パパとママの違いを活用すれば、子どものやる気アップはもっと上手くいく!
男と女は違う、だからパパとママの子育ては全く違う!
アメリカのファミリーサポート団体Grace Sourceによれば、男女の違いは育児の違いにも顕著に表れやすいのだそうです。次の比較表を見ると、互いが好対照なのがよく分かります。
やる気アップのアプローチ 見守り系 VS 寄り添い系
こんなに違うパパとママ、当然ながら、子どものやる気への向き合い方も異なります。同団体によれば、
パパは子どもに対し、
・自分自身で世の中を探ることを奨励する
・何かにチャレンジするときは、自力で頑張るよう促す
・たとえ悪戦苦闘してイライラしていても、そのまま見守る傾向がある
ママは子どもに対し、
・手を差し伸べながら進むことを好む
・何かにチャレンジするときは、寄り添いながら、やる気にさせる
・イライラしてやる気を失ってしまう前に、先に進めるようにサポートする。
という傾向が見られるのだそうです。
それぞれの特徴を区分すると、
・パパは、「頑張れ!」「期待しているぞ!」と叱咤激励し、その後は手を出さない「見守り系」
・ママは、「すごく上手だよ」「また一緒に頑張ろうね」とほめベースの「寄り添い系」
あなたのご家庭ではどうでしょうか。このような傾向が見られますか?
パパとママのやる気アップ法、やり方が違うけどどっちが正しいの?
パパとママ、どちらも持論に基づいて行動しているので、当然ながら、それぞれ自分のやり方が正しいと思っています。そのため、相手のやり方が、「腑に落ちない」「理解しがたい」と感じることもあるでしょう。たとえば、ママは、パパがじっと見守り続ける姿を見て、「もっとかまってあげてよ」「ちゃんと励ましてあげて」と思うかもしれません。パパには、ママの寄り添う姿が、「甘い!」「過保護だ」と映ることもあるでしょう。
ここでは「パパ=見守り系」「ママ=寄り添い系」としましたが、今は男女差が以前よりも顕著ではなくなってきているとも言われているので、ご家庭によっては逆転していることもあると思います。いずれにしても、対照的なこの2つのアプローチ、心理学的には、どちらが正しいのでしょうか?
子育て心理学では、子どもが感じるべき不安感やフラストレーションを、親が先回りして取り除いてあげるのはよくないとしています。アメリカ心理学会の前会長であるセリグマン博士も、「成長のためには、不安になったり、悔しい思いをしたりすることが非常に大切」と言っています。たしかに、“親”という漢字は、「立つ」+「木」+「見る」という文字でできています。親の役割は、「木の上に立って見ること」と見れば、パパの「見守りアプローチ」は正解と言えます。
しかし、この見守りアプローチは、「愛情」という土台があって成り立ちます。子どもが「パパとママは絶対にボクを見放さない」という確信があるから、ちょっと離れて木の上から見ていても「大丈夫」と感じられるのです。その点で見ると、ママの「寄り添いアプローチ」は、見守りアプローチの土台的な役割をしているのです。
見守り系、寄り添い系、場面別に使い分けるのがベスト
つまり、やる気アップにどちらが正解というのはなく、どちらも不可欠、必要とする場面が違うだけです。見守りアプローチだけでは、子どもが頑張りきれないし、寄り添いアプローチだけでは、子どものチャレンジが少なくなります。ママの提供する温かな土台があって、パパの見守りが生きてくる。双方のアプローチを上手に重ね使いすることで、子どもは前に進めるようになるのです。
ここで、各アプローチが活きる場面を具体的にピックアップしてみましょう。
まず、パパに多い「よし、頑張ってこい!」と背中を押してじっと見守るアプローチは、
・子どもが得意な分野で、さらなるレベルアップに挑戦するとき
・自らのモチベーションで、自主的にチャレンジしているとき
・難しさを感じながらも、なんとか折れずに頑張れそうなとき
また、ママに多い「一緒に頑張ろうね」「大丈夫よ」と傍らに寄り添うアプローチは、
・子どもが苦手なものに取り組むとき
・1人だとすぐに気が逸れて、集中できないとき
・どこから手をつけていいか分からないタスクに取りかかるとき
に適しています。
家庭の中で、2つのやる気アップ法が共存することは、心理学的に見ても理想的。双方が適切な場面で用いられれば、受け手である子どもも、戸惑うことなく、ちゃんと受け止めてくれます。
見守り系がママ向きで、寄り添い系がパパ向きってホント!?
ここまで、パパ流、ママ流の傾向を見てきましたが、子育て心理学的には、相手のやり方をマスターできると、さらにやる気アップが上手くいくようになります。なぜかというと、実は、見守り系がママ向きで、寄り添い系がパパ向きのやる気アップ法だからです。
「見守る」という行動は、子どものことを本当によく理解していないとできないスキル。「この子は何が得意で何が苦手なのか」ぐらいではダメで、たとえば、「どの漢字はOKで、どれが間違えやすいのか」「算数の足し算は何桁までできるのか」のような細かいことまで把握していないと、「頑張れ!」という言葉が、的外れに響いてしまうことがあります。こんな細部まで把握できているのは、多くのご家庭でママだと思います。普段接している時間が長いママだからこそ活きるのが、見守りアプローチなのです。
一方、普段、お子さんと接する時間が短いパパには、寄り添いアプローチが適切と言えます。そこでグッと距離が縮まり、アタッチメント(精神的な絆)が強化されるからです。
父性、母性に従ったアプローチに加え、それぞれが新たなレパートリーを取り入れれば、より適所適材の対応がしやすくなります。これを機に、ママは見守りアプローチを、パパは寄り添いアプローチを、それぞれ意識して使ってみてはいかがでしょうか。
参考:Grace Source「Some Ways Moms and Dads Differ」
文:佐藤めぐみ
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