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風呂内亜矢さんの「なぜか貯まる」家計のススメ【第2回】これで家庭円満!夫婦で考える家計管理術


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    将来に向けて早いうちからお金を貯めたい。そのためには、日々の我慢や節約が肝心――。そう考える方は多いでしょう。しかし、頑張らなくてもなぜか貯まる家計にするためのしくみがあるとしたら……?「フロウチーナ」こと、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、楽して貯める技を教えていただきましょう。第2回のテーマは「夫婦で家計管理」です。夫婦でお金の話をするのは気まずいこともありますが、放置していては、貯まらない家計からの脱却は難しいでしょう。夫婦でお金の話をするきっかけづくりから、貯蓄がスムーズに進む家計管理方法までアドバイスします。

    貯まらない家計に共通する問題点とは?

    風呂内さんが、お金が貯まらない家庭に共通する問題点として挙げるのが「夫婦でお金の話をしない」ことです。「話をしないことにはお互いのお金に対する価値観、つまり何にお金をかけたいかが分からず将来のプランが立てにくいですし、どちらかがお金のことで困っていることにも気付けない。最悪の場合、どちらかが知らないうちに借金をして家計に大きな穴を開けるといったリスクもあり得ます。お金の話を避けていて、良いことは一つもありません」と風呂内さんは断言します。

    よくあるのが共働き家庭で妻が出産し、産休や育児休業に入って、収入減になったケース。出産前は夫が家賃を、妻が食費を負担していましたが、収入が減ってからは、妻は貯蓄を切り崩しながらやりくりしているといったイメージです。その苦しい状況を夫に気付いてほしいけれど、夫は気が回らない様子。しびれを切らした妻が思いきって話をしてみると、夫は「そうだったのか、分からなかったよ。じゃあ食費は折半しよう」と拍子抜けするほどあっさり問題解決へ……といったことはよくあります。

    「早く話をしていれば悩む必要もなかったわけですが、夫婦間でお金の話をすると、相手のお金を当てにしていると思われそうで言い出せない。そういう人は案外多いものです。でも話さなければ、相手はこちらが困っていることに気付かない。夫婦どちらかの苦労を2人でうまく調整する方法を見つけるためにも、お金の話を気軽にできる関係になることはとても大切です」

    夫婦で「一緒にやりたいことリスト」を作る

    では、どんなことから話をすればいいのでしょうか。「いきなりお金そのものの話をするのは難しいでしょうから、まずは夫婦で『一緒にやりたいことリスト』を作ることをお勧めします」と風呂内さんは話します。

    一緒にやりたいことリストとは、夫婦でいつ頃どんなことを実現したいのかをまとめたもの。例えば、

    • 来年の夏休みに北欧へ旅行したい
    • 2年後に車を買替えたい
    • この春小学校に入学する長女に中学受験をさせたい
    • 5年以内に夫婦の勤務先から1時間以内の駅近に、80㎡ぐらいのマンションを買いたい

    といったように、夫婦に共通するプランを挙げてリストを作ります。「期日を特に決めず『健康に暮らしたい』という漠然とした項目を加えても構いません。柔軟な発想で話し合いながら書き出してみましょう」

    「リスト作りをする過程でそれを実現するにはいくらかかるかが話題にのぼるでしょうから、自然とお金の話ができると思います。夫婦でやりたいことをすり合わせていく中で、お互いのお金に対する価値観や考え方も分かってくるでしょう。わが家でも2013年にリストを作りましたが、かなり実現しましたよ」

    プラン実現にかかる費用が浮かび上がってくると、「やはりお金を貯めなければ」と貯蓄のモチベーションも高まってくるはずです。そこまですり合わせができたら、次のステップとして家計管理に取組みましょう。

    共働き家庭のフェアな家計管理法とは?

    ここでは共働き家庭(夫婦とも会社員)を前提に家計管理の方法を紹介します。「共働き家庭の家計管理法には次の3つのパターンがあります」と風呂内さん。

    ①完全お小遣い制

    • 夫婦の給与(手取り、以下同様)を合算して生活費や貯蓄を管理。
    • 合算した分から、夫婦それぞれが自由に使えるお小遣いを受取る。

    ②夫婦分業制

    • 夫婦で生活費担当、貯蓄担当を分ける。
    • 夫の給与を生活費に充てるなら、妻の給与は貯蓄に充てる。各自が自由に使えるお小遣いの金額はあらかじめ決めて分けておく。

    ③割合負担管理制

    • 夫婦の給与の一定割合を「家庭のためのお金(生活費+家庭用の貯蓄)」に充て、残りをそれぞれが自由に使える「自分のためのお金(お小遣い+自分用の貯蓄)」とする。

    最もストイックでお金が貯まるのは①、続いて②だと風呂内さん。「ですがストイックな方法だけに『合う・合わない』があります。私がお勧めするのは③です」。例えば給与の8割を家庭のためのお金に、残り2割を自由に使えるお金とするといった具合。「夫婦それぞれが給与に対して同じ割合を家庭のために出すので、夫婦に収入差がある場合でも、最もフェアな方法だと考えます。家庭のためのお金の部分は家計簿アプリなどで共有してしっかり管理し、自由に使える部分は互いに干渉しないと決めれば、ストレスなく貯まる家計に改善できると思います」

    家計管理のしくみ作りの方法は?

    具体例で見ていきましょう。

    《ケース》

    ●夫の給与(手取り)/30万円
    ●妻の給与(手取り)/20万円
    ●負担割合/家庭のためのお金(生活費+家庭用の貯蓄)は8割、自分のためのお金(お小遣い+自分用の貯蓄)は2割

    このケースでは1カ月につき、夫は家庭のためのお金として30万円の8割に当たる24万円、妻は20万円の8割に当たる16万円を出すことになります。

    「家庭のためのお金」はさらに生活費と家庭用の貯蓄に割り振ります。家庭用の貯蓄とは住宅購入資金や教育費などに充てる貯蓄のことです。家庭用の貯蓄でも先々何が起こるか分からないので、夫婦それぞれの名義で貯めていくとよいでしょう。仮に生活費を8割、家庭用の貯蓄を2割とすると、夫は生活費として19万2000円、家庭用の貯蓄として4万8000円を負担することになります。妻は生活費として12万8000円、家庭用の貯蓄として3万2000円を負担します。

    「『家庭のためのお金』は夫婦それぞれが生活費用の口座を作り、給与振込口座から資金移動するようにしましょう。生活費の費目の割り振りは、それぞれの負担の範囲に収まるように決めます。実際の生活費が決めた範囲に収まれば、夫の口座には毎月4万8000円ずつ、妻の口座では毎月3万2000円ずつ貯蓄が貯まっていくはずです。本当にその通りになるか、夫婦それぞれの生活費用の口座を家計簿アプリで連携して、お互い確認し合えば安心です」

    「自分のためのお金」はそれぞれの裁量で管理すればOK。「このケースのように給与の2割を充てるなら全部使ってはダメ。お小遣いと自分用の貯蓄に半分ずつ割り振りましょう」。自分用の貯蓄は欲しいものを買うために使ってもいいですし、老後に備えて投資に充てるのも選択肢です。

    共働き家庭の貯蓄額の目安は手取りの20~30%

    実際にこの方法に取組む場合、「家庭のためのお金」と「自分のためのお金」の配分は、各家庭の支出の状況などに合わせて設定しましょう。よく分からないなら、まずは上記のような配分にしてみるのも一つの手です。「実行してみてうまくいかない部分は夫婦で話し合い、費目の割り振りなどを調整しましょう。食費や交際費などの変動費は月によりバラツキがあると思いますので、1~2年試行錯誤してみてください」。少々手間がかかりますが、ここでエネルギーを注いでおけば、その後はなぜかお金が貯まっていく家計に変身しているはずだと風呂内さん。「それを楽しみに焦らず取組むことが大事です」

    なお前述のケースでは、家庭のための貯蓄と自分用の貯蓄の額を合わせると給与(手取り)の26%に相当します。「共働き家庭の場合は給与(手取り)の20~30%が貯蓄額の目安と言われています。それも参考に配分を考えましょう」。貯蓄がある程度進んできたら次のステップは投資です。次回は初心者に向けた投資術を風呂内さんに伺いますので、どうぞお楽しみに。

    文/萬真知子 撮影/稲垣純也

    プロフィール

    風呂内亜矢 氏

    1978年生まれ。岡山県出身。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ。著書に『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)、『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(三笠書房)などがある。

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