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家計改善に努力は不要!風呂内さんの「なぜか貯まる」のススメ【第4回】お得なうえに家計管理にも役立つ!キャッシュレス決済


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    普及が進みつつあるキャッシュレス決済。昔からあるクレジットカード決済のほか、電子マネーやバーコードによる決済などさまざまな種類があり、何をどう使えばいいのかよく分からないとお悩みの人は少なくないのではないでしょうか。キャッシュレス決済の種類から家計にプラスになる上手な使い方まで、「フロウチーナ」ことファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに教えていただきます。

    ※各キャッシュレス決済のサービス内容等は2021年3月時点のものです。

    キャッシュレス決済の種類を整理整頓

    キャッシュレス決済とは、一言で言うと現金以外で支払いをする方法。昔から使われているクレジットカードから、電車に乗るときなどに日常的に使うSuicaなどの交通系電子マネー、ここ数年で急速に普及してきたPayPayなどのコード決済まで、いずれもキャッシュレス決済の一種です。

    他にもキャッシュレス決済にはさまざまなものがあります。自分に合ったものを上手に選ぶために、まずはキャッシュレス決済の種類を整理整頓してみましょう。「それには『実際にお金を支払うタイミング』と『操作性』という2点に注目して分類すると分かりやすいでしょう」と風呂内さんは話します。

    「実際にお金を支払うタイミング」には「後払い」「即払い」「前払い」の3種類があります。クレジットカードのように使ったお金が後から口座引き落としされるのが後払い、デビットカードのようにお金を使うと同時に口座からお金が引き落とされるのが即払い、プリペイドカードなど事前にお金をチャージしてから使うのが前払いです。

    「操作性」には「接触型」「非接触型」「コード決済」の3種類があると風呂内さん。「接触型とはカードを読み取り機に差し込んだりスライドさせたりして情報を読み取らせる手法、非接触型とはカードやスマホを読み取り機にかざしたりタッチしたりする手法、コード決済とはバーコードなどを使ってお金を支払う手法です」(風呂内さん)

    お金を支払うタイミング3種類と操作性3種類を掛け合わせると、9つのマトリックスができます。ここにそれぞれのキャッシュレス決済を分類したのが下の表です。「どのパターンに分類できるか意識すれば、自分が利用しているキャッシュレス決済がどういったサービスなのか判断しやすくなります」

    家計管理のしやすさは抜群!感染予防にも効果的

    次にキャッシュレス決済のメリットについて風呂内さんに伺っていきましょう。

    「ポイント還元が注目されがちですが、家計管理のうえでも大きなメリットがあります。なぜなら、お金を使った記録が自動的に残るからです。日ごろ、家計簿をつけていなくても、家計を見直そうと思いついたタイミングで過去の支出のデータをある程度まで遡ってチェックできるので、何に使い過ぎているのかといった問題点の分析が素早くできます。記録が残ることで使途不明金の発生も防げるため、家計管理がしやすくなります」

    キャッシュレス決済により現金の支出が減るため、ATMを使う回数が減り、時間外手数料などのコストが減るのもメリットです。また、出かけるとき、必要最小限の現金だけ持てばいいので、お財布をミニ財布などに切り替えれば荷物は少なくなりますし、レジで現金の出し入れにかかる手間と時間も減らせます。

    「コロナ禍にあっては、感染予防にもつながるのがキャッシュレス決済のメリット。非接触型やコード決済など他人と接触せずに決済できる手段の場合はもちろん、クレジットカードなど接触型の決済であっても、現金ほどは人との接触がないからです」と風呂内さんは話します。

    もちろん、ポイント還元もキャッシュレス決済のメリットといえます。特にポイントアップキャンペーンなどを実施すると、時に5~20%還元されることもあるほどです。ただこれは、企業がサービス普及のための広告・宣伝費として負担しているもの。お得な還元はいつまでも続くものではないということを頭の片隅に入れておきましょう。

    ■キャッシュレス決済のメリット

    ◎家計の見直しなど家計管理がしやすくなる
    ◎ポイント還元を受けられる
    ◎ATMで現金を引出す頻度が低下し、足を運ぶ時間と手間を節約
     ATM利用にかかるコストも低減
    ◎荷物が減る(現金の携帯は必要最小限。ミニ財布などへの切り替えも可能)
    ◎他人との接触がおおむね避けられ、感染予防になる

    キャッシュレス決済のデメリットと注意点

    ただし、キャッシュレス決済にはデメリットもあります。「まず挙げられるのが、手段がたくさんあるのでどれを選べばいいのか迷ってしまうこと。それから、せっかく選んだ決済手段にお店が対応していない場合があるということです。現金とは違ってお金を使っている実感が得にくいため、つい使い過ぎてしまうおそれがあるのも要注意です」(風呂内さん)

    ポイントを貯めることが目的化してしまい、使い過ぎることもよくあるケースだと風呂内さんは指摘します。

    「セキュリティも気になります。キャッシュレス決済だと現金と違って紛失や盗難といった物理的なリスクは低いですが、ネット上で知らないうちにパスワードを盗み取られて不正使用されるといった、現金にはないデジタル的なリスクがあります」(風呂内さん)

    選ぶのに迷い、セキュリティ上のリスクもあるとなると、パソコンやスマホなどデジタルまわりに苦手意識を持つ人にとっては、キャッシュレス決済利用のハードルが高くなりそう。「とはいえ、世間の潮流や家計管理上、キャッシュレス決済のメリットはデメリットを上回ってきている傾向があります。ぜひチャレンジすることをお勧めします」

    もう一つ注意したいのが災害時。「地震などで停電が起きるとキャッシュレス決済が使えなくなるおそれがあります。一方、火災や水害発生時のことを考えると、現金のみというのも紛失や持ち出しできないケースが想定され、同じく不安が残ります。災害への備えとして、現金とキャッシュレス決済の両方を用意しておけば心強いといえるでしょう」

    ■キャッシュレス決済のデメリット

    ◎種類が多く、どれを使えばよいか迷ってしまうことも
    ◎利用したい決済手段に店舗が対応していない場合がある
    ◎お金を使っている実感が持ちにくく、使い過ぎてしまうおそれがある
    ◎ポイント獲得が目的化し、使い過ぎてしまうおそれがある
    ◎デジタル面でのセキュリティのリスクが高い
    ◎災害時に停電などで使えないおそれがある

    家計管理にどう生かす?

    実際にどのような場面でどのキャッシュレス決済を使えばいいのか、風呂内さんのアドバイスを伺いましょう。

    「私がお勧めするのは、使途に応じて『後払いのクレジットカード』『即払いのデビットカード』『前払いのプリペイドカード』などと使い分ける方法です」(風呂内さん)

    クレジットカードの後払いは光熱費の引き落としなども含め、大抵の支払いに対応できるオールマイティな手段だと風呂内さん。「ただし、何でも後払いすると使い過ぎるおそれがあります。そこで、気分によって使う金額が変動することがない固定費についてはクレジットカードを使い、気を緩めるとつい使い過ぎてしまう傾向のある変動費については、予算管理をしたうえで即払いのデビットカードや前払いのプリペイドカード、コード決済を使うといいでしょう」

    固定費とは毎月ほぼ決まった金額がかかる光熱費、通信費、保険料などのこと。変動費とは食費や被服費、交際費などのことです。「変動費については費目別に予算を立て、月初や給料日などの特定の日に予算の金額をデビットカードの引き落とし口座に入金する、あるいはプリペイドカードにチャージします。こうすると予算を超えてお金を使うことが防げます」

    「これが基本となりますが、キャッシュレス決済だと変動費の予算を守れそうにない、チャージした金額が少なくなるとまたチャージしてしまいそうという人は、キャッシュレス決済は固定費のクレジットカード払いだけにして、変動費は現金で管理しましょう。逆に、現金でもキャッシュレス決済でも消費行動は変わらないという自信がある人は、全てクレジットカード払いにしてもOKです」

    また、前払いについては、キャッシュレス決済に慣れないうちは電子マネーなどを利用し、慣れてきたらコード決済を使うといったように段階を踏みながら、自分に合った手段を選ぶことを風呂内さんはお勧めします。

    不正使用などの防止のために月に1度は身に覚えのない支出などがないか、チェックすることも重要です。「スマホの家計簿アプリに、ご自身が利用しているキャッシュレス決済を取り込んでおくと、気付いたときにいつでもチェックできます」(風呂内さん)

    一定額以下の支払いならサインや暗証番号の必要がなく、かざすだけで決済できるコンタクトレス(非接触型)のクレジットカードなど、まだあまり親しまれていないキャッシュレス決済の手段も広がりつつあります。「まずは紹介した方法でキャッシュレス決済に親しみながら、わが家に合った新しい手段が出てきたときに対応できるように心がけましょう」

    ■風呂内さんお勧めのキャッシュレス決済の使い分け術

    ◎キャッシュレス決済だと浪費のおそれがある人
     固定費はクレジットカード
     変動費は現金払い

    ◎気分によってお金の使い方が変わる人
     固定費はクレジットカード
     変動費は予算立てのうえ、デビットカードやプリペイドカードを活用

    ◎現金でもキャッシュレス決済でも消費行動が変わらない自信がある人
     固定費も変動費もクレジットカード

    子どもに持たせるなら交通系電子マネー

    子どものお小遣いは現金で、というご家庭はまだまだ多いかと思いますが、キャッシュレス決済の中には子どもでも利用できるサービスがあります。子どもにキャッシュレス決済の手段を持たせるとしたら何がお勧めか、風呂内さんに伺いました。

    「最近はお小遣いをSuicaやPASMOなどの交通系電子マネーで渡すご家庭も出てきています」(風呂内さん)

    塾やお稽古事に通う際の交通費も兼ねているようですが、「交通費以外に使った場合、『物販』として記録が残るので『これは何に使ったか思い出せる?』と子どもに尋ねることで、お金の使い方を話し合うきっかけ作りができます」

    お金を使った記録は駅の券売機で出せるほか、スマホのアプリを利用して確認することもできます。子どもの年齢に合わせてお金の使い方はある程度本人に任せつつ、親もしっかり管理できる交通系電子マネーをうまく活用してはいかがでしょうか。

    文/萬真知子 撮影/稲垣純也

    <プロフィール>

    風呂内亜矢 氏

    1978年生まれ。岡山県出身。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ。著書に『コツコツ続けてしっかり増やす! つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)、『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(三笠書房)などがある。YouTubeでは日記をベースとするvlogにお金に関する情報を織り込む『FUROUCHI vlog』も更新。

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