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ママのスタイルは十人十色#1「毎朝3時起きでうまくいった!?激務とワンオペ育児の両立も楽しく」


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    赤ちゃんが生まれた瞬間から、“ママ”という人生が新しく始まる――。その変化は、もしかしたら一生の中で最も大きなものかもしれません。

    それまでの24時間は、全て自分の意思で組み立てることができました。でも、ママという肩書きを手にすると、何よりも優先となるミッションも生まれます。

    バリキャリを邁進するにしても、ゆるキャリでプライベートを優先するにしても、真っ先に考えるのが家庭生活と仕事の両立です。この企画では、“私色”でライフスタイルを染め上げているママたちに、仕事のこと、私生活のことを聞いていきます。

    共働き世帯が少なかった時代にワーキングマザーを選んだ覚悟

    現在は、エグゼクティブ層の転職やビジネスパートナーのマッチングサービスなどを手掛ける転職エージェントである株式会社morich代表の森本千賀子さん。獨協大学を卒業した1993年にリクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社後は、入社1年目にして営業成績1位、全社MVP受賞しました。その後は表彰の常連となり高い業績をあげ続けたことも含め、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演。講演や執筆活動にも積極的で、書籍も多数出版やするなど、輝かしいキャリアを積重ねてきました。2017年には25年在籍していたリクルートを卒業し、設立した株式会社morichで代表を務めています。

    華やかな経歴からは「バリキャリのスーパーウーマン」のイメージが強いですが、これまで歩んできた働くママとしての経歴は共感できるところがたくさんありました。

    「私が長男を出産した時は、まだ今ほど共働きが一般的ではありませんでした。リクルートといえば仕事がハードなことで有名ですよね(笑)。そのため、出産後に復職した先輩たちは片手ほどしかいない状況でした。『復職を決めたけれど、両立できるかな?』と不安でしたね」

    時間に融通の効く部署に異動が決まったものの、夫はリクルート本社に勤めておりハードワーカー。実家は遠いため、両親を頼ることもできません。自ずと、「育児も家事も2人で全部やって当たり前」という力んだ気持ちになっていたそう。

    そして、初めて子どもを保育園に預ける日の朝。それまでとても育てやすく、ご機嫌だった長男。毎日一緒だったママと離ればなれになることを悟ってか、保育園の先生に抱かれて号泣し、泣き止みません……。

    「後ろ髪引かれながらも、振り切る思いで会社に行きました。『その時、なんのためにここまでして働いているんだろう?』と改めて考えたんです。同時に、“仕事を通じて成し得たい”私の原体験というべき大義を思い出しました」

    起業して中小企業を経営していたお父様の背中を見て育った森本さんの大義は、“人材”の分野で中小企業を応援したい、という思いでした。

    「産休・育休中って専業主婦のような生活になりますよね?家事・育児ってやって当たり前だと思われがち。感謝されたり、評価されたりすることもなければ、給料も入ってきません。その現状を体感したとき、やはり必要とされる実感を持ちたい、働きたいなと。また、“〇〇くんのママ”とばかり呼ばれる毎日にも少し違和感のようなものがありました。母・妻としてだけでなく『森本千賀子』として生きて、社会に価値を提供していきたいと強く思ったんです」

    しかし、その決意は「自分が好きで仕事をしているんだから」と家事・育児・仕事の全てを背負い込むことにも繋がりました。復帰後は、時間的にも精神的にも余裕がなくなっていきます。

    タスクをこなすことに精一杯の日々 そんな中、夫に異動の辞令が……

    「子どもには、常に『早くして』と言っていましたね。夫との間で調整がずれると不満も出るし、子どもが病気になっても付き添えず病児保育をよく利用していました。仕事では、目先のto doはできても、中長期のやりたいことは全くクリアできないどころか、関わることもできない。常に先送りされる付箋が手帳に溜まり、不満も増える一方でした」

    そんな日々に、ある時大きな変化が起こりました。それは夫の部署異動。なんと、平日は常に地方への出張で、帰ってくるのは週末のみになってしまったのです。それは、激務を抱えながらのワンオペ育児のスタートを意味しました。しかも、次男の育休から戻ったばかり。長男は小学1年生になるところで、「小1の壁」にもぶつかる時期でした。

    「それまで保育園へ送るのは夫の役割で、迎えも週2日はサポートしてくれていました。まず、そこからして『無理じゃん!』と思いましたね(笑)」

    公私ともに大きく変わったのは“優先順位”をつけたこと

    夫の異動により激変を迫られた時、まず変えたのは“優先順位”でした。

    「私にとって1番は子どもたち。これはずっと変わりません。そこで、子どもを大切にしながら仕事もやり切るために、公私ともにタスクの優先順位を見直しました。“私じゃなきゃできないこと・私がやりたいこと”にエネルギーや時間を注ぎ、そうでないところは人にお任せするという形に割り切ったんです」

    家事・育児では、洗濯やアイロンがけなどは家事代行サービスに、保育園のお迎えはベビーシッターに任せ、その代わりに食事作りや病気の看病などは必ず自分でやることに。また、シッターにお迎えと残業中の育児をお願いしても、“寝るときは必ず子どもと一緒に”と決め、夜早く就寝し朝3時には起きる生活に切り替えたそうです。

    「寝かしつけも『早く寝てほしい』というプレッシャーをかけると、自分も子どもも、精神的にも落ち着かないでしょう。夜は子どもと一緒にゆったりと寝て、朝早く起きてやるぞ!と決めたらいろんなところで好循環が生まれはじめ、メンタリティも健全になっていったんです」

    仕事でも優先順位づけが功を奏し、先送りにしていたto doもクリアしていけるようになったといいます。

    「やりたいことがどんどんと実現できるようになっていきました。そのおかげでモチベーションも向上して、新しい仕事へのチャレンジマインドに繋がっていきましたね」

    自分らしく、楽しく前向きに働くには?

    さて、森本さんのように「やりたいこと」が次々と出てきて、それをできる環境にあればいいですが、「なんとなく働いている」「仕事はお金のためで、嫌々やっている」という方も少なくないかもしれません。

    そんな人が楽しく前向きに働いていくにはどうしたらいいのでしょうか?

    「好きなことや楽しさを見つけるには、自分のことを知ることです。自分が誰と一緒にいて、何をやっているときが、心地よくて前向きな気持ちになるのか、振り返ってみてください。急には思い浮かばないでしょう。オススメなのが、毎日寝る前の15分を自分に投資すること。以前セミナーでこの方法を聞いてから、私も毎日実践しています。この時間で、その日あった楽しいこと、ワクワクすることなどを思い出してください」

    それだけでも人生が望む方向へ近づいていくそう。とはいえ、やりたいことをできるようになるためには、周囲がそれを認めてくれなければ、ただのわがままになってしまいます。

    私色のワークライフバランスに染め上げるためには“下地作り”を

    自分の希望を主張するだけの「わがまま」ではなく、やりたいことをして社会に貢献できる存在になるにはどうしたらいいのでしょうか。

    「自分のやりたいことをやるためには、応援してもらえる存在になること、環境づくりが必要です。そのためにはやはり一定期間の貢献によって、“信頼預金残高”を貯めておかなければなりません」

    つまり土台作りが大切ということ。まずは焦らず地を固めることで、その先自分らしい働き方や生き方をつくりやすくなるといいます。

    「今の時代、子どもに習い事や留学の経験をさせたい、選択肢の多い人生を歩みたい、離婚や夫の失職などのリスクヘッジ……などを考えはじめると、共働きを選ぶ女性は多いはず。1日の1/3~1/2という多くの時間を仕事で過ごすのですから、嫌々働くのではなく、ポジティブな気持ちで働いた方が明らかにお得ですよね」

    そして、その楽しく充実した働き方は、親からのメッセージになると森本さんは話します。

    「子どもって、大人の背中を見て育っていくものだと思うんです。その時に、未来は楽しいものなのだと期待を持たせることが大人の務めなのではないでしょうか。働くことが辛そうだなと未来を悲観させているなら、それは大人の責任です。まずは自分自身がご機嫌に充実した人生を生きていくことを大事にしていきたいですね」

    ママのスタイルは十人十色 森本千賀子さんの色は赤

    「私の会社では、エネルギーやパッションを感じさせる“赤”をコーポレートカラーにしています。でも、仕事だけでなく、なんといっても子どもの存在が私にとって、大きなエネルギーでありパッションです。それに最近は、子どもたちも洋服や小物で赤を選んでくれるんです。彼らも元気やパワーが出るみたいですね」

    森本さんのお話を伺っていると、ご自身がおっしゃるようなエネルギーやパッションがひしひしと伝わってきました。子どもたちが希望を持って成長していけるように、ママも元気に楽しく生きて、その姿を見せていきたいですね。

    取材・執筆/中山 美里
    写真/フカヤマ ノリユキ

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