入れています。親御さんは語学学校に通い、子どもは現地の学校や幼稚園に入るプランなどもありますよ。子どもが幼い場合や、1人きりで海外に行かせるのが不安という方にもおすすめです」

    ホームステイ

    「ホテルに泊まるのとは違い、実際の家族の生活に入り込むので、日常生活を通じて、より深い異文化体験ができるでしょう」

    子どもの能力を伸ばすために心がけること

    いろいろな方法を紹介しましたが、子どもに異文化体験をさせる際には、共通して大事にしてほしいことがあると村田さん。ポイントをまとめました。

    子どもの意思で体験させる

    「留学など長期間の体験でも、2~3時間のプログラムでも、親が決めて参加させるのではなく、子供が自発的に参加するようにサポートしてください。モチベーションが高くなり学びも深まりますし、活動の中で困難があっても、自分でやると決めたことなら子どもは頑張れます。逆に、親が勝手に決めると、当日参加を嫌がったりマイナスの気持ちを持ったりする可能性があります」

    家族での海外旅行なら、計画段階から子どもを参加させる

    「予算や期間など動かせないものが決まった後は、何をするか、どんなことをしたいか、どこに泊まるかなどを子どもと一緒に考えると良いでしょう。出発するまでのワクワク感や、旅行中の頑張りが違いますよ。特に、役割を担うことで子どもはウンと成長を見せます」

    例えば、海外のレストランでオーダーをする体験などは、小学生でもできます。うまくできたら、ぜひたくさん褒めてあげて、成功体験を心のお土産として残してあげたいですね。

    海外に出る際には、最低限の挨拶を覚える

    「小さい子どもでも、最低限の挨拶『おはようございます』『こんにちは』『ありがとう』は現地の言葉を覚えていきましょう」

    せっかく海外に行くなら、外国人とはぜひ交流をさせたいもの。子ども同士なら言葉は通じなくても打ち解けられますが、それでも最低限の挨拶を覚えていくと距離がグッと縮まり、コミュニケーションの取りやすさが違います。

    旅行でも留学でも「帰ってきた後」を大事にする

    「プログラムへの参加や留学など、本格的な異文化体験は、帰ってきた後こそ大事にしてほしいですね」

    “できた”という自己肯定感や小さな自信を日常で生かしてこそ、生きた体験となります。例えば、「キッズクラブで作った作品を額に入れて飾り思い出す機会を作れるようにする」「学んだことを習い事や自宅学習などで継続していく」といった方法があります。異文化で芽生えた疑問なども、帰ってきてから調べるといいでしょう。

    「たった1回の経験が、人生や生き方を変えるきっかけになることも少なくありません。貴重な体験を通して得たことを、未来に繋げてくださいね」

    異文化体験で、子どもの人生を豊かに

    最後に、子育て世代であるSODATTE読者の皆様に、村田さんからメッセージをいただきました。

    「情報として知っていることと、五感を使って体験したことは、経験値として全く違うもの。まさに“百聞は一見に如かず”です。異文化体験やそれを通じて多様性を感じることは、人生を豊かにし、グローバル化やIT化などで変化の激しい時代を生き抜くための基礎となります。ぜひ、親からも積極的にその機会を作ってあげられると良いですね」

    (取材・執筆/中山 美里)

    <専門家プロフィール>
    村田和子さん

    旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに活動中。
    旅の魅力や楽しみ方を、テレビ・新聞・雑誌など年間100以上の媒体で紹介する他、各種講演、宿や地域のコンサルティングを行なう。

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