「夢を育てよ」#4 月収900円時代を支えた貯蓄とアパート経営!再注目のコウメ太夫さんに学ぶ「まずやってみる」人生論 vol.2
前回の記事では、幼少期からコウメ太夫誕生までの軌跡(奇跡)を振り返っていただきました。今回は、そこから現在に至るまでの紆余曲折や子育てについて伺います。
目次
【前回はこちら】
「夢を育てよ」#4 月収900円時代を支えた貯蓄とアパート経営!再注目のコウメ太夫さんに学ぶ「まずやってみる」人生論 vol.1
どん底を救った、貯蓄とアバート経営(と指輪?)
▲激動の人生を顔で表現
『エンタの神様』への出演で、一躍全国区になったコウメ太夫さん。同番組のレギュラーをはじめ、テレビ、CD、営業と多忙の日々が続きます。「扇子を下げるだけで、キャーと言われた」というほどの人気ぶりで、月収は多いときで400万円。
しかし、暮らしぶりも多少は変わるものの、購入したクルマはファミリーカーのデミオ。「額が増えるのが楽しい」という理由で、収入から貯蓄もしていました。
「それなりに使うこともありましたよ。よく覚えているのは、一度食べたかった高級ステーキ。新宿の有名店で、伊勢エビ付きの一番高いのを注文しました。でも、美味し過ぎたんでしょうね。食べ慣れてないから胃が驚いて、すぐに気持ち悪くなってしまって。
収入については、貯蓄もしていましたが、30歳過ぎて売れたので、逆に今後はずっと安泰、貯蓄もどんどん増えるだろうと安易に考えていました」
しかし、予想に反してピークは瞬く間に通り過ぎます。ブレイクから4年後の2009年には月収数万円に。最も低いときは月900円のときもあったといいます。
「あれは、自分にとってろくでもない時期でした。当時ジムに通っていたんですが、ランニングマシンの前にテレビがあって、小島よしおとか髭男爵が出ていると、ウォーッと叫びたくなるんです。心に余裕がないから、新しい人が出てくるのを見るのが怖い。とにかく忍耐しかなかったですね」
そんなコウメ太夫さんを経済的に救ったのが、何と賃貸アパート。2009年、実家が不動産業を営んでいたマネージャーさんから、アパート経営を勧められます。幸運だったのは、売れたときに貯蓄をしていたこと。都内のアパート1棟5,000万円の購入に対して、自己資金3,000万円を用意できました。
▲左:賃貸オーナーの赤井貴さん 右:芸人のコウメ太夫さん
全6部屋で満室であれば家賃は35万円ほど。そこから9万円をローンの返済に充てます。購入から10年以上が経過し、今も安定した収入をもたらしています。しかし、アパート経営はまったくの初心者。不安はなかったのでしょうか。
「ありましたよ、すごく不安でした。2,000万円も借りて、大丈夫なのかって。ただ、購入した不動産屋の社長さんが、若いとき、役者を目指していた人で。ローンのこと、アパート経営のこと、何度も説明してくれたんです。それなら信用してやってみようと腹をくくりました。でも、空き部屋が出ると、何か不安になって心がモヤっとするんです。今でもそこは慣れません」
そんなコウメ太夫さんを救ったかもしれない?ものがもう一つ。
「芸人として売れなくなったときにDr.コパさんに相談したんですよ。そしたら『金の指輪を右手の人差し指につけた方がいい』って言われて。で、コパさんから買ったのがこれです。はたして効果があるかは……」
▲何だか特別な力があるように見えてくる指輪
お笑いに向いているかどうかは、自分でもわからない
コウメ太夫さんはブレイクした直後に結婚しますが、数年後に離婚。現在、自身の母親と13歳の息子さんと3人で暮らしています。そんなコウメ太夫さんは、父親として、どんな親子関係が理想と考えているのでしょうか。
「理想ですか……。うーん、僕としては仲が良ければいいと思ってはいるんですが。少なくとも、ああしろ、こうしろとは言わないです。勉強はやりたくなければやらなくていいとも言っています。
でも、そう言うと勉強を始めたりして。成績はいいんですよ、なぜか。ただ、スマホでゲームばかりしているときがあるので、そこは注意というか、ルールは作りました。土日はしてもいいけど、他の日は我慢するというような」
「これから徐々に教育費もかかるので用意はしていますし、できる範囲では出してあげるつもりです。でも、いくらでもというわけには……。すごくお金が必要で、借金して、それで自分たちがご飯を食べられなくなったら、やっぱり困りますよね」
以前、息子さんに芸能界での仕事は興味があるかと聞いたら、「まったくない」と即答されたとか。今は将棋に夢中。あまりに好き過ぎて、勝手に顧問の先生を見つけて、学校に将棋クラブを作ってしまったのだそうです。父親譲りのすばらしい行動力。何であれ、息子さんには好きなことをさせてやりたいといいます。

▲とある営業中の一コマ。舞台に駆け寄る少年は、偶然そこに居合わせたという愛息。まさに奇跡のショット
(写真:ご本人提供)
では、自身の今後はどう考えているのでしょうか。最近話題となっているのがTwitterで「まいにちチクショー」と題して投稿しているネタの数々。多いときでは1日3本ほどアップされます。
一例をあげると「今の時代は~、メロンがブドウに咲きませんでした~。チクショー!!」。そのシュールさ、ある意味、異次元の雰囲気が癖になるともいえます。
「エンタの神様を知らない、若い人が面白がっているのは、ありがたいですね。Twitterも、始めた当初は批判的なコメントが多かったんです。それでもお笑いを続けている理由ですか?
僕みたいな人間は他の仕事はできませんから。向いているかどうかは、自分にもわかりません。トークもできないし、世に出たのもたまたまネタが一発当たっただけのこと。それでも、この世界が好きなんですよね」
と、たっぷりの取材を無事終えたあと、マネージャーさんのご提案で『チクショー1週間』というネタを見せていただけることに。なんてありがたい。ここでもコウメ太夫さんは嫌な顔ひとつせず、唯一無二の空気感をつくってくれました。
▲完全手作りの紙芝居で繰り広げるネタ『チクショー1週間』
コウメ太夫さんは一見、他人が入り込めない、独自の道を歩むイメージがあります。しかし、実は柔軟だからこそ「今」があるとも感じます。
お母さんのアドバイスから梅沢富美男劇団に入り、着物やかつらを用いる今の芸の下地ができました。収入の激減を救ったのは、マネージャーさんに勧められたアパート経営でした。
フットワークの軽さ、とりあえずやってみる姿勢。それこそがコウメ太夫さんの強みなのかもしれません。これからもきっと「まずやってみる」からこそ、たくさんの「チクショー!」が生まれるでしょう。
これまでの夢や目標
歌って踊れるマイケル・ジャクソンのような存在。
夢を実現するためにやってきたこと
好きという気持ちを持ち続けること(ご本人談)。
今のコウメさんがあるのは『まずやってみた』から(マネージャーさん談)。
大切な時間やお金の使い方
少なくとも毎月の収支を把握した上で、使う。
子どもの可能性を伸ばすために大切にしていること
本人がやりたいことを資金的にも精神的にもサポートできればいいと思っています。
これからの夢や目標
お笑いもそうですし、俳優の仕事もしていきたい。
読者へのメッセージ
うーん、この質問が一番難しいかも。コロナの影響で苦しい時期を過ごしている人もいると思いますが、必ずいい時期も来ると信じてほしいと思います。
●コウメ太夫さんプロフィール
1972年、東京都杉並区出身。大学中退後、梅沢富美男劇団に所属。1997年に退団し、お笑い芸人に転身。コンビの解散を何度か繰り返し、2005年に日本テレビ系のお笑い番組『エンタの神様』で一気にブレイク。2009年頃から人気に陰りが出始め、仕事は激減するが、ロック・コウメ太夫、ジャクソン太夫などの新キャラクターを披露しながら、芸人を継続する。最近は俳優業もこなしつつ、自身のTwitterでのネタが話題になるなど、その笑いが再注目されている。一人息子を育てるパパとして、子どもとの時間を何よりも大切にしている。
取材・執筆/清水京武 写真/金田邦男
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