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風呂内亜矢さんの「なぜか貯まる」家計のススメ【第3回】コツコツ投資が将来、家族の笑顔をつくる!


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    住宅ローンを支払い、教育資金を賄いつつ、さらに老後資金まで貯めるなんてとても無理――。そう考える子育て世帯は多いでしょう。しかし、少額ずつでも早くから投資を始めることで時間を味方につければ、セカンドライフの入り口までに自然とまとまった資金が貯まるはずです。それにはまず何から始めたらいいのか、「フロウチーナ」ことファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、はじめの一歩の踏み出し方を教えていただきました。

    投資の目的は大儲けすることではない

    投資とは大儲けをするためにお金持ちがすること。投資先を見誤ると大やけどする――。投資に対して、このようなハイリスク・ハイリターンのイメージを持っている方は少なくないのではないでしょうか。しかしこれは誤った認識。「投資は、一般的な収入の方が資産形成をするのに有効な手段であり、お金の価値を維持するための術」だと風呂内さんは話します。

    例えば今、ジュースが1本100円だとしましょう。1000円あれば10本買えます。ところが10年後にジュースが1本200円に値上がりしたとすると、1000円で買えるのは5本だけ。1000円の価値がジュース10本分から5本分に下がったわけです。

    「このようにお金の価値は変動します。資産形成を考えるときに怖いのは上記の例のように物価が上昇するインフレです。額面は同じ100万円でも10年後に物価が倍になっていたら、100万円は現状の50万円の価値しかなくなってしまいます」(風呂内さん)。その対策の1つが投資です。

    株式や投資信託などの価格は、好景気や物価の上昇とともに上がる傾向があります。超低金利の預貯金だけだと将来のインフレに備えるには力不足なので、資産の一部に投資商品を組入れるのは合理的な選択。「投資を資産の適切な保管場所と捉えてはいかがでしょうか」と風呂内さんは提案します。今は資金的なハードルも下がり、月100円からなど少額から投資ができるようになっているので気軽に始められます。

    投資をする前に生活費の3~6カ月分の貯蓄を確保

    資産形成のための投資は、「時間を味方につける」ことが肝心。つまり、早くから始めて投資期間を長くすることで少しずつ資産を増やしていくのが理想です。しかし、株式や投資信託などの投資商品は市場の変動により値動きし、元本保証ではありません。そのため、子どもの教育資金がかかるような子育て世帯が、貯蓄ゼロの状態でスタートするのはNGだと風呂内さんは指摘します。「投資を始める前に一定の貯蓄を確保しておくことが重要です。そうすれば病気や失業などの不測の事態に備えられます」(風呂内さん)

    一方、貯蓄を確保しないまま投資を始めてしまうと、子どもの私立校への入学が決まったときの入学金など、何かでまとまったお金が必要になったときに投資商品を売却しなければならない事態に。「商品が値下がりしているタイミングだと損失が確定してしまいます。こうした失敗はぜひとも避けたいところです」

    ではどのぐらい貯蓄を確保していればよいのでしょう。目安は下記のとおりだと風呂内さんは話します。

    ■投資をする前に確保しておきたい貯蓄額の目安は?

    • 会社員:生活費の3~6カ月分
    • フリーランスや自営業:生活費の1年分

    「心配性な方は多めに準備を。会社員だけど生活費の6カ月分では不安だという方は1年分確保するといった具合です」と風呂内さんは話します。

    では、既に一定の貯蓄を確保している場合は、どの程度投資に充ててよいのでしょうか。

    「すぐに使う予定のない余裕資金を充てるのが基本です。ただし余裕資金であっても、値下がりすると不安にかられることも。自分の場合、値下がりしても再び値が戻るのを待てる投資額はいくらぐらいか考えて、慎重に判断しましょう」

    初心者向けの投資法の王道はコツコツ行なう「積立投資」

    次に投資の方法です。「初心者向けの王道は積立投資です」(風呂内さん)。積立投資とは、毎月一定額ずつ投資商品を購入する手法。代表的なのは投資信託の積立です。

    値動きのリスクを抑えながら資産形成をするには「長期・分散・積立」がポイントになると言われています。投資を長期的に継続し、投資対象は1つに絞らず分散、さらに定期的に一定額ずつ購入して高値掴みを防ぐこと。幅広い銘柄に分散する投資信託の積立であれば、3つのポイントを全て満たします。

    「月100円からでも始められるので、家計に合わせて無理のない金額を設定できます」。一度手続きをすれば、あとは自動的に積立が進むので、忙しい子育て世代でも楽に投資が続けられますね。

    *最低積立金額は金融機関により異なります。

    年40万円の非課税枠がある「つみたてNISA」を活用

    「積立投資をするなら税制優遇制度の『つみたてNISA』を活用するのがおすすめです」(風呂内さん)。つみたてNISAは年間投資上限40万円(月3万3000円程度)の範囲で積立投資ができる制度。通常、約20%かかる利益への課税が非課税になるので有利に資産形成ができます。

    「つみたてNISAの対象商品には金融庁が長期的な積立投資に向くと認めた投資信託がラインアップされているので、初心者の方にも選びやすくなっています」。風呂内さんがおすすめするのは、日本株式に投資する投資信託と、外国株式に投資する投資信託を組合わせて積立をすること。「組合わせの比率は『日本株式3:外国株式1』、つまり日本株式に75%、外国株式に25%という配分で始めてみてはいかがでしょうか。慣れてきたら外国株式の比率を増やすのも手です」。外国株式については先進国株式に投資する投資信託を選ぶのが基本ですが、チャレンジしたい方は一部(全体の5〜10%程度)を新興国株式にしてもよいと風呂内さんはアドバイスします。

    • 日本株式に投資する投資信託(75%)

      例:日本株式のインデックスファンド(日経225、TOPIX)

    • 外国株式に投資する投資信託(25%)

      例:先進国株式のインデックスファンド、新興国株式のインデックスファンド

    積立投資に充てる金額は、はじめのうちは毎月の貯蓄額の5〜10%が目安。「例えば毎月の貯蓄額が5万円のご家庭なら、積立投資に充てる金額は5000円までとしましょう。このぐらいなら値動きしてもあまり不安にならないと思います。慣れてきたら毎月の貯蓄額の20%ぐらいまで引上げてもいいでしょう」

    「定期的な積立投資」にプラスα「スポット買い」

    ここまで積立投資を紹介してきましたが、長期的な積立だけでなく、個別銘柄も気になる、という方もいるでしょう。

    積立投資は資産形成には外せないしくみですが、値動きをダイレクトに実感できません。ならば、積立投資をベースに個別銘柄もプラスしてみてはいかがでしょうか。「まずは数万円~10万円程度の予算で国内株式の個別銘柄を買ってみましょう。個人的に応援したい企業の銘柄を購入するもよし、優待目当てに銘柄を選ぶのもよし。積立投資と比べて、ダイレクトに値動きを感じられます」

    風呂内さんによると、「個別銘柄を選ぶにあたっては、予算の範囲内で、商品をよく知っている会社など親しみの持てる銘柄に絞り込み、さらにその中から一定の出来高(売買が成立した株数。取引のしやすさを示す)がある銘柄を選ぶとよいでしょう」、とのこと。ただし、個別銘柄の株価は投資信託よりも変動が大きくなる場合があり、積立投資より少しハードルが上がりますので、購入のタイミングは慎重に検討しましょう。

    ほかには、日経平均株価の値動きへの連動を目指すETF(上場投資信託)も選択肢になると風呂内さん。日経平均株価は平日毎日報道されるので、投資をしたことがない方でも耳慣れているはず。「自分が買いたい金額を指定して購入することもできるので(指値)、値動きをチェックすることに慣れてきたら、下がったニュースが出たタイミングで購入する、といったことも可能です」(風呂内さん)。ただし、個別銘柄への投資と同様、積立投資よりも売買のタイミングの見極めが必要になります。

    これまで3回にわたり、「なぜか貯まる」をキーワードに子育て家庭の家計を改善するワザをご紹介してまいりました。日々の支出に細かく目を光らせるのではなく、家計全体を見渡して無駄を省き、給与の一定割合を堅実に貯蓄しつつ、将来に向けて投資も始めることが、将来の安定につながります。パートナーと将来について話し合ってみてはいかがでしょうか。

    文/萬真知子 撮影/稲垣純也

    <プロフィール>

    風呂内亜矢 氏

    1978年生まれ。岡山県出身。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ。著書に『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)、『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(三笠書房)などがある。

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