子育て

25歳で独立した女性経営者が教える「働き続けたいママへのヒント」


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    「仕事もバリバリしたいけれど、子どもと過ごす時間も大事にしたい」―。そんなふうに、仕事と育児の両立に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。今回、このような悩みに答えてくれるのは、経営者でもあり2児のママでもある川崎貴子さんです。川崎さんに、子育てしながら仕事を続けるために必要なことは何かについて、お話を伺いました。

    <プロフィール>

    川崎貴子さん

    リントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネジメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2018年3月にフォトスタジオコノジをオープン。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。

    一生できる仕事がしたい!25歳で独立起業へ

    川崎さんは、学生の頃から漠然と「何か一生できる仕事がしたい」と考えていたそうです。子どもの頃からクラス委員や生徒会役員に抜擢されることが多かったためか、人を束ねるマネジメントが自然と得意になり、学生の頃には「独立起業したい」と思うようになったのだとか。

    「経営者になるために営業力が必要」と考えた川崎さんは、大手人材派遣会社に入社。しかし、最初に配属になったのは事務部門でした。

    「配属が決まってから、事務のコーディネーターの仕事をしていましたが、どうしても営業に挑戦したかったので、1年間上司を説得し続け、念願の営業職に就きました。でも、がんばってもがんばっていなくても給料が変わらないことに納得がいかなくて。本当は営業だけではなく、経理やマネジメントなど、他の仕事にもチャレンジしてみたかったのですが、結局25歳で退職し、起業することにしました」

    起業してからというもの、若かったことも手伝って、まさに仕事にフルコミットする人生を歩みます。その後、経営者仲間で親友のような存在だった方と結婚し、第1子となる長女が誕生。子どもが生まれたことで、それまでの価値観がガラリと変わったと川崎さんは言います。

    「それまで、子どもを持つことについてあまり深く考えていなかったのですが、こんなに愛おしいと思うものなのだと初めて知り、とても衝撃を受けました。今まで自分ががんばってきたのは、自分のため・社員のため・お客さまのためでしたが、もうひとつ、『家族』のためにもがんばれるのだと気づいたんです」

    長女を出産したときは、ちょうどIPOを目指して会社を大きくしていた時期。産休もそこそこに仕事に復帰し、育児は親族やベビーシッターなどを総動員して行なっていました。プライベートでは、長女が生まれた1年後に結婚生活がうまくいかなくなり、夫と離婚することに。その後、川崎さん自身とは全くタイプの異なる男性である現在の夫と出会って再婚、やがて次女が誕生します。

    川崎さんは、仕事に熱中する傍らで育児もする生活を送っていて、気づいたことがあるのだとか。

    「仕事をしながら家庭を持ってみて、自分は外に出て仕事をするのが好きで、昔で言うところの父親のような役割が得意なのだとわかりました。かたや今の夫は、家にいるのが好きで、家の隅々までキレイにしたり、子どもたちの顔色を見て体調がわかったりと母性的だったんですね。だから再婚相手にスカウトしました(笑)」

    いちばん大切なのは夫婦の会話

    川崎さん自身が働くママとしてこれまで十数年間の日々を過ごしてきた中で、一番大切なのは夫婦の会話だと断言します。

    子どもがいると、どうしても子どもにかかりきりになって、伴侶との関係をないがしろにしてしまいがち。でも、夫婦がきちんと強固な絆で結ばれていれば、教育方針が多少ずれていってしまっても問題ないのだとか。

    「夫婦関係がうまくいっていないと、大抵子どもに執着してしまうんですよ。どんなに愛しい相手でも、執着してはだめだといつも自分に言い聞かせています。夫婦関係がうまくいっていれば、子どもに必要以上に執着することがなくなり、それがあなたはママやパパとは別個の人間なんだよというメッセージにもなります」

    子どものためにしておくべき2つのこと

    経営者としても母としても充実した毎日を送っていたある日、乳がんの宣告を受けます。その後すぐに入院・手術を決断した甲斐あって、現在は再び元気な毎日を過ごされています。しかし、「もう来年は家族の笑顔を見られないかもしれない。だから家族と過ごす時間をもっと大事にしたい」と考えた川崎さん。「本当に自分のやりたいことだけをしよう」と考え、他の方に任せられる仕事はどんどん手放していったそう。

    会社では、自分はトップにはいるけれどプロジェクトは外部の方にも協力してもらう、教育事業は教育してほしい内容をヒアリングした上で昔の仲間を紹介する、コラムの執筆も「私が書きたいか、書くべきか」を吟味する。そうして、できた時間は家族との時間に充てています。

    「長女が生まれた時は、どうしても仕事にフルコミットせざるを得ませんでした。そのときはそのときでとても充実していたのですが、ちゃんと子育てができなかったことに対する後悔がどこかにあって。でも、7年後に次女が生まれたことで、もう一度子育てをするチャンスができました。なので、今度こそ子育てにもコミットすべく、平日の夜と土日は仕事をしないようにしています」

    乳がんになり、「来年は子どもたちと一緒にいられないかもしれない」と思ったときに、子どもたちにしておこうと思ったことが2つあると川崎さんは言います。ひとつは、親がいなくても生きていける力を身につけさせること。そして、もうひとつは家族との思い出を残すことです。

    「幸せそうな家族写真は家族に良い影響を与えます。子ども達も、ちょっとくらい叱られても、自分は愛されていると視覚で解る。実際に、リビングに家族写真を飾っている家庭では、子どもの自己肯定感が上がるというデータもあるそうです。それに、たとえ、家族に気持ちのすれ違いが生じることがあっても、家族写真があれば、それをきっかけに関係を修復できる可能性もあります。だから、家族の思い出をカタチに残せる写真館、スタジオコノジをつくりました」

    「自分はできる」という自己肯定感を持ち、キャリアをつなぐ

    川崎さんは、特に女性の場合は子どものうちから自己肯定感を育んでおかないと、後々のキャリアにも影響すると言います。川崎さんは婚活事業に力を入れている「女のプロ」でもありますが、仕事でも婚活でも「プライドは高くて自己肯定感は低い」タイプの女性達が壁を越えられない現場をたくさん見てきたそうです。

    「男性は女性に比べて、根拠なき自信を持っていたり(笑)自己肯定感が高い人も多いので、成功率が5割しかないことでも『やります!やらせてください!』と言えます。一方、女性の場合は200%くらい確信を持てないと『やります』と言えない。プライドが高くて自己肯定感が低いので、やってみて失敗するのが怖いんです。でも、チャレンジしないことにはキャリアが頭打ちになってしまいますよね」

    キャリアが頭打ちになってしまう原因として、自己肯定感の低さだけでなく、結婚や出産でキャリアが一時的に断絶してしまうこともあるのかもしれません。しかし、近年は正社員とパートだけでなく、派遣や契約社員、フリーランスと働き方が多様になってきています。そのため、昔よりも柔軟に働き方が変えられるようになっていると川崎さんは言います。

    「一番大事なのは、キャリアを断絶させないこと。仕事から離れる期間が長くなればなるほど仕事の勘を取り戻すのは大変ですし、『会社のみんなの足を引っ張ってしまうのではないか』と社会復帰を躊躇してしまいます。ですから、週に1~2日でもいいから、とにかく仕事をする、社会と接点を持つのを忘れない姿勢が重要だと思います」

    社会復帰を目指すママさんからは「自分が働きに出ると、子どもに喪失感を与えてしまうのでは」という相談も寄せられるそうです。しかし、「ママだって週に2回は働くんだよ」とのスタンスでいれば、子どもも「ママはいつも家の中にいるわけではないのだ」と自然に受け止めてくれるはず。そうして少しずつ社会との接点を築いていきましょう。

    職歴のブランクが長くなればなるほど、復帰へのハードルは高くなってしまいます。最初はアルバイトでも、週末だけの副業でもいいので、小さな一歩を踏み出してみませんか? そんなママをきっと子どもも応援してくれるはずです。

    (文/大澤 美恵 撮影/白井 智)

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