仕事も子育てもうまくいく!?今日から使える色彩心理術
空の青さ、木々の緑、野原いっぱいのコスモスのピンク。様々な色を思い浮かべてみてください。想像するだけでも、気分が変わってきませんか?
色は、知らず識らずのうちに人の心に影響を与えています。“色の力”を上手に活用すれば、仕事や子育て、家計にも良い影響を与えられるかもしれません。今回は、色彩心理の専門家・佑貴つばささんに、色彩心理についてお話を伺いました。
まずは知りたい!色とココロはどう関係する?
誰にでも、「好きな色」「よく身につけている色」があります。でも、その“無意識に選んでいる色”が心の状態を表している、という一面があるって知っていましたか?「色彩心理」は、統計学や実験による裏付けがあり、研究が進んでいる分野でもあるそうです。
色彩心理の専門家・佑貴つばささんはこう言います。
「実は、社会の中で色彩心理はよく使われているんですよ。色は、体験や記憶と結びつきやすく、人は色に、イメージや象徴的な意味を持たせています。そのため、広告やコーポレートカラー、食品のパッケージなどでは色彩心理が利用されているんです」
例えば、女性向けの商品や店舗は、赤紫色を効果的に使っていることが多いそう。スーパーや女性専用フィットネスのロゴにもよく赤紫色が使われています。また、意外なところでは、黄色は胃腸の調子を整えると言われており、胃腸薬・整腸薬のパッケージに使われています。
「このように、色は心理と密接に結びついているんです。そして、色が人の心にどんな影響を与えるのかを研究するのが色彩心理です」
佑貴さんによると、色の効果には下記の4つがあると言います。
<色の持つ力4つ>
1)自分が惹かれる色から自分の心がわかる
2)色を目にすることで心が変わる
3)色を使って表現することにセラピー効果がある
4)色を身につけることで見た目の印象が変わる
「色彩と心理の関係が分かってくると、色を通して自分の心の動きも見えてきますし、色を意識することで生活をより豊かにするヒントが得られますよ」
それでは、子育て、仕事、夫婦関係など日常のシーンごとに“色を味方につける方法”を教えていただきましょう。
【仕事編①】「大事な商談がある!身につけるべきジャケットの色は?」
●オススメの色は……「紺」
「仕事の場面で着用するスーツは、紺、グレー、黒が多いかと思います。黒にはプロフェッショナルや威厳を表す一方で、威圧的に見える他、人と距離を置いてしまう一面もあります。グレーは、柔軟さや落ち着きのあるイメージを与えますが、曖昧なイメージがあり、受身になって自分の意見を抑えてしまう側面もあります。誠実さ、真面目さ、品格を表しながら、冷静に自分の意見をきちんと伝えられる色である紺をオススメします」
また、男性ならネクタイ、女性ならネックレスやスカーフなど小物でプラスαの色を加えて、コミュニケーションに活かすのがおすすめ。
「青」なら冷静さや知性を、「赤」ならリーダーシップや情熱を、「黄色」なら明るさ・親しみやすさを表現できます。
【仕事編②】「チームの仲間意識を強めたい」「コミュニケーションを円滑にしたい」ときは、どんな色を使うといい?
●オススメの色は……「オレンジ」「黄色」
「コミュニケーションカラーと言われているのは、オレンジと黄色。職場の人間関係を良くしたいなら、休憩室にオレンジまたは黄色のカップを置いておくと会話が弾みやすくなりますよ。特にオレンジは仲間意識を強めてくれる色でもあります。プロジェクトを行なう時に、メンバーでオレンジのグッズを揃えてみては?」
バインダーやカードストラップなどの文房具だと気軽に取り入れられそうです。
「引っ込み思案の方が、積極的に見せたい、人とコミュニケーションをうまくとりたいという際は、黄色を使ってみると良いでしょう。明るく楽しそうに見えます」
また、黄色は好奇心を高め、勘が冴える色でもあるそう。子どもの勉強机にも取り入れてあげるといいかもしれませんね。
【家庭編①】最近、外でも家でもお疲れモード。イライラや落ち込みを解消したいときに取り入れるといい色は?
●オススメの色は……「ピンク」「クリームイエロー」など明るいパステルカラー
「自分にも相手にも優しくできる色は、明るくソフトな色。いわゆるパステルカラーです。もちろん身につけるのも良いですが、クッションなどインテリアで取り入れても良いでしょう。思春期のお子さんが、悩みを抱えていたり、反抗的だったりする際には、模様替えでパステルカラーを意識してみるといいかもしれません」
ちなみに、アメリカの刑務所で受刑者の暴力行為が耐えなかったため、壁の色を淡いピンク色に変えたら、暴力的な行為が激減したという例もあるそう。夫婦喧嘩をして、家庭内の空気がギクシャクしているときには、テーブルの上に淡いピンクのお花を飾ってみると、お互い素直になれるかも?
【家庭編②】家族がリラックスできる、子どもが落ち着いて過ごせるようにするには?
●オススメの色は……アースカラー
「最もリラックスできる色は、ベージュと茶系。そこに、トーンを落とした緑が入るとホッとします。いわゆる、ナチュラルカラーやアースカラーと言われている色です。白と黒をインテリアに取り入れる方も多いのですが、緊張させる色なので全部をモノトーンで統一しない方が良いでしょう」
テレビ周りや書斎はモノトーンでも、リビングや寝室はアースカラーにするなどメリハリをつけた方が良さそう。
「ただ、小さい子供だったら色の刺激も欲しいもの。遊ぶスペースは、赤、黄、青といったビビットカラーを取り入れてあげると良いでしょう。お子さんには、さまざまな色に触れる機会を与えてあげたいですね」
色はお金にも関係する?「財布は赤を避けるべき」は本当?
「赤、オレンジなど鮮やかな暖色は、活動モードの交感神経が刺激される色。気持ちも高揚するので、ついついお金を使ってしまう……ということはあるかもしれませんね。暗めの茶色であれば、堅実さとつながります。また、冷静になって、家計管理を上手にしたいということであれば、青や紺色など寒色をお財布にする方がいいと思います。」
確かに、銀行の通帳やカードは、青や緑など落ち着いた色が多い傾向があります。
「ちなみに緑はリラックスして、焦らずに物事が決められる色。そのため、離婚届は『一度冷静になって考えられるように』緑を採用している場合が多いんですよ」
家計簿や資産管理ノートを緑にすると、堅実な資産形成に一役買うかもしれませんね。
人生は色々。仕事、子育て、夫婦…多彩に楽しんで
色には様々な力があることがわかりました。色を意識することでこれからの毎日に、広がりが持たせられそうですね。
「子育て中の女性は、『考える時間がない』『コーディネートしやすい』などの理由で黒を着ている方が少なくありません。かっこよく見える良さもありますが、気持ちを抑え、我慢してしまう色。子どもからは、怖い、感情を秘めていると見えてしまいます。黒が必要な時期もありますが、できたら様々な色を使ってほしいですね」と佑貴さん。
「私自身、子供の頃から絵を描くのが大好きで、本当はアートの道に進みたかったんです。でも、ずっと夢を叶えられずに、50歳になってやっと好きなことを仕事にすることができました。だから、今がものすごく幸せなんです。好きなことをして自分らしく生きていると、不思議と物事がうまく運んでいくのだなと感じています。そんなことを伝えたくて、この仕事をしています」
自分の気持ちを大切にする――慌ただしい毎日の中で、自分の心とじっくり向き合う時間を作り出すのも時には難しいかもしれません。そんな時、「今日はグリーンの気分」などと好きな色を毎日の生活に取り入れるだけでも、自分を表現しながら生きることに繋がります。色の力を味方につけて、毎日の生活がカラフルに彩られていくといいですね。
<専門家プロフィール>
佑貴つばささん
「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理の専門家。仏ブランド「シャネル」の日本法人で25年勤務後、色彩心理カウンセラー、パーソナルカラーアドバイザーとして独立。メディアにも多く出演し、個人カウンセリングから企業研修まで行なう。著書に「色とココロの教科書 驚くほど自分の可能性がわかる色彩心理」。
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