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「英語に自信がない人でも海外で大活躍」「都会よりも地方の企業で働いたほうがいいことも」……これから一生稼ぐための「逆転の発想」キャリア術


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    将来の先行きが見えない時代、30代、40代のビジネスパーソンがキャリアに不安になっていることは少なくないでしょう。しかし、元マイクロソフト日本法人代表で『定年まで待つな!一生稼げる逆転のキャリア戦略』の著者である成毛眞さんは、「30代、40代のビジネスパーソンがこれまで培ってきたスキルを、少しずらして使うことで唯一無二の存在感を発揮できるようになる」と言います。そんな成毛さんに、転職や起業、副業を考えている人、また今の企業で働くフィールドを変えたいと思っている人に向けて、これから一生稼ぐための「逆転の発想」キャリア術を指南してもらいました。

    「学びなおし」は不要!いまのスキルで十分活躍できる

    多くの日本の企業では今、30代、40代のミドルエイジが今後のキャリアに不安を抱えています。そうしたミドルエイジが飛びつきがちなのが、「海外で活躍するために英語を身に付ける」とか「MBAをはじめ資格を取って会社に貢献する」という、「学びなおし」が前提のキャリア形成です。

    しかし、ミドルエイジのキャリア形成術を数多く見てきた私の経験から言わせてもらうと、わざわざ時間をかけて学びなおす必要はありません。それよりもこれまで培ってきたスキルを活かすこと、そして、今すぐ行動に移すことがなにより大切。今回はそんな「逆転の発想」キャリア術について紹介したいと思います。

    海外キャリアに飛びこむのに「英語力は心配しないで」

    これから市場が縮小していく日本より海外に活路を見出したほうが、生涯にわたり良い条件で働けることは間違いありません。子どもの世代まで見通すと、選択肢は新興国がベターだとも言えます。実際、インドネシアやタイ、マレーシア、ベトナムなどの東南アジアの新興国は、人口減少している日本とは真逆で、人口は増えていて、GDP成長率も安定して推移しています。

    そこで、「よし東南アジアに行こう」と決断するミドルエイジも少なくありませんが、とかく日本人はまず英語や現地語を勉強しなくてはならないと考えがちです。もちろん語学はできるに越したことはありませんが、できなくても実は大した問題ではありません。「英語もできないのに転職できるわけない」と考えるかもしれませんが、心配ありません。現地の求人サイトを見れば「語学不問」という求人が存在しています。例えばそれは日本人を顧客ターゲットにした現地企業や、日系企業の現地法人であったりします。現地で働きながら英語を覚えていくほうが学習速度も速いですし、なにより生の英語力がつきやすい。それならば思い切って飛び込んでみたほうが未来を切り開けるチャンスが広がっていたりするのです。

    日本より海外で求められるケースもある

    日本で構造不況が指摘されている業種で働いている人でも、海外には転職するチャンスが無限に広がっています。

    例えば、商品がコモディティ化したことで価格競争が激化している業界。こうした業界に身を置く人は将来のキャリアを不安に思う人も多いですが、じつは海外ではこれまでのスキルを活かした転職が可能です。コモディティ化した商品はすでに東南アジアなどで製造されるようになっていますが、こうした海外企業は日本企業に比べて安いコストで製造する強みはあるものの、その商品を日本企業に営業をかけるためのパイプやノウハウが不足しています。彼らがほしいのはまさに「業界に精通していて、日本に営業できる経験豊富な日本人営業パーソン」。そう、「培ったスキルが使えなくなるのでは……」と不安を抱いているミドルエイジのあなたなのです。

    ひとたび東南アジアの企業に就職すれば、まずは日本企業への営業から始まり、いずれ語学が身に付けば、現地の企業への営業へと活路を開いていけるでしょう。そうしてキャリアを広げていけば、一生路頭に迷うことはありません。

    「地方の企業に転職」がおススメ

    さて、海外への転職に英語の学びなおしが必要ないと分かれば、日本国内での転職においても過度な学びなおしは必要ないと言えるのではないでしょうか。

    では、転職をするのに本当に必要なスキルとは、何か。それは「ダウングレード」する力です。

    ダウングレードとは、あなたが勤めている企業よりも規模の小さい企業、あるいは都心ではなく、地方の企業に狙いを定めて転職すること。こう言うと東京の一流企業に勤めている人ほど「都落ちなんてしたくない」というプライドが邪魔をします。その気持ちはよく分かりますが、実際に転職してみれば「ダウングレード」どころか、「アップグレード」となることが少なくありません。

    中小企業、地方企業、老舗企業は「宝の山」

    中小企業庁によれば、今後10年の間に、70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人に膨れ上がり、そのうち約半数の127万人が現時点では後継者が決まっていません。そうした中小企業は赤字続きと思われるかもしれませんが、現実は真逆。廃業する中小企業の5割は黒字経営で、後継者がいないことが廃業の原因。まさに今こうした高齢化する企業では後継候補を見据えて、ミドルエイジが求められているのです。

    そこでこう考えてみてはどうでしょう。「この会社の後継者になるために、まずは転職して社長の参謀や番頭になるんだ」と。

    例えば、地方の温泉旅館や造り酒屋は、まだまだ成長できるポテンシャルを持っています。その代表例が神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある老舗旅館「元湯 陣屋」です。大正時代に創業、10年前に経営危機に陥りましたが、これを立て直したのは、大手自動車メーカーの元エンジニアだった方のご夫妻でした。

    私が今、狙い目だと思うのは「熱海の温泉旅館」。一時は廃れたかつての一大温泉街は、近年若い起業家が集まり、再び活性化しつつあります。東京都内でということなら「奥多摩の温泉」もポテンシャルを持っているのではないでしょうか。

    また「獺祭(だっさい)」で有名な山口県岩国市の旭酒造も、倒産寸前からブレイクした造り酒屋です。いまやニューヨークや香港、台湾など海外市場も開拓し、2018年9月期の売上高は138億円を超えました。こうしたポテンシャルを持ちながら、今は宝の持ち腐れの造り酒屋は全国にたくさんあります。

    注目すべきは「老舗企業」です。帝国データバンクの調べでは、100年以上の歴史ある企業の倒産・休廃業・解散は2017年度だけでも461件。倒産予備軍の老舗はまだたくさんあるはずで、実はこうした企業への転職があなたのチャンスを広げます。

    最初から信用力とブランド力が備わっているのが老舗の強み。これを活かせば再建できる可能性は高いし、再建できれば実績となり、経営者となれるチャンスが広がるというもの。ダウングレードどころか、シンデレラストーリーが待っています。

    副業から始めるのもグッド!大きなチャンスが広がっている

    会社を辞めるほどの勇気がないという人もいるでしょう。そんな人でもこれからは副業という選択肢を取れることもあるでしょう。

    いまや1円で起業できる時代。物販会社を起業して、勤めながらにして海外の小物を旅行のたびに買い集めて国内で販売したり、逆に日本の優れた商品を海外に販売したりすることだってできます。会社の仲間や、定年して時間を持て余している父親や、妻、恋人などと海外旅行を楽しみながら、骨董品を買い集めて販売するのはどうでしょう。

    あるいは徹底的に趣味に打ち込む。例えば「盆栽」に打ち込めば、ミドルエイジなら20年かけて端正に育て上げれば、一つ100万円単位の値が付く盆栽を育て上げることもできます。または市販のプラモデルでも例えば「戦艦大和」を丹念に組上げ、細部に徹底的に拘り塗装することで、ネットオークションでは40万~50万円の値が付くことだってあります。情熱や時間を注いだ趣味や特技が、世の中に必要とされる可能性が大いにあるのです。

    固定観念に執着すれば可能性は狭まるだけ

    昨年6月、とある市役所の職員が、昼休み前に弁当を注文しに行っていたことが発覚し、減給処分となりました。半年余りの間に26回、就業時間中に3分ほど抜け出していたそうですが、この厳しい処分に違和感を覚えたのは私だけではないでしょう。むしろこの職員の行動は「弁当屋が混まないうちに買いに行けば、それだけ時間が有効活用できるではないか」という考えもあったのではないでしょうか。

    もちろん規則は守らなければなりませんが、「弁当はお昼の時間に買いに行く」ことが常識だという、旧来の価値観や固定観念にとらわれてはいけません。それがあなたの可能性を狭めていると心得てほしい。そう願ってやみません。

    <専門家プロフィール>

    ●文/成毛眞(なるけ まこと)

    1955年北海道生まれ。元マイクロソフト代表取締役社長。中央大学商学部卒業。自動車部品メーカー、株式会社アスキーなどを経て、1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。書評サイト「HONZ」代表も務める。『インプットした情報を「お金」に変える 黄金のアウトプット術』(ポプラ社)、『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略』(PHPビジネス新書)など著書多数。

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