子育て

子どもの可能性を伸ばし家庭に幸せをもたらす、「習い事」との付き合い方


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    幼児教室や子どもの習い事が注目を集めるのはナゼ?

    赤ちゃんから幼児に成長してくると、そろそろ気になるのが習い事。

    小学校に入るまでに、何かやらせたほうがよいのでは?という漠然たる不安。みんなが行くならうちの子も行かせた方がいいのかしら?取り残されては大変!と言う焦り。一方で「早く○○を習わせたい!」という明確な気持ちのある人も。

    なぜ、親たちは習い事や幼児教室に関心が向くのでしょう。本来は、未就園・未就学児に対しては、さまざまな大人が関わりながら、成長を支えていくことが大事と言われています。ふた昔前であれば、近所のおじさんに工作を教わったり、同居のおばあちゃんにおはじきで遊んでもらったり、頑固なおじさんにいたずらを叱られたりする情景も当たり前に見られたはず。その頃の子どもの環境は、今より豊かと言えるのかもしれません。

    けれども現実には核家族が増え、一人の親に育児の負担がかかる状況が多くなりました。何もかも一人の親が教えるのはむずかしく、親自身がお稽古や幼児教室に救いを求めているという一面もあるのでしょう。

    ついほかの子と比較をして、落ち込んでしまうことも

    家庭でできる教育といえば、愛情をそそいで育ちを見守り、社会で生きていくためのしつけをすること。心身ともに健康にすること。普段の生活から子どもの好奇心を大切に育んだり、がんばったことを褒めて達成感を味わわせること。本来はそれで十分なのです。

    一方で、いつも親が子どもと2人きりという状態が続いたり、親が教えられないことを教えたいと思うなら、親とは違う文化に触れ合える幼児教室や習い事を考えてもいいですね。

    All About「早期教育・幼児教育」ガイドの上野緑子さんによれば「子どもの成長は、子どもにより早い遅いがあるのは当然のこと。同じ月齢の子どもと比較して、一喜一憂することのないようにしなければなりません」。

    ほかの子どもと我が子を比較して落ち込むぐらいなら、やめておいたほうがよさそうですね。

    いま人気の子どもの習い事は「水泳」

    子どもの可能性をもっと伸ばし、幼児なりの豊かさを味わわせたいというのは、親なら誰しも思うもの。それではいま、多くの子どもが習っている習い事と、ママが習わせたいと思っている習い事のランキングを見てみましょう。

    子どもが習っている習い事(複数回答)

    ○今、習っている習い事(全体)

    1位 水泳 43.7%

    2位 英語・英会話 27.4%

    3位 ピアノ 20.9%

    4位 体操 15.5%

    5位 学習塾・幼児教室 15.3%

    6位 サッカー 10.8%

    7位 書道 9.8%

    8位 ダンス 5.6%

    9位 空手 5.0%

    10位 そろばん 4.2%

    ○今、習っている習い事(未就学児)

    1位 水泳 42.1%

    2位 英語・英会話 28.8%

    3位 体操 24.6%

    4位 ピアノ 12.9%

    学習塾・幼児教室 12.9%

    6位 リトミック 10.4%

    7位 サッカー 8.4%

    8位 バレエ 3.9%

    9位 ダンス 3.2%

    10位 エレクトーン 2.3%

    ママが習わせたい習い事(複数回答)

    ○今後、習わせたい習い事(全体)

    1位 英語・英会話 50.7%

    2位 書道 36.1%

    3位 水泳 35.1%

    4位 そろばん 28.7%

    5位 学習塾・幼児教室 28.6%

    6位 ダンス 27.3%

    7位 ピアノ 24.4%

    8位 体操 23.4%

    9位 空手 19.8%

    10位 テニス 17.6%

    ○今後、習わせたい習い事(未就学児)

    1位 英語・英会話 54.4%

    2位 書道 50.2%

    3位 水泳 44.7%

    4位 ピアノ 41.7%

    5位 そろばん 37.9%

    6位 ダンス 37.5%

    7位 学習塾・幼児教室 33.3%

    8位 体操 30.7%

    9位 空手 27.5%

    10位 サッカー 22.0%

    (出典『ケイコとマナブ』2015年子どもの習い事ランキング/小学生以下の子どもを持つ全国の女性に小学生以下の子どもの習い事について調査。有効回答数 :927人(未就学児の母:309人、小学生低学年の母:309人、小学生高学年の母:309人)

    習わせていなくても「英語」は気になるNo.1

    ママが習わせたい習い事で1番多い「英語・英会話」。親の気持ちとしては、小学校で英語が必修になることもあり、「学校の授業についていくため・将来に備えるため」と考えているようです。そして、「書道」については、「礼儀・作法を子どもに身につけさせるため」「きれいな字を書いて欲しい」。「水泳」は、「健康のため」「学校の授業についていくため・備えるため」といった理由があげられていました。

    また、この記事を書くために取材した幼児・児童を持つ親からは、習っていなくても英語が気になるという声は多く聞かれました。筆者がインタビューしたママたちからは、

    ○「英語は興味があります。でも親が話せないので、まだむずかしいのかなと思っています」(年長双子女子のママ)

    ○「まずは日本語習得が大切と思っています。英語教育というよりは、国際コミュニケーション目的のものに興味があります」(小2・4歳女子のママ)

    という声が挙がってきました。グローバル化が進むにつれ、国際的に通用する英語力をどうやって子どもに身に付けさせるのか、親も業界も教育界も試行錯誤が続きそうです。

    子どもの習い事で、夫婦の意見の食い違いはなぜ発生するか?

    習い事を習わせる上では、夫婦の話し合いが必須ですが、なかなか意見がまとまらないことがありますね。夫婦間ではどんな意見の相違があるでしょうか。同じく筆者がインタビューしたママたちは、

    ○「夫は、基本的に子どもがやりたいことはOK。私は、通いやすさやレッスン中付き添ってなくてもOKかどうかで優先順位は変わります」(小1男子のママ)

    ○「子どもが『やりたい』と決断をくだせるような年齢になるまでは、無理に習い事をしなくても良いのでは?という夫。私は、子どもが2歳くらいのときからピアノ、バレエ、スイミング、ダンスをやらせたいと思っていました。現実には、子どもの意見を聞きつつピアノに通わせたのが5歳、スイミングが6歳でした」(小2・4歳女子のママ)

    と考えているようです。

    習い事に付随して、細々とやることが増えるママ(あるいはパパ)は周囲のことに目を向けざるを得ませんね。また同性の子どもには、自分のできなかったことを求め、異性の子どもには比較的見守る態度になれるのかもしれません。一般的に、パパよりママの方が子どもの教育に熱心な家庭が多いようですが、もちろんその逆の家庭もあります。

    夫婦で意見が合わないのは悪いことではない

    パパとママの意見が合わなかったら、どうしたらいいのでしょうか。

    前述の上野緑子さんは

    「意見が合わないのはいいこと。むしろ2人が同じ方向を向いて突っ走ることは、危険なんです。どちらかがどちらかの行き過ぎを止める役割にもなるので、夫婦が違う考えのもと、話し合うのは大切なことですよ」と言います。

    夫婦の話し合いは「我が家の子育て指針」を決めていく、いいチャンスになるかもしれませんね。

    また、子どもの「やりたい」は本気かどうかを見極めるために何日か時間を置き、それでもやりたいようなら体験教室に行って様子を見るなどの段階を経て、結論を急がないことも大切だということです。

    子どももやりたがっている。親も送り迎えができそうだ。予算も範囲内。この習い事をすることで、子どもにも新しい世界が広がりそう。親も応援してあげたい。そんな希望が見えたら、習い事を始めてみるのもいいですね!

    幼児の習い事は、親も楽しむことが大事

    小さい時から習うことについて、メリット・デメリットはどんなことにあるのでしょうか。英語を例に上野さんに伺いました。

    「幼いときから英語に触れる機会が多ければ言葉の吸収が早く、発音もきれいなどの利点はあると思います。ただし、コンスタントに英会話に接しておかないと、中学生に上がるころにはすっかり忘れてしまうという場合もあります」とのこと(上野さん)。

    何事も持続が大切なようですね。

    「英語の単語帳を作ったり、お風呂にABCの表を貼ったりして、一緒に声に出して読んだりしています」(年長双子女子ママ)といった取り組みで、まずは家庭で楽しく英語に触れてみるのもよいかもしれませんね。特に幼児の場合は、英語に限らず親も一緒に楽しむ・応援するという姿勢が大切のようです。

    今おすすめの習い事とは

    最後に、今おすすめの習い事について上野さんに伺いました。

    茶道、華道

    日本の伝統文化を学ぶのは今後ますますグローバル社会になることから考えても、大切なことです。また、これらの和文化は集中力、礼儀作法なども学べます。それは、茶道華道だけでなく、日常の生活にも生かすことができます。

    ヨガ

    呼吸法を学ぶことにより集中力も養われ、こころとからだを整えます。

    集中力や礼儀作法などが身に付けば、将来、子どもがほかのどんな道に進んだとしても役立ってくれるのかもしれません。子どもが習い事を通して、楽しくのびのびと才能を伸ばせるよう、親はあたたかく見守りたいものです。

    取材協力:All About「早期教育・幼児教育」ガイド 上野緑子

    文:ライター 宗像陽子

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