キャリア

理想のキャリアは「休日」でつくる。「土日の6コマ時間割」の使い方


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    目指す姿が明確になれば、必要なものが見えてくる

    望ましいキャリアを描くには、戦略が必要です。ここでは皆さんに、キャリアづくりに不可欠な「休日の活用法」をお伝えしたいと思います。

    その前に、私の友人Sさんの話をしましょう。彼の実家は不動産業を営んでおりました。彼は父親から跡を継いでほしいという期待を一身に受けながらも、それに反発して大学を卒業すると、不動産とは全く関係のない石油会社に就職しました。そして、順風満帆にその会社でキャリアを積んでいったのです。

    40代半ばの頃、同窓会で集まった時に、いつもなら率先して「2次会に行こう!」と、みんなを誘う立場のSさんが、「今日は1次会で帰る」と言うではありませんか。不審に思った同級生たちが問い詰めると、「資格試験の勉強をするから」とのこと。「何の資格だ?」とさらに追及すると、「宅建(宅地建物取引士)の資格」と言うのです。

    宅建の資格は不動産業者には欠かせない資格です。しかし、石油会社に勤めるSさんがなぜ?みんな不思議そうな表情をしました。

    すると、「実は親父ももう引退だし、やっぱり跡を継ぐのは自分しかいないと思って」と正直な気持ちを話してくれました。そして、彼は平日の夜と休日をその勉強時間に充て、見事に一発で宅建の資格試験に合格したのです。

    やがて50代になり、Sさんは早期定年退職制度を使い石油会社を退職し、実家に戻り不動産業の跡を継いだという次第です。

    まずお伝えしたいのは、目指すキャリアが明確になると、そのために必要となる知識や経験、スキル、資格などがはっきりするということです。

    理想のキャリアづくりには、まずゴール設定ありきで、「将来の望ましい自分」像を思い描くのです。そうすれば、そのために必要なものが自ずと見えてきます。現状の自分に何を加えると、理想に近づくのか……が。Sさんは何年も前から計画していたということですね。

    オンとオフの間のグレーゾーンの使い方によって、未来の自分は決まる

    実は、キャリアづくりと料理は似ていて、最終的な食べたいメニューが決まるから、調理法や調味料も決まってきます。

    冷蔵庫の中に「牛肉、玉ねぎ、人参、ジャガイモ」があって、「よし、カレーをつくろう」と思い立ったら、何をおいてもカレーのルーを探しますよね。なければ、コンビニに買いに走り出すはずです。同様に、肉じゃがをつくるのなら、醤油とみりんが欠かせません。ね、不動産業に宅建の資格が不可欠なのと同じでしょ?

    話が逸れてしまいましたが、理想のキャリアづくりに必要なものを自分で獲得していくのに、平日の夜や休日はとても貴重な時間なのです。

    例えば、「将来、海外の人たちを相手に国際的な仕事をしたい」と思って、語学の習得を思い立ったとしましょう。あなたは、いつ勉強しますか?会社で働いているオンの時間は、あなたが現在保有しているスキルや知識を業務に発揮した結果として、会社から給料を貰っています。お金という報酬を貰いながら、将来の自分のためだけに勉強することはできません。

    つまり、オフの中から未来の自分をつくるための時間を捻出するしかないのです。言い換えれば、オンとオフの間に、どれだけ自分に投資できるグレーゾーンの時間を作れるかが、理想のキャリアづくりを左右するということです。

    休日をのんべんだらりと終わらせないための「土日の6コマ時間割」

    金曜の夜に飲み会に参加して、次の土曜は昼過ぎまでベッドでダラダラしていたという経験はありませんか?中途半端にブランチを食べて、ビールを飲みながらソファでスポーツ中継などを見ていると、すぐに夕方になってしまい、あっという間に何もしない休日が終わってしまった……、誰にでもあることですね。本当にもったいない話です。

    土日の週休2日が前提になりますが、私は「土日の6コマ時間割」という考え方で、休日について有益な時間を過ごす活用法を実践しています。それは、土日をそれぞれ「午前」「午後」「夜」の3つの時間帯に分け、3×2の合計6コマで時間帯管理をするというものです。

    至ってシンプルな方法なのに、使おうと思った瞬間から、休日の充実度が劇的に変わります。最も大きな変化は、土曜の午前中の使い方です。

    多くの人は、平日の疲れから「土曜の朝くらいは……」と、何もせずにボーっと過ごすことが多いもの。しかし、そこで寝すぎてしまうと、日曜の朝もそうなって、月曜の朝のリズムまで崩してしまうことがあります。そんな経験ありませんか?

    しかし、6コマ時間割の最初のコマだと思えば、残り5コマを有効に使うために、ここで頑張ろうという気持ちになるのです。昼まで寝たら1コマ失うことになりますから。

    私の場合、掃除・洗濯・書斎の片づけ・クリーニングの出し入れ・食料や日常品の買い物などの雑事は、この最初のコマで済ませるようにしています。すると、あとの5コマは自分が自由に使える時間になります。

    時間割を考えない土日は、ただ2日という単位でしかありませんが、一日を三分割した6コマを基本単位にすると、そのコマという枠があるだけで、時間が増えた感覚になります。そこに何かを当てはめて埋めようとする力が働くからかもしれませんが、やれることが3倍になった気持ちになるのです。

    例えば、雑用に1コマ、家族のために2コマ、趣味に1コマ、自分の将来のための読書や資格取得の勉強に1コマ……というように。ほら、これでもまだ1コマ余ります。友人とお茶する時間もさらに設けられます。私の趣味は映画ですが、少なくとも週に1回は劇場で映画を見るようにしています。もう何年も続く習慣ですが、これも「土日の6コマ時間割」のおかげだと思っています。

    6コマのうち1コマでもいいですから、毎週その1コマを未来のキャリアづくりのための時間に使ってみてください。テレビやラジオの語学講座で学ぶのもいいでしょうし、資格を取得するための勉強時間に充てたり、専門学校に通ったりしてもいいかもしれません。

    「土日の6コマ時間割」を活用して、未来の自分に時間を投資することをぜひともお勧めします。きっとそこからあなたの新たなキャリアが拓けてくるはずです。

    <専門家プロフィール>

    ●文/田中和彦(たなか かずひこ)

    株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、リクルートに入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社ギャガのプロデューサー、キネマ旬報社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行なってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。

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