子育て

子どもの学力を伸ばすには「遊び」が大事?就学前にさせておきたい学習とは


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    すっかり春めき、新1年生になった子どもたちの初々しい姿も目立つ今日この頃。未就学児を子にもつお父さんお母さんは、「うちの子は、小学生に上がるまでにあんなに立派になれるかな?」と不安を抱えてしまうこともあるでしょう。そこで今回、“子どもの学力を伸ばす親力”について、教育評論家の親野智可等さんにお話を伺いました。

    <専門家プロフィール>

    親野智可等さん

    教育評論家。公立小学校で23年間教師を務めた後、現職へ。著書に、『ドラゴン桜 わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』(講談社)、『「親力」で決まる! 子供を伸ばすために親にできること』(宝島社)ほか多数。メルマガの「親力で決まる子供の将来」は、具体的ですぐに取り入れられるアイデアが多いことで人気を博し、読者は4万5000人を超える。ブログ「親力講座」は月間25万PV。

    “親力(おやりょく)”で育む、子どもの力

    親野さんの言う「親力」とは、“子どもを愛し伸ばす親の総合力”のこと。

    なかでも、幼少期の子の親に求められる「親力」とは、どのようなことなのでしょうか。

    親野さんによると、幼少期に最も大切なのが『他者信頼感』と『自己肯定感』をしっかり育むことなのだそうです。

    「『他者信頼感』とは、他者を信頼できること。『自己肯定感』は自分自身を大切な存在だと感じられることです。この2つが、社会の中で自分の力を発揮していく際の原動力であり、長い人生を心豊かに生きていくためのベースの力になります。そしてこの2つを育てる力こそが、子どもの幼少期に必要とされる『親力』なのです。」

    まず、他者信頼感があることで、他者を素直に信頼できるため、良い人間関係を構築しやすくなります。同時に、最も近い他者である親のことも信頼するので、何かトラブルが起きた時にも芽が小さなうちに対応できる親子関係のベースを作っていくことができます。

    また、自己肯定感がある子どもは、「自分はできる人間だ」と良いセルフイメージを持って、人生を前向きに歩んでいけるようになるでしょう。

    そして、この「他者信頼感」と「自己肯定感」を育むことが、学習面でも活きてくると親野さんは言います。

    学力アップにも、「他者信頼感」と「自己肯定感」が不可欠

    学力のことを考えると、就学前から教科書やドリルを与えて、ある程度のレベルまで勉強ができるようにさせなければならない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、就学前に身につけておきたいのは“学びの基礎”であり、「ここまでできなきゃダメ」とラインを引く必要はないと、親野さんは言います。

    「もうすぐ小学生だからと、焦ってドリルをたくさん買ってきて、『さあ、やりなさい!』と急に詰め込ませるのが1番よくありません。それよりも、『好きなことを深掘りする』ことがこの時期には大切です。好きなことをしていると、それが得意なこととなり自信がつき、自己肯定感が育っていきます。また、脳のシナプスが増え、地頭と集中力が鍛えられるということも、研究でわかっているんですよ」

    例えば、よく踊っている子にはダンスのDVDを買い与えて見ながら踊れるようにしてあげる、昆虫が好きな子には昆虫図鑑を揃えてあげるというように、興味の方向性を伸ばすものが良いとのこと。

    「ですから、まずは、その子どもをよく観察することが大切です。車に目がない子、音感が良い子と特徴があるでしょう。その子の好きなことを伸ばして、自己肯定感、地頭、集中力を育ててあげましょう。間違っても、『いつまで踊っているの!落ち着きなさい』『虫ばかり見ていないで、勉強しなさい』などとは言わないようにしたいですね」

    また、子どもが好きなことに親が共感して応援してくれることで、親子関係にも良い影響が出てくるそうです。

    「子どもは、自分を理解して応援してくれる親のことが大好きになります。自分を否定されない安心感の中で育つのは、他者への信頼感です。この基本的な信頼感は、他者だけでなく、自分自身を信じられることにも繋がります」

    就学前に“勉強”があまりできなかったとしても、好きなことをたくさんやらせていれば、就学後、学力の伸びに期待ができるとのことです。逆に、好きなことをあまりやらせずに強制的に勉強をさせていると、入学当初は勉強ができても、その後伸び悩むという子どもがたくさんいるのだそう。

    「『他者信頼感』と『自己肯定感』がしっかり育った子は、自分を信じて頑張ることができるため、将来グンと伸びていきます。今はパッとしなくても、安心して大丈夫ですよ。逆にこの2つが育っていないと、『やればできると言われても、信用できない』『自分はどうせダメな人間だから頑張っても無駄だ』という感覚をもち、伸び悩みやすくなるのです」

    とはいえ、本人が好きなことや遊びをさせるだけでは、親として不安になる気持ちもあるでしょう。そういう場合は、好きなことや遊びの中で学習させていく方法がオススメだと、親野さんは言います。そこで、具体的な方法を伺いました。

    好きなことで、学力アップ!?遊びの中に学びを上手に取り入れよう

    「子どもは、興味のあることをどんどん吸収していきます。新幹線の名前や恐竜の名前を見事に記憶している子などをよく見かけますよね。その子たちにとって、好きなものを覚えることは、勉強ではなく遊びです。ですから、日常生活の中で、遊びながら学べるような時間を持つと良いでしょう」

    そこで、親野先生おすすめの“遊びながら学ぶ”方法をいくつか教えていただきました。

    〜算数編〜

    お風呂の中で数をカウント

    お風呂の中で手足の指を使って数を数えるというのは定番です。でも、工夫を取り入れれば、楽しみながら高度な学習ができます。

    【ステップ1】

    指で1〜10まで数えたら、今度は10,9,8とカウントダウンしてみましょう。

    【ステップ2】

    親子の手足の指を全部使って40まで数えてみる。40まで数えたら、今度は40,39,38と同じようにとカウントダウンを。

    【ステップ3】

    「2,4,6,8…」「1,5,10,15…」というように数を飛ばして数えてみる。数の法則や掛け算の概念が自然と身につきます。

    10になる相棒を探そう

    これもまたお風呂の中でも遊べる方法です。10の指のうち、タオルで2本の指を隠してみましょう。残っているのは8本です。

    「隠れている指は何本だ?」とクイズにしてみましょう。正解はもちろん2です。その時に、「8の相棒は2だよ。8と2が揃うと10になるんだよ」と話せば、自然と数の合成と分解について学ぶことができますね。

    そのほか、100個の玉でつくられた「100玉そろばん」も、玉をはじきながら感覚的に概念を理解できるので、楽しんで学ぶ時にオススメだそう。

    〜国語編〜

    知育グッズを上手に取り入れよう

    ひらがなの書かれた積み木やカルタを使って、親子で一緒にゲームをしてみましょう。例えば、「お・か・あ・○・ん」と積み木を並べて「さ」を探すなど、アイデア次第で遊びを生み出せます。

    積み木やカードなどは、100円ショップでも売られているので、安価に取り入れられるのも嬉しいですね。

    読み聞かせは最高!

    大好きなお父さん、お母さんが隣で本を読んでくれる「読み聞かせ」。楽しく学べるだけでなく、「自分のために読んでくれている」ことを実感し、親のことをさらに好きになる時間になります。

    ここで気を付けたいのは、必ずしも物語である必要はないということ。子どもの中には、物語に興味を示さない子もいます。そんな子には、無理に物語を聞かせようとするのではなく、好きなジャンルの図鑑を読んであげると良いでしょう。

    習い事や塾はどうする?「やめたい」と言われたら?

    家庭でできる学習の他に、「そろそろ習い事でもさせた方がいいのかな?」と考えている方もいるのではないでしょうか。また、「塾に行かせたけれど、すぐに飽きてしまい、やめたがっている」という悩みを持っている方もいるかもしれません。

    「習い事や塾は、親がやらせたいと思ったものをやらせるのではなく、子どもがやりたいと思ったものを選びましょう。好きなことがわからない場合は、いろんなことをお試し感覚でやってみると良いですよ」

    興味がありそうな方向性で、色々試しているうちに、驚くほどの集中力と根気を見せるものが出てくるかもしれません。

    「とはいえ、子どもですから、飽きてしまうこともあるでしょう。その場合は飽きたものに執着せず、新しく興味を持ったものをやらせてあげましょう。やめ癖がつくようなことはありませんので、安心してください。たとえ10個やめても、11個目にぴったりなものに出会えば、やめろと言ってもやめないから大丈夫ですよ」

    楽しいことにじっくり取り組んだ経験は、きっとその子にとって大切な“人生の肥やし”になるはず。

    「子どもが何かに夢中になっている時は、それがどんなにくだらなく見えても、ニコニコと見守ってあげましょう」と親野さん。

    家での学びや遊び、習い事においても、とにかく「好き」を追求させてあげることが、その子の力を伸ばしてあげることになるようです。「何をどうさせたら良いかわからない」「勉強をさせなきゃ!」と思っているお父さんお母さんは、ぜひこの機にわが子の「好き」をみつけ、思い切りやらせてみてはいかがでしょうか?

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