子育て

その言動、ちょっと待って!子どもにプレッシャーを与えるありがちな8シーンと対策法


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    ついついやってしまいがちな親の行動のうち、「これはNG」というものを8パターン集め、その理由と対策法をご紹介します。教育コンサルタントとしてAll Aboutでも「子どものしつけ」「幼児教育」のガイドを務める上野緑子さんにお話を伺いました。

    NGシーン1:自分の機嫌で子どもへの接し方に大きな差が!

    ママやパパも人間ですから、どうしてもイライラしてしまうこともあるはず。そんな気持ちのときに子どもを叱るシーンが重なると、普段の叱り方と違う行動をとってしまうものです。感情に任せて怒鳴ったり、過去のことまで蒸し返して叱っていませんか?

    NGな理由と対策法

    わかってはいるけれど、これはやはり、NG行動。上野さんによると、「くどくどといつまでも叱り続けていると、かえって親の意図が伝わらない」のだとか。「親の伝えたい内容は心に残らず、怒られているという印象だけが強く残ってしまう」のだそうです。

    さらに、叱っているときに過去の過ちも思い出し、昔のことまで叱ってしまうことはもちろん禁物。「終わってしまったことを言っても意味がないうえに、子どもが嫌な思いをするだけ」と、なにもいいことはありません。

    叱るときは感情的にならずに、端的に。とはいえ、どうしてもイライラしてしまうことは誰にでもありますので、心を落ち着ける自分なりのノウハウを見つけておくとよいのかもしれません。

    上野さんがすすめる感情的に叱らないためのコツは、「一度深呼吸をして、気持ちを落ち着けてから叱る」こと。感情的に叱ってばかりいると、情緒不安定な子どもになる場合もあるとのことなので、それは避けたいところですよね。

    NGシーン2:きょうだいを比べてしまったり、上の子にどうしてもキツくあたってしまう

    きょうだいを育てるママにありがちなのが、叱るときについつい子どもたちを比べた発言をしてしまうこと。「○○ちゃんは上手なのに」「お兄ちゃんはもっと早くできていたのに」などというフレーズが口から出てしまうこと、ありますよね。

    NGな理由と対策法

    上野さんによると、「そういう叱り方をしてしまうことで、ひがみやすい子どもになってしまう可能性がある」のだとか。「さらには、きょうだいのことが嫌いになってしまう場合もある」そうで、これは一大事!対策法はとにかく比較をしないこと。とくに叱るシーンでの比較はご法度なので、まずはネガティブな比較をすぐにやめることから心がけてみてはいかがでしょうか。

    また、きょうだいがケンカをしたり、1つのものを取り合ったりしたときに、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」と言って上の子に我慢させるママもおられるかと思いますが、これもNG行動です。

    NGシーン3:何度言っても改善しない行動に「どうしてあなたは……」と人間性を全否定してしまう。

    宿題をしない、脱いだ服を片付けないなど、子どもは親に同じことを何度も言わせる天才です。とはいえ、ときにはそのことにイライラしてしまい、「どうしてあなたは……」「何度言えばわかるようになるの!」という発言が口からポロリと。どんなママやパパにも経験があることかと思います。

    NGな理由と対策法

    「『ママはそんな子を産んだ覚えはない』など全人格を否定する言葉や、『もう、知らない! 勝手にしなさい』、『出て行きなさい』など、子どもを突き放す言葉は子どもの心に深い傷となって残るので、絶対に使ってはいけません」と、上野さん。

    対策法は「子どもの行動自体を注意すること」だそうです。上記の例だったら、宿題をしないこと、脱いだ服を片付けないことなど、注意するその言動にフォーカスするようにしてみてください。

    NGシーン4:きょうだいげんかをしたときに、原因を聞かずに頭ごなしに「両成敗」にしてしまう。

    毎日のように繰り広げられるきょうだいげんかに、「うるさい!」「いいかげんにしなさい!」とけんか自体をやめさせて、理由も聞かずに両成敗にしていませんか?

    NGな理由と対策法

    そもそも、子ども同士のけんかの仲裁自体がNGだそう。大怪我に進展する心配がなければ、親は干渉しないほうがいいのだとか。さらに一番良くないのは、けんかの流れもわかっていないのに頭ごなしに上の子どもを叱ること。「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」などというフレーズは禁物です。

    大怪我に進展しそうでけんかの仲裁に入る場合は、平等に2人の話を聞くこと。そして、感情が高まって自分の言いたいことを冷静に伝えられない子どもたちに代わって、思いを相手に伝えてあげましょう。

    「○○ちゃん、どうして、こんなことしちゃったの?」

    「○○ちゃん、お姉ちゃんはこういう気持ちだったんだって。○○ちゃんは、どういう気持ちだったのかな?」と間に入り、お互いの気持ちを聞きだし相手に伝えます。

    NGシーン5:自分の趣味を押し付けてしまう

    「子どもがサッカーをやりたがるけれど、本当は野球をしてほしい」など、子どもの行動に自分の趣味を押し付けてしまうことも。お兄ちゃんがサッカーをしているから、送り迎えの関係で弟にもサッカーをと考えるママやパパも多いはず。それもごもっともな理由ではあるのですが……。

    NGな理由と対策法

    「親の中には、自分の価値観で自分の思い描くレールに子どもを乗せようとする人もいますが、子どもによっては親のそういった姿勢に反発する場合もあります。親は、子どもは別の人格であることを理解して、自分の願望を子どもに押しつけないようにするべきです」と上野さん。

    さらに、「『子どものためを思って言っているのだから、私の言うとおりにするのが正解』と思ってしまうと、思い通りにならない場合それがストレスになってきます」とのことです。「『自分と子どもは、別の人格。だから自分が思うように行動しなくて当たり前』と考えるようになると、子育てもぐっとラクになるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか」とアドバイスをいただきました。

    NGシーン6:好き嫌いは克服させる!

    子どもに好き嫌いが多いのが悩みのタネというママは多いものです。栄養面や将来困らないようにと考えて、好き嫌い克服のために日々奮闘しているママも多いのですが……。

    NGな理由と対策法

    「嫌いな食べ物を無理やり食べさせるのはNGです。好き嫌いを克服するどころか、その食べ物をかえって嫌いになってしまう可能性のほうが高く逆効果。嫌いなものでも美味しく食べられる工夫をしましょう」と、上野さん。

    「細かく刻んでハンバーグやカレーに入れるなど、子どもの好きな料理にこっそりと入れてみましょう。そして、おいしく完食した後に『じつは、嫌いなにんじんが入っていたんだよ』などと、知らず知らずのうちにおいしく食べていたことをたっぷり褒めながら伝えます。嫌いだった食べ物を食べることができたという自信につながります」。

    NGシーン7:子どもの「なぜ?」をいつも適当にあしらってしまう。

    子どもの「なぜ?」にはなるべく丁寧に答えたいと思いつつ、急いでいる時間やほかのきょうだいに手がかかっていると、どうしても適当にあしらってしまいますよね。

    NGな理由と対策法

    子どもが質問したら、その場ですぐに答えるのがベストだそうです。上野さんによると、「疑問を投げかけたときが、疑問にまつわる興味が大きく膨らんでいるとき。答えに対する吸収力もよく、学習意欲も向上するでしょう」とのこと。そんなチャンスをみすみす棒にふるのはもったいないですね!

    また、大人からみると分かりきったこと、つまらないと思うことを何度も質問する子どもも。「◎◎に決まっているでしょ」「そんなのあたりまえじゃない」「忙しいからあっちに行ってて」などと答えるのもNGです。

    その場ですぐに答えるのが理想ではあるものの、できないことも多々あるはず。そんなときは答えるのが後になっても大丈夫。「おかあさんは今忙しいからこのお仕事が終わったら教えてあげるね」などと、きちんと誠意を見せることが大切だそうです。

    NGシーン8:子どもに聞こえる場所で、ママ友とパパの悪口が盛り上がってしまう

    ママ友とのおしゃべりの内容がパパの悪口で盛り上がってしまうこと、ありますよね。近くに子どもがいても、まだ小さいから聞こえてもわからないはずと油断してしまいがちです。

    NGな理由と対策法

    「子どもは親の影響を大きく受けます。ママがパパのことをばかにしていると子どももパパのことをばかにするようになります。子どもの前でパパの悪口は言わないように」と上野さんからのお答え。対策法というよりは、この行動は「しない」に尽きるようです。

    「子どもの前で過剰にパパを持ち上げる必要はありませんが、ママが日々の行動で、家族のために働いてくれるパパに感謝の気持ちを表すことで、子どももパパのことを尊敬し、感謝の気持ちを抱くようになります。帰ってきたら笑顔で『おかえりなさい、おつかれさま』と伝えたり、毎日ではなくても手が空いている日の朝は玄関に見送りに行くことを実践してみましょう」。

    取材協力:All About「早期教育・幼児教育」ガイド 上野緑子

    執筆:小林博子

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